アンモナイト|化石が伝えてくれる神秘的な魅力

アンモナイトの基礎知識

アンモナイトってなに?と聞かれたら、みなさんならどう説明しますか?私は、カタツムリみたいな化石だよ、という拙い説明しか出てきませんでした。アンモナイトという単語は有名ですが、その正体は専門分野で難しいということもあって中々知らない人も多いと思います。今よりもう少しアンモナイトについて詳しくなりつつ、その宝石としての魅力までご紹介したいと思います。

この記事の内容

アンモナイトの鉱物データ

アンモナイトの鉱物データ
英名Ammonite / Ammolite
和名菊石(きくいし)
分類アンモナイト亜綱 化石
化学式CaCO3(アラゴナイトを含むアンモライトの場合)
茶、黒、虹
モース硬度4.5-5.5
劈開性不明瞭
屈折率
結晶系
断口貝殻状
条痕
比重2.60-2.85
光沢真珠光沢
主な産地カナダ/マダガスカル等
石言葉人生を好転
kenkengems.com
アンモナイトのアイテムを紹介中
アンモナイトなどの天然石アイテムを多数掲載しております。
国内最大級の品揃え!天然石卸 kenkengems.com 

アンモナイトとは

アンモナイトの産地と形について

アンモナイトの特徴

アンモナイトとは、約4億年前から6600万年前までに海の中で生息していた生き物です。なんと3億5000万年以上も生き物として生存していたのですね。さらに生息地はとても広く、世界中の海に分布していました。そして、恐竜が絶滅した頃と同じくらいにアンモナイトも絶滅したとされています。

アンモナイトはその渦巻きの見た目から貝の仲間だと考えられていました。現在も生きる化石として生存しているオウムガイと同じ扱いですね。しかし正確には、イカやタコなど頭足類と呼ばれる生き物の仲間です。ではオウムガイとは全くの無関係だったのかというとそんなこともなく、アンモナイトとオウムガイは祖先が共通ということが分かっています。途中でアンモナイトが分かれて独自に進化をしました。同じように分かれて進化を遂げた生き物にイカやタコがいます。アンモナイトはこちらのイカやタコの仲間だそうです。

あの渦巻きの要素のどこにイカやタコが、と思うかもしれませんが、化石からイメージされた生きていた頃のアンモナイトの全体像を絵や映像で見たことのある人には分かりますよね。渦巻きの始まりの部分に入り込むかたちでタコのようなものが描かれています。これがイカやタコの仲間の本体の部分なのです。この本体は柔らかく、肉体のようなものなので化石としては残らず、硬い殻の部分だけ化石となった、というわけです。

アンモナイトの正常巻き

アンモナイトの模様の特徴について

みなさんがイメージするアンモナイトの渦巻きはカタツムリのような形状が大多数かと思います。これを「正常巻き」といい、この殻の内部はいくつもの仕切りがあってまるで部屋のようになっています。アンモナイトの柔らかい本体は、いわば部屋の出口に棲んでいて、本体から伸びる管を他の部屋に通すことで呼吸をしたり、浮遊するためのガスを出し入れしたりしていました。なんとなくアンモナイトの全体像がその中身を含めてイメージできてきましたでしょうか?

殻の中の部屋の仕切りはカーテンのひだのように波打っています。この仕切りと殻が接している部分が表面に現れると、その波打っている様子を見ることが出来ます。これを縫合線といい、愛好家たちを虜にしている魅力の一つです。この縫合線は殻の中にあるものなので、本来は外から見えません。産出されたアンモナイトの表面の殻を削ることで見ることが出来ます。また、殻が削られた状態で産出された場合にはむき出しになっているので、そこから確認できます。

アンモナイトの進化

アンモナイトの進化について

縫合線はすべてのアンモナイトで同じ模様を描くわけではありません。種類によって持っている模様は変わってきます。特に、生存していた時代によってその違いは非常に顕著です。アンモナイトはその長い生存期間から1万を超える種類がいたとされており、そのすべてを見ていくことは出来ませんが、縫合線の種類については大きく3つほど理解しておけば、今後のアンモナイトライフに十分役立てられると思います。

一番古い時代、古生代に生きたアンモナイトの縫合線は他に比べてとてもシンプルなものです。ひだというよりは線の印象が強く、その無駄のない模様は初期生物ゆえの簡素美を感じさせます。中生代に入ると新型アンモナイトが登場して、縫合線にも変化が現れます。古生代に比べて細かくなり、明らかに見た目の印象が異なります。中生代がさらに進むと、非常に複雑な縫合線を目にするようになります。とても繊細で、菊の葉っぱのような独特の絵柄を描いています。初めてこの菊葉模様を見た時にとても感動した記憶があります。とても美しくて、ずっと眺めていられるような何とも言えない魅力があります。遥か太古の昔の母なる海からやってきた彼らが伝えてくれるインスピレーションを自然と感じとっていたのでしょうね。

