天然石アクセサリー 解説(1)
天然石ルースについて
天然石アクセサリーのメインパーツとして使用されるルースストーン(裸石)は通称「ルース」と呼ばれており、ビーズの様に穴は空いておらず台座や枠などにまだセットされていない宝石・天然石のことを指します。
ルースは研磨やカッティングが施されている場合がほとんどで、美しいカットが施された高額な宝石などは資産として考えられる場合もあるくらいです。
天然石ルースには大きく3つのタイプに分かれます。
【カボション タイプ】
カボションとはドーム形状が特徴のルースストーンで底面はほぼ平らなフラット形状、表面のドーム部分はツルっと丸く研磨されているものが多いですが中にはカットされたもの(ローズカット)や彫刻が施されたものも見られます。 形状も丸いラウンド形状、楕円のオーバル形状、ペアシェイプ、フリーフォームなどがありサイズも様々です。 底面がフラットなので指輪やペンダント、バングルやバックルのメインストーンに使用されることが多く、使いやすいことから天然石アクセサリーを制作するハンドメイドジュエラーから人気の高いルースストーンです。
【ファセット タイプ】
主に宝石質のルースストーンにみられる「ルースの王道」と呼ぶにふさわしいタイプです。 ヨーロッパのルネサンス時代に貴族や宝石商からの注文に、当時のジュエリー職人が腕を競い合うことで生まれたカット技術が現在の宝石カットの基礎となったといわれています。 天然石・宝石の表面に光を屈折させるための角度の違う複数の面を作ることによって石の内部からキラキラと輝くように見える技法が用いられています。 有名なところではダイヤモンドのブリリアントカットやステップカット、エメラルドカットなどカット自体に名前がついたものもあります。 光を屈折させて輝きを出すため、爪留めの指輪やペンダントに利用されることが多いルースストーンです。
【タンブル・ラフロックタイプ】
特にカットなどを加えず研磨のみで石の光沢や表情を活かす特徴を持っています。例を挙げるとタンブルではレインボークリスタルの内部の虹であったり、モルダバイトのラフロックでは 隕石衝突で起きた原石の凹凸などその石自体の魅力をクローズアップしています。しかしルース自体が定型ではないのでワイヤーワークやマクラメ編みなどで使われることが多いルースストーンです。
当店では上記3タイプをそれぞれ取り扱っております。気になる石がございましたら、それぞれの天然石カテゴリまたは1点ものページからご覧ください。 当店に取り扱いのない商品はリクエストも承っております。その際はリクエストフォーム から取り扱い希望商品をお送りください。
天然石アクセサリー 解説(2)
天然石ブレスレット(パワーストーンブレスレット)について
2000年代前半に始まったパワーストーンブーム以降、天然石アクセサリーとしてブレスレットを身に着けている方をよく見かけるようになりました。ファッション・お守り・願掛けアイテムとして、その多様性はカジュアルファッションのみならずビジネスファッションのシーンにおいても広がり、人々のライフスタイルの一部として定着していきました。
また、天然石ブレスレットのユーザーは女性だけでなく、男性もつけることが多くなっています。男性向けのサイズの大きい丸玉ビーズの天然石ブレスレットも現在は多く流通しています。
身に着けるブレスレットのビーズサイズは女性は約6mm〜12mm、男性は約8mm〜16mm程度のものが主流になっています。
天然石ブレスレットの歴史は古く、エジプト文明やメソポタミア文明でも身に付けられていました。当時は装飾というよりも宗教的・呪術的に使用されていたといわれ、水晶やラピスラズリが主に用いられていたということが近年の研究でわかってきています。
そして時代が経過するにつれて装飾目的としてブレスレットは発展を遂げて、中世ヨーロッパでは金属製のバングルに天然石・宝石をあしらった豪華なものが登場し、その精巧さや豪華さが貴族の間でのステータスになったといわれています。19世紀のイギリスのヴィクトリア女王の肖像画に描かれたブレスレットにはとても細かな細工が見て取れます。
1940年代以降、アメリカでブレスレットが流行したことでブレスレットが日本にも広がりました。アクセサリーとしての認知も上がり、ブレスレットは指輪やネックレスと同じように「ライフスタイルアクセサリー」としての基盤ができたように思います。
そして今日の「ゴムブレスレット」「数珠ブレスレット」「パワーストーンブレスレット」と呼ばれる製品につながります。ゴムブレスレットは伸縮性の高いポリウレタンのゴムに天然石ビーズを通して作られたもので、トレンドカラーや人気の天然石を組み合わせて作成されています。ゴムではなくワイヤーを通して留め具を入れたり、石と石の間にメタルパーツを入れたりなどデザイン性も高く、 ハンドメイドできる手軽さからここまで普及したように思います。
当店では「ブレスレット」の状態で入荷している商品もございます。もちろんそのまま天然石アクセサリーとしてご使用頂くことも可能ですし、一度ブレスレットをばらして素材を組み替えて再度ブレスレットを制作されたり、ばらしてパーツとしてピアスなど別の用途に素材としてご利用頂くなど、お客様のアイデア次第で様々な用途でご利用頂けます。
天然石ブレスレット(パワーストーンブレスレット)適正サイズ表
女性の平均的な手首周りは15〜16cmです。男性の平均的な手首周りは17〜18cmです。
ご自身の手首周りよりも1粒多いとゆったりした感じのブレスレットになります。
丸玉ビーズとその個数から手首周りのサイズを割り出せますので参考にしてください。
当店で販売しているブレスレット商品もこちらの表でおおよそのサイズは想定することが可能です。ご希望のサイズよりも小さい場合はワイヤーと留め具に変更して調整いただいたり、別のビーズを追加して調整いただくことをお勧めします。
天然石アクセサリー 解説(3)
天然石ペンダントについて
天然石ブレスレットと同様にユーザーが多く、天然石アクセサリーとしてライフスタイルに溶け込んでいるのが天然石ペンダントです。
バリエーションも多く、サイズも存在感のある大きなものから宝石をあしらった小さなものまで様々です。
天然石ペンダントもルースと同様大きく3つに分かれます。
【枠留めタイプ】
主にカボションを使用して金属製の枠で天然石を留めたペンダントが枠留めタイプです。枠の金属は18金や10金、シルバー925が主流です。枠やチェーンを通すバチカン自体にも彫刻や打刻、ヘアライン加工などのデザインが施されているものもあり石と合わせてその表情を楽しめます。 通常、裏面には石の輝きを出すため光を透過させる穴が開いていますが、オパールなどでは裏面を塞ぎ光を遮ることで、よりいっそう石の魅力を引き出すといった加工をする場合もあります。 当店ではカボションからペンダント加工を行う、枠巻き加工サービスも行っております。
【爪留めタイプ】
宝石系のルース(ファセットタイプ)の主流なペンダントタイプです。3点以上の爪でルースストーンを固定して、全方向から光を通せるようになっています。宝石向けのペンダントなので小さめのものが多く、胸元にキラッと輝く上品さも爪留めタイプの特徴です。 また底面が尖った宝石のキュレットにも対応できるように台座の高さも調整が可能です。