珊瑚(コーラル)|海からのやわらかな癒やしに包まれる

この記事の内容

珊瑚(コーラル)とは?

珊瑚のパワーストーンの意味や石言葉などを解説。

珊瑚(サンゴ)と聞くとどのようなイメージが思い浮かびますか?

実際に見たことのある人もいれば、テレビや絵本でデフォルメされた姿かたちでしか知らない人もいるかと思います。最初に珊瑚のジュエリーを見た時、知識が乏しい上に丸くカットされていた姿を見て、同じ海からの宝石である真珠のようなものなのかな?と非常に恥ずかしい勘違いをしたこともあります。

珊瑚(サンゴ)ってなに?というところから、宝石としての珊瑚(コーラル)の神秘的で奥深い魅力をみていきましょう。

珊瑚の特徴

珊瑚の中には宝石・ジュエリーなどの装飾に使われる宝石珊瑚がある。

まずはじめに珊瑚とは、鉱物や植物ではなく、珊瑚虫(ポリプ)と呼ばれる動物です。分類としては刺胞動物というイソギンチャクやクラゲの仲間になります。

この珊瑚というくくりの中で、ジュエリーなどの装飾に使われるものは「宝石珊瑚」といいます。一方、海の中の生き物としてイメージできる珊瑚が、いわゆる「珊瑚礁」です。 珊瑚礁をつくる珊瑚虫は触手が6本かその倍数に分かれていて、六放珊瑚と呼ばれます。褐虫藻といういわばプランクトンのような生き物と共生しており、この褐虫藻が光合成を行うことで自らにも栄養が与えられます。この珊瑚虫たちがたくさん集まったものが珊瑚礁なのです。光合成を行えるように太陽の光が届く海の浅いところに生息しています。そのために珊瑚礁は海岸近くで見られることが多いのですね。この珊瑚の骨格(動物なので骨格がありそう呼びます)は小さな穴が開いた軽石のような形状でとても脆いために装飾品への加工には向いていません。

ちなみに骨格があると説明しましたが、これらの珊瑚礁をつくる珊瑚の中には骨格を形成しない種類もいます。骨格を形成するものをハードコーラルといい、しないものをソフトコーラルといいます。南国の海を思わせるようなカラフルな姿をしているものも多く、自宅で飼育する愛好家の方も多いそうです。 宝石珊瑚となる珊瑚虫は触手が8本に分かれていて、八放珊瑚と呼ばれます。多くは太陽の光が届かない深海でひっそりと生息しており、ごく小さな浮遊物などを栄養にしながらゆっくりと成長していきます。わずか1cm大きくなるのに100年かかるものもいるそうです。

一方、珊瑚礁の珊瑚には、1年で10cm近く成長する種類もいます。環境の違いが大きな点ですが、それでも驚きの差ですよね。この宝石珊瑚の骨格は装飾品への加工に耐えうる硬さを持っていて、モース硬度でいうと3.5になります。つまり宝石珊瑚とは珊瑚虫の骨格を加工したものなのです。

磨くと艷やかな美しい光沢を放って、古代より洋の東西を問わず世界中で愛されてきました。採取方法について、どうやって採ると思う?と聞かれれば、船の上から漁師さんが網を垂らして引っかかってきたものを採取かな?と思うところですが、この古典的手法は現在は禁止されています。深海潜水に長けたダイバーが深い海底に潜り、成長したものだけを選んで採取します。  

珊瑚の主な産地

珊瑚の主要産地や歴史を解説します。

日本を筆頭に、地中海沿岸、アフリカ、東シナ海、台湾など世界各地で採れます。

世界中にたくさんの宝石がありますが、こんなにも有名産地として日本の地が挙げられるのは宝石珊瑚以外に中々ないのではないでしょうか。最も有名な産地は高知県で、特に赤珊瑚(レッドコーラル)はほかの海域のものよりも色鮮やかで濃く美しいものが多く、世界的に高く評価されています。長崎県、鹿児島県、沖縄県などでも良質な宝石珊瑚が産出されます。西の地域以外にも、東京都の八丈島や鳥嶋海域でも採れるそうです。

最高品質の宝石珊瑚が日本で採れるなんて、とても誇らしい限りです。  

珊瑚の歴史・伝承

日本特産品としての宝石珊瑚の歴史は百数十年くらいと知られています。そのため古代から伝わる伝説は地中海で採れる珊瑚にまつわるものが多いです。

一番古くは、なんと旧石器時代の二万五千年前にドイツの遺跡からサンゴの玉が発見されています。それから本格的に珊瑚漁が始まったのは、5千年前にシチリア島の漁師たちによる素潜りからです。素潜りで深海までは行けないでしょうから、比較的浅瀬のものや、自然に浮遊してきたサンゴをキャッチしていたのでしょうか。海が相手の厳しいお仕事だったと思いますが、美しいシチリアの海に映えるサンゴはとてもロマンティックですね。

