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アパタイト

アパタイトについて

【和名・燐灰石(りんかいせき)|英語・Apatite|モース硬度・5|産地・マダガスカル/ブラジル/メキシコ等】

アパタイトはブルーやネオンブルーのものが有名ですが、グリーンやゴールデンイエローのものなど、色合いにも幅があります。硬度が低いため、衝撃を避けるなど取り扱いには注意が必要な天然石です。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。

    アパタイトの特徴

    ”アパタイトのルース"
  • アパタイトの名前の由来


    アパタイトの名前の由来は、ギリシャ語で「だます、ごまかす」を意味する「apate」です。なぜこんな名前が付いたのかというと、アパタイトの結晶の形に秘密があります。アパタイトはさまざまな形の結晶になって産出するため、ベリル、ペリドット、トルマリンなどの他の宝石質の鉱物と間違われやすかったのです。そのため、アパタイトという名前が付けられました。アパタイトの化学式はCa5(PO4)3(F,Cl,OH)1ですが、燐(リン、P)、灰(灰の主成分はカルシウム、Ca)が含まれることから、和名は「燐灰石(りんかいせき)」と呼ばれます。名付け親は、日本の鉱物学者である小藤文次郎(ことうぶんじろう)です。
  • アパタイトの産状


    アパタイトは12種類からなる鉱物のグループで、代表的なものには、
    ・フッ素燐灰石(フローアパタイト)
    ・水酸燐灰石(ハイドロキシアパタイト)
    ・塩素燐灰石(クロルアパタイト)
    があります。この中で、もっとも多く産出するのはフローアパタイトです。自然界では、火成岩、堆積岩、変成岩といった岩石の副成分となっており、非常に広い範囲で産出される鉱物です。その中でも工業的に使われるものはリン鉱石の主成分となるもので、「リン鉱」と呼ばれます。おもに六角柱の形や、六角形の板の形の結晶を作ります。透明〜半透明のガラス光沢や、亜樹脂光沢を示す、とても美しい結晶です。また、アパタイトは共生鉱物としてクォーツ、硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)などを伴うことがあります。
  • アパタイトの宝石以外の使われ方


    アパタイトは宝石以外にも、産業的にさまざまな用途で使われています。有名どころでは、化学肥料の原料として使われています。また、ハイドロキシアパタイトは、デンタルインプラント、歯磨き粉、人工骨の原料としても使われています。ハイドロキシアパタイトを配合した「アパタイト入り歯磨き粉」を製造している会社がいくつかあるので、そこでアパタイトの名前を知った方も多いのではないでしょうか。

    その他にも、カラーバリエーションの豊かさや結晶の美しさから、鉱物標本としても非常に人気の高い石です。細かいクラックやインクルージョンがチラチラとした輝きを放つアパタイトの結晶は、そのままジュエリーとして身につけても遜色のない美しさがあります。アパタイトは天然石の中では硬度があまり高くなく、カットすることが難しい石として知られています。当店ではそんなアパタイトを、美しいルースやビーズにカットしたものを多く取り揃えております。
  • アパタイト 鉱物データ

項目
和名 燐灰石 りんかいせき
モース硬度 5
結晶 六方晶系
成分 Ca5(PO4)3(F,Cl,OH)1
比重 3.10
緑、褐色、無色、黄色、青、紫、白、灰色等
一般的なトリートメント等 加熱処理

    アパタイトの産地

    アパタイトの主要産地マダガスカルのイメージ
  • アパタイトの産地


    宝石として加工されるアパタイトの主要産地は、マダガスカル、ブラジル、メキシコです。アパタイト自体は日本でも産出しており、栃木県の足尾銅山や文挾(ふばさみ)クレー鉱山などが有名です。
  • 生物から生まれるアパタイト


    アパタイトは生体鉱物(バイオミネラル)を形成することでも知られています。たとえば、ハイドロキシアパタイトは微細な結晶の形になり、哺乳動物の骨や歯などの硬い組織を形成します。この特性から「アパタイトの宝石以外の使われ方」でも述べたように、デンタルインプラントや人工骨などにハイドロキシアパタイトが使われるのです。