アンモナイトの異常巻き

アンモナイトの異常巻きについて

ちなみにアンモナイトには「正常巻き」のほかに「異常巻き」というものがあります。カタツムリのようなコンパクトなあの形からは似ても似つかないような姿で、1本の線で三角形を描いていたり、失敗したソフトクリームのように螺旋がきれいに重なっていなかったり、極端に長かったりと、巻いてすらいないものもあります。簡単に言うと、正常巻きは蚊取り線香のような平たい形で、異常巻きは立体的な形ということです。これは進化が進むにつれて増えていったことが分かっており、絶滅前の時期には様々な異常巻きアンモナイトがいたとされています。

しかしこの異常巻きがなぜ出現したかは未だ解明されておらず、謎に包まれています。どこまでも神秘的な生き物ですね。そして「異常巻き」と言いますが、病気などではなく、きちんと進化した姿です。2021年にも北海道で異常巻きの新種が発見されたそうで、その優美な形状からエゾセラス・エレガンスと命名されたそうです。6600万年前に絶滅したにもかかわらず、今もなお新種が発見され続けているアンモナイト、とてもロマンを感じますね。

アンモナイトの名前の由来、和名

アンモナイトの名前の由来と和名

「アンモナイト(Ammonites)」という名前は、「アモン(Ammon)の石(-ites)」という意味で、フランス人学者によって名付けられました。これは、ギリシャの羊角神アンモーンが、その名の通り、彼の持つ羊の角の形に似ていることが由来と言われています。

和名では「菊石」といい、縫合線の菊葉の模様が由来とされています。宝石の和名はその色や形などフォーカスする部分は様々ですが、いずれもその宝石の一押しポイントを端的に表現した物が多いですよね。このアンモナイトの和名がその美しい縫合線から名付けられたというのもうなずけます。

アンモナイトの主な産地

主な産地としては、モロッコ、ロシア、イギリス、ドイツ、カナダ、アメリカ合衆国、マダガスカル、日本などがあります。日本では特に北海道が世界的にも有名で、これまでに600種類以上が発見されています。2021年に発見された新種も北海道で見つかったものです。化石はコンクリーション(自然にできたコンクリートのようなもの)の中で発見されますが、北海道には地層がコンクリーション化する条件が揃っており、そのため世界屈指の産出地となっているそうです。

kenkengems.com
アンモナイトのアイテムを紹介中
アンモナイトなどの天然石アイテムを多数掲載しております。
国内最大級の品揃え!天然石卸 kenkengems.com 

アンモナイトにまつわる逸話

アンモナイトにまつわる逸話

アンモナイトにはその神秘的な形状から様々な逸話、伝承があります。キリスト教の逸話にはこんな話があります。アンモナイトの化石がよく発見される場所にイギリスのウィットビーという町があり、これはかつてこの地にすみついていた蛇が石になったものだと言われていました。その渦巻きの形状から蛇を連想したのですね。そこへキリスト教の女性が修道院を建てようとしましたが、そこら中に毒蛇がはびこっていてとても人が住むことなどできません。そこで彼女は神に祈りを捧げ、聖なる呪文を唱えました。そうするとたちどころに蛇たちは崖から崩れ落ち、毒を吐き出して自分たちの体を石に変えてしまいました。そうして無事に修道院を建てることができたそうです。

この「アンモナイトは蛇である」という逸話になぞらえて、イギリスで産出されたアンモナイトには、渦巻きのはじめのあたりの、本来タコのような本体がある部分に、蛇の頭が加工されているものがあります。この加工がいつの時代になされたのかは定かではありませんが、逸話を正として化石に手を入れるというのは、とても興味深い解釈だと思います。

アンモナイトとアンモライトの違い

アンモナイトとアンモライトの違いについて

アンモナイトとアンモライト、1字違いでややこしい単語ですが、違いを一言で説明すると、アンモライトはアンモナイトの化石が長い年月をかけて宝石になったものです。「光るアンモナイト」とも呼ばれ、表面がまるでオパールのように虹色に輝きを放つことが特徴です。これは化石になる過程で表面が地中内の鉱物、圧力により影響を受けることで変化します。この変化はどのアンモナイトにも起こりうることで、原型を留めながら虹色の輝きを持つアンモナイトは一般に広く流通しています。

