ルベライト|徹底解説!特徴や意味からピンクトルマリンと違いも紹介

ルベライトの種類や意味、効果を解説します。

数ある宝石の中でも最もカラーバリエーションが豊富と言われるトルマリングループに属するのが、ルベライトです。

ルベライトは濃いピンク色から鮮やかな赤色までの色合いで、歴史を振り返ると宝石の女王と呼ばれるルビーにも間違えられていたこともあります。

そんなルベライトはトルマリンの中でも希少性が高く人気なだけでなく、全宝石の中でも特別な存在感を放つと同時に、人々の憧れも集める宝石の一つです。

この記事ではルベライトの基本情報から特徴に至るまでを紹介し、その魅力に迫っていきたいと思います。 ピンクトルマリンとの違いや石言葉などについても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

ルベライトとは

ルベライトとはトルマリンの一種です。ルベライトは鉱物名ではなく、特定のトルマリンにつけられた宝石名になります。

冒頭でお伝えしたようにルベライトとはトルマリンの一種です。

トルマリンは結晶構造が複雑でさまざまな元素を取り込みやすく、その結果「トルマリンに無い色はない」と言われるほど多彩な色を持っています。

トルマリンについては、別の記事「トルマリン|宝石界に咲き誇る鉱物」で詳細を解説しておりますので、併せてご確認下さい。

カラーバリエーションの豊富なトルマリンの中で、成分に含まれるマンガン由来の濃いピンク色や赤色を発するのが「ルベライト」です。 したがってルベライトは鉱物名ではなく、特定のトルマリンにつけられた名称「宝石名」になります。

ルベライトの鉱物情報

ルベライトの鉱物情報を解説します。
英名Rubellite
鉱物名硼珪酸塩鉱物に属する鉱物
和名紅電気石
石言葉広い心・思慮深さ・貞節
ピンク~赤色・赤紫色
化学式Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
モース硬度7-7.5
比重2.9-3.1
屈折率1.624-1.644
主な産地ブラジル・ナイジェリア・モザンビーク・マダガスカルなど

ルベライトの和名

ルベライトの和名は、「紅電気石(べにでんきいし)」です。 ルベライトもトルマリンの一種であるため、特定の条件下で電気を帯びる特殊な性質を持っています。

トルマリンの和名がその性質を表した「電気石」であるため、ルベライトの和名はそれに「色」を反映させた「紅電気石」と名付けられました。

紅の色を放ち、電気を帯びるミステリアスな宝石がルベライトです。

ルベライトの色合いは濃いピンクから赤色

ルベライトの色の特徴を解説します。

ルベライトはピンク系から紫がかった赤系まであります。

従って、厳密にその色を限定したり特定することは難しいですが、一般的には「濃いピンク色」や「鮮やかな赤色」をした個体を「ルベライト」に分類します。

ピンクや赤の色は前述したようにマンガン由来ですが、「鉄」成分に由来して赤色を帯びることも少なくありません。しかし、鉄由来の場合は黒みを含むため、赤紫や褐色系の色合いになることが特徴です。

ちなみにルベライトという宝石名は、ラテン語で「赤」を意味する「Rubellus(ルベリウス)」に由来しています。

ルベライトとピンクトルマリンの違いは?

ルベライトと他の石の違いを解説します。

ピンク系の色もあるルベライトですが、ピンクトルマリンとの違いが気になる方も少なくないでしょう。

どちらも鉱物は「トルマリン」ですが、宝石として分類する場合はその色の「濃さ」で判断されます。従って、ピンク色でも彩度が低めの淡い色の場合はピンクトルマリンに分類され、ルベライトとは呼ばれません。

これはピンク色や赤色の元となるマンガン成分に大きく関係し、ピンクトルマリンのマンガンの含有率はルベライトより少量です。

一方、マンガンの含有率が高いトルマリンは、濃いピンク色や赤色を発するため、ルベライトと呼ばれます。つまり、ピンク色の「濃淡の違い」が、ピンクトルマリンとルベライトの違いです。これはピンクサファイアとルビーの関係と同じです。

サファイアとルビーはどちらもコランダムという同じ鉱物ですが、赤色のコランダムだけは特別に「ルビー」と呼ばれます。従って、赤色に限りなく近いピンクサファイアとルビーの境界線も「色の濃さ」になります。

ルベライトとルビーは鉱物が違う

冒頭でルベライトはルビーに間違われていた歴史があるとお伝えしました。これは鑑定が発達していなかった時代のことで、ルベライトが宝石の女王と称されるルビーに勝るとも劣らない輝きと美しい赤色を発していたことが主な理由です。

