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カルサイト
カルサイト・アラゴナイトについて
【和名・方解石(ほうかいせき)|英語・Calcite|産地・中国/ペルー等】
カルサイトはカラーバリエーションの豊かな人気の天然石です。外観や質感のとおり硬度が低く割れやすい石ですので、取り扱いには注意が必要です。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ブレスレット、ペンダントトップ、スフィア等の置物も販売しております。-
カルサイトの名前の由来
カルサイトの語源は、ラテン語で「石灰」を意味する「calcit」です。カルサイトはその名の通り、炭酸カルシウムを主成分とした鉱物です。和名は「方解石(ほうかいせき)」といいますが、これは「四角く分解する」という意味の言葉です。もともとはアンハイドライト(硬石膏、こうせっこう)を指す言葉でしたが、いつの間にか、菱形に割れやすい特徴を持つカルサイトを指す言葉に変わってしまったのです。
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カルサイトの特徴
カルサイトは、特定の方向に割れやすい「劈開(へきかい)」という特徴を強く示します。金槌で叩いたりすると、マッチ箱を潰したような菱形に割れます。
また、入射した光を複数の方向へ同時に反射する「複屈折(ふくくっせつ)」という性質を持っています。このため、無色透明なカルサイトを通して見た物体が二重になって見える「ダブリング」が発生するのです。この特徴は、1669年にデンマークの科学者であるラスムス・バートリンが発見したものです。
さらに、カルサイトはカラーバリエーションが豊富な天然石としても有名です。
・黄色:鉄分
・ピンク:マンガン
・紫がかったピンク:コバルト
・緑:ニッケル
・青:ストロンチウム
と、含まれる元素によってさまざまな色になるのです。
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カルサイトの産状
カルサイトは、海水に溶けている二酸化炭素とカルシウムが化学反応を起こすことによって形成されます。結晶の形状も種類が豊富で、菱形、板状、六角柱状、陣笠状、針状、犬牙状、釘頭状といった、さまざまな姿になります。
また、カルサイトは海洋生物の外殻の主成分です。ヒトデやウニ、ナマコなどの棘皮動物や二枚貝の殻の一部、サンゴの骨格などに含まれます。そのため、カルサイトを多く含む石灰岩の大部分は、そうした海洋生物の死骸が堆積し、長い時間をかけてできたものが多いのです。また、洞窟では、カルサイトが鍾乳石や石筍(せきじゅん)を形成することも多いです。
アラゴナイト(霰石、あられいし)やバテライト(ファーデル石)とカルサイトは、成分が同じですが、結晶構造が異なる「同質異像(どうしついぞう)」の関係にあります。そのため、共生鉱物としてアラゴナイトを伴うことも多いです。他には、クォーツ、フローライトなどを伴うこともあります。共生鉱物が美しく組み合わさったものは、鉱物標本としてコレクターの間では高い人気を誇ります。
カルサイトの特徴
カルサイト 鉱物データ
項目 | |
---|---|
和名 | 方解石 ほうかいせき |
モース硬度 | 3 |
結晶 | 六方晶系 |
成分 | CaCO3 |
比重 | 2.7 |
色 | 透明、白、オレンジ、ピンク等 |
一般的なトリートメント等 | 無し |
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上質なカルサイトが採れる主な産地は中国やペルー、アルゼンチン、アフガニスタンです。他にはアイスランド、メキシコ、アメリカ、ブラジルなどでも産出します。
無色透明な結晶は、主にアイスランドで産出することから「アイスランドスパー(「スパー」とは、非金属光沢を持つ鉱物の、特に輝いている面を表す言葉)」または「オプティカルカルサイト」と呼ばれます。日本では「氷州石(ひょうしゅうせき)」と呼ばれます。日本でも、東京都青梅市、群馬県の吾妻川、沖縄県石垣島のトムル崎周辺など、各地で発見されています。
当店では中国、ペルーで産出したカルサイトを中心に取り扱っています。
カルサイトの産地
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カルサイトの価値
カルサイトは、クラックやインクルージョンが少なく、透明度が高いものが高い価値を持つとされています。また、色付きのカルサイトは、色の鮮やかさも価値を高める要因となります。当店では色鮮やかな、上質のカルサイトを多く取り揃えております。 -
さまざまな用途に使われるカルサイト
ヨーロッパでは羅針盤が存在しない時代に、カルサイトの複屈折を利用して、曇天・雨天時でも太陽の位置を調べることができるコンパスとして用いていたといわれています。また、イギリスのウィリアム・ニコルという物理学者は、カルサイトの結晶で偏光プリズムを作り出しました。後に偏光プリズムを搭載した偏光顕微鏡が発明され、岩石学の発展に大きく貢献したのです。
昔の日本では、カルサイトを寒水石(かんすいせき)という名で、漢方薬の材料に使っていました。カルサイトは主に口の渇きを止める薬や、利尿薬になっていました。また、大きな結晶が出やすいことから、かつては彫刻用の材料としても使われていました。今でもカルサイトを含む石灰岩は、「大理石」として建物の石材などに使われます。また、無色透明の結晶はダブリング現象を起こすため、理科の実験で光について勉強する際に用いられることも多いです。
カルサイトの価値
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傷がつかないよう、取扱いに注意
カルサイトは傷つきにくさを示すモース硬度が3と、非常に柔らかい石です。カルサイトよりも硬度の高い他の天然石と一緒にすると、カルサイトに傷がついてしまう可能性があります。カルサイトを保管する時は、他の石とぶつからないよう、仕切りのある箱や小袋に入れるなどして、個別に保管すると安全です。 -
普段のお手入れは空拭きで
カルサイトは水に弱い性質を持ち、水洗いすると水分によって変質してしまう恐れがあるため、普段のお手入れは空拭きで結構です。カルサイトのアクセサリーを身につけた後は、乾いた柔らかい布で空拭きをすると、カルサイトの美しさを長い間保つことができます。 -
直射日光には当てない
カルサイトは長時間直射日光に当てると、含まれる成分が紫外線によって化学反応を起こし、退色してしまう恐れがあります。そのため、直射日光が当たらない場所で保管をしてください。保管する際は、蓋つきの容器に入れておくとよいでしょう。
カルサイトのお手入れ
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