【天然石の辞典】天然石・パワーストーン・ビーズの種類や意味、由緒など Vol.2
チャロアイト(Charoite和名:チャロ石)
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繊維が絡み合ったような不思議なマーブル模様が特徴的なチャロアイト。この模様は、微斜長石やエジリンのようなケイ酸塩鉱物などが混ざり合うことによって生まれ、マンガンを含有する事によって美しい薄紫に発色します。現在、ロシア連邦サハ共和国のみで産出されています。
チャロアイトは元々、角閃石の一種と考えられていたそうですが、鉱物学者ベーラ・ロゴワ女史の長年の研究により1978年に新しい鉱物【チャロアイト】として正式に認定されたとの事です。また、スギライトやラリマーと並び、チャロアイトは世界三大ヒーリングストーンのひとつと言われ、人々に親しまれています。 -
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エンジェルシリカ
チャロアイトは他の鉱物が混ざり合う事が多く、独特なマーブル模様も他の鉱物が 混ざることによって生まれています。その中でも、石英(クォーツ)が混ざり合うことは稀にしか見られないのだとか。
この稀にしか見られない石英の混ざり合ったチャロアイトを【エンジェルシリカ】と呼びます。透明の石英が混ざり合う事で美しい色彩が生まれ、天使に見立ててこの名前がつけられたとされています。鉱物としての正式名称ではありませんが、今では一つの流通名として定着しています。 -
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トパーズ(Topaz和名:黄玉)
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トパーズはペグマタイト鉱床から産出する珪酸塩鉱物で多くのカラーを持ち、古くから宝飾品として使用されてきました。 現在の主な産地はブラジルやアフリカになり、名前の由来には2通りの説があるとされています。1つは古代インドで使われたサンスクリット語で「火」を意味する「topaz(トパズ)」から来ているという説、もう1つはギリシャ語の「探し求める」という意味を持つ島「topazos(トパゾス)島」から来ているという説があります。
宝石学では2種類のタイプに分類されており、1つはOH-type(主にインペリアルトパーズと呼ばれている)でトパーズの最高峰とされておりオレンジ味を帯びているものが特徴です。もう1つはF-typeと呼ばれ、放射線処理により彩られます。
私達が普段よく目にするブルートパーズなどはF-typeで、青空のような鮮やかなスカイブルートパーズや、落ち着いた深いブルーのロンドンブルートパーズなどが私たちの目を楽しませてくれます。 -
人々が探し求めた島
トパーズの名前の由来の1つとされているトパゾス島は現在は絶産していますがペリドットの産地として有名でした。 かつて、トパーズと名付けられた石は、実はペリドットだったということも分かっており、いつの時からトパーズとペリドットが区別されるようになったのかは不明ですが、違う言語の国の人々が同じ島にたどり着き、1つの石に魅了されていたということは興味深い話です。
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トルマリン(Tourmaline 和名:電気石)
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トルマリンは、1つの鉱物としては最多のカラーバリエーションを持つ石です。産地としてはアフリカ、ナイジェリアやアフガニスタン、ブラジルなど、世界各地から算出されます。トルマリンの名前は、スリランカのシンハリ語で「色の混ざった石・宝石の砂や小石」を意味する「turmali(トルマリ)」に由来していると言われています。和名の「電気石」は、摩擦や加熱によって帯電することから名付けられています。また、多色性という特徴を持ち、ひとつの結晶に二つの色が混在するものは、「パートカラー(バイカラー)」、三つ以上の色が混在するものは、「パーティーカラー」と呼ばれます。中心が赤、外側が緑色のものは、スイカそっくりの色合いから、「ウォーターメロントルマリン」と呼ばれ、数あるパートカラー(バイカラー)・トルマリンの中でも、人気があります。
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虹を渡って旅した石
トルマリンは「大自然のエネルギーを帯びた石」だといわれ、古くから世界各地で病気の治療に用いられてきました。また、「トルマリンには全ての色がある」と言われるほど、豊富な色合いを持ちます。 古代エジプトでは、地球の中心部から太陽まで、虹の架け橋を渡って旅をしてきた石と考えられ、トルマリンの持つ多彩な色は、この旅の途中で虹から渡された色だという伝承があるそうです。 ごく稀にしか見る事の出来ない特別な虹。そんな特別な虹と結びつける事で、トルマリンも特別な存在として古くから人々を魅了してきたのでしょう。
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トルマリンクォーツ(Tourmalinated Quartz 和名:黒針水晶)
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トルマリンクォーツは、クォーツの中にブラックトルマリンの柱状・針状結晶が内包された天然石です。また「ブラックルチルクォーツ」「ブラックヘアークォーツ」「トルマリネーテッドクォーツ」などと言う名称でも流通しています。古くは戦いのお守りとして身に着けられていたもので、勝負事に強いと言われています。『運を運ぶ石』とも言われ実業家やスポーツ選手などにファンが多いようです。
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インクルージョン(内包物)
