水晶|種類と魅力の全て

水晶の種類や意味、効果を解説します。

今回は、長年にわたり日本の国石にも定められていた水晶の話です。

海に沈んだとされるかつての超古代文明アトランティスを支えた水晶

水精とも呼ばれ、精霊が宿ると信じられた日本古代の水晶

集めると宇宙の真実を解き明かすと言われたドクロを模した13個の水晶

上記のように、水晶にまつわる言い伝えや伝説は数えきれません。

今回は、そんな水晶のミステリアスな世界を脱し、より身近に感じてもらえるように、分かりやすく水晶について解説したいと思います。

水晶が魅せる不思議な世界を全て解明することはできませんが、その魅力を探るのには役立ちますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

水晶の鉱物データ

水晶の解説。水晶は日本の国石にも定められていた石。
英名Quartz
和名水晶
化学式SiO2
モース硬度7
屈折率1.54 - 1.56
結晶系六方晶系(三方晶系)
比重2.65
主な産地世界各地(ブラジル・アメリカ・インドなど)
石言葉完全・純粋・繁栄・神秘

水晶とは / クォーツ

水晶とは?水晶の石言葉や特徴、効果などを解説します。

まずはじめに、水晶の定義や呼び方を確認しておきましょう。

そもそも水晶とは、石英という二酸化ケイ素が結晶化してできる天然石のことを指します。

英語名は、クォーツ(Quartzです。英語のクォーツには、水晶以外にもう1つの意味があります。それは「石英」です。英語のクォーツ(Quartz)には、水晶と石英の区別はありません。

日本で水晶と言えば、一般的に無色透明のものを指し、「クリスタル」とも呼ばれています。しかし、このクリスタルというのは、水晶の和製英語に近い表現です。

英語圏の人にクリスタル(Crystal)と言っても水晶のことはイメージされず、現代では「結晶」という意味に捉えられることが一般的です。

「現代とは」と前置きしたのには理由があります。もともとのクリスタル(Crystal)の語源は、ギリシャ語で氷を意味する「krystalos」です。これに由来して、かつては英語でも「水晶」という意味がありました。

これは、水晶が「神が創った溶けない氷」という言い伝えにリンクする言葉の歴史です。しかし、このクリスタル(Crysta)という意味は、次第に「結晶」という意味に置き換えられていきます。

今でも透明度の高い海の水を「クリスタルクリアウォーター(crystal clear water)」と英語で表現するように、透明なものを装飾する形容詞的な意味は残っています。 日本でイメージされている無色透明の水晶の呼び方は、クリアクォーツ(Clear Quartz)やクリスタルクォーツ(Crystal Quartz)、そしてロッククリスタル(Rock crystal quartz)などです。

水晶や石英の呼び方

日本海外
石英Quartz(クォーツ)
石英が結晶化してできた天然石Quartz(クォーツ)
水晶(主に無色透明)
クリスタル
Clear Quartz
Crystal Quartz
Rock crystal quartz
結晶Crystal(クリスタル)
※以前は「水晶」の意味もあり

本来、水晶(Quartz)は無色透明のものだけを指すものではありません。

白・乳白色・緑・青・紫・黄・ピンク・黒など、含有物や埋石環境に影響を受けてさまざまな色合いを見せます。これらの色つき水晶には下記の例のように別名があります。

日本海外
紫水晶
(アメジスト)
Amethyst
定義( Purple or violet quartz)
紅水晶
(ローズクォーツ)
Rose Quartz

水晶(クォーツ)の種類

水晶の種類や見分け方、特徴を解説します。

ここでは、いくつかの代表的な水晶(クォーツ)の種類を紹介します。

無色透明で溶けない氷のような水晶、白いスモークのかかったような水晶や色つき水晶、また生成過程で古来の水がそのまま内部に残った水入り水晶など、千差万別な水晶の幅広さを知ることができますので、ぜひ確認してみてください。

クリスタルクォーツ(Crystal Quartz)

