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翡翠(ひすい)

翡翠(ひすい)について

【和名・翡翠(ひすい、ヒスイ)・硬玉・軟玉|英語・Jadeite、Nephrite|主要産地・ミャンマー/ロシア等】

国産では糸魚川翡翠が非常に有名なため、翡翠という天然石はとても知名度がありますが、翡翠と一言で言っても、主にミャンマーで産出される硬玉ジェイダイト)、ロシアやカナダで産出される軟玉ネフライト)の2種類に区分されます。日本でも古来より宝石として珍重されてきた天然石の一つで、2016年には日本の国石に認定されています。パワーストーンとしての人気も高いです。当店ではビーズ、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレット等を販売しております。


    翡翠(ひすい)とは

    翡翠の解説 翡翠とは
  • 翡翠(ひすい)とは、古くから中国・日本を中心としたアジアや南米で珍重されてきた石です。古名を「玉(ぎょく)」といい、勾玉などに加工されて装飾品として用いられてきました。ここでは、翡翠の特徴や種類を解説します。
  • 翡翠には硬玉(ジェイダイト)・軟玉(ネフライト)がある


    翡翠と呼ばれる石には、硬玉(ヒスイ輝石・ジェイダイト)と軟玉(緑閃石・ネフライト)の2種類があります。硬玉はケイ酸塩鉱物を主成分とし、ナトリウムやアルミニウムを含む単斜輝石です。軟玉は、ケイ酸塩鉱物の一種、透閃石の緻密な集合体です。この2つは、全く別の鉱物ですが見た目がよく似ているので、両方とも「翡翠」という名で流通しています。

    硬玉のモース硬度7なのに対し、軟石のモース硬度が6.5とやや柔らかいのがそれぞれの名前の由来です。古代から翡翠を珍重してきた中国では、軟玉しか採掘されていませんでした。一方、日本で採掘されてきた翡翠は硬石です。現在、日本では硬石を「本翡翠」として軟玉と区別しています。当店では、硬石と軟玉の両方を翡翠として取り扱っています。
  • 翡翠には緑以外の色もある


    翡翠は緑色というイメージがありますが純粋な硬玉は白色で鉄やクロムが含まれると緑色になり、チタンが含まれると紫色がかった色(ラベンダー翡翠)になります。一方、ネフライトの方は鉄分を多く含むほど緑色が濃くなっていき、マグネシウムを多く含むと乳白色になります。宝石として流通している翡翠の大半が緑・白緑・紫色です。このほか、黒色などの珍しい翡翠もあります。

    「翡翠」という和名は、鳥の「カワセミ」に由来し、「翡」はカワセミの雄が持つ赤色、翠は雌の持つ「緑色」を意味しています。
  • 翡翠は日本の国石


    翡翠は、2016年に日本鉱物学会によって国石に認定されました。また、5月の誕生石にもなっています。
  • 翡翠(ひすい)は全ての鉱物の中で最も割れにくい


    翡翠のモース硬度は硬玉で7,軟玉で6.5ですが、靱性は全ての鉱物の中でトップです。地球上で最も硬い鉱物ダイヤモンドよりも衝撃に強く、割れにいと言われています。そのため、翡翠の原石は石器時代から斧や槍の穂先などに加工され用いられてきたのです。
  • 翡翠 鉱物データ

項目
和名 翡翠輝石 ひすいきせき(硬玉)  緑閃石 りょくせんせき(軟玉)
モース硬度 7(硬玉)  6-6.5(軟玉)
結晶 単斜晶系
成分 NaAl[Si2O6](硬玉) Ca2(Mg2Fe2+)5[OH│Si4O11]2(軟玉)
比重 3.25〜3.35(硬玉)  2.90~3.00(軟玉)
緑 白 黄 黒 褐 赤 ピンク 紫 灰等
一般的なトリートメント等 漂白 染色 ワックス含侵処理