日本に宝石珊瑚が伝わったのは7~8世紀の頃で、仏教伝来とともにシルクロードを渡って入ってきたサンゴが聖武天皇に献上されたことが最初とされています。

古代から愛されてきた宝石はいくつもの心惹かれる物語を持っているものですが、このサンゴも例にもれず多くの逸話や伝承に登場します。

ギリシャ神話には、英雄ペルセウスが切り落としたメデューサの首を持って、ペガサスにまたがり空を飛んだ時に、その首からしたたり落ちた血が海草に触れて真っ赤なサンゴに姿を変えたという話があります。そこから、古代ヨーロッパでは赤珊瑚は魔除けとして大切にされてきました。この血が砂漠に落ちるときにはそこからサソリなどの猛毒の生き物が生まれたという逸話もあり、メデューサは恐ろしい怪物であったけれども強い力を持っていたことから転じて、赤珊瑚が魔除けやお守りとして見られていたと考えられます。

また同じように赤珊瑚は血に見立てられることが多く、そこから派生して女性の妊娠や出産にまつわるお守りとしても知られるようになりました。中世の英王室では安産を祈願して身につけたり、王女が誕生すると1年間はベッドに掲げたといわれています。

東洋の世界では、サンゴは仏教の経典の中で、極楽浄土を彩る七宝の中の一つに数えられています。そのため日本でも古くからサンゴは高価な宝石と見なされていました。だんだんと流通量が増えてくると一般市民の間でも知られるようになり、江戸時代にはかんざしの装飾になったり、根付彫刻の素材にもなっていました。日本で採れた最上質の素材に日本の職人たちの素晴らしい技がほどこされてきました。現代まで脈々と続くそれは、伝統的な文化といえますね。

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珊瑚(コーラル)の種類

珊瑚の種類や名前の由来、意味や効果を解説。

赤珊瑚(レッドコーラル)

珊瑚(コーラル)の中には血赤珊瑚と呼ばれる赤珊瑚(レッドコーラル)がある。

その名の通り、濃い赤色が特徴の珊瑚です。

日本では珊瑚の中でも特にこの赤珊瑚が重宝されて、高値で取引されてきました。中でも特に「血赤珊瑚」と呼ばれる、本物の血液のように深紅でしっとりとした独特の艶感があるものは最高級品です。その色調と照りからほかの珊瑚とは一線を画す素晴らしく高品質な逸品です。

現在では産出量が減っているにも関わらず、中国や台湾からの需要は高まり続けているため、今後よりいっそうその稀少性が高まると思われます。

桃珊瑚(ピンクコーラル)

珊瑚(コーラル)の中にはエンジェルスキンと呼ばれる桃珊瑚・モモイロサンゴ(ピンクコーラル)がある。

色は淡いピンクからオレンジ、赤に近いものまでと幅広く、世界的にも日本産が最も有名です。宝飾品や彫刻細工に使われることも多いので認知度が高く、親しみやすいカラーです。

ヨーロッパではこの優しいピンクカラーを「エンジェルスキン(天使の肌)」と呼んで人気を博しています。

白珊瑚(ホワイトコーラル)

珊瑚(コーラル)の中には白を基調とする白珊瑚(ホワイトコーラル)がある。

ミッドウェー沖、南シナ海から日本近海などで採れる珊瑚で、その色調により価値が大きく異なります。通常は淡いピンク色だったり、茶色のニュアンスが入っているものが多いですが、純白もしくはきれいな象牙色を呈しているものは非常に高い価値があります。

フォシルコーラル(化石珊瑚)

珊瑚(コーラル)の中にはさんごが化石化(石英化)したフォシルコーラル(化石珊瑚)がある。

名前が示す通り珊瑚の化石ということですが、長い時間をかけて石英化したものとなります。そもそも長い時間をかけて珊瑚になり、その後さらなる長い年月を経て化石となったことを思うと、とても神秘的な宝石ですよね。表面には菊の花やさざ波のような天然の模様があり、一つとして同じ表情のものはありません。ナチュラルでどことなくホッとする魅力を感じます。  

スポンジサンゴ

珊瑚(コーラル)の中には多孔質でスポンジ状のさんごでスポンジサンゴがある。

こちらはこれまでご紹介してきた赤珊瑚、桃珊瑚、白珊瑚のような宝石珊瑚とは異なる種類の珊瑚で、アフリカサンゴやアップルサンゴとも呼ばれます。紀伊半島から南の海に生息するイソバナ(スポンジサンゴ)という、多孔質でスポンジ状の珊瑚のことです。