ルチルとは本来金針状のインクルージョン=「ルチル」が内包される水晶を指しますが、「ブラックルチル」「グリーンルチル」といったように最近では針状の鉱物が含まれるクォーツの総称となりつつあります。ブラックルチルはそのほとんどが黒いトルマリンを含み、グリーンの針状、アクチノライトやグリーントルマリンを内包するものをグリーンルチルなどと呼んでいます。他にもガーデンクォーツ、フローライトインクォーツ、ホーランダイドインクォーツなど一つの鉱物の中に多種多様な別の鉱物を内包している石もあります。
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パール(pearl 和名:真珠)
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パールは鉱物ではなく、貝類によって作られるバイオミネラル(生体鉱物)です。貝の体内に入った異物を核として、カルシウムの結晶(アラゴナイト・あられ石)とタンパク質の層が交互に積み重なり、パール特有の上品な虹色のきらめきが生み出されます。色合いもまた、二つの層の厚みやバランスによって決まります。名前の由来としては、ラテン語で「貝」を表す"Perna"からきているという説や、同じくラテン語で「洋ナシ」を意味する"Perla"からきたとする説などがあります。
淡水性の貝から産出し、多彩な色合いを楽しむことが出来る「淡水真珠」、アワビやアコヤガイから産する「本真珠」、白蝶貝から産する「南洋真珠」や黒蝶貝から産する「黒真珠(黒蝶真珠)」など、生成する貝によってさまざまな種類があります。 -
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人類が最初に出会った宝石
パールは、貝を食べようとした人間が見つけていただろうという事から、人類が最初に出会った宝石と言われています。日本書紀、古事記などにも記述が見られ、「七宝」の一つともされています。また、「海に落ちた月の雫(しずく)」や「人魚姫の涙」といった異名を持ち、古来日本では、「白玉」と呼ばれ、美しい高貴な女性の象徴とされていたようです。
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パイライト(Pyrite 和名:黄鉄鉱)
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パイライトは鉄と硫黄を主成分とする硫化鉱物の一種です。火山活動の活発な場所で形成され、主な産地としてはペルーや中国が有名です。パイライトという名前は、ギリシア語の火花に由来するもので、ハンマー等で強く叩くと火花が飛び散る事からラテン語でpyrites(火打ち石)、そこから英語でパイライト(pyrite)という名前が付けられたそうです。和名は黄鉄鉱で、黄金色〜真鍮色の色合いから、ゴールド(黄金)と間違われたこともあるため「Fool's Gold(愚か者の黄金)」という別名も持っています。
パイライトの原石は、まるで人工的に切り出したかのような六面体や八面体などの結晶で産出します。原石のそのままでも楽しむことが出来る事もパイライトの魅力の一つと言えます。 -
パイライトの兄弟的存在
パイライトの兄弟的な存在に、主成分がほぼ同じで結晶構造が異なる同質異像のマーカサイトがあります。マーカサイトは別名、マルカジットとも呼ばれ、18世紀頃にはダイヤモンドの代用品として大変人気がありました。カットした際の金属質の輝きが独特の魅力を持ち、ロンドンではあらゆる宝飾店のウィンドウを飾ったといいます。
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ハウライト・ホーライト(ホワイトマグネサイト)(Howlite 和名:菱苦土石)
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ハウライトはハウ石とも呼ばれ、珪酸塩鉱物の一種になります。1868年にカナダの学者であるヘンリー・ハウが発見したことによりハウライトと名付けられました。しかし、現在流通しているハウライトのほとんどはマグネサイトと呼ばれる別の鉱物です。当店で扱っているハウライトも同様です。 ハウライトとマグネサイトは鉱物の成分としては全く異なりますが、おそらく見た目が似ていたことから混同して扱われるようになったものと思われます。 そしていつしかハウライト=マグネサイトのように定着していきました。 白い石にグレーで入る模様が美しく、また安価であることもあり、定番的に人気のある天然石の一つです。
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ハウライト≒マグネサイト
ロードクロサイト(鉱物名)=インカローズ(流通名)、ペクトライト(鉱物名)=ラリマー(流通名)など、天然石には鉱物名とは別に流通名が存在する石があります。 マグネサイト(鉱物名)がハウライトという流通名で通っているのは、ハウライトという鉱物が別に存在するため、インカローズやラリマーとは少し意味合いが異なります。 私たち人間がつけたハウライトという流通名のせいで、まるで偽物の石のようになってしまったハウライト(マグネサイト)ですが、正真正銘100%天然の鉱物、また今ではハウライトといえば、このマグネサイトを指すことがほとんどとなりました。
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翡翠(ヒスイ)(Jade 和名:翡翠)
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翡翠は東洋の宝石と呼ばれ、日本や中国、アジア圏では古くから珍重されています。 深緑の半透明な色合いが魅力の石で、翡翠の名称は「翡」はカワセミの雄、「翠」は雌の意を表し、カワセミの美しい緑の羽に色彩が似ていることにちなんでいると言われています。翡翠と呼ばれるものには、「硬玉(ヒスイ輝石・ジェイダイド)」と「軟玉(ネフライト)」と2種類あり、鉱物的には別物になりますが見た目では区別がつきにくいことからどちらも翡翠と呼ばれています。英語名では硬玉・軟玉の総称をジェイド(Jade)と呼び、スペイン語が語源とされています。 産地は主に、ミャンマー、ロシアになります。
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翡翠(ジェード)の歴史