    翡翠(ひすい)の歴史

    翡翠の歴史
  • 翡翠は日本で最も古く加工が始まり、奈良時代までは日本の重要な貿易品でもありました。ここでは、日本を中心に翡翠の歴史を解説します。

  • 翡翠は古来より石器などに使われた


    翡翠は原石でも非常に靱性が高く壊れにくい石です。そのため、石器時代から斧やナイフなどに使われていました。翡翠の原石を用いた石器は日本やロシアなどで発見されています。
  • 日本で翡翠の採掘が始まったのは縄文時代


    日本では、世界で最も古く約5,000年前の縄文時代から硬玉(本翡翠)の採掘と加工が始まりました。
    新潟県糸魚川市にあるヒスイ海岸では、翡翠の原石が打ち上げられるので、これを加工したと考えられています。加工された翡翠は呪術の道具や宝飾品になったほか、交易の道具にもなりました。糸魚川で採掘された原石は北海道から沖縄まで広く見つかっています。これは、海路で翡翠の原石が運ばれた証拠です。また、中国の史書「魏志倭人伝」の中では、邪馬台国の女王卑弥呼が中国に2個の勾玉を送ったという記述がありますが、勾玉の素材が翡翠だったという説もあります。
    このほか、皇族に伝わる三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の素材も翡翠ではないか、と推測されています。(メノウという説もある)

    翡翠の日本史
    このように、優れた加工技術がありながら、日本の翡翠加工は奈良時代を境に急速に廃れてしまいました。以来、日本で翡翠が採掘・加工されていたという歴史は忘れ去られ、1938年(昭和13年)に伊藤栄蔵という人物が糸魚川沿いで翡翠を再発見するまで、日本で翡翠は存在しないと考えられていたのです。
    なお、翡翠が採掘できる糸魚川の小滝川ヒスイ峡は1956年(昭和31年)に国の天然記念物に指定され、採掘が禁止されています。しかし、この峡谷から転がり落ちた翡翠の原石はそのまま糸魚川やヒスイ海岸に流れ着くため、今でも原石を拾うことは可能であり、糸魚川市の名所にもなっています。
  • 翡翠は中国ではダイヤモンドより価値があるとされていた


    中国では、昔から翡翠は「玉」と呼ばれダイヤモンドよりも価値がある石とされ、珍重されてきました。
    中国で採掘される翡翠は「軟玉」だけでしたが、古代の王朝では死者に翡翠の玉を連ねた衣「玉衣」を着せて埋葬する習慣もあったのです。これは、翡翠が「不老不死」の力があると信じられていたためです。
    同様の風習が中南米で発展したアステカ文明にもあり、翡翠の副葬品が多数発掘されています。現在でも中国では翡翠の宝飾品や民芸品が盛んに作られています。

    翡翠(ひすい)の産地

  • ここでは、現在翡翠が採掘される場所について解説します。日本では糸魚川にも未だ多くの翡翠が眠っているとされていますが、現在は採掘が禁止されているので国内に出回っている翡翠の多くが外国産です。

  • 硬玉(ジェイダイト)の産地


    現在、世界で最も多くの硬玉翡翠が採掘されているのがミャンマー(ビルマ)です。カチン州の北部にあるチンドウィン川からイラワジ川の領域が主な採掘地で、日本同様川に落ちた原石を水の中から探す採掘方法が取られています。2015年まで世界で最も大きな翡翠の原石は糸魚川で発見された102トンのものでしたが、2016年にミャンマーのパカン地域で175トンの原石が発見され、記録が塗り替えられました。 ミャンマー産の硬玉は鉄分を多く含んでいるため、緑色が鮮やかに出やすいのが特徴です。当店でも、さまざまな色合いのミャンマー産硬玉および、マウシットシット・ラベンダー翡翠を取り扱っています。
  • 軟玉(ネフライト)の産地


    軟玉翡翠の主な採掘地はロシアとカナダです。当店が扱っている軟玉もロシア産とカナダ産です。また、アメリカの飛び地でありカナダと隣接しているアラスカ州でも少量ですが採掘が行われています。
  • 翡翠の産地がわかる世界地図

    翡翠(ひすい)の種類

  • 翡翠には、硬玉・軟玉という区別以外に産地や色でいくつかの種類に分かれています。ここでは当店で取り扱っている石を中心に、翡翠の種類について解説します。
  • 硬玉 / ジェイダイト

