トルマリンクォーツ・ブラックルチルクォーツ・ブラックヘアークォーツについて
【和名・黒針水晶| 英語・Black Tourmalinated quartz|産地・スリランカ/ブラジル】
トルマリンクォーツとはクリスタル(水晶)の中にブラックトルマリンが内包された天然石です。
スリランカ産のものは細かい内包物が多く、ブラジル産のものは太めの内包物が多いといった産地的特徴があります。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。
トルマリンクォーツの特徴
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トルマリンクォーツとは
トルマリンクォーツとは、繊維状のブラックトルマリン(黒電気石、くろでんきせき)がインクルージョンとして内包されたクォーツです。ブラックトルマリンが髪の毛のように見えることから「ブラックヘアークォーツ」と呼ばれることもあります。
また、同じく繊維状のインクルージョンとしてクォーツに内包されやすいルチル(金紅石、きんこうせき)と似ていることから「ブラックルチルクォーツ」と呼ばれることもあります。ブラックトルマリンとルチルは別の天然石ですので、ご購入の際は注意が必要です。
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クォーツの産状
クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー(長石、ちょうせき)に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。クォーツは二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られます。
結晶が形成される際に不純物を含むことで、紫や褐色、ピンクなど、さまざまな色に染まります。
代表的なものとしては、
・鉄:紫(アメジスト)、黄(シトリン)
・アルミニウム:ブラウン(スモーキークォーツ)
・チタン、マンガン:ピンク(ローズクォーツ)
が挙げられます。
また、他の鉱物をインクルージョンとして含むことも多いです。代表的なものはルチル、デュモルチェライト、トルマリンなどが挙げられます。また、生成の過程で水やオイルが閉じ込められることもあります。これらは太古の環境を保管しているため、学術的価値が生まれることもあるのです。
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トルマリンの産状
トルマリンは、単体ではペグマタイト鉱床(大きな結晶で構成される火成岩の一種「ペグマタイト」でできた鉱床)や、気成鉱床(マグマが固まって岩石になる時、残された揮発性成分が岩石と化学反応を起こしてできた鉱床)の中に生成されます。宝石質のものが採れるのは、ペグマタイト鉱床の方が多いです。
トルマリンは不純物を取り込むことによってさまざまな色合いになり、色によって呼び名が変わります。代表的なものとしては、
・バーデライト(ベルデライト):緑
・ルベライト:赤〜ピンク
・シベライト:紫がかった赤
・アクロアイト:紺青
・パライバ:ネオンブルー
・ウォーターメロン:緑と赤
が挙げられます。
トルマリンは一つの結晶の中に複数の色が発生することが多い天然石としても有名です。2色の場合「バイカラートルマリン」、3色以上の場合「パーティーカラートルマリン」と呼ばれます。
ブラックトルマリンは、多量の鉄を含むことで黒く染まるため、和名は「鉄電気石」と呼ばれます。また「ショールトルマリン」と呼ばれることもあります。名前の由来は、ドイツの古い鉱山用語で「不要な鉱物」を指す「ショール」です。もともと、ブラックトルマリンは単体では脆く宝飾品には向かなかったため、この名が付けられました。しかしながら、加工技術の進んだ現在ではブラックトルマリンも宝飾品として加工されることが増えています。
トルマリンクォーツ 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい/鉄電気石 てつでんきせき |
モース硬度 |
7/7〜7.5 |
結晶 |
三方晶系/六方晶系 |
成分 |
SiO2/NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4 |
比重 |
2.7/3.31 |
色 |
透明/黒 |
一般的なトリートメント等 |
樹脂含浸処理、照射処理 |
トルマリンクォーツの産地
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上質なトルマリンクォーツが産出することで有名なのはスリランカ、ブラジルです。スリランカ産は、中のブラックトルマリンが比較的細かく毛のように細いのが特徴です。一方ブラジル産は、ブラックトルマリンが太くはっきりと見えるのが特徴です。当店では、スリランカ産とブラジル産のトルマリンクォーツを中心に取り扱っています。
トルマリンクォーツの価値
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トルマリンクォーツは、ブラックトルマリンが多く含まれ、透明度が高くクラックの少ないものが価値があるとされます。通常ならば敬遠されるインクルージョンですが、トルマリンクォーツはブラックトルマリンというインクルージョンこそが独自の価値を生み出しているのです。当店では、透明度の高い上質なトルマリンクォーツを数多く取り扱っています。