最高の愛の石「インカローズ」バラ色の天然石

エディットピアフの「La Vie en Rose」和名で「バラ色の人生」は、誰もがどこかで聴いたことのあるシャンソンを代表する名曲です。愛する人の胸に抱かれながら甘い愛の言葉をささやかれる時、「人生はバラ色に見える」と、大人の愛を歌っています。

バラは赤や白、黄色など様々な色が存在しますが、ここで言うバラ色は情熱を秘めた甘くて少し危なっかしいような薄紅色、この色彩こそがバラ色の人生のような気がします。今回は、そんなバラの色合いを代表する天然石、女性に大人気の「インカローズ」についてお話しいたします。

インカローズとロードクロサイトの違いについて

「インカローズ」の鉱物名は「ロードクロサイト」といい、両者ともに同じ鉱物です。インカローズというのは日本におけるオリジナルの流通名で、世界的には「ロードクロサイト」として広く認知されています。

日本におけるこの二つの名前の使い分けは、インカローズと呼ばれる場合、白い縞模様が入っていることが多くミルキータイプで、パワーストーンとしてブレスレットなどに用いられることが多いです。かわってロードクロサイトと呼ぶような場合は、透明度が高くカット石やカボションカットされる宝石質な石であることが多いです。

だたし、強制されたルールがあるわけではなく、全てをインカローズと呼んでいる業者さんもいますし、逆に白い模様が入っていてもインカローズではなくロードクロサイトと表記しているところもあります。ちょっとした違いを頭の片隅におきつつ、インカローズは流通名（宝石名）、ロードクロサイトは鉱物名で、この二つの名前は同じ石のことを指していると覚えておきましょう。

インカローズのピンクのお色はとても品がありますが、中でも希少なのは赤に近い濃いお色や、ラズベリーピンクです。インカローズの原石を輪切りにするとカーネーションのような模様が現れ、層状の原石を研磨するとバラの模様が現れます。透明度が高くなればなるほど高額になり、インカローズは品質によって価格の幅が一番ある天然石と言われています。インカローズは硬度が低く研磨も難しいので、透明度が高くカッティングされている物は更に希少性が高くなります。

インカローズの歴史について

インカローズと聞くと、何やら古代からあるようなイメージがわきませんか？しかしながら、インカローズは第二次世界大戦が始まる直前、アルゼンチンのサンルイスで原石が発見されたという、歴史の浅い天然石です。

謎が多く今でもミステリアスに語り継がれているインカ帝国は、15世紀前半から16世紀にかけて繁栄したアンデス文明史上最大の領土をもつ最後の国家です。北はコロンビア、エクアドルの国境付近から、南はチリまで支配下にし、広大な勢力を持っていました。中でも、誰でも一度は行きたいと憧れる「マチュピチュ」は世界遺産ランキングでも常に上位につけている人気の観光地になっています。

現代のように、機材や道具もない時代にどうやって標高2430メートルの山の尾根に巨大都市を造り上げたのか？これだけの高度な文明が、なぜ一握りのスペイン人達の侵攻にあっけなく全滅してしまったのか？

諸説あるものの、インカ帝国については未だに解明されない謎が多々存在します。インカローズはこの時代から既に産出されていて、女性達が好んでつけていたと言う説もあります。

ダイナミックで厳しい自然環境の中、栄華を極めたインカ帝国をじっと見てきたインカローズは、薄紅色の輝きの中に誰も解明できないミステリーをそっと封印しているのかもしれません。謎は謎のままであった方がぞくぞくするほど魅せられます。

インカローズの主な産出国

先にもふれましたが、インカローズの産出国は、インカ帝国のあったアルゼンチンのアンデス山脈や、ペルーで多く産出されます。独特の白縞模様が入ったピンク色のインカローズや、鮮やかなチェリー色のインカローズが産出されます。インカローズはかつては北海道でも採れていたそうです。

アメリカのスィートホーム鉱山で採取されたインカローズはチェリーレッドで、世界で最も美しいと言われ、高値で取引されています。既に鉱山は閉山している為、市場に出回っているのみとなるので、どんなに欲しくても中々手に入りません。もしも縁あってこのチェリーレッドのインカローズにお目にかかれることがあったならば、それはとってもラッキーなことです。

インカローズ/ロードクロサイトの名前の由来

インカローズは、繁栄を極めたインカ帝国が残した鉱山から産出されたことからその名前がついたと言われています。和名は「菱マンガン鉱」と言います。

ロードクロサイトの「ロード」はギリシャ語でバラという意味です。数ある天然石や宝石の中でも、ロマンティックで甘い香りが漂うような素敵なネーミングですね。

インカローズのパワーストーンとしての効果

恋愛成就のパワーを持つ天然石の中でも、最も人気の高い天然石はインカローズといっても言い過ぎではありません。インカローズのピンク色も、やさしい色合いから赤色に近い情熱的なお色目と様々です。

あなたの心に寄り添えるインカローズの意味や効果について感じてみましょう。

インカローズの石言葉

恋愛成就の意味合いをもつピンク系の石はいくつかありますが、中でもインカローズは「バラ色の愛の石」の石言葉を持つ最高の愛の石です。インカローズは肉体・精神・感情の三つのバランスを一体化するパワーを持ち、身につけた方のエネルギーをみなぎらせ、愛や仕事、人生に心躍る彩りを与えてくれると言われています。