    硬玉 / ジェイダイト

    硬玉は、日本で「本翡翠」と呼ばれる石です。純粋な翡翠は白色で、鉄やクロムが含まれると緑色が強くなっていきます。ですから、天然石や宝石として流通している翡翠の多くが乳白色がかった緑色をしています。当店では、白色が強い硬玉・緑色が強い硬玉・そして、黒硬玉の3種類があります。黒硬玉は「グラファイト(石墨・黒鉛)」を成分に含んだ石です。含まれるグラファイトの量によって色味が異なり、漆黒からグレーがかった色合いまであります。当店では、漆黒に近い珍しい黒硬玉も取り扱っております。

  • 軟玉 / ネフライト

    軟玉 / ネフライト

    軟玉(ネフライト)は、硬玉に比べるとモース硬度が低く、含有される鉄分の量が多いほど緑色が深くなります。鉄分の量が少ない軟玉はクリーム色・白色・黄色など明るい色になるのも特徴です。当店では、深く澄んだ緑色から乳白色に近い淡い緑色のものまで、変化に富んだ色合いの軟玉を取り扱っています。軟玉は靱性が高く染色処理が難しいので、市場に出回っている軟玉はすべて天然のままの色です。当店では、希少性の高いキャッツアイが見られる軟玉も取り扱っています。

  • ラベンダー翡翠(ラベンダーひすい)

    ラベンダー翡翠

    ラベンダー翡翠は、硬玉の一種です。チタンが多く含まれており、その含有量によって薄紫から青に近い色までさまざまな濃度の紫色になります。石全体がラベンダー色に染まっている石もあれば、乳白色と紫色がマーブル模様になっている石もあります。当店で取り扱っているラベンダー翡翠は、石全体が淡いラベンダー色のものです。天然の石なので一つ一つ色合いが異なります。

  • マウシットシット(モーシッシ、マウシッシ)

    マウシットシット

    マウシットシットは、コスモクロア輝石ともいい、硬玉を構成する主成分の1つであるアルミニウムがクロムに置換したものです。初めて発見されたのが隕石の中だったので、長らく地球上には存在しない鉱物とみなされてきました。1984年にミャンマーのマウシットシットとから、同じ成分の鉱石が発見され、地球上にも存在することが確認されました。厳密にいえば翡翠とは別の石ですが、成分が翡翠に近いため翡翠の一種として流通しています。当店が取り扱っている マウシットシットは、硬玉の割合が高く成分も硬玉に酷似しています。硬玉以外に含まれている成分は、アルバイト(曹長石)です。純粋な硬玉・軟玉に比べると緑色が鮮やかで白色をほとんど含まないのが特徴です。

    翡翠(ひすい)のお手入れ方法

  • ここでは、翡翠のお手入れ方法について解説します。翡翠は粘り強さは鉱石一ですが、ひっかくと傷がつきますので、翡翠のアクセサリーは、尖ったものと一緒にしまわないようにしましょう。
  • 乾燥に注意


    翡翠は過度の乾燥で色が濁ったり変色したりすることが稀にありますので、乾燥した場所で長時間付けっぱなしにするのは控えましょう。ベビーオイルや食用油などを翡翠に塗るお手入れ方法もありますが、翡翠を身につけておくだけでも、皮脂によって乾燥を防ぐことができます。

  • 化学物質と酸で腐食する


    翡翠は、化学物質と酸で腐食する性質があります。ですから、翡翠のアクセサリーを付けたまま家事をするのは控えた方が無難です。キッチン用の漂白剤は酸性、油汚れ用の洗剤は強アルカリ性です。また、ナチュラル洗剤の重曹やセスキ炭酸ソーダもアルカリ性なので、扱う場合は翡翠をはずしてください。

  • 柔らかい布で拭く


    翡翠の普段のお手入れは、柔らかい布で拭くだけで十分です。なお、翡翠は靱性が高いのですがモース硬度は6.5〜7なので、超音波洗浄機などには不向きです。表面に傷がつき色が濁ってしまいます。

翡翠(ひすい)の販売商品

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