5月の誕生石として有名な翡翠はとても古い歴史をもちます。日本では、縄文時代の勾玉が見つかっており、中国では五徳を高めるとされ贈り物として使われていたそうです。西洋でも道具として加工されているなど、古くから様々な形で人々の身近にありました。身近な存在であると同時に、ダイヤよりも高級な石として扱われることもあり、今も根強い人気があります。一般的な翡翠は深緑のものですが、白・黒・茶・ラベンダー色などもあり、様々な色合いが楽しめるのも翡翠の魅力の1つです。
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ピンクサファイア(Pink Sapphire 和名:青玉)
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サファイアはルビーと同じコランダム(corundum)と言う鉱物に属し、内包物の違いにより赤色に発色するものをルビー、それ以外をサファイアと呼んで区別しています。 その中でもルビーと同じ内包物(クロム)により、ピンク色に発色するものがピンクサファイアと呼ばれます。一言でピンクと言っても淡いパステルカラーからルビーに近いレディッシュピンクまで幅広い色合いを持ち、赤紫色の濃淡はルビーとはまた違った雰囲気を持つ魅力的な石です。 石言葉のかわいらしさから女性としての柔らかさや優しさなどを引き出してくれ、出会いを求める人や恋愛運アップなどに用いられることが多いようです。
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宝石の王女
ルビーが「宝石の女王」と呼ばれるのならば、ピンクサファイアは「宝石の王女」でしょうか。様々な色合いのものがビーズに加工されていますが、上質なものは透明感もありキラキラと輝くので見ていて飽きることがありません。アクセサリにー仕立てる時はピンクサファイアに負けないようにK18YGなどのワンランク上のパーツを使用をしてみるのもお勧めです。
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フォスフォシデライト(Phosphosiderite 和名:斜燐鉄鉱)
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柔らかな雰囲気を持つ紫色の石、フォスフォシデライト。別名をメタストレング石と呼び、ストレンガイト(ストレング石)という鉱物の同質異像のものになります。
主な産地はペルーで、名前の由来はギリシア語の燐(りん)を表す【Phosphorus】と、鉄を表す【sideros】から来ているとされています。名前の由来のひとつの『燐』という元素は、1669年にドイツの錬金術師、ヘニング・ブラントによって発見され、phosphoros(光を運ぶもの)というギリシャ語から命名されました。当時、発光するその不思議な鉱物に魅せられ、多くの者が科学の道を志したそうです。
見ているだけでも癒されそうな優しい紫色の石ですが、紫色は風水においても自分を高めてくれる色とされており、古代では中国の皇帝が身に付ける高貴な色とされていたので、特別な時に身に着けてみるのもいいかもしれません。 -
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光を運ぶもの
一言で『燐(りん)(Phosphorus)』と聞いても、ぱっと思い浮かぶものはありませんが、私たちの身近に、燐は存在しています。それは、『マッチ』。摩擦を加えるだけで発火する不思議なものですが、火を起こすのに苦労した時代、マッチの存在は人々の生活を明るくしてくれていたに違いありません。『Phosphorus』という名前は、きっとそういった意味も込められていたのではないでしょうか。
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ブルーゴールドストーン(Blue gold stone 和名:紫金石)
サンドストーン(Sandstone 和名:茶金石)
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この石は、天然石ではなく溶かしたガラスに亜酸化銅の粉末を混ぜて作られた人工の砂金石(アベンチュリンガラス)になります。
ルネッサンス時代のイタリアが発祥とされ、ヴェネチアのガラス工房の職人がガラスを溶かしている最中に誤って銅片を落としてしまったことにより偶然生まれた石であり、その美しさから古くから装飾品として、また魔除けのお守りとしても使用されたとされています。
濃い藍色のものをブルーゴールドストーン(紫金石)、赤褐色のものをサンドストーン(茶金石、砂金石)、緑色のものをグリーンゴールドストーンと呼びます。いずれも一粒一粒に凝縮された輝き(アベンチュレッセンス)が魅力的な石です。 -
アベンチュレッセンス(偶然)の持つ意味
天然石はそれぞれ、石言葉や意味を持ちます。色合いや形状などで石を楽しむ人もいれば、石の持つ意味合いを考えて身につける人も少なくないかと思います。
ブルーゴールドストーンは人工石のため意味は持たないように思えますが、この石が偶然によって出来たことから「チャンスがおとずれる」「自分自身の成長を助ける」といった意味を持つそうです。「失敗は成功のもと」という言葉があるように、この石は失敗を恐れずにチャレンジすることの大切さを教えてくれているような気がします。 -
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ブルーレースアゲート(Blue lace 和名:空色縞瑪瑙)
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ブルーレースアゲートは、名前の通り水色の瑪瑙(アゲート)に白いレースのような縞模様のある、とても優しい雰囲気を持った石です。鉱物としては、石英の結晶が集まって形成された石で、カルセドニーと基本的に同じとされていますが、色合いのむらが少なく一定のものをカルセドニー、縞などの模様が存在するものをアゲートと呼んで区別されています。
主な原産地は南アフリカ共和国で、年々質の良い原石が減少しているため、その希少価値が高くなっています。
また、石の性質や見た目から、古くから石器の材料として使われたり、ローマ時代ではカメオや印章に使われました。チベットの人々はこの石を蓮の花に見立てて【神の石】として信仰の対象としていたようです。 -
