化石|その聖なる遺物について

化石の種類や意味、効果を解説します。

人生100年時代の到来ということで、人は何度でもやり直しがきくだとか、いくつになっても学び直しができるなど前向きな社会造りに積極的になりつつある今日この頃です。

しかしながら、どんなに頑張っても所詮100年。100年なんて風が吹き抜けるが如く、短く儚い塵のような時間だと痛感させられるのが、この「化石」という存在です。

何億年前という古生代からのその姿をしっかりと残し、想像を絶する過酷な環境を経て、今という現実に日の目を浴びる「化石」。

それは実に神秘的であり、幽玄であり、壮大なスケールの違いを我々人類に見せつけています。

今回はそんな聖なる遺物である「化石」について深く味わっていただこうと思います。

この記事の内容

化石とは

学校で習ったとは思いますが、改めて化石とは何か説いていきましょう。

化石とは、古生代から中世代に生息していた生物の遺骸や殻などが、砂や泥などに埋もれ、何億年とも言われる長い年月をかけて地層の中に残っていた物です。

地質学の基本的な法則や、古生物学の研究に役立てられています。

化石ができるまで

化石の成り立ちや歴史を解説。

では、化石はどのような経路を経て創られていくのでしょうか?

生物の死骸は、雨や洪水により海や川に流されたり、土砂に埋もれて地中に閉じ込められます。死骸の肉などの軟らかい部分は腐って失われていきますが、身体の硬い部分である骨や歯、殻などが残ります。その上に泥や葉などが幾重にも積み重なりミネラルなどがまざり硬化していきます。

長い年月を経て地層が削られていき、地質に埋もれていた化石が地上に現れ、発見されていくのです。

化石からわかること

化石から分かる地球の歴史。

17世紀辺りの中世のヨーロッパは科学が発達しつつあったものの、宗教の教えが正しいとされていた時代でした。

当時の化石は神が創ったもの、地中の不思議な石と言う神秘的なくくりとして扱われていました。なぜなら、世界は神が創造し、全ての生物は神が創ったという「キリスト教」の教えがあり、「神が創った生物は、絶滅することはない」といった考え方が正しいとされていたからです。化石が何億年前の生物の死骸や殻だとは考えられなかったのです。

その後、研究がなされデンマークの解剖学者でもあり地質学や古代の恐竜などを研究する「ニコラス・ステノ」が空から降ってきた謎の石とされていたお守りが鮫の歯の化石であったことに気づきます。海の近くには必ず岩があるということに目をつけ、最も表面的な層は、最も深い層よりも近代的であることから、下の地層から上の地層へと新しくなる地質学の基本的な法則や鉱物の結晶構造に関する法則などを発表します。

このおかげで、地球の時代のさまざまな時期を区別することができるようになったのです。

また、1912年気象学者「アルフレッド・ウェゲナー」によって提唱された「大陸移動説」も、生物や植物の化石が根拠となっています。

決して大海原を長時間渡るような能力を持っていない古生物の化石が、南極大陸を含む複数の大陸で発見されています。このことからも、大昔は大陸が繋がっていたという「大陸移動説」が考えられるのです。当時の学会では受け入れられなかったものの、現代社会では研究が進み、大陸が互いに位置を変えて移動したという考えのもと、「大陸移動説」が復活したのです。

宝石としての化石

化石というと古生物の痕跡と思われがちですが、古生物の枠を飛び越えた世界的な価値のある化石や、宝石として希少な化石を幾つか存在します。では、どのような化石が宝石や天然石として流通されているのか知っておきましょう。

アンモナイト

化石の種類にはアンモナイトがある。

アンモナイトは、誰もが知っているポピュラーな化石の一つです。

いかやたこ、オウムガイを含む頭足類(軟体動物門頭足綱)のグループで、カタツムリのようなころんとした形状に愛着がわきます。

古生代から中世代にかけて大繁栄したことから、日本はもちろん地球上の多くの地域で発見されています。アンモナイトは、1-2ミリ程の大きさで卵から孵化し、巻きの中心から外側へとだんだんと大きくなっていきます。