    また、チリ、ペルー、エクアドル、オセアニアなどでは「グアノ」と呼ばれる、アパタイトの化石が産出することがあります。これは、海鳥やコウモリ、魚などが堆積してアパタイト化したものです。グアノは化学肥料の原料になります。

    アパタイトの価値と種類

  • アパタイトの価値


    アパタイトは色が美しいもの、クラックやインクルージョンが少ないもの、透明度が高いものが特に価値があるとされています。当店では透明度の高い、宝石質のアパタイトを多く取り揃えております。
  • アパタイトの種類


    一口にアパタイトといっても、色によってさまざまな種類があります。ここでは、当店で扱っているものを中心にご紹介させていただきます。
  • ブルーアパタイト


    ブルーアパタイトのビーズ

    爽やかなブルーが特徴のアパタイトです。当店のブルーアパタイトは、濃いブルーを中心にホワイトや母岩が入り混じっており、さざ波のような模様が見えます。
  • ネオンブルーアパタイト


    ネオンブルーアパタイトのビーズ

    南国の海を思わせる、はっきりとした鮮やかなブルーが特徴のアパタイトです。当店のネオンブルーアパタイトは、ブルーグリーンがかったものから目の覚めるようなネオンブルーまで取り揃えております。
  • グリーンアパタイト


    グリーンアパタイトのビーズ

    若葉のような春らしいグリーンが特徴のアパタイトです。当店では、イエローグリーンがかったものから爽やかなグリーン、森の木の葉のような深いグリーンまで、多彩なグリーンアパタイトを取り揃えております。
  • イエローアパタイト


    イエローアパタイトのビーズ

    弾けるようなレモンイエローが特徴のアパタイトです。爽やかなビタミンカラーが目を引きます。
  • ゴールデンアパタイト(アスパラガスストーン)


    ゴールデンアパタイトのビーズ

    「アスパラガスストーン」とは、もとはスペインで産出する鮮やかなイエローグリーンのアパタイトを指す言葉でした。産出量が少ないため、とても希少価値のあるカラーです。近年はメキシコでも同様の色合いのアパタイトが産出しており、黄金のような輝きから「ゴールデンアパタイト」とも呼ばれているのです。
  • 特別な呼び方をするアパタイト


    アパタイトは産地や色合いによって、特別な呼び方をするものがあります。たとえば、カナダで産出するグリーンのアパタイトは「トリリウマイト」や「カナディアン・エメラルド」と呼ばれることがあります。他にも、マダガスカルで採れる、パライバトルマリンに似たネオンブルーのものは「パライバ・アパタイト」と呼ばれることがあります。また、アパタイトの中でも深いブルーグリーンのものを「モロキサイト」と呼ぶことがあります。
  • その他のアパタイト


    繊維状のインクルージョンが規則正しく並ぶことによって、猫の目のような一筋の光が浮かび上がる「キャッツアイ(シャトヤンシー)」効果が見られるものもあります。更に、アパタイトは見る角度によって色が変わる「多色性(プレオクロイズム)」という性質を持ち、中にははっきりと2色の色が楽しめるアパタイトもあります。

    アパタイトのお手入れ

    ”アパタイトの原石"
  • 傷がつかないよう、取扱いに注意


    アパタイト同士や、アパタイトより硬度の高いクォーツやルビー、サファイアなどと一緒にすると、アパタイトに傷がついてしまう場合があります。アパタイトを保管する時は、他の石とぶつからないよう、仕切りのある箱や小袋に入れるなどして、個別に保管すると安全です。また、強くぶつけたり、硬い床に落としたりしないように気をつけてください。超音波洗浄も避けてください。
  • 普段のお手入れは空拭きで


    アパタイトは水に弱い性質があるので、普段のお手入れは空拭きで結構です。アパタイトのアクセサリーを身につけた後は、乾いた柔らかい布でサッと空拭きをすると、美しさを長い間保つことができます。
  • 水洗いはなるべく避ける


    アパタイトは長時間水にさらすと退色してしまう恐れがあります。そのため、水洗いはなるべく避けてください。水がついたら乾いた柔らかい布で空拭きをして、水分が残らないようにしてください。
  • 直射日光には当てない


    アパタイトは長時間、直射日光に当てると退色してしまう恐れがあります。そのため、日光が当たらない場所で保管をする必要があります。

アパタイトの販売商品

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