セレナイト|月の女神の名前を冠する天然石

セレナイトの特徴や効果を解説。

セレナイトは、月の女神「セレネー」を語源とする、美しい天然石です。

半透明から無色透明の清らかな色合いを持つセレナイトは、一見すると水晶と見間違えてしまうことも少なくありませんが、実は彫刻などに使われる石膏の仲間なのです。

今回は、そんなセレナイトの特徴や神秘的な魅力をお伝えしていきます。

この記事の内容

セレナイトの鉱物データ

セレナイトの鉱物データを詳しく解説。
英名Selenite
和名透石膏
分類硫酸塩鉱物
化学式CaSO4・2H2O
無色、白
モース硬度2
比重2.30 - 2.33
屈折率1.52 - 1.53
主な産地スイス、カナダ、ロシア、メキシコなど
石言葉純粋無垢

セレナイトとは

セレナイトはジプサムの中で透明なものを指す。

セレナイトとは、硝酸カルシウムでできているジプサム(石膏)の中でも、半透明から無色透明のものを指します。

セレナイトという名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる月の女神「セレネー」であるといわれています。

石に秘められた神秘的な繊細さが、柔らかな月や月光を連想させるために「セレナイト」という名前が付いたものであると思われます。

セレナイトはとても身近な天然石

セレナイトはジプサムの一種ですが、ジプサムは私たちの身近な生活の中に多く見られる天然石でもあります。

たとえば、ジプサムの細かい粉末は固められ、学校でおなじみのチョークになります。他にも、骨折をした時にその部分が動かないように固定するギプスは、ジプサムを原料にして作られています。

また、昔のヨーロッパでは、透明度の高い大きなセレナイトが教会の窓ガラスの材料として使われていました。 セレナイトは、実は人の生活とかなり密接した関係を持っている天然石なのです。

セレナイトと水晶の違い

セレナイトと水晶の違い。

セレナイトと水晶(クリスタル)は、一見するとよく似ている天然石です。

しかし、特徴を見比べてみると全く違うことが分かります。セレナイトと水晶のもっとも大きな特徴は、結晶の形の違いです。

水晶は柱状の太い結晶に育つので、透明度がとても高く、結晶面もパッキリとしています。一方、セレナイトは繊維状の結晶が集合した形をしている場合が多く、半透明のものは内部を見ると細い線が見えます。まれに、セレナイトも大きな単結晶に育つことはあるのですが、その結晶にも形の違いがみられます。

セレナイトの結晶は、先端が平行四辺形の形をしていますが、水晶は六角錐の形をしています。また、セレナイトと水晶のもう一つの大きな違いは、傷つきにくさを示すモース硬度にあります。水晶はモース硬度が7と、ガラスよりやや傷つきにくいほどの丈夫さを持っています。

一方で、セレナイトはモース硬度が2と、爪で強く引っかくだけでも傷がついてしまうほど繊細な天然石です。そのため、セレナイトは水晶に比べ、より繊細な取り扱いをする必要のある天然石であるといえます。