種類によって数㎝ほどしか成長しない物から1メートル以上の大きさになる物まであります。世界最大のアンモナイトは2メートルにもなります。

観賞用のものから、身につけるものまで数多く流通している化石の一つです。

アンモライト

化石の種類にはアンモライトがある。

アンモライトは、遊石効果を持つ化石化したアンモナイトの殻です。

美しいモザイク模様が虹色の輝きを放つのが特徴です。

アンモナイトが化石化する過程において、殻の表面の真珠層を構成する物質である「アラゴナイト」が、長い長い歳月の中、地中内の圧力等により美しく鮮やかな色に変化したものです。

アメリカとカナダのロッキー山脈東斜面で産出されますが、「アンモナイト」という名称は、1981年に「国際貴金属宝飾品連盟」によって定められた宝石名で、カナダのアルバータ州で採れるアンモナイトの化石だけを言う最も新しい宝石です。

他の地で採れたアンモナイトに使用する事は許されません。

同じ遊色効果を持つオパールに似ていると言われ、宝飾品はもちろんですが、美術工芸品などにも使われています。

幸運を導くパワーがあると言われています。

フォシルコーラル

化石の種類には珊瑚が化石化したフォシルコーラルがある。

フォシルコーラルとは、長い歳月をかけて化石(フォシル)化した珊瑚(コーラル)の化石を言います。和名は、「化石珊瑚」です。

柔らかな乳白な色合いで、イエローやベージュの優しいナチュラルカラーが特徴です。

表面には、まるで人間が描いたかのようなひまわりや菊に見える模様や、さざ波のような柄が浮き出ているものがあり、まさに地球が創造した芸術品と言えます。 海のパワーを秘めたフォシルコーラルは、母なる海の贈り物として近年人気上昇中の化石です。

琥珀(アンバー)

化石の種類には天然樹脂が化石化したアンバーがある。

宝石として多く流通されている、琥珀(アンバー)も天然樹脂の化石です。

数千万年前に地上に茂っていた樹木の樹脂が土砂などに埋もれ、時には虫や葉や小動物の毛などを巻き込み土砂に埋もれ長い歳月をかけて化石化したものなのです。

琥珀の産地として有名なのがバルト海沿岸ですが、日本においても岩手県久慈で採れる琥珀が有名です。

虫や動物などの内包物が入った珍しい琥珀は、価値が高いとされています。 魔を払い幸福を引き寄せるパワーがあると言われています。

ジェット

化石の種類には木が化石化したジェットがある。

ジェットとは、洪水によって海底に沈んだ流木が長い年月を経て炭化したもので、奇跡と偶然を繰り返して創造された「木」の化石です。

和名は「黒玉」と言います。

漆黒の深い黒は磨くと木目が光を反射し、同じ黒い天然石であるオニキスやブラックトルマリンとは質感の異なる艶やかなベルベットのような光沢を放ちます。

また、木の化石であることから天然石に比べるととても軽いのが特徴です。

古代ローマの修道院では、神聖な儀式にジェットのロザリオが使用されてきました。

また、ビクトリア女王が長い間喪に服していた際に使用していたことから、日本においても喪服時に身につけるジュエリーとして定着しています。 魔除けや災いを避けるお守りとして人気があります。

まとめ

化石は過去がわかるロマンあふれる天然石。

私たちは未来に進んでいます。過去に戻ることはできません。

しかしながら、何千万何億年前の姿が化石になったアンモナイトや琥珀を目にした時、時空を超えて太古にタイムスリップしたような気になりませんか?

全てが化石化するわけではありません。

過酷な状況下偶然と奇跡が幾つも重なって、その姿をお披露目するわけです。

そしてそれがあなたの目にとまってその手の中にあるとしたら、その確率こそミラクルであり神業と言えるのではないでしょうか。

とそんな時、ふと妄想が膨らんでしまいました。もしも自分の身体の一部が化石化し、何千万年もの先の未来に発見されたとしたら、どうなるのでしょうか?

小汚い石だと踏みつけられて再び海の底に沈められてしまうのでしょうか、それとも謎の美しい宝石として崇められるのか、あり得ない未来に浪漫を感じるのはきっと私だけでしょうね…。シュールすぎてごめんなさい。

オンラインストア
化石の素材一覧。

化石のアイテム一覧

このコラムで紹介している化石の天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

表示するURL:https://www.kenkengems.com/?mode=cate&cbid=2528782&csid=0

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

KenKenGems Logo image
KenKenGems Logo image

この記事の内容