ロードクロサイト|バラ色の癒しに満ちた愛の石

ロードクロサイトの特徴や歴史を解説。

美しいバラの輝きをそのまま閉じ込めたようなロードクロサイトは、はるか昔から愛の石として多くの人に愛されてきました。特に日本ではインカローズとも呼ばれ、アクセサリーやパワーストーンとして絶大な人気を誇っています。

この記事ではロードクロサイトの基礎知識や、扱ううえで知っておきたいポイントを解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の内容

ロードクロサイトの基礎知識

ロードクロサイトの基礎知識を詳しく解説。

ロードクロサイトはバラの花のような赤みの強いピンクと、やわらかな透明感で有名なジェムストーンです。どのカラーも可愛らしく、アクセサリーやパワーストーンとして高い人気を集めています。

ロードクロサイトの語源は、古いギリシャ語が由来だとされています。ギリシャ語の「ロード=バラ」「クロ=色」「サイト=石」が変化して「ロードクロサイト」という名前になったという説が有力です。かつてアンデス山脈中で栄えたインカ帝国の時代から産出されており、お守りや装飾品としても珍重されてきました。

ロードクロサイトには、とても有名な名前がもう一つあります。「インカローズ」という名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。実はインカローズというのは日本独自の呼び名で、海外ではロードクロサイトという名前が一般的なのです。インカローズはバラのような白い縞模様の入った乳白色のもの、ロードクロサイトは透明度が高く宝石質のものというように呼び分けられているケースも多くみられます。

海外では「ロジンカ」という名前で呼ばれることもあり、アメリカにおいてはレッドベリル、ベニトアイトと並ぶ三大希少石としてよく知られています。

ロードクロサイトの和名は「菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)」。方解石(カルサイト)のグループに属しています。ロードナイトなど、マンガン鉱物とともに産出されることが多いのも特徴です。

硬度は3.5~4.0と、ジェムストーンの中ではかなりやわらかい部類に入ります。コーラル(珊瑚)やマラカイトと同程度で、刃物や金具で簡単に傷がついてしまうので取り扱いには注意が必要です。

ロードクロサイトの歴史

ロードクロサイトの歴史や成り立ちを解説。

ロードクロサイトの歴史は非常に古く、インカ帝国が栄えた13世紀頃にはすでに発見されていました。特徴的な白い縞模様から「ピンクのバラ模様の真珠」と呼ばれ、宝飾品やお守りとして珍重されてきました。

古くから人々に愛されてきたロードクロサイトですが、大規模な産出が始まったのは1800年代に入ってからでした。1813年にルーマニアのカヴニク鉱山で、ロードクロサイトが再発見されたからです。

初めて産出されたのはアンデス山脈のインカ帝国が遺した鉱山からですが、再発見以後はアルゼンチンやアメリカ、ロシア、オーストラリア、中国など世界中で産出されるようになりました。

日本でも秋田県の尾去沢鉱山、青森県の尾太鉱山、北海道の稲倉石鉱山で産出されていましたが、現在はいずれも閉山しています。

ロードクロサイトの価値

ロードクロサイトの価値や産地を解説。

ロードクロサイトは世界中で広く産出されていますが、実はその量と質は年々低下傾向にあります。もとより宝石質のロードクロサイトは希少なものですが、高品質で美しいロードクロサイトを産出していた鉱脈が枯渇して、軒並み閉山してしまったからです。

高品質なロードクロサイトが産出されていた鉱山はいくつかありますが、その中でも群を抜いて美しいとされていたのが、アメリカ・コロラド州にあったスイートホーム鉱山産のものです。1887年に、ティファニー社によって発見されました。

透明度の高さにくわえて、蛍光感のあるあざやかなチェリーレッドは他に例がなく非常に高い人気を集めました。しかし鉱脈の枯渇にともない閉山されたため、スイートホーム鉱山産のロードクロサイトが以後産出されることはなくなりました。

北海道の稲倉石鉱山産で産出されていたロードクロサイトも、桜貝のような淡いピンク色と高い透明感で広く人気を集めましたが、こちらも閉山しています。

現在でもペルーで宝石質のロードクロサイトが産出することがありますが、スイートホーム鉱山産や稲倉石鉱山産のものほど価格が上がらないのが現状です。

最高品質に分類されるロードクロサイトは長年発見されておらず、現在市場に出回っているものだけです。そのため美しい発色と透明感を兼ね備えたものは非常に価値が高く、高額で取引されています。

ロードクロサイトの色や性質

ロードクロサイトの種類や性質を解説。

ロードクロサイトは特徴的な縞模様を持つものから透明度の高い宝石質のものまで、さまざまな種類があります。いずれもローズピンクや赤みがかった色合いのものが多いのが特徴ですが、これはロードクロサイトにマンガンが含有されていることに由来します。マンガンの含有率が多ければ多いほど、赤やローズピンクの割合が増すといわれています。

現在流通しているロードクロサイトのカラーリングは淡いピンクやオレンジ、チョコレートカラーや薄いブラウンなどが一般的です。市場価値において、暗い色のものはあまり価値が高くないとされています。逆に価値が高いのは内包物が少なくて透明度が高く、ローズピンクの発色が美しいものです。しかし先にも解説したように質の高いロードクロサイトの産出は年々減少しているため、お目にかかれることはなかなかありません。

猫の目のような一条の光が見えるシャトヤンシー効果を持つロードクロサイトもありますが、こちらも稀少価値が高いため市場に出回ることはあまりないでしょう。もし見つけたら、必ず手に入れたくなってしまいますね。

ロードクロサイトはジェムストーンの中でもかなりやわらかいほうですが、くわえて縦に割れやすいという性質があります。そのためカットが大変難しく、ファセットカットよりもカボションカットに加工されるものが大半です。傷をつけずに石留めをするのも大変なので、アクセサリーなどに加工する際は細心の注意を払って作業することをおすすめします。

ロードクロサイトのパワーストーンとしての意味

ロードクロサイトの意味や石言葉を解説。

ロードクロサイトといえば「恋愛のお守り」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。バラ色の美しい石は、恋愛や癒しにおいて強いパワーを持っていると信じられてきました。

そのためロードクロサイトに関する石言葉は、「情熱」「愛」など恋愛に関係するものが多くみられます。それだけではなく、「ソウルメイトに引き合わせてくれる石」として、人生のパートナーに出会いたいと願う方からも熱烈に支持されてきました。

癒しの力を持つヒーリングストーンとしても人気で、女性がよりセクシーに美しく輝く助けになるといわれています。人間の内部にあるエネルギーを活性化する石なので、恋愛だけでなく家族や友人との深いつながりを持ちたい方のお守りとしてぴったりです。

ロードクロサイトの取り扱い上の注意

ロードクロサイトはへきかい性をもっているため、割れやすく、取り扱いに注意が必要。

ロードクロサイトは硬度が低く、結晶の構造上、一定方向に向かって割れやすい劈開性を持っています。また多孔性の構造をしているため、目に見えないわずかな穴が無数に開いているという特徴があります。そのため研磨してもかすかなへこみが残ったり、時間経過や気温の変化で輝きが劣化することがあるので注意が必要です。

まとめ

ロードクロサイトの魅力を解説。

この記事ではロードクロサイトについてご紹介してきました。バラの花びらをそのまま宝石にしたようなロードクロサイトは、さまざまな色や風合いのものがあり、ひとつとして同じものがありません。

透明度の高いものや縞模様が入っているものなど、自分好みの「愛の石」を見つけてみてくださいね。

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ロードクロサイトの素材一覧。

ロードクロサイトのアイテム一覧

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