宝石の世界では複数の宝石が星座による守護石「星座石」として選ばれ、今日まで言い伝えられてきました。先に結論を言うと、「鉱物や宝石の特別な力を信じた人類が、その恩恵を受けようとして作り出したもの」に他なりません。
実際宝石には私達に何か不思議な力を期待させる程の「確かな美と魅力」があります。
今回は星と石の結びつきを信じた占星術の生まれ星座よる星座石について解説しながら、選ばれし石達の魅力にも迫っていきたいと思います。後半には星座石の選び方に関しても解説をしていますので、ぜひ最後までお読み下さい。
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星座石とは?
星座石について解説します。星座石は、12ある星座を象徴する宝石のことです。星座石は、占星術の発祥の地であるカルデアから生まれたと言われています。カルデアで行われていた天体観測では、地球から太陽を見ると、太陽はその軌道を1年かけて1周すると考えられていました。
太陽の運動径路は大円(通称 黄道)で、その軌道を12分割しそれぞれに星座を配置し、それが時を経てギリシャへ伝わり、それら星座を象徴とした黄道12宮に配置された宝石を星座石と呼ぶようになりました。そして古代の人々は自分の生まれ星座の星座石をお守りとして身に着けることで、その星座とつながり、厄災から守られ加護を受けられると考えていました。
星座石一覧
各星座に対して複数の宝石が星座石として知られています。各星座の主な星座石は下の表のようになります。
星座石 | |
牡羊座(3/21~4/19) 1番目の星座 | ダイヤモンド・ブラッドストーン・コーラル(サンゴ)・レッドスピネル・ルベライト・インカローズ |
牡牛座(4/20~5/20) 2番目の星座 | エメラルド・ヒスイ・グリーンアベンチュリン・ジェード・マラカイト・デマントイド・アマゾナイト |
双子座(5/21~6/21) 3番目の星座 | アゲート・アレキサンドライト・イエローベリル・シトリン・ゴールデンサファイア |
蟹座(6/22~7/22) 4番目の星座 | パール・ムーンストーン・アゲート・ラブラドライト・セレナイト・ミルキークォーツ |
獅子座(7/23~8/22) 5番目の星座 | ルビー・サード二クス・琥珀 (アンバー)・カーネリアン・クリスタルクォーツ・サンストーン |
乙女座(8/23~9/22) 6番目の星座 | サファイア・サード二クス・レッドジャスパー・イエロージャスパー・プレーナイト・イエローカルセドニー |
天秤座(9/23~10/22) 7番目の星座 | トルマリン・ピスラズリ・アズライト・ソーダライト・ブルーカルセドニー |
蠍座(10/23~11/21) 8番目の星座 | トパーズ・オパール・トルマリン・ファイアオパール・ヘマタイト・紅翡翠・ロードストーン |
射手座(11/22~12/21 9番目の星座 | トパーズ・ラピスラズリ・ターコイズ(トルコ石)・スギライト・ラベンダージェダイト・パープルスカポライト |
山羊座(12/22~1/19) 10番目の星座 | ターコイズ・ガーネット・オブシディアン・パール・オニキス・ブラックオパール・オプシディアン・メラナイト |
水瓶座(1/20~2/18) 11番目の星座 | アメジスト・ブラックダイヤモンド・ブルーダイヤモンド・ブラウンクォーツ・ブラウンジルコン |
魚座(2/19~3/20) 12番目の星座 | アクアマリン・ブラッドストーン・アメジスト・ペリドット・バイオレットサファイア・パープルスピネル・アイオライト |
※各星座のおすすめの星座石に関しては後半に紹介します。
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各星座のおすすめの星座石
ではここからは各星座のおすすめの星座石を紹介していきます。たくさんある星座石の中でも、魅力的な宝石をピックアップしていますので、ぜひチェックしてみてください。
牡羊座(3/21~4/19)のおすすめの星座石「インカローズ」
おうし座のおすすめの星座石はインカローズです。ギリシャ語で「バラ色の石」というロードクロサイトという鉱物の宝石で、特徴は産地によって色や模様が異なることです。白い縞模様が入ったアルゼンチン産や趣のある朱色のペルー産などが有名です。
発見された最古のインカローズは13世紀頃の現在のアルゼンチンです。その美しさから「ピンク色の薔薇模様を呈した真珠」と称賛されたそうで、現在では恋愛運を上げるパワーストーンとしても人気です。
牡牛座(4/20~5/20)のおすすめの星座石「コーラル」
おうし座のおすすめの誕生石はコーラルです。コーラルとは珊瑚(サンゴ)のことで、鉱物ではありませんが、古くから宝石として扱われてきました。海のパワーが宿ると信じられているコーラルには、実にさまざまな色と柄があります。特に赤い色のコーラルはその力が強く、お守りとしても人気です。