水晶は一般的に無色透明なものをさし、クリスタルクォーツと呼ばれる。

クリスタルクォーツは、前述したように一般的には無色透明な水晶のことを指します。

水晶占いで用いられているような水晶のことです。ただし、透明な水晶だけではなく、気泡などの不純物や結晶が集まり白っぽい色の水晶もクリスタルクォーツの一種です。

そもそも自然界に完全な無色透明なものは多くありません。したがって、水晶も透明度の違いが見られます。

先ほど水晶の定義をお伝えしましたが、実はその定義は曖昧さを残しています。クリスタルクォーツも、染色やコーティングが施されることもあり、さまざまです。ただ、一般的にクリスタルクォーツと言えば、透明度の高い無色系の水晶のことを指します。

スモーキークォーツ(Smoky Quartz / 茶水晶・煙水晶)

水晶の中に、茶水晶や煙水晶の和名を持つ、スモーキークォーツがある。

スモーキークォーツとは、主に褐色や濃淡さまざまな灰色が見られる色つき水晶のことです。和名では、茶水晶煙水晶と呼ばれます。

このスモーキークォーツの発色メカニズムは、実は未だに解明されていません。今のところ、水晶に含まれる微量のアルミニウムイオンが、放射線によって特定の光の波長を吸収するからと考えられていますが、まだそれも可能性の話です。

謎の発色を見せるスモーキークォーツですが、その色や透明度は個体によって異なります。

スモーキークォーツのアクセサリーとしての魅力は、身に着ける人に落ち着いた印象を与えると同時に、さりげない上品さも加えてくれる点です。

モリオン(Morion / 黒水晶)

水晶の中に、黒水晶の和名を持つ、モリオンがある。

モリオンは、黒色をした色つき水晶の一種です。その見た目の通り、和名は「黒水晶」と言います。

先ほどのスモーキークォーツは、色が濃くなっても透明度を残し光を通しますが、モリオンはそのまま黒味が増して光を通さなくなった水晶です。

スモーキークォーツの発色メカニズムがより強くなるとともに、さらなる変化が起こったことによって、漆黒になります。

モリオンは、力強さを感じる水晶です。世界のさまざまな地域で邪気払いとして用いられており、特に中国では「降魔鎮邪(こうまちんじゃ)の石」とも呼ばれています。

アメジスト(Amethyst / 紫水晶)

水晶の中に、紫水晶の和名を持つ、アメジストがある。

古代より高貴な宝石として扱われたアメジストも、色つき水晶の一種です。

和名を紫水晶と言い、その吸い込まれそうな紫色が特徴ですが、これは水晶に微量に含まれる「鉄イオン」によって発色しています。

特に濃い紫色をしたシベリア産のアメジストは、サイベリアンアメジストとして有名です。その中には、内部に赤い閃光のような光が見えるものもありますが、アメジストにはその他にもさまざまな種類のものがあります。

ローズクォーツ(Rose Quartz / 紅水晶)

水晶の中に、紅水晶の和名を持つ、ローズクォーツがある。

愛らしいピンクカラーをした色つき水晶が、ローズクォーツです。和名を「紅水晶」と言います。

ローズクォーツは、愛と美を象徴する水晶として知られ、欧米でのロマンティックな別名は「ラブ・ストーン」です。

ローズクォーツという名の通り、バラの花にまつわる伝説もあります。愛と美の女神であるヴィーナスの美しさを讃えるために、他の神々によって薔薇の花が創られ、彼女が歩くと薔薇が咲き乱れたそうです。ローズクォーツは、その薔薇が結晶化してできたものと言われています。

世代を問わず特に女性を惹きつけやまないのが、ピンク色をしたこの水晶、ローズクォーツです。

ストロベリークォーツ(Strawberry Quartz / 苺水晶)

水晶の中に、苺水晶の和名を持つ、ストロベリークォーツがある。

ストロベリークォーツは、苺水晶とも呼ばれ、その名の通りイチゴのように見える赤い水晶です。

ストロベリークォーツは、特殊な内包物を含み、それが赤やピンクの色を発色させるとともに、繊細で可愛らしい印象を見せてくれます。特に、ピンクや赤色の内包物が針状にきめ細かく入ったものは、独特な美しさを放ち、視線を釘付けにしてしまうほどです。

アイリスクォーツ(Iris quartz /  虹入り水晶)