セレナイトの品質

セレナイトは透明度が高く、インクルージョンが少ないものが品質が高いとされる。

セレナイトの品質は、透明度の高さに大きく起因しています。

特に、クラックやインクルージョンが少なく、透明度の高いセレナイトは、鉱物コレクターや天然石アクセサリー作家の中でも高い人気を誇っています。

セレナイトの石言葉や意味

セレナイトの石言葉や意味を解説。

セレナイトの石言葉は「純粋無垢」です。

セレナイトの清らかな純白の色、または向こうが透けて見えるほどの透明度は、純真さを示しているとされています。

パワーストーンの世界では、セレナイトは高い浄化の力を持っているとされ、お守りとして身に着けられることも少なくありません。

特に透明度の高いセレナイトは「聖母マリアのガラス」とも呼ばれ、珍重されています。

かつて教会の窓ガラスとして使われていたことのあるセレナイトは、それだけ高い神秘性を秘めている天然石なのです。

セレナイトの産地

セレナイトの産地を解説。

セレナイトの産地として有名なのは、スイス、カナダ、ロシア、アメリカ、イタリア、フランスなどが挙げられます。

特に、ロシアのセレナイトは美しい絹のような繊維状の結晶として産出するため「サテンスパー(繊維石膏)」と呼ばれ、彫刻の材料にされることが少なくありません。

日本でも、宮城県などで質の高いセレナイトが産出したという記録が残っています。

ナイカ鉱山の巨大セレナイト

世界最大級の美しいセレナイトの結晶が存在しているのが、メキシコ・チワワ州の「ナイカ鉱山」です。

ナイカ鉱山は湿度100%、気温60度という非常に過酷な環境ですが、それらの条件がうまく噛み合うことで、美しいセレナイトの結晶が存在し続けているのです。ナイカ鉱山内部には、成人男性の身長よりもはるかに大きなセレナイトの柱が何本も生えており、その光景は圧巻の一言です。

以前はチワワ州の名所として人気を誇っていたのですが、人が立ち入ることで湿度が変化し、結晶が劣化してしまう恐れがあるため、2009年に閉山してしまいました。

ナイカ鉱山の美しいセレナイトの結晶は、現在では写真でのみ堪能することができます。

セレナイトの効果と使用方法

セレナイトの効果や使用方法を解説。

セレナイトは、さまざまな使われ方をすることでも知られています。

たとえば、天然の結晶の色や形が美しいものは、鉱物標本として、鉱物コレクターの間で高値で取引されることも少なくありません。

他にもセレナイトは、天然石アクセサリーとして使われたり、置き物として使われたりすることもあります。

セレナイトを置く場所は「浄化の力」をじゅうぶんに活かすため、リビングや寝室など、ゆったりとくつろげる場所に置くとよいでしょう。

置き物として人気なのが「セレナイトタワー」と呼ばれる、大きなタワー状の原石です。 セレナイトタワーは、中に光源を入れてライトとして使われることが多いです。

セレナイトのお手入れ

セレナイトの取り扱い方法を解説。

セレナイトは月の女神の名前を冠する美しい天然石ですが、取り扱いにはいくつか気を付ける点があります。

まず、セレナイトは傷つきにくさを示すモース硬度が2と、非常に柔らかい天然石です。そのため、爪で強く引っかいただけでも傷がついてしまう場合があります。

セレナイトをハンドメイドアクセサリーの材料にする際は、爪で引っかいたり、他の天然石とぶつけたりしないように気を付けてください。

セレナイトを保管しておく際は、柔らかい布などで包み、仕切りのついた箱にしまっておくとよいでしょう。

また、セレナイトは硝酸カルシウムでできているため、湿度の変化に弱いという特徴もあります。そのため、湿度の高い場所や、反対に直射日光の当たる場所に長時間置いておくことは避けてください。セレナイトはなるべく温度変化の少ない場所で、蓋つきの容器に入れて保管するとよいでしょう。

また、セレナイトのアクセサリーを身に着けた後は、柔らかい布でそっと乾拭きをしてあげることで、セレナイトの品質を長い間保つことができます。

月のような優しい輝きを放つセレナイト

セレナイトは取り扱いが難しい天然石だが、それ以上の魅力がある石である。

セレナイトは水晶にも引けを取らない清らかさ、月の光のような優しい色合いが魅力的な天然石です。

取り扱いにある程度の注意は必要ですが、天然石アクセサリーとして活用することは十分に可能です。むしろ、この繊細なセレナイトをどのように活かすことができるかが、ハンドメイドアクセサリー作家の腕の見せどころといったところでしょう。

天然石アクセサリーの新たな領域に挑戦してみたいと思ったときは、ぜひセレナイトの存在を思い出してみてください。

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