ローズクォーツについて
【和名・紅水晶(べにすいしょう)|英語・Rose quartz |産地・アフリカ/ブラジル等】
やわらかなピンク色で女性に人気の
ローズクォーツ、「愛」を象徴する天然石として昔から有名です。マダガスカル産の
スターローズクォーツや、
ディープローズクォーツなど、近年その中でもバリエーションが見られます。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレット、スフィア等も販売しております。
ローズクォーツの特徴
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ローズクォーツとは
ローズクォーツとは、クォーツの中でもピンク色に染まったクォーツを指します。名前の由来は植物の薔薇(ローズ)です。その色合いから、和名は「紅水晶(べにすいしょう)」と呼ばれます。まれに「薔薇石英」と呼ばれることもあります。
可憐なピンクに発色する要因には諸説あり、「チタン、マンガン、鉄」や「アルミニウムと酸化チタン」、「リン酸塩とアルミニウム」などが挙げられます。まれに微量のデュモルチェライトの繊維が発色要因となることもあると考えられています。しかし、詳しい発色要因は明らかになっていません。
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クォーツの産状
クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー(長石、ちょうせき)に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。クォーツは二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られます。
結晶が形成される際に不純物を含むことで、紫や褐色、ピンクなど、さまざまな色に染まります。
代表的なものとしては、
・鉄:紫(アメジスト)、黄(シトリン)
・アルミニウム:ブラウン(スモーキークォーツ)、黒(モリオン)
が挙げられます。
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ローズクォーツと透明度
ローズクォーツの多くは、やや透明感のあるものから不透明なものが塊状に産出することが多いです。クォーツの微細な結晶が集まって塊状になったアゲートやカルセドニーとは違い、ローズクォーツは結晶構造を保ったまま塊状になっています。このような性質は「多結晶(マルチプル・クリスタル)」と呼ばれます。
透明度の高い、明瞭な結晶の形をしたローズクォーツはとても珍しく、カットされてジュエリーになったり、鉱物標本としてコレクターの間で高値で取引されたりします。
ローズクォーツ 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい |
モース硬度 |
7 |
結晶 |
三方晶系 |
成分 |
SiO2 |
比重 |
2.65 |
色 |
ピンク |
一般的なトリートメント等 |
樹脂含浸処理 |
ローズクォーツの歴史と産地
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ローズクォーツの歴史
ローズクォーツと人間との関係は、神話の時代にさかのぼります。ギリシャ神話の中では、愛と美の女神アフロディーテにローズクォーツが捧げられたといわれています。神話の中では、アフロディーテと、その恋人だったアドニスという青年の血が混ざり合い、クリスタルに落ちたことでローズクォーツが生まれたとされています。
紀元前7000年のメソポタミア(現在のイラク)では、ローズクォーツのビーズが宝飾品として使われていました。また、紀元前800年〜600年頃には、アッシリア人がローズクォーツを宝飾品として加工していたことが明らかとなっています。
古代エジプト人は、ローズクォーツが老化を防ぐ効果を持つと信じており、ローズクォーツで作られたマスクが墓から出土しています。また、初期の南北アメリカでは、ローズクォーツを魔除けの石として用いていました。
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ローズクォーツの産地
上質なローズクォーツが産出するのはブラジル、マダガスカル、アフリカです。他にはモザンビーク、ナミビア、インド、アフガニスタンなどでも産出します。日本でも新潟県の阿賀野市などで産出しているようです。当店ではブラジル産、マダガスカル産のローズクォーツを中心に取り扱っています。
ローズクォーツの価値
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ローズクォーツは、ピンク色がはっきりと発色し、クラックやインクルージョンが少ないものが価値があるとされています。色は濃ければ濃いほど価値が高まっていきます。
また、繊維状のルチル(金紅石、きんこうせき)がインクルージョンとして取り込まれ、3方向に規則正しく並んだローズクォーツは、6条の光が見える「スター効果」を示す場合があり、その希少性から、とても価値があります。
当店では美しいピンク色の、上質なローズクォーツを数多く取り揃えています。