控えめだけど、レース模様が特徴的
淡い水色からは空の色を思わせたり、水面のような印象を受けるブルーレース。そんな色合いの中にレース模様が入ることで、ぐっと華やかさが上がりますね。石言葉の癒し・休息・解放から、リラックス効果があり良い人間関係をサポートしてくれるとされています。
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プレナイト(Prehnite 和名:葡萄石)
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プレナイトは、原石が葡萄の房のような塊状で発見されることと、みずみずしいマスカットを思わせる色合いから「葡萄石」と呼ばれています。淡い緑色や黄色、黄緑色など色合いは様々です。主な産地はアフリカのマリ共和国、オーストラリアになります。成分としては熱水作用で生じるアルミニウム珪酸塩鉱物の一つで、カルサイトを伴って産出される事が多い石です。
プレナイトという名前は、オランダの陸軍大佐であるプレーン男爵が南アフリカで発見した事に因んで付けられました。ちなみに、鉱物学において人名が付けられたのはプレナイトが初めてのことだそうです。
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爽やかな季節への装い
プレナイトの色合いは緑の草原や春の陽光、爽やかな風などをイメージさせてくれ、身に着けるだけでも春の穏やかな季節を感じることが出来そうです。そんな穏やかな印象のプレナイトですが、見た目とは対照的な【努力・根気】を象徴する石とされており、力強さを秘めた石でもあります。自分の頑張りを後押ししてくれそうなこの石を身に付けてみてはいかがでしょうか。
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フローライト(Fluorite 和名:蛍石)
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多彩な色が最大の魅力のフローライト。この石は、主成分がフッ素カルサイトで出来ており、ハロゲン化鉱物の一種になります。名前の由来はラテン語の『流れる』という意味の【fluere】から来ているとされ、また、和名の【蛍石(ほたるいし)】は加熱すると発光する性質があることから名付けられたようです。主な産地は中国やナミビアになりますが、世界中から幅広く採掘されています。
トルマリンに次いで色合いが豊富なフローライトは、産地による固有の色を持たないという特徴があります。他の鉱物ならば、色合いや模様などの特徴である程度まで産地を特定できますが、フローライトの場合はどんな色であっても世界中で共通した色合いになるそうです。言語も環境も異なるさまざまな国で、古くから人々に見せてきた色合いが同じだったということはとても興味深い話です。 -
豊富なカラーバリエーション
フローライトはブルー、グリーン、パープル、ピンク、イエロー、クリア、また1つの石の中でバイカラーやグラデーションも見ることが出来たり、他の石にはない様々な色のバリエーションを持っています。
古代のエジプトでは彫像やスカラベにこの石が用いられ、中国やローマでも彫刻の素材として使われてきました。また、高純度の無色透明なフローライトはその特性を活かしてカメラのレンズに使用されていたりと、色合いによって人々への役立ち方が異なっていたのも多彩な色があるからこそ出来るフローライトの魅力だと言えるでしょう。 -
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ブロンザイト(Bronzite 和名:古銅輝石)
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ブロンザイトはパイロキシンと呼ばれる輝石の一種で、ハイパーシーンと同じエンスタタイト(頑火輝石)に分類されます。鉱物の10〜30%の鉄分を含むものをブロンザイトと呼び、30%以上のものになるとハイパーシーンと呼ばれます。
名前の由来は、銅(ブロンズ)のような色合いと輝きを持っていることから名付けられ、主な産地はブラジルになります。一見、地味な印象を受けやすい石ですが、角度によってはゴールドとブロンズの混ざり合った高級感のある落ち着いた輝きを見せてくれます。 -
same as Gold 〜金と同じ〜
銅という漢字は、金と同じという書き方をするように、金(ゴールド)に負けない美しさを魅せてくれます。古くから礼儀・礼節の石と呼ばれており、関わる人に敬意を持って接し、深い信頼を得ることの出来る石とも言われています。
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ペリドット(Peridot 和名:橄欖石)
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鮮やかな色合いと、独特の輝きが魅力のこの石。ペリドットという名前は宝石名であり、鉱物学上の名称は「オリビン」と呼ばれています。和名は橄欖石(カンラン石)と呼ばれ、「オリビン」「カンラン」どちらもオリーブに因んだものが由来のようです。
ペリドットの歴史は古く、3500年以上前から現在のセントジョーンズ島で発掘され、古代エジプトでは太陽のシンボルとして人々に愛されてきました。現在の主な産地はアフガニスタンや中国になりますが、かつてはハワイでも採掘され、現地では「女神ペレの涙」と呼ばれて魔除けの力があると伝えられてきました。 -
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イブニング・エメラルド
十字軍によってヨーロッパに持ち帰られ、教会での儀式用にされたとされるペリドット。入った光がふたつの違う方向に進むほどの複屈折率が特徴で、ダイヤモンドの輝きとはまた違った輝きを楽しむことができます。
夜の闇の中でも鮮明なグリーンを保つことから、ローマ人達からは「イブニング・エメラルド」と呼ばれていました。
現在でも、200カラットを超す巨大なペリドットがケルン大聖堂に飾られていたりと、時代を超えて人々に愛されてきた輝きは、今も衰えることなく人々の目をひきつけています。 -
