スーパーセブン・セイクドリックセブン・エレスチャルクォーツについて
【和名−|英語・Super seven quartz|主要産地・ブラジル/マダガスカル】
スーパーセブンとして有名なこの石は、クリスタル、スモーキークォーツ、アメジスト、レピドクロサイト、 ゲーサイト、カコクセナイト、ルチルが共存した天然石です。パワーストーンとしても宝飾品としても高い人気を誇ります。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。
エレスチャルクォーツの特徴
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エレスチャルクォーツの名前の由来
「エレスチャルクォーツ」という名前の由来は、「天界の、この上なく美しい」を意味する英語の「celestial」から”C”を外した造語です。天使の位を表す言葉はウリエル、ミカエルなど”el”という音で終わるものが多く、天使と繋がるイメージを持たせるために名付けられたと考えられます。7種類の鉱物が1つの結晶内に同居しているという状態から、「スーパーセブン」や「セイクリッドセブン」(セイクリッドとは英語で「神聖な」という意味)という別名もあります。
また、結晶面の中央部が凹んでいるために独特の凹凸があり、その様子が骸骨を連想させることから「スケルトンクォーツ(骸骨水晶)」と呼ばれることもあります。その凹凸がワニの鱗のようにも見えることから、「アリゲータークォーツ」、「ワニ水晶」、「ジャカレークォーツ」(ジャカレーとはポルトガル語で「ワニ」という意味)と呼ばれることもあります。
このように、さまざまな名前を持つエレスチャルクォーツですが、特徴的な凹凸や数多くの鉱物を含むことなど、さまざまな現象が一つのクォーツの中にまとまっていることから「水晶の最終形態」と称されることもあります。
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エレスチャルクォーツの産状
クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー(長石、ちょうせき)に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られるのがクォーツなのです。
エレスチャルクォーツに現れる独特の凹凸は「骸晶(がいしょう)」と呼ばれます。熱水の中に二酸化ケイ素があまりにも多く溶け込んでいる時(過飽和状態と呼ばれます)、クォーツの角の部分が優先的に成長し、面の部分はそれよりも成長が遅れるという現象が発生します。これにより、結晶面の中央部が凹んだ形で結晶化するというのが骸晶のしくみなのです。
過飽和状態が発生するほど豊富に二酸化ケイ素を含むこと、加えて、多くの鉱物を内包するためにさまざまな元素を含むことから、エレスチャルクォーツが形成される環境は、とても特殊なものであることが分かります。
エレスチャルクォーツ 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい |
モース硬度 |
7 |
結晶 |
三方晶系 |
成分 |
SiO2 |
比重 |
2.7 |
色 |
褐色、紫、無色 |
一般的なトリートメント等 |
無し |
エレスチャルクォーツの歴史と産地
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クォーツの歴史
クォーツと人間との歴史は古く、古代ギリシャの時代まで遡ります。地学の知識がなく、自然現象がまだ超常現象の類と考えられていた頃、人々はアルプスの万年雪に覆われた氷の中から透明なクォーツを発見しました。人々はこれを、氷が化石になったものだと解釈し、氷を意味する「クリスタロス」と名前を付けました。これが、現代で透明なクォーツの結晶を意味する「クリスタル」になるのです。この言い伝えを補強する証拠として、ローマ時代の博物学者大プリニウスは著作『博物誌』に「水晶の正体は氷である」という旨の記述を残しています。
さまざまな場所で産出するクォーツは、各国で装飾品やまじないの道具として用いられてきました。たとえば、古代エジプトでは、紀元前4500年頃には「ファイアンス」と呼ばれるクォーツの粉を使った焼き物があり、装飾品に用いられるビーズが作られていました。また、マヤ文明およびその地域の原住部族においては、クリスタルを「ザストゥン」と呼び、まじない用の石として利用しています。さらに、オーストラリア先住民の神話の中では「マバン」という神の思し召しを示す物質として分類されています。
硬すぎず柔らかすぎない硬度と、劈開を持たない特徴から、クォーツは彫刻素材として古くから珍重されてきました。中でもマヤ文明が残したオーパーツとして有名な「クリスタル・スカル」と呼ばれる頭蓋骨の模型が、現在、大英博物館に展示されています。
日本でも、釈迦堂遺跡から矢じりとして加工されたクリスタルが見つかっており、縄文時代にはすでにクォーツやクリスタルが流通していたことが伺えます。日本で最初にクォーツに関する記述が掲載された書物は、平安時代に深根輔仁が著した『本草和名』という薬学の本とされています。そこには「紫石英(アメジスト)」 が記載されています。当時、紫色は高貴な色とされており、薬の材料としてアメジストを削った粉が服用されていたのです。また、江戸時代になると、人々はクリスタルを「水の精」を意味する「水精」と呼びました。
クォーツの歴史は長いですが、エレスチャルクォーツは近年発見された新しいクォーツです。しかしながら、その人気は年々増加してきています。
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エレスチャルクォーツの産地
宝石質のエレスチャルクォーツの産地として有名なのはブラジル、インド、ロシア、マダガスカルなどです。他には中国、メキシコ、ナミビア、スイスなどでも産出します。一説には、スーパーセブンと呼ぶべきものはブラジルのエスピリット・サント州の鉱山で採れたもののみとされていますが、現在この鉱山は閉山しているため、他の産地で採れたものもスーパーセブンと呼ぶことがあります。
エレスチャルクォーツの価値
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エレスチャルクォーツは、クラックが少なく、多くの鉱物が含まれていて透明度が高いものが高い価値を持つとされています。当店では透明度の高い、宝石質のエレスチャルクォーツを多く取り扱っております。