上質なコーラルは日本でも採れます。そんな日本のコーラルの産地では、独自の文化が育まれました。例えば、高知県では生まれた赤ちゃんにベビーブレスレットとしてコーラルの腕飾りを贈る風習があります。
赤ちゃんの小さな腕に付けられたコーラルの色やツヤに変化があれば、体調不良のサインであるということが分かり、まだ言葉を話せない赤ちゃんにとっての代弁者となっていたことがその由来です。
双子座(5/21~6/21)のおすすめの星座石「シトリン」
双子座のおすすめ星座石はシトリンです。天然のシトリンはとても貴重な為、流通しているものの多くはアメジストを加熱処理したものになりますが、いずれも淡く美しい黄金色をしています。またその色から世界各地で冨と繁栄をもたらす宝石としても知られており、「幸運の石」や「商人の石」と呼ばれることもあります。
透明度が高くうっすらと黄金がかったシトリンは嫌味がなく、高級感と気品さのバランスの取れた魅力的な宝石です。ちなみに発色が濃く出ているものはブランデーシトリンと呼ばれ区別して扱われることもあります。
蟹座(6/22~7/22)のおすすめの星座石「パール」
かに座のおすすめの星座石はパール(真珠)です。パールは鉱山で発掘される訳ではなく、貝の体内で作られる生体鉱物(バイオミネラル)です。海の中で作られることから「海の宝石」とも呼ばれており、繊細な美しさを感じる宝石です。
パールにも様々な色があり、その色によってそれぞれの印象は大きく変わります。ホワイト系のパールは優しさや柔軟さ、シルバーのパールは鋭さと気品、ゴールドのパールは豊かさやエレガントさを感じられます。また、パールはその見た目から、「月の涙」と言われることもあります。
獅子座(7/23~8/22)のおすすめの星座石「クリスタルクォーツ」
しし座のおすすめの星座石は「クリスタルクォーツ」です。クリスタルクォーツは、透明の水晶のことで、人によってはロッククリスタルやクリアクオーツと呼ぶ人もいます。
実は水晶は長年日本を代表する宝石鉱物である国石に指定されていました。その後紆余曲折があり、2016年から翡翠にその役目をバトンタッチしましたが、今も昔も水晶は日本では特に人気のある宝石のひとつです。
無色透明で溶けない氷のような水晶、白いスモークのかかったような水晶、また生成過程で古来の水がそのまま内部に残った水入り水晶などもあり、とても奥が深いのも魅力です。また、水晶には人を癒す力があると信じられ、そのヒーリングパワーで心をクリアな状態に戻してくれるとも言われています。
乙女座(8/23~9/22)のおすすめの誕生石「サードニクス」
おとめ座のおすすめの誕生石はサードニクスです。赤褐色と白色の艶のある縞模様が特徴的なサードニクスは、彫刻や食器などを彩る宝飾品の素材として長年重宝されてきました。
サードニクスはパワーストーンとしても知られており、赤と白の縞模様から男女の関係を深めてくれるキューピットストーンとしても有名です。
天秤座(9/23~10/22)のおすすめの星座石「ラピスラズリ」
てんびん座のおすすめの星座石はラピスラズリです。ラピスラズリは濃い青色(るり色)をした宝石で、和名を「瑠璃(るり)」と言います。「神に通じる石」と信じられてきたラピスラズリは、世界各地でさまざまな儀式や呪術にも用いられ、世界で最初のパワーストーンとしても知られています。
ラピスラズリは宝石としてだけでなく、絵画の世界でもその美しさの印象を残してきました。17世紀を代表するオランダの画家フェルメールが使う美しい青色は、「フェルメールブルー」と称されていますが、その原料はこのラピスラズリであり、絵具のウルトラマリンとして広く広まっています。
蠍座(10/23~11/21)のおすすめの星座石「トルマリン」
さそり座のおすすめの星座石はトルマリンです。トルマリンは宝石の中でも最も多彩な色を持つとされ、「トルマリンに無い色はない」とまで言われています。
トルマリンの和名は「電気石(でんきせき)」です。簡単に電気を帯びる性質から名づけられ、この性質により宝石だけではなく健康に良い影響を与えてくれるアイテムとしても重宝され、さまざまな関連商品が販売されています。
ただ、トルマリンの最大の魅力は、やはりそのカラーバリエーションです。そのバリエーションは単色のみに留まらず、2色のバイカラートルマリンや、3色のトリカラートルマリンなどもあります。トルマリンは、宝石の華やかさと楽しさを感じさせてくれる宝石です。
射手座(11/22~12/21)のおすすめの星座石「スギライト」
射手座のおすすめの星座石はスギライトです。一般的には深みのある紫色の宝石として知られています。スギライトの和名は「杉石」と言いますが、実はこのスギライトは1944年に愛媛県の瀬戸内海に浮かぶ岩城島で日本人が発見した宝石になります。発見者2人の内の1人である「杉健一教授」の名前にちなんでスギライトと名付けられました。