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ホワイトジェード(White Jade 和名:珪岩)
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鉱物的に言うと、正しくは天然クォーツァイトとなります。名前から分かるようにクォーツ(石英)系の石であり、石英が熱変成を受けて出来る変成岩です。乳白色半透明の色をしているホワイトジェードは調和を象徴する石とも言われています。 アゲート・カルセドニー同様、染色されやすく、当店でも様々な色のジェード(クォーツァイト)を取り扱っています。
また、ラビットジェードとも呼ばれています。真っ白なウサギのイメージから付けられたのでしょうか。良く見てみると雪がぎゅっと凝縮された雪玉のようにも見えます。 -
ジェード・ジェイド(Jade)
ジェード=翡翠というイメージが強いかと思いますが、ここで言うジェードは玉(ぎょく)をイメージして付けられたもののようです。古来中国では、石を種類で分類せずに見た目の美しさで分類しました。特に好まれていたのがとろんとしたつやのある不透明な石で、玉と呼ばれていた石の中にはネフライト、翡翠、サーペンティン、カルサイトなどが含まれていましたが、ヨーロッパ人では区別が出来ず、英語のジェード(翡翠)を玉に当てはめたそうです。ジェードとは玉の英語訳であり石の種類ではなく、翡翠に似た石(玉)という意味のようです。
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ムーアカイト・モーカイト(mookaite 和名:碧玉)
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ムーアカイトは、鉱物的には水晶などが属するクォーツに様々な内包物を含んだ「ジャスパー(碧玉)」の一種になります。『水晶(クォーツ)』と聞くと透明感のあるクリアな印象ですが、ムーアカイトは特殊な条件下で生成されていく中で内包物や鉱物が混ざる事で透明感が無くなります。 モーカイト、モッカイト、モッカイト・ジャスパーとも呼ばれ、和名を『碧玉(へいぎょく、へきぎょく)』と呼びます。名前の由来は、主な産地の西オーストラリアのムーカクリーク(Mooka Creek)という地名にちなんで名づけられたとされます。
色合いはまるでチョコレート。酸化鉄を含むと赤色や赤褐色、水酸化鉄を含むと黄色や黄褐色、クローライトを含むと緑色や濃緑色になるなど、含有する成分によって色彩が変化します。この様々な色合いが、この石の最大の特徴であり、魅力でもあります。 -
アボリジニーの愛用品
産地であるオーストラリアの先住民アボリジニーは、古くからムーアカイトを愛用してきたとされています。「雨を呼ぶ石」「大地の石」として地下水脈を探すために使用したり、儀式や崇拝に使用してきたのだとか。
ムーアカイトがこのような色合いで人々の身近に存在するのも、人間が自然と共存していく上で必要な、大地のありがたさや水の尊さを教えるためのような気がします。日々生活していくうえで、当たり前と感じている物事も、見方を変えて感謝する、大事にする、そんな気持ちが大切なのかもしれません。 -
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ムーンストーン (Moonstone 和名:月長石)
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ムーンストーンは長石(フェルスパー・フェルドスパー)グループに属する石です。主な産地はタンザニアやスリランカで、6月の誕生石として知られています。ホワイトやライトグレー、オレンジやブラウンなど、ムーンストーンの魅せる色は様々です。和名を「月長石」と呼び、幻想的な輝きから夜空に浮かぶ月を連想させるとしてこの名前がつけられました。
ムーンストーンの歴史は古く、紀元前1世紀頃から始まります。月を宿す石とも言われており、古代ローマでは神官が祈祷に用いていたり、古代インドでは聖なる石として崇拝され、豊穣を願って農夫が身につけていたともいわれています。そのことから、暗闇を照らす月明かりのような、進むべき道を示す道しるべのような存在の石だった事が伺えます。
ムーンストーンの代名詞といっても過言ではない【シラー】は、カリウムを多く含む正長石(オーソクレース )と曹長石( アルバイト )の2つが交互に重なり合うことで生まれ、曹長石の層の厚みによって光の色が変化し、厚いと白いシラー、薄いと青いシラーになります。 青いシラーを放つ石はブルームーンストーン と呼ばれ、稀少価値の高いものとして人気があります。 -
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長石グループの仲間
ムーンストーンの属する長石グループは、約20種類以上ある鉱物の総称として使われています。その中でも、カリウム・アルミニウムを主成分とする【カリ長石グループ】、ナトリウム・カルシウムを主成分とする【斜長石グループ】に分けられ、ムーンストーンは【カリ長石グループ】に分類されます。
同じグループにアマゾナイトやオーソクレースなどが挙げられますが、見た目でムーンストーンと似ている部分はありません。含まれる成分や産出条件によって表情を変えるのも、天然石ならではの面白さであり、魅力でもあります。 ムーンストーンの一覧はこちら
メテオライト(meteorite 和名:隕石)
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メテオライトは宇宙から飛来してきた「隕石」です。その名前は、ギリシャ語で大気中の現象を意味する"meteoron(メテオロン)"が由来とされています。隕石にはいくつかの種類があり、主に「鉄隕石(隕鉄)」「石鉄隕石」「石質隕石」の3つに分けられます。
当店取り扱いの「鉄隕石(隕鉄)」で代表的なものに、ムオニナルスタ隕石、ギベオン隕石が挙げられます。ムオニナルスタ隕石は1906年にスウェーデンで、ギベオン隕石は1936年にナミビアで発見されました。どちらも主にニッケルと鉄で生成されており、酸化(錆)防止としてメッキ加工が施されているのが一般的です。古来より武器や道具として、また、魔除けや信仰の対象としても崇められていたとされています。 -