アンモナイトパイライトの化石
アンモナイト・パイライト

また、アンモナイト・パイライトと呼ばれる、表面がパイライト化したものもあります。落ち着きのある色味にシックな輝きが特徴で、こちらも比較的手に入りやすい宝石です。化石で見れるだけでも十分貴重な体験なのに、それがさらに美しい宝石となったアンモナイトにまで出会えるなんて、自然の力というのは本当に偉大です。あらゆる変化の早い現代、アンモナイトを眺めてふと遥かなる歴史に思いをはせるのもたまにはいいのかもしれません。

アンモナイトの価値

古代から存在していまだ新種の発見がされるなど話題に事欠かないアンモナイト。世界中に熱心な愛好家が存在して関心の的であり続けています。手に入れるのはさほど難しくなく、金額もお手頃なものがありますが、アンモナイトの真の価値はそういったものさしでは図れないと思います。

長い時を経て私たちに姿を現し、歴史を感じさせてくれるその特別な魅力こそがなににも替えがたい価値なのではないでしょうか。そしてまだ解明されていない部分も多くあるので、それらが明らかになるにつれ価値も変化していくと思います。これからも伸びしろがある価値を持っている、と言いたいですね。

アンモナイトの石言葉

アンモナイトは、古の海を泳いだ生物です。その化石には、特別な意味が込められています。「フレキシブルな思考」-これがアンモナイトの石言葉です。

なぜこの言葉が選ばれたのでしょうか。アンモナイトの形は、変化に富んでいます。それは、常に変わりゆく環境に適応してきたからです。まさに、フレキシブルな思考の象徴です。

人生もまた、予測不可能なことで満ちています。時には、困難に直面することもあります。そんな時も柔軟な思考を持てば、どんな障害も乗り越えられる気がします。

アンモナイトのパワーストーンとしての効果

アンモナイトはその渦巻きの形状から2つのパワーストーンとしての意味を持つと言われています。1つは人生を好転させ、新たな自分へと進化させてくれる効果。もう1つは、渦巻きが中心へ向かって集まっていく形状が集中力を養い、そこから発展して、チャンスをつかむパワーをくれる効果です。

進化と力、アンモナイトそのものを体現している効果ですね。約3億5000万年以上も繁栄して、さらに1万種類以上もの繁殖に成功したアンモナイト。それを思うと今抱えている悩みがなんだかとても小さいものに感じてきます。

アンモナイトを身につける意味、おすすめしたい人

クリエイティブな仕事に従事する人

  • アンモナイトは「フレキシブルな思考」を促し、新しいアイデアやインスピレーションを得るのに役立ちます。クリエイティブな作業には、柔軟性と革新性が必要です。アンモナイトは、このような環境で働く人々に新たな視点をもたらし、創造力を刺激します。

学生や試験勉強中の人

  • 集中力を高め、学習へのモチベーションを向上させる効果があります。アンモナイトの渦巻き形状は、目標に向かって努力を集中させる力を象徴しています。試験や勉強での成功を願う人々に最適です。

転職やキャリアチェンジを考えている人

  • 人生を好転させ、新たな自分へと進化させる力を持っています。アンモナイトは変化と成長のシンボル。新しい職場やキャリアパスへの移行は、大きな変化を伴います。アンモナイトは、その過程で自信と勇気を与えてくれます。

ビジネスパーソンや起業家

  • チャンスを掴む力と、事業の発展に必要な集中力を養うのに役立ちます。ビジネスの世界では、機会を見極め、それを活かすことが成功への鍵です。アンモナイトは、このような状況で必要な精神的なサポートを提供します。

恋愛に悩む人

  • 自己進化を促し、新しい出会いや関係の改善に役立つため。アンモナイトは、自分自身を成長させることで、より良い人間関係を築く助けとなります。恋愛においては、自己受容と相手への理解が深まることが大切です。

まとめ

進化の途中で障害もあったと思います。しかしそれを乗り越えて長きに渡り存在して、絶滅したずっと後でも後世の私たちにロマンと希望を与えてくれているアンモナイト。

原始時代とは異なる問題に直面することも多々ある現代ですが、そういった時にそっとアンモナイトから力を借りてみるときっと上手くいくことでしょう。

オンラインストア
アンモナイトの素材一覧

アンモナイトのアイテム一覧

このコラムで紹介しているアンモナイトの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

表示するURL:https://www.kenkengems.com/?mode=cate&cbid=2528782&csid=0

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

KenKenGems Logo image
KenKenGems Logo image

この記事の内容