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アンデシン
アンデシンについて
【和名・中性長石(ちゅうせいちょうせき)|英語・Andesine|主要産地・チベット】
赤い長石、アンデシンです。鑑別結果では「ラブラドライト」となるのが一般的です。チベットの標高の高いところで採れるため、産出量が限られる天然石です。またチベットの産出地に由来したチベトナイトという名前でも流通しています。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。-
アンデシンとは
アンデシンとは、アノーサイト(灰長石、かいちょうせき)とアルバイト(曹長石、そうちょうせき)の2つの鉱物が4:6の比率で含まれている天然石です。ラブラドライト(曹灰長石、そうかいちょうせき)の仲間で、鑑定結果ではラブラドライトとされることも多いです。
和名は「中性長石(ちゅうせいちょうせき)」と呼ばれます。1841年にコロンビアのマルマトにあるマルマト鉱山にて初めて発見されました。その後、市場に出回りはじめたのは2002年頃とされています。
「アンデシン」という名は、アンデス山脈で多く産出するアンデサイト(安山岩、あんざんがん)という岩石の中に含まれることが多いため、名付けられました。
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アンデシンの産状
アンデシンやラブラドライトは、鉱物としては「フェルドスパー(長石、ちょうせき)」グループの一種で、その中でもプラジオクレース(斜長石)と呼ばれる鉱物の仲間です。フェルドスパーは地球上でもっとも多く存在している鉱物であり、火成岩、変成岩、堆積岩など、ほとんどの鉱物に含まれます。
アンデシンが赤く染まる要因は、微量に含まれる銅元素です。しかしながら、フェルドスパー、そしてその中に含まれるプラジオクレースが銅元素を含んで赤い色になることはあまり多くないため、アンデシンの産出量は多いとはいえません。
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アンデシンの仲間
アンデシンが属しているフェルドスパーグループには、さまざまな種類の天然石があります。石の構造が特殊なため、変わった光の効果を持つものも多いです。ここでは、代表的なものを3つご紹介いたします。
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ラブラドライト
アンデシンと同じく、アノーサイトとアルバイトを含むフェルドスパーです。「ラブラドレッセンス」というぼんやりした虹色の光を放つのが特徴の天然石です。ラブラドレッセンスは、アノーサイトとアルバイト、そして金属鉱物の薄い層が交互に重なっていて、そこに光が当たることで発生します。
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ムーンストーン
「シラー」と呼ばれる青〜虹色の光を放つという特徴のあるフェルドスパーです。シラーのしくみはラブラドレッセンスと同じなのですが、含まれる成分の違いによって、反射する光の色は異なってきます。夜空の月を切り取ったかのような神秘的な光は、紀元前1世紀頃から知られており、かつてはギリシャ語で月を意味する「セレネー」と呼ばれていました。
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サンストーン
ギリシャ語で太陽を意味する「ヘリオライト」と呼ばれることもあるフェルドスパーです。「アベンチュレッセンス」と呼ばれるラメのようなキラキラとした輝きを放つ特徴があります。アベンチュレッセンスは、細かい金属鉱物のインクルージョンが光を反射することで発生します。色が赤系統であるため、アンデシンとよく似ているのですが、含まれているフェルドスパーの種類と比率が違います。
アンデシンの特徴
アンデシン 鉱物データ
項目 | |
---|---|
和名 | 中性長石 ちゅうせいちょうせき |
モース硬度 | 6〜6.5 |
結晶 | 三斜晶系 |
成分 | (NaAlSi3O8)70-50(CaAl2Si2O8)30-50 |
比重 | 2.65 |
色 | 赤、ピンク、オレンジ |
一般的なトリートメント等 | 加熱処理 |
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アンデシンの産地
宝石質のアンデシンが産出することで有名なのは、チベットと内モンゴルです。チベット産のものは「チベトナイト」と呼ばれることもあります。チベットの鉱山の周辺地域はチベット仏教の聖地でもあり、重機が鉱山内に入ることは許可されていません。そのため、鉱夫たちはつるはしやハンマーなどを使い、手作業で採掘を行っているのです。すべて手作業であるため、1日に数時間しか採掘作業ができず、そのことがチベット産のアンデシンの価値を大きく高めています。チベットでは昔から「聖なる石」として崇められ、一部の聖職者が祭祀などに用いる重要な石でした。
他にも、アメリカ、カナダ、オーストラリア、アルゼンチンなどで産出します。日本でも、東京都小笠原村硫黄島や長野県上田市などで産出しています。しかしながら、国内では宝石質のものが産出したという記録は残っていません。 -
オリンピックを象徴する宝石となったアンデシン
アンデシンとオリンピック、一見なんの関係もないように見える両者には、意外な関係性があります。2008年に開催された北京オリンピックにて、中国政府はオリンピックの「公式宝石」として、赤いアンデシンを抜擢しました。このことが、アンデシンの価値(特に赤いもの)をさらに高める要因となったのかもしれません。
アンデシンの産地
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アンデシンの価値
アンデシンは、フェルドスパーグループの中でも特に産出量が少ないため、宝石質のものはあまり流通することがありません。その中でも、色が鮮やかで、クラックやインクルージョンが少ない透明度の高いものが高い価値を持つとされています。当店では、透明度の高い、宝石質のアンデシンを数多く取り揃えております。 -
カラーチェンジアンデシン
赤みの強いアンデシンは、強い光で透かすと緑色に見えることがあります。このような色の変化を見せるものは「カラーチェンジアンデシン」と呼ばれることがあります。カラーチェンジアンデシンは、前から光があたっている時は赤く見え、後ろから強い光で照らすと青みがかった緑色に見えるのです。カラーチェンジアンデシンは、アンデシンの中でもさらに産出量が少ないため、コレクターの間では高い人気を誇ります。
アンデシンの価値
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傷がつかないよう、取扱いに注意
アンデシンは傷つきにくさを示すモース硬度が6〜6.5と、傷つきにくい石です。しかしながら、劈開を強く示すため、何かにぶつかった時の方向によっては割れやすい場合があります。硬い地面に落としたりしないよう気をつけましょう。また、アンデシンより硬度の高いクォーツやトパーズ、ルビーやサファイアなどと一緒にすると、傷がついてしまう可能性があります。アンデシンを保管する時は、他の石とぶつからないよう、仕切りのある箱や小袋に入れるなどして、個別に保管すると安全です。 -
普段のお手入れは空拭きで
アンデシンは汗などで劣化しにくい石ですので、普段のお手入れは空拭きで結構です。アンデシンのアクセサリーを身につけた後は、乾いた布で空拭きをすると、アンデシンの美しさを長い間保つことができます。 -
汚れが気になる場合は、中性洗剤やアルコールティッシュで洗う
アンデシンは水に強い特徴があるので、水洗いが可能です。基本的には水だけでもじゅうぶん汚れが落ちますが、皮脂汚れなどが気になる際は、中性洗剤を垂らしたぬるま湯でもみ洗いをします。汚れが落ちたら、洗剤が残らないように水でしっかりとすすぎます。すすいだ後は、乾いた布で水気をよく拭き取ります。また、アルコールティッシュで軽く拭くことでも汚れを落とすことができます。 -
直射日光には当てない
アンデシンは長時間直射日光に当てると、含まれる成分が化学反応を起こして退色してしまう恐れがあります。そのため、直射日光が当たらない場所で保管をしてください。保管する際は、蓋つきの容器に入れておくとよいでしょう。
アンデシンのお手入れ
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