宇宙の不思議〜ウィドマンシュテッテン構造〜
鉄隕石(隕鉄)は、主成分であるニッケルと鉄の混合物が特定の環境下で非常に長い年月をかけて冷却され、ニッケルと鉄が分離することによって出来上がる独特な網目模様を持ちます。
この模様を【ウィドマンシュテッテン構造】と呼び、人工では作り出す事の出来ない構造とされているため、宇宙からきた本物の隕石であるということが証明されています。 -
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モルガナイト(Morganite 和名:モルガン石)
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可愛らしい色合いが人気のモルガナイト。この石は、ケイ酸塩鉱物の一種になり、アクアマリンやエメラルドと同じベリル(緑柱石)の仲間になります。モルガナイトのピンク色は、石に含まれるマンガンに起因し、その含有量によってピンクからオレンジがかったタイプのものなどに発色します。主な産地はブラジルになります。
以前はピンクベリル(ピンクアクアマリン)の名前で市場に出回っていましたが、1911年ごろにジョージ・フレデリック・クンツ博士が、宝石愛好家のJ・P・モルガン氏にちなんで『モルガナイト』と名付けました。一見すると、ローズクォーツやクンツァイトによく似ていますが、モルガナイトは見る角度によって色の濃さが違って見えるという特徴があり、他の石にはない深い味わいと色合いのかわいらしさを持ち合わせています。 -
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ベリルの楽しみ方
モルガナイトはその可愛らしい色合いから、「清純・愛情・優美」を象徴する石とされています。
モルガナイトが属するベリルは含まれる成分によって色と名前を変え、私達を楽しませてくれます。【青=アクアマリン、緑=エメラルド、黄=ヘリオドール、白=ゴシェナイト、ピンク=モルガナイト】同じベリルでも、色が異なるとその石の持つ意味合いも異なるため、その日の気分でお好みの色・意味合いを組み合わせてみるのも石を楽しむ方法の1つでもあります。 -
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モルダバイト (Moldavite 和名:モルダウ石)
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モルダバイトはギリシャ語で溶けた(tektos)が由来する テクタイトの一種で天然ガラスです。他の天然石のように地中で長い年月をかけて形成されたものとは違い、隕石が地球に衝突した際の衝撃で砂や土が溶解して形成されたものです。溶解したガラス質の成分が急激に冷やされたことで生まれる、表面の独特な凹凸や、内部に流線形の模様や気泡が見られるのが特徴です。
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希少石の代表格
天然石は世界各地で産出されますが、天然ガラス(テクタイト)はチェコ・東南アジア・中国・アフリカのリビアなどの 限られた地域でしか産出されません。 その中でもモルダバイトは世界中でチェコのヴルタヴァ川でしか産出されず、また産出量が非常に限定された、極めて希少性の高いものです。 「モルダバイト」という名称もこのヴルタヴァ川(ドイツ語でモルダウ川)に由来します。 その透き通る深い緑色の美しさ、希少性、広大な宇宙に由来する神秘的なものとして現在も世界中で親しまれています。
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ラピスラズリ 英語:Lapis lazuli 和名:瑠璃(るり)
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誰もが一度は耳にしたことのある名前の石、ラピスラズリ。この石は、ラズライト(青金石)を主成分とした混合鉱物であり、夜空の雲や星を思わせる模様はカルサイトやパイライトなどの成分によるものです。
主な産地はアフガニスタンになり、【ラピス】はラテン語で「石」、【ラズリ】はペルシャ語の「空」や「青」を意味する「ラズワルド」が語源とされています。
ラピスラズリの歴史はたいへん古く、古代エジプトやバビロニアでは、この石を護符として用いたり、王族などの装飾品によく使われていたともされ、ツタンカーメン王の黄金のマスクにもはめ込まれています。日本では、ラピスラズリは「瑠璃」と呼ばれ、仏教の七宝の1つとされています。 -
ラピスラズリ(色)に魅せられた画家
西洋ではラピスラズリの粉末を用いて作った顔料を「海(地中海)を越えてもたらされたもの」という意味をもつ【ウルトラマリン】と名付けました。この色には「フェルメール・ブルー」という別名もあり、17世紀にオランダで活躍した画家フェルメールがラピスラズリの青色を自身の作品に多用したことにちなんでつけられたとされています。
色褪せることのない引き込まれるような深い青は、いつの時代も人々の目を引きつける、不思議な力があります。 -
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ラブラドライト(Labradorite 和名:曹灰長石)
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オーロラの輝きのような美しさを持つ石、ラブラドライト。和名を「曹灰長石(そうかいちょうせき)」と呼び、フェルスパー(長石)の仲間で斜長石の一種になります。主な産地はマダガスカルになります。ラブラドライトという名前は、1770年にカナダのラブラドル沿岸のセント・ポール島で発見され、地名"ラブラドル"に因んでこの名前が付けられたそうです。
ラブラドライトの最大の魅力は、光の加減や見る角度によって変わる、ブルーやグリーン、ゴールド、イエロー、ピンクなどの多彩な色の輝きにあります。この輝きは「ラブラドレッセンス(ラブラドルの光)」と呼ばれ、実に神秘的で魅力的な輝きを放ちます。フィンランドで産出されるラブラドライトは、地色が濃く、ラブラドレッセンスが強く鮮明に見えるため、スペクトル(虹色)に因んだ「スペクトロライト」という名前で呼ばれています。 -