このスギライトはラリマーやチャロアイトと並ぶ「世界3大ヒーリングストーン」としても有名で、その中でも特に癒しのパワーが強くパワーストーンとしても人気があります。
山羊座(12/22~1/19)の星座石「オニキス」
やぎ座のおすすめの星座石はオニキスです。オニキスの中でも、黒色のブラックオニキスは、漆黒の宝石として高い知名度と人気を誇っています。男性にも人気が高く、魔除けを目的としたパワーストーンとしてもよく身に着けられているのが特徴です。
ブラックカラーの宝石と言えばブラックダイヤやブラックスピネルも人気ですが、このブラックオニキスの光沢のある黒も力強さを感じさせてくれるおすすめの宝石のひとつです。
水瓶座(1/20~2/18)のおすすめの星座石「ジルコン」
みずがめ座のおすすめの宝石はジルコンです。ジルコンは、その高い屈折率がよく知られています。それはダイヤモンドに匹敵するほどで、実際にダイヤモンドのイミテーションとしても用いられることも多々あります。
ジルコンは、透明・イエロー・グリーン・レッド・ブルーなど豊富なカラーバリエーションがありますが、水瓶座の星座石として最もおすすめなのはブラウンジルコンです。上質な蜂蜜を思わせるようなそのカラーは、上品かつ個性的で、身に着ける人のセンスの高さを感じさせてくれます。
魚座(2/19~3/20)のおすすめの星座石「ブラッドストーン」
魚座のおすすめの星座石はブラッドストーンです。これは3月の誕生石の一つとしても知られています。その多くはグリーンをベースにして、その名の通り「血(ブラッド)」を思わせる赤い斑点を見ることが出来ます。
和名も「血石(けっせき)」で、ブラッドストーンを語るのには「血」は欠かせません。あのイエス・キリストが十字架にかけられた時に、緑の大地に滴り落ちたその血がブラッドストーンになったという言い伝えもあります。血と言うと物騒ですが、ブラッドストーンはそういった言い伝えもあり、高貴な宝石として扱われてきた歴史があります。
星座石についてのよくある質問
ここまでは星座石についての解説と、各星座のおすすめの星座石を紹介しました。この項目では、星座石に関するよくある質問をいくつかピックアップして、それに回答していきます。
星座石への理解を深めるのに役立つと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
星座石と誕生石どちらを選ぶべき?
星座石と似たものに誕生石と呼ばれる宝石があります。2つの違いを簡単に説明すると、各月を象徴する宝石が誕生石、各星座を象徴する宝石か星座石ということになります。
どちらを選ぶかは、個人の好みです。日本では誕生石のほうがよく知られていますが、ヨーロッパなどでは星座石のほうが認知度があります。
このように地域性の違いもありますので、どちらを選ぶべきかという明確な答えはありません。ただし、アドバイスとして言えるのは、迷った時はその宝石の特徴などを調べて、自分にとって魅力的に感じるほうを選ぶと良いということです。
宝石の魅力は見た目だけではありません。それぞれの宝石には、生成される過程やこれまでの歴史や言い伝えなど、さまざまな違いと特徴があります。それらを知ることで、違った側面から宝石を見ることもできるようになります。
なぜ星座石はたくさんあって定まってないの?
既に紹介した星座石の表を見ていただくと分かるように、各星座の星座石とされている宝石は1つではなく複数あり、2つ以上の星座の星座石になっている宝石まであります。
これには古代の占星術から現代に至るまでの歴史が関係します。星座石と占星術は密接な関係があり、占星術はその発祥の地であるカルデアからヨーロッパ・インド・中国・東アジアへと広がっていきました。
それが少しずつ形を変え、西洋占星術やインド占星術、東洋占星術などへと変化していきました。占星術をもっと細かく見ていくと、一種の「流派」のようなものも存在します。
つまり、時間をかけて広い地域に広がっていく中で、少しずつ占星術は変化し、それと同時に各星座の星座石もさまざまなものが適時割り当てられていったことが、星座石がたくさんある大きな理由です。
最後に
今回は星座石についてお伝えしました。星座石の魅力は、未だ謎に包まれている夜空に浮かぶ星たちと、地球が生み出した神秘とも言える宝石とを結びつけている点にあると言えるでしょう。美しく光り輝く星座を象徴することができるのは、地球上では宝石だけかもしれません。
既にお伝えしたように、星座石を身に着けると、その星座とつながり加護を受けられると信じられています。ぜひそんな星座石に興味を持っていただき、宝石の新たな一面に触れてみてください。
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