クラッククリスタル

クラッククリスタル・クラック水晶・クラッククォーツについて

【和名・爆裂水晶（ばくれつすいしょう）｜英語・Cacked crystal quartz｜主要産地・ブラジル】

クラック水晶は天然クリスタルクォーツに人工的にクラックを入れる加工を施した天然石です。クラッククリスタルでは珍しい当店オリジナルのラウンドカットなどもございます。当店ではビーズを中心に販売しております。

クラッククリスタルの特徴

クラッククリスタルとは

クラッククリスタルは、無色透明のクォーツ（クリスタル）に処理を施し、無数のクラックを発生させた天然石です。内部で爆発が起こったかのような姿から「爆裂水晶」とも呼ばれます。当店では無色のクラッククリスタルだけではなく、さまざまなカラーに着色したクラッククリスタルも取り扱っており、その日の気分やコーディネートに合わせて自由な組み合わせを楽しむことができます。
クォーツの産状

クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー（長石、ちょうせき）に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。クォーツは二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られます。無色透明で、明瞭な結晶の形をしているものは「クリスタル」と呼ばれます。

結晶が形成される際に不純物を含むことで、紫や褐色、ピンクなど、さまざまな色に染まります。
代表的なものとしては、
・鉄：紫（アメジスト）、黄（シトリン）
・アルミニウム：ブラウン（スモーキークォーツ）、黒（モリオン）
・チタン、マンガン：ピンク（ローズクォーツ）
が挙げられます。
クラックとは

「クラック」とは、天然石が成長する過程で大きな圧力がかかり、それによって発生した亀裂や割れ目を指します。ジュエリーとして加工される場合はクラックが少ないものが高い価値を持つとされていますが、中には、内部の亀裂の角度によって虹色の光が見える「レインボー」として、独自の価値を持つ場合があります。また、クラックの入り方はひとつひとつ異なるために、クラックの入った天然石に一点物としての美しさを見出すコレクターも少なくありません。

クラッククリスタルは、人工的にクラックを発生させることにより、クラックのないクォーツにはない独特のきらめきや美しさを手に入れた天然石なのです。
クォーツに施されるさまざまな処理

クォーツにはクラック処理以外にも、さまざまな処理が施されることがあります。ここでは代表的なものをいくつかご紹介いたします。
蒸着処理

金属や酸化物などを蒸発させて、素材の表面をコーティングしたり、薄膜を作ったりする表面処理のことを「蒸着処理」と呼びます。眼鏡やレンズの反射防止コーティング、磁気テープ、食品包装材の表面など、さまざまな分野に使われています。

クォーツの表面に金属を蒸着することで、さまざまな色合いに染めることができます。色をつけるほか、表面にシャボン玉のような虹色の光が浮かぶ「オーラクォーツ」も、金やチタンを蒸着したものです。
加熱処理

加熱することで、クォーツの色が変わる場合があります。有名なのは、アメジストやスモーキークォーツを加熱することで生み出されるシトリンです。
放射線処理

放射線を照射することで、色つきのクォーツをより色鮮やかに発色させることができる場合があります。クラッククリスタルに多く見られる処理です。また、色が変わる場合もあります。有名なのは、加熱処理と放射線処理を組み合わせることで生み出されるグリーンアメジストです。
艶消し処理

クォーツの表面を荒く研磨することによって艶を消す処理です。通常のクォーツは氷のような冷たい印象を受けますが、艶消し処理を施すことによって柔らかく優しげな印象になります。有名なのは、無色透明のクォーツ（クリスタル）に艶消し処理を施したフロストクォーツです。

クラッククリスタル鉱物データ

項目
和名	石英　せきえい
モース硬度	7
結晶	三方晶系
成分	SiO2
比重	2.7
色	透明
一般的なトリートメント等	一部、着色処理

クラッククリスタルの産状

クラッククリスタルとして加工されるのは、クォーツの一大産地として有名なブラジル産のクォーツが主流です。また、クォーツの粉を溶かして固めた溶錬水晶（ようれんすいしょう）を使うこともあります。当店では、ブラジル産のクラッククリスタルを中心に取り扱っています。

クラッククリスタルの価値

通常のクリスタルはクラックが入ることは敬遠されますが、クラッククリスタルは無数のクラックが入ることで、銀河を閉じ込めたかのように美しいきらめきと、独自の価値が生まれるのです。

クラッククリスタルのお手入れ

傷がつかないよう、取扱いに注意

クラッククリスタルは傷つきにくさを示すモース硬度が7と、丈夫な石です。しかしながら、より硬度の高いトパーズやルビー、サファイアなどと一緒にすると、クラッククリスタルに傷がついてしまう可能性があります。クラッククリスタルを保管する時は、他の石とぶつからないよう、仕切りのある箱や小袋に入れるなどして、個別に保管すると安全です。
普段のお手入れは空拭きで

クラッククリスタルは水に漬けると退色してしまう恐れがあるので、汚れた時のお手入れは空拭きで結構です。クラッククリスタルのアクセサリーを身につけた後は、乾いた柔らかい布で空拭きをすると、クラッククリスタルの美しさを長い間保つことができます。
直射日光には当てない

クラッククリスタルは長時間直射日光に当てると劣化してしまう恐れがあります。そのため、直射日光が当たらない場所で保管をしてください。保管する際は、蓋つきの容器に入れておくとよいでしょう。