エマーソンの詩
19世紀アメリカの思想家であり詩人のラルフ・ワルド・エマーソンは、ラブラドライトを折り込んだ詩を残しているそうです。
解釈は様々ですが、ラブラドライトの美しい色合いを人の長所として捉え、その人にしか輝けない、その人だからこそ輝ける部分があるという事を、ラブラドライトを通して伝えたかったようです。 -
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ラリマー(Larimar 和名:ソーダ珪灰石)
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海にきらめく水面を押し込めたような色合いが魅力のラリマー。正式な鉱物名は「ペクトライト」。ペクトライトには白・黄・緑・青・ピンクなど様々な色があり産出国は様々ありますが、中でも鮮やかな青色の石だけをラリマーと呼び、この石はカリブ海に浮かぶ島ドミニカ共和国のバオルコ村付近でのみ産出されます。名前の由来は、発見した地質学者ノーマン・ライリングの娘『ラリッサ』とスペイン語で"海"を意味する『マール』の組み合わせによって名付けられたようです。
この石は、1974年に発見された非常に新しい鉱物になります。1985年にアメリカの宝石商が『カリブ海の宝石』として売り出したことにより知名度が上がりました。また、スギライト、チャロアイトと並び、世界三大ヒーリングストーンの1つとしても有名で、「愛と平和」の象徴として人々に親しまれています。 -
カリブ海からの贈り物
ブルーペクトライトはラリマーとしての流通名のほかに、「アトランティス・ストーン」「ドルフィン・ストーン」という別名を持ちます。「アトランティス・ストーン」は、ドミニカ共和国はアトランティスの失われた大陸だったという伝説をもつため、「ドルフィン・ストーン」はカリブ海に泳ぐイルカをイメージして付けられたようです。
どちらも産出される土地の自然に因んでいることから、ラリマーはまさにカリブ海からの贈り物といえるでしょう。 -
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ラルビカイト(Larvikite 和名:月長石閃長岩)
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主にアルカリ長石と斜長石を成分とし、少量の石英や黒雲母が混じった深成岩。 名前の由来はノルウェー南部のラルビック地方で採掘されたことからその名がついたと言われています。 外観はブラック〜グレーをベースにシルバー〜ブルーのシラーが特徴的な石です。 古くから御影石の名で高級建材として使用されていましたが、ここ数年天然石ビーズとして出回り始めた比較的目新しい石です。 石言葉の精神の安定と肉体の活性から、若さを保つ、精神状態の安定などとして用いられることが多いようです。
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シャープで落ち着いた輝き
その見た目からラブラドライトとして間違えて販売されることも多く、「ブラックラブラドライト」などの別名でも流通しているようです。 シルバー〜ブルーのシラーは見る角度により印象を変え、その不思議な色合いはとても幻想的です。 手に取ってみると派手すぎず大人な女性や男性にもお勧めの石です。
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リビアンデザートグラス(Libyan Desert Glass)
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リビアンデザートグラスは、リビアからエジプトにかけてのサハラ砂漠東部で採取される天然ガラスです。イエロー色の天然ガラスはこの地でしか産出されません。
生成段階が解明されておらず、モルダバイトのように宇宙を起源とし、隕石の衝突などで起こった巨大な熱反応によって地表の岩盤の一部を溶かして偶然出来上がったものだという見方が一般的の様です。 石の中には気泡が見られ、淡いイエローカラーが魅力的です。 -
天然ガラス
古代エジプトでは、何世紀にも渡ってこの天然ガラスを使って彫刻品やアクセサリーが作成され、ツタンカーメンの王墓からもこの石を使ったスカラベの彫刻品が見つかっています。古くから非常に珍重され、神秘的に扱われていたとも言われています。 また、この石を持つと感情体が活性化して想像力や行動力が刺激されて、自分の願いが現実化しやすくなると言われているようです。
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ルビー(Ruby 和名:紅玉)
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ルビーはダイヤモンドの次に硬いとされている、コランダム(鋼玉)という鉱物グループに属する石です。色が赤いものを「ルビー」と呼び、それ以外のカラー全ては「サファイア」と呼ばれています。主な産地はアフリカになり、名前の由来はラテン語で“赤”を意味する「Ruber」からきています。和名は「紅玉」と呼びます。
ルビーの色合いは、クロムによって発色するとされており、その色が鮮やかで美しいほど宝石としての価値が高くつけられています。また、産地によって色合いが異なるのも特徴として挙げられ、ルビーが産出される岩石にクロム以外の成分が取り込まれると、黒味や紫味が増し、また違った雰囲気のルビーも楽しむことができます。 -
宝石の女王
ルビーはその昔、赤い宝石の総称として用いられていたため宝石の女王と呼ばれていました。そのため多くの言い伝えや伝説が残されています。そのひとつとして、幸運と勝利をもたらす石とされ、古代ローマでは戦場に赴く兵士達が護符として用いただけでなく、あらゆる邪気から持ち主を守ると言い伝えられてきました。
ルビーの持つ鮮やかな色合いは何物にも負けない力強さがあり、今も昔も変わらず、宝石の女王として世界中の人々を魅了しています。 -
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ルビーインフックサイト(Ruby In Fuchsite 和名:クロム雲母)
