モリオン・カンゴームについて
【和名・ 黒水晶(くろすいしょう)|英語・Morion|産地・チベット/ロシア/ブラジル等】
モリオンはスモーキークォーツのような透明感を持たない真っ黒な水晶です。当店では何年もの歳月をかけて、ようやくチベット産のものを入荷できるようになりました。パワーストーン、ヒーリングストーンとしても人気の高い天然石です。当店ではビーズを中心に、スフィア、ペンデュラム等も販売しております。
モリオンの特徴
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モリオンとは
モリオンは、ケイ酸塩鉱物の一種でクォーツ(石英、せきえい)の一種です。一般的なクォーツが無色透明なのに対して、アルミニウムを含み、さらに放射線を受けることで黒くなったものがモリオンです。
モリオンの名前の由来は諸説ありますが、一説には、ドイツ語でスモーキークォーツを意味する言葉に「morion」というものがあり、それが由来であるといわれています。和名は「黒水晶(くろすいしょう)」と呼ばれます。
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クォーツの産状
クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー(長石、ちょうせき)に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。クォーツは二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られます。
結晶が形成される際に不純物を含むことで、紫や褐色、ピンクなど、さまざまな色に染まります。
代表的なものとしては、
・鉄:紫(アメジスト)、黄(シトリン)
・アルミニウム:ブラウン(スモーキークォーツ)、黒(モリオン)
・チタン、マンガン:ピンク(ローズクォーツ)
が挙げられます。
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モリオンが黒く見えるしくみ
モリオンとなるクォーツは結晶化する際、ケイ素の一部がアルミニウムに置き換わります。すると、アルミニウムへ置き換わった分だけ元素が含むイオンのエネルギーの大きさが変化します。そこへジルコンなどの鉱物が出した放射線が当たることで、モリオンは黒く見えるのです。このような色の見え方を「カラーセンター(着色中心)」と呼びます。
このように、クォーツがモリオンになる環境はかなり特殊なため、一般的には、人工的に放射線を照射して黒くしたモリオンが流通しています。
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モリオンとスモーキークォーツ
スモーキークォーツ(煙水晶)とモリオンは、どちらもアルミニウムが要因となって発色します。中には、両方が混在したクラスターが見つかることもあります。モリオンは茶褐色のスモーキークォーツより更に色が濃く、ほとんど光を通さないという特徴があります。
モリオン 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい |
モース硬度 |
7 |
結晶 |
三方晶系 |
成分 |
SiO2 |
比重 |
2.7 |
色 |
黒 |
一般的なトリートメント等 |
照射処理 |
モリオンの産地
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モリオンの歴史
モリオンはもともと、スコットランドのカンゴーム山脈(ケアンゴーム)と呼ばれる場所で産出した黒いクォーツを指す言葉でした。時が経つにつれ、カンゴームは黒褐色のスモーキークォーツを指す言葉となり、モリオンとは区別されるようになりました。そして現在では、モリオンという言葉は黒いクォーツ全般を指す言葉となっていったのです。
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モリオンの産地
高品質のモリオンが産出することで有名なのはスコットランド、チベット、ロシア、ブラジルなどです。チベット産のモリオンは特に産出量が少なく、希少です。他にはアメリカ、南アフリカ共和国、中国などでも産出します。日本でも、山梨県の黒平鉱山(くろべらこうざん)など、いくつかの地域で産出したという記録が残っています。
当店ではチベット、ロシア、ブラジル産のモリオンを中心に取り扱っています。
モリオンの価値
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モリオンは光を通さないほど漆黒に染まり、クラックやインクルージョンが少ないものが価値があるとされています。色は濃ければ濃いほど価値は高まっていきます。当店では色の濃い、上質なモリオンを数多く取り揃えています。