アベンチュリンについて
【和名・砂金石、砂金水晶|英語・Aventurine Quartz|産地・インド等】
アベンチュリンとはキラキラと輝くアベンチュリン効果(アベンチュレッセンス)が見られる内包物を持つ石英です。
5月の誕生石にも選定されています。当店ではビーズ、カボション(ルース)、スフィアを販売しております。
アベンチュリンの特徴
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アベンチュリンとは
アベンチュリンは別名「アベンチュリン・クォーツ」と呼ばれる、クォーツの一種です。「アベンチュレッセンス」と呼ばれる、キラキラと輝く効果を持つクォーツを指します。その特徴から、和名は「砂金水晶(さきんすいしょう)」や「砂金石英(さきんせきえい)」と呼ばれます。主な産地がインドであり、緑色のものは翡翠によく似ているため「インド翡翠」と呼ばれることがあります。また、金色のものは「ゴールドストーン」と呼ばれることがあります。もともとはアベンチュレッセンス効果を持つもののみをアベンチュリンと呼んでいましたが、現在ではグリーンクォーツァイトなど、アベンチュレッセンス効果を持たない石も「アベンチュリン」の名前で流通しています。
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アベンチュレッセンス効果と名前の由来
アベンチュレッセンスとは、ゲーサイト(針鉄鉱、しんてっこう)や、ヘマタイト(赤鉄鉱、せきてっこう)、フックサイト(クロム雲母、クロムうんも)などの鉱物の細かい断片を含むことで、石全体が星空のようにキラキラと輝く効果です。
「アベンチュレッセンス」という言葉は、18世紀イタリア、ヴェネツィアのムラーノ島にあった、一軒のガラス工房で生まれたとされています。ある日、そのガラス工房で働く職人が、溶かしたガラスの中に誤って銅の屑を落としてしまいます。その結果、銅の屑が光を反射することで、キラキラと光り輝くガラスが生まれました。ガラス職人たちはそれを見て「a ventura(偶然に)」という言葉を発し、そこから「aventurino(アベンチュリンのガラス)」という言葉が生まれました。ここから、アベンチュレッセンス効果、およびアベンチュリンという名前が誕生したのです。
アベンチュリンとは、その名の通り「偶然に」生み出された産物なのです。
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アベンチュリンの産状
アベンチュリンクォーツは、マグマが急激に冷えて固まった際、二酸化ケイ素を含む水分が分離し、岩場などに溜まって結晶化することで生まれます。結晶化の速さは環境によって異なり、条件が揃っていれば、大きく結晶することもあります。緑のフックサイトが含まれるために緑色になることが多いアベンチュリンですが、他にもインクルージョンによってオレンジやピンク、黒など、さまざまな色に染まります。
アベンチュリン 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい |
モース硬度 |
7 |
結晶 |
六方晶系 |
成分 |
SiO2 |
比重 |
インクルージョンにより変動 |
色 |
緑、オレンジ、ピンク、褐色、黒等 |
一般的なトリートメント等 |
一部、着色処理 |
アベンチュリンの産地
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アベンチュリンの産地
宝石質のアベンチュリンが採れる主な産地はインド、ブラジル、ジンバブエ、シベリア、アフガニスタン、チリ、ロシア、中国、ネパールなどです。
特にインドでは「グリーンクォーツァイト」と呼ばれるアベンチュリンが多く産出します。
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クォーツ以外のアベンチュリン
アベンチュリン・クォーツと同様にアベンチュレッセンス効果を持つ天然石には、カルセドニー、ジャスパー、オブシディアン、スキャポライト、ベリル、フェルドスパー、アイオライト、オパール、トパーズなどがあります。しかしながら、一般的に「アベンチュリン」というと、アベンチュリン・クォーツのことを指します。