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フックサイト内にルビーが混入したものがこの石になります。
この石の緑色はフックサイト(クロム雲母)といわれる、モスコバイトの一種で緑色のものを言います。
落ち着いた緑色のフックサイトがピンク色のルビーを引き立て、自然が作り出した色の組み合わせは見事です。
おもな産出地はインドで、名称はドイツの化学者フックスに因んで命名されました。
落ち込んでいたり、精神的な疲れを回復させるとされ、またコミュニケーション能力を向上させるとも言われているようです。 -
ルビーインフックサイトとルビーインゾイサイト
どちらもルビーを含み、一見どちらも同じ仲間の石のようにも見えます。しかし、フックサイトは白雲母の一種でクロムを含むことで緑色を発色し、ゾイサイトは灰簾石(かいれんせき)または、ゆう簾石とも呼ばれる鉱物からできています。
鉱物的にはまったく違う石も、ルビーを含むことで似てくるのもなんだか不思議な感じがします。 -
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レインボームーンストーン(Rainbow moonstone 和名:曹灰長石)
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レインボームーンストーンという名前からすると、ムーンストーン(月長石)の仲間と捉える方も多いかと思いますが、この石は長石グループの中でもラブラドライトに属する石で、鉱物としては「ホワイトラブラドライト」になり、『レインボームーンストーン』という名前は見た目から付けられた流通名になります。
原産地はインド、この石の特徴としては、イエローやブルー、グリーンなど七色の虹のようなシラーという独特の光の反射が見られます。
このシラーは、石の成分の曹長石と灰長石という鉱物が交互に層をなして重なり合っているために起こる現象で、その様子からレインボームーンストーンという呼び名がついたそうです。 -
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七色の虹〜シラー効果〜
古来より「虹」はごく稀にしか見れないことから人々にとって幸運の象徴だったようです。今でも、雨上がりの日に虹を見つけるとその日一日いいことがあるような気持ちになります。
レインボームーンストーンもまた、美しい虹色の輝きから幸運を呼び込むと言い伝えられています。角度によってさまざまな色合いを見せてくれるレインボームーンストーンを身につけて、ちょっぴり特別な気分を味わってみるのも素敵ですね。 -
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レピドライト(Lepidolite 和名:リシア雲母、鱗雲母)
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レピドライトは、雲母(マイカ)の一種になります。ギリシャ語で鱗(うろこ)という意味の【lepidos】が名前の語源とされ、その名の通りキラキラとした鱗片状の結晶が特徴的です。主要産地は、モザンビーク、マダガスカルなどアフリカ大陸です。
雲母自体は、小学校の理科の授業に出てきたりと一度は耳にしたことのある鉱物かと思いますが、リチウムが含まれることによってピンク色や薄紫色、赤紫色などの色合いに変化したものがレピドライトと呼ばれ、クンツァイトやトルマリンなどと共生していることも多く、混合結晶(レピドライトwithピンクトルマリンなど)が産出されることもあるようです。
レピドライトの独特な輝きから、昔から彫り物材として珍重され、18世紀ごろは灰皿や文鎮、皿などが盛んに作られていたようです。
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雲母の色合い
雲母は含む鉱物によって様々な色合いを見せてくれるところも魅力となります。 同じ雲母の仲間になる黒雲母のバイオタイト、緑雲母のフックサイトなどと組み合わせてみてはいかがでしょうか。キラキラとした内包物としての輝きも私たちの目を楽しませてくれます。「変化・変革の石」として知られていますので、現状を打破したい時などのお守りとして良いかもしれません。
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ロードクロサイト(インカローズ)(Rhodochrosite (Incarose) 和名:菱マンガン鉱)
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赤やピンクの可愛らしい色合いを持つロードクロサイト(インカローズ)。主な産地はアルゼンチンやペルーになります。ロードクロサイトという名前の由来はギリシャ語の「ロード(薔薇)」「クロス(色)」という意味合いから来ており、1813年、ドイツの鉱物学者ハウスマンによって名づけたとされています。古代インカ帝国では「薔薇模様の真珠」として大切に扱われてきたという記述も残されているようですが、宝石史に登場するようになったのは第二次世界大戦直前のことだとか。
和名を「菱(りょう)マンガン鉱」と呼び、主要なマンガン鉱石のひとつになります。純粋なものほどピンク色で、鉄分を含む事によって赤みが増し、赤みの強いものほどより上質なものとされています。また、この石はカルサイト(方解石)とよく似た科学組成や結晶系を示す、同質異像の石になります。 -
2つの名〜ロードクロサイトとインカローズ〜
ロードクロサイトには、「インカローズ」という別名があります。この名は、古代インカ帝国が栄えたといわれるアンデス山脈から産出され、カットした面がまるで薔薇の花を思わせるような模様が現れたことから「インカローズ(インカの薔薇)」と呼ばれるようになったそうです。日本ではインカローズの名で呼ばれる割合の方が多いようです。
ロードクロサイトとインカローズ。どちらも薔薇の名が入るこの石は、その名の通り薔薇のような美しい色合いで人々を魅了する石です。 -
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