そんなルベライトですが、ルビーとは全く異なる鉱物です。

  • ルベライト ・・・ トルマリン・硼珪酸塩鉱物に属する鉱物
  • ルビー   ・・・ コランダム

違う鉱物でありながらルビーと間違えられていたルベライトで有名なのは「いちごの彫刻」です。

いちごの彫刻はロシアのロマノフ王室が保有していた宝石彫刻で、1925年にルベライトであることが判明するまでは、当時の世界最大のルビー(260ct)と考えられていました。 このようにルベライトは、その存在が認識されるまではルビーとして扱われてきた歴史もありますが、この二つの宝石は現代では鉱物の異なる宝石として混同されることはありません。

ルベライトの石言葉

ルベライトの石言葉や意味を解説します。

花言葉のように宝石にも石言葉がありますが、今回紹介しているルベライトも石言葉を持っています。ルベライトの石言葉は「広い心・思慮深さ・貞節」です。

道徳に反する行為や軽率な行動を行わず、広く正しい心で物事を十分に考えるという意味があります。ちなみにルベライトは「希望」という言葉と一緒に語られることが多いです。

特に赤く輝くルベライトは心をポジティブにしてくれ、希望を抱かせてくれるとも信じられています。

ルベライトの意味と効果

ルベライトの効果や価値を解説します。

濃いピンクや鮮やかな赤色を持つルベライトは、それぞれの女性が持つ美しさをより際立たせてくれる宝石の一つです。

色によってカジュアルな装いにもフォーマルな装いにも合い、幅広いシーンで使用できます。上品さも兼ね備えており、身に着けることでエレガントさも自然と演出してくれます。

ルベライトはパワーストーンとしても人気です。女性的な魅力を高め、外見だけでなく内面の美しさも引き出してくれる効果があると考えられています。

ルベライトの特徴と価値

ルベライトの特徴と価値を解説します。

ルベライトの特徴には、前述したように電気を帯びるという性質の他にも、インクルージョン(内包物)が多いことも挙げられます。

鉱物のトルマリンそのものもインクルージョンが入りやすいという性質もありますが、ルベライトの場合は結晶に傷をつけやすいマンガンが含まれるため、内包物を多く含む傾向が多いです。

ルベライトは透明度が高いほど価値が上がりますが、インクルージョンが透明度を損ねない限りは個性として見られます。

ちなみにルベライトは「赤色の鮮やかさ」も宝石としての価値に大きく影響しますが、その赤色を発するマンガンが多ければインクルージョンが多くなり透明度を失うというジレンマを持つ宝石でもあります。

したがって高品質のルベライトは希少で、同じトルマリンでネオンブルーが美しい貴重な「パライバトルマリン」に次ぐ価値の高い宝石として知られています。

ルベライトの産地

ルベライトの産地はブラジル、ナイジェリア・モザンビーク・マダガスカルなどがある。

ルベライトの代表的な産地に挙げられるのはブラジルです。

ブラジルは19世紀にルベライトが発見された国であり、それ以降も主要な産地の一つとして知られています。世界有数の宝石産出国であるブラジルは、トパーズ・アクアマリン・ベリル・クォーツ・アレキサンドライトなどが採れることで有名です。

そんなさまざまな宝石を生み出すブラジルが誇る代表的な宝石がトルマリンであり、ルベライトもその中の一つに挙げられます。ただし前述したようにルベライトは希少性が高く、常に発掘される類の宝石ではありません。

何年から何十年に一度というタイミングで偶然「晶洞」が発見された時に、限られた数のルベライトが採れるという希少さです。ちなみにブラジルのジョナス鉱山では、1970年代後半に同国の宝石採掘史上最大となるルベライト晶洞が発見されています。

ルベライトの産地としてその他に挙げられるのはアフリカの国々です。具体的には、ナイジェリア・モザンビーク・マダガスカルなどがよく知られています。

最後に / 魅力的なルベライトの赤

ルベライトの魅力や赤色の種類を解説します。

ルベライトの魅力は、何と言ってもその「色」です。

特に赤色の発色がしっかりしているものは、鮮やかでありながら深みも感じることができ、独特の存在感を感じます。インクルージョンもそれぞれの個体の個性として捉えることができ、一度手にすると愛着も自然と湧いてくるでしょう。

高額で取り引きされるルベライトは手が届かない存在かもしれませんが、手軽に購入できる価格帯のルベライトも存在します。それぞれの個体によって色も濃いピンクから印象的な深みを持つ赤紫系まで個性豊かです。

ぜひ一度ルベライトに注目し、身近な存在にしてみてはいかがでしょうか。

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ルベライトの素材一覧。

ルベライトのアイテム一覧

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