インカローズはこんな方におすすめしたい

インカローズは愛の石と言いましたが、「愛とは何か」考えたことはありますか？

愛とは単に恋愛だけにとどまりません。

家族愛、友人への愛、自然を愛する心、動物愛、仕事や生活、生きていく上で世の中には愛がたくさん溢れています。もしもその愛に気づかないと思うのならば、インカローズをおすすめします。愛は受け止めるだけではありません。自分から与える愛こそ意味があるとは思いませんか？インカローズを身につけて青い空や木々の緑、町ゆく人々を見てください。

インカローズの色は、優しさを象徴するピンク色です。インカローズを身につければ、慈愛に満ちた素直な微笑みが自然とこぼれてくるのではないでしょうか？愛情が満ちあふれている人には幸福が集まってくるものです。見返りを求めない無償の愛は、不思議と自分にも愛を引き寄せていることになるのです。

インカローズの意味

インカローズは、愛と情熱の象徴として広く認識されています。そのピンク色は愛のエネルギーを象徴し、心に温かさと優しさをもたらします。インカローズは、心の絆を深めたり、愛情表現の意味があると言われています。

また、心を癒すという意味も持っています。インカローズは、トラウマやストレスを和らげ、穏やかな気持ちに導く力があるとされています。感情の起伏が激しかったり、ストレスを抱えているときに身につけると、心が安定するかもしれません。

さらに、インカローズは自尊心の向上という意味もあります。自己愛と自尊心を高めることで、身につける人の自信と自己肯定感を高めると言われています。自分自身を肯定的に捉え、自己受容したい人におすすめです。

インカローズの魅力はそのかわいらしさだけでなく、この石が持つ温かな意味によって多くの人々に愛されています。

インカローズを使用したアクセサリー

ピンク色は大好きな色だけれど、そのもの一色を使用したワンピースやバッグなどにはちょっと抵抗があるといった方も多いと思います。そんな方には、インカローズのアクセサリーをお勧めします。インカローズは、天然石ビーズとして、丸玉や、ラウンドカット、タンブル型やチップなど様々な形状の種類がございます。ハンドメイドジュエリーとして初心者の方でも、インカローズで十分にオリジナルアクセサリーを楽しむことができると思います。

また、インカローズは製品としてもカボションカットのリングや、ペンダントトップなどが店頭に並んでいます。自分のフィーリングに合ったお色目や形状のインカローズが見つかると思います。枠にはめ込まれたカボションカットのインカローズのペンダントトップは胸元に優しい差し色を添え、一際目立ちながらもきつい感じもなく品を感じさせてくれます。その腕にお揃いにインカローズの丸玉のブレスレットをハンドメイドしてみませんか？ワンランクアップして、ラウンドカットのインカローズでもよいですし、丸玉とカットを交互に繋げたブレスレットも素敵です。

インカローズの縞模様をうまく生かしたピアスで個性的な楽しみ方もあります。ハッとするような紅色に近いインカローズのリングも、あなたの魅力をより一層ひきたててくれますね。ピンク色を身につけると、心が和むとも言われ、見た目だけではなく内側から若々しくなるといった嬉しい効果もあるそうです。バラの花束も麗しいけれど、一輪のバラを身につけるような感覚でインカローズを自分にプレゼントしてみてください。全てが相乗効果で愛へと繋がっていくような気がします。

但し、インカローズは硬度が低いので注意が必要です。汗や水分に弱いので、身につけた後は柔らかな布等で拭いてあげるように心がけまましょう。

インカローズのモース硬度

インカローズのモース硬度は、約4から4.5とされています。この硬度は、天然石の中では比較的柔らかい石です。傷つきやすいので、丁寧な取り扱いが必要です。硬い物体との接触を避けたり、清掃の際には柔らかい布を使用し傷を防ぎましょう。

また、直接の太陽光や高温も避けてあげましょう。これは、色あせや内部構造の損傷を防ぐためです。化粧品や日焼け止めなど化学薬品の付着に注意し、必要であればぬるま湯で軽く洗浄するのが良いでしょう。

インカローズについて　まとめ

インカローズの気品あるバラ色の魅力を堪能していただけましたでしょうか？

ピンク色はあまり人に嫌な印象を与えないため、ファション小物からリボンや包装紙、広告宣伝用のポスターなどにも多く使用されています。しかしながら、そんな仕掛けには要注意かもしれませんね。赤色に近いバラ色は、眠っている情熱を呼び覚ますとも言われています。インカローズが心の奥底に埋もれていたスイッチを、知らず知らずのうちに押してしまうかもしれません。

もしも火がついてしまったのならば、どうぞそのまま突き進んでくださいませ…。あなた自身のその手で「La Vie En Rose」（バラ色の人生）をつかんでください。

インカローズの鉱物データ

英名	Rhodochrosite
和名	菱マンガン鉱（りょうまんがんこう）
分類	マンガンの炭酸塩鉱物
化学式	MnCO3
色	灰、赤、紅、桃、黄、褐色
モース硬度	3.5-4
劈開性	３方向に完全
屈折率	1.60-1.80
結晶系	六方晶系
断口	不規則な貝殻状
条痕	白色
比重	3.45-3.60
光沢	ガラス光沢～真珠状
誕生日石	７月
石言葉	女性性を豊かにする

表示するURL：https://www.kenkengems.com/?mode=cate&cbid=27084&csid=0