一般的なスポンジサンゴは、輝きを出すために樹脂で表面にコーティングをしたり、または中まで浸透させたものがほとんどです。樹脂にはより鮮やかな色にするために、赤やオレンジの染料を混ぜることもあります。価格的には宝石珊瑚よりも非常に安価になります。  

シーバンブー(海竹珊瑚)

こちらも同様に宝石珊瑚とは異なり、トクサヤナギと呼ばれる珊瑚です。竹のように見える外観からその名前がつきました。色は主に白、薄い黄色、淡い茶色などで、漂白または染色して加工されることがほとんどです。また、山サンゴと呼ばれることもあり、チベット族が古代に海だった場所から産出された珊瑚の化石を赤く染めて使っていた名残と言われています。チベットという仏教と関わりの深い土地でも大切にされてきたことがうかがえます。

同じく価格的には宝石珊瑚よりも非常に安価になります。

珊瑚(コーラル)の石言葉と意味

珊瑚(コーラル)の石言葉と意味や効果を解説。

石言葉には、長寿、安産、幸福などがあります。珊瑚が長寿のシンボルというのは耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。由来はやはりその成り立ちからといわれています。長い年月をかけてゆっくりと美しい珊瑚となる様子に、長寿とそこからもたらされる幸福や希望を見出しました。

また古代より、赤珊瑚の鮮やかなレッドカラーから転じて安産のお守りとされてきた歴史から石言葉にもなったと考えられます。

珊瑚には希望に満ちあふれた印象があるので、どの石言葉もうなづけますね。

3月の誕生石としての珊瑚(コーラル)

3月の誕生石としても人気の宝石です。どの珊瑚も素敵ですが、柔らかく輝くピンクコーラルをあしらったアイテムはプレゼントとしてよく目にします。貴石のように輝くことはなくとも、その真摯な艶めきと光沢感で広く愛されています。
希望や幸福をイメージさせるポジティブな意味を持つ珊瑚は贈り物にぴったりです。

珊瑚(コーラル)のパワーストーンとしての効果と浄化方法 

珊瑚(コーラル)の浄化方法や取り扱い方法を解説。

珊瑚のよく知られる効果

パワーストーンとしては、ネガティブな考え、不安や緊張をやわらげて心を落ち着かせてくれるという効果があります。これは珊瑚が古来から魔除けとして頼られてきたことが由来となっています。同じ効果を持つパワーストーンはほかにもありますが、なんといっても珊瑚はその歴史の長さから、とてもあたたかく厚みのある癒やしの波を送ってくれるそうです。それはすべての生命の源である、母なる海からもたらされたという安心感と、その海の中でさらに長い月日をかけて私たちの手元にやってきてくれるという特別感を与えてくれる癒やしの効果を持つパワーストーンなのです。  

珊瑚の浄化方法

珊瑚はとてもデリケートなので取り扱いには注意してあげましょう。硬度がそこまで高くないので強い衝撃には注意が必要です。熱にも強くないため、太陽光での浄化は避けた方が良いでしょう。同様に塩分にも弱いため、塩での浄化も避けて、汗や皮脂が付着したときにはきれいに拭いてあげて下さい。

流水は問題ありませんが、浄化後にはしっかりと水分を乾かしましょう。最適な浄化方法としては、水晶クラスターやさざれ石、流水、ホワイトセージ、月光浴などがおすすめです。

珊瑚(コーラル)のモース硬度と、お手入れの方法

珊瑚(コーラル)のモース硬度と、お手入れの方法

珊瑚のモース硬度は、約3から4と低く、日常生活の中でも傷がついたり損傷したりする可能性があります。珊瑚はその鮮やかな色彩と独特な質感で、長い間ジュエリーの世界を彩ってきましたが、その繊細さゆえに取り扱いには注意が必要です。

また、珊瑚の輝きを保つためには適切なお手入れも大切です。珊瑚は化学物質や酸、アルカリに敏感なため、香水や化粧品、強い洗剤などが付着しないようにしましょう。また、長時間の直射日光や高温にさらされると、色あせや乾燥によるダメージのリスクがあります。

珊瑚のアクセサリーを使用した後は、柔らかい布で軽く拭き取り、汗や汚れを除去すると安心です。

珊瑚は日々の装いのポイントとして自然な美しさを加え、私たちの生活に色鮮やかな彩ってくれます。その魅力を大切に守り、丁寧に扱うことで、珊瑚の美しさを長く楽しみましょう。

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珊瑚(コーラル)の素材一覧。

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