水晶の中に、虹入り水晶の和名を持つ、アイリスクォーツがある。虹色の輝きが見られるため、レインボークォーツやレインボー水晶などとも呼ばれる。

水晶の生成過程で何らかの変化や地殻変動による圧力によって、クラック(ヒビ)が入った水晶をアイリスクォーツと言います。

和名は虹入り水晶と呼ばれますが、その理由はクラックによって虹色の輝きが見られるからです。そのため、レインボークォーツやレインボー水晶という別名もあります。

アイリスクォーツの魅力は、自然が作り出す絶妙なバランス加減です。水晶本来の透明感の中に見られる特徴的なクラックと虹のような輝きは、絶妙なバランスをとって、水晶全体の美しさを個性的に引き出してくれます。

また、クラックが多く乳白色に見えるアイリスクォーツや、スモーキークォーツにクラックの入ったスモーキーアイリスクォーツなども独特で魅力的です。

ルチルクォーツ(Rutilelated Quartz / 金紅石入り水晶)

水晶の中に、金紅石入り水晶の和名を持つ、ルチルクォーツがある。金運を呼び込む天然石として人気がある。

ルチルクォーツとは、生成過程でルチル(金紅石)を内包した水晶のことです。そのため、和名を「金紅石入り水晶」と言います。

ルチルはラテン語で「黄金色に輝く」という意味です。内包されたゴールドのルチルは、水晶の中で、針状の結晶として現れます。ルチルクォーツの魅力は、エレガントでありながら自然なワイルドさも感じられる点です。

ちなみに、ルチルクォーツはそんな金線が入っていることから、金運を呼び込む天然石としてもよく知られています。

ブラックルチル・トルマリンクォーツ

水晶の中に、黒い針のように見える内包物を含むブラックルチルとトルマリンクォーツがある。

ブラックルチルとトルマリンクォーツは、いずれも黒い針のように見える内包物を含む水晶になります。その違いは、ルチルが内包物になっているか、トルマリンが内包物になっているかです。

先ほどのルチルクォーツは金色でしたが、鉱物としてのルチルは赤や黒などのさまざまな色があります。

内包物の入り具合によって黒味の濃淡が変わり、繊細な印象から力強い印象までさまざまな顔を見せてくれるのが魅力のひとつです。

ガーデンクォーツ(Garden Quartz / 庭園水晶)

水晶の中に、庭園水晶の和名を持つ、ガーデンクォーツがある。生成過程においてさまざまな色の鉱物や泥岩を内包しながら結晶化した水晶。

水晶の奥深さをよく感じることができるのが、ガーデンクォーツです。

ガーデンクオーツは、その生成過程においてさまざまな色の鉱物や泥岩を内包しながら結晶化した水晶のことを指します。和名は庭園水晶です。その名の通り、まさに庭園を閉じ込めたように見えることから、名付けられたと言われています。

内包物の色などによって、別の名称でも親しまれていることも多く、一例を挙げると「グリーンファントムガーテンクォーツ」などです。これは、草が入っているようにも見えることから「草入り水晶」とも言われます。

個体によって印象はさまざまですが、和を感じられるようなガーデンクォーツもあったりと、唯一無二の個性を発揮している水晶です。

水入り水晶

水晶の生成過程で水を内包した水入り水晶と呼ばれるものがある。
古代の水が当時のまま入っている。

神秘的な水晶の一つに、水入り水晶と呼ばれるものがあります。これは、生成過程で水を内包した水晶のことを指します。 水晶に含まれる水は、古代の水です。水晶の中で時が止まったまま存在する古代の水には、ロマンを感じる人も少なくないでしょう。

ヒマラヤ水晶

水晶には産地の名前が付くものがあり、その代表がヒマラヤ水晶です。

特定の産地の水晶に名前が付けられて親しまれているものもあります。その代表的なものの一つが、ヒマラヤ水晶です。

ヒマラヤ水晶はその名の通り、世界の屋根とも言われるヒマラヤ山脈を産地とする水晶の総称になります。 ヒマラヤ山脈は、インド・ネパール・パキスタンなどの複数の国をまたいでおり、国や標高などの採掘エリアによって、同じヒマラヤ水晶でも色合いなどが異なるのが特長です。

水晶は4月の誕生石

水晶は、4月の誕生石の一つです。

誕生石は、1月〜12月の誕生月を象徴する宝石のことを指し、12ある月それぞれに種類の違う宝石の名前が挙げられています。

4月の誕生石

  • ダイヤモンド
  • 水晶
  • キュービックジルコニア
  • モルガナイト

古来より誕生石は「その月に生まれた人々を癒し、護る力を持つ」と信じられてきました。つまり、特別な力があると考えられていたのです。

ちなみに、前述した色つき水晶であるアメジストは、古来より宝飾品としても重宝されてきた歴史から、2月唯一の誕生石として知られています。

水晶は「しし座」の星座石の一つ

無色透明な水晶として既に紹介したクリスタルクォーツは、しし座(7/23〜8/22)の星座石の一つでもあります。

星座石は、誕生石とは異なり、12ある星座を象徴する宝石のことです。

一説には誕生石の概念のもとになったとも言われていますが、自分の生まれ星座の星座石を身に着けることで、その星座とつながり、厄災から身を守ってくれると信じられています。

しし座の星座石

  • ルビー
  • サード二クス
  • 琥珀 (アンバー)
  • カーネリアン
  • クリスタルクォーツ
  • サンストーン

水晶の石言葉と身に着ける意味

水晶の石言葉と意味を解説します。

花言葉と同じように、宝石にも石言葉(宝石言葉)があります。それぞれの宝石を象徴したり、意味を込めた言葉がつけられていますが、水晶の宝石言葉は、「完全・純粋・繁栄・神秘」などです。

古くは魔除けやお守りとしても用いられてきた水晶は、現代ではパワーストーンとしても知られています。身に着けることでさまざまな良い作用が期待できますが、注目すべきは浄化パワーです。

水晶には、あらゆるものを清めて浄化する力があると言われています。その力は、水晶を身に着ける人を浄化し癒すだけにとどまらず、他のパワーストーンを浄化するときにも用いられるほどです。

水晶の浄化

水晶の浄化や取り扱い方法などについて解説します。

先ほど水晶の浄化作用についてお伝えしましたが、身に着ける水晶そのものも浄化が必要と言われています。これは、溜め込んだネガティブなものごとや記憶を、水晶から除去する作業です。

パワーストーンの世界では浄化することによって石本来の力を取り戻したり、より効果的なものにすると考えられています。

水晶の浄化方法はさまざまなやり方がありますが、最も手軽で簡単なのは、水を使った浄化です。

水は水道水でも構いませんので、水晶を流水にさらしたり、水に浸けてしばらく置いておくようにします。そのあとは自然乾燥でも、柔らかい布で水気を拭き取ってもどちらでも大丈夫です。

水晶の力や浄化について興味がない方でも、これは水晶の劣化を防ぐ、一般的なお手入れ方法と同じですので、管理の一環として行うことをおすすめします。

美しいだけではない水晶

水晶は装飾品だけではなく、現代のテクノロジーに欠かせないものである。

すでに普及しているクォーツ時計は、水晶を用いて時間を正確に導き出しています。時計だけではなく、現在のあらゆるデジタル・エレクトロニクス機器に水晶は欠かせません

それらの機器に組み込まれる水晶は総称して水晶デバイスと呼ばれますが、その原理のもとが発見されたのは、1880年です。

この年、キュリー兄弟によって、水晶に圧力を加えると電荷が発生するという性質(圧電現象)が発見されました。これを皮切りに水晶が持つ他の性質も発見され、応用が加えられながら、さまざまな分野に活用されるようになっていきました。

例えば、現在使われているスマートフォンには3〜5個、最先端技術を搭載した高級車には約100個もの水晶デバイスが組み込まれています。

水晶デバイスの機能・性質の安定という観点から、現在は天然の水晶から人工水晶が使われるようになりましたが、水晶はその美しさに加えて、現代社会を支えているということも水晶の特筆すべき点のひとつです。

最後に / 水晶の魅力

水晶の特徴や魅力、性質を解説します。

水晶は、ある時はその美しさで特別な力の可能性を示唆して人々を惹きつけ、ある時にはその性質を活かして黙々と求められる働きをします。

水晶の魅力は、神秘的な美と自然がくれた貴重な機能を併せ持つ点です。

今回は、そんな水晶を身近に感じられるように解説しました。興味を持った方は、ぜひ水晶を手に取ってみていただければと思います。

古代から信じられているような特別な力を感じるかは分かりませんが、少なくともその手の上にある水晶には、確かな美しさがあるはずです。

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