方解石|海底のプレートから生まれた日常を支える石

方解石の特徴や効果を解説。

マーブル模様やピンク、ブルー、グリーンなど、さまざまな色をもつ方解石(ほうかいせき)。つるりとした質感と優しい輝きは、見ているだけで安心感がありますよね。

実はこの方解石は、石灰岩という岩石を構成する物質で、石灰岩は私たちの生活に深く根ざしているのです。天然石として愛用する以外にも、日常のいたるところに方解石が存在し、私たちの生活を支えています。

今回は、方解石の詳細を解説します。方解石が私たちの生活にどのように役立っているのかを知るとよりいっそう愛着が湧くかもしれません。

方解石は色によってその効果が異なるとされているので、色ごとの効果の違いについても解説します。

この記事の内容

方解石の鉱物データ

方解石の鉱物データを詳しく解説。
名称方解石(ほうかいせき)
別名:氷州石(ひょうしゅうせき)
分類炭酸塩鉱物
組成CaCO3
モース硬度3
比重2.69 - 2.82
光沢ガラス光沢、真珠状
屈折率1.48 - 1.66
へき開性3方向(菱面体)に極めて完全
結晶系三方晶系(六方晶系)
透明、黄色、オレンジ色、ピンク色、青色、マーブル模様など
主な産地メキシコ、中国、ペルー、ブラジル

方解石はどんな石?

方解石はさまざまな色合いをもつ天然石で、成分によって色合いが変わる。

方解石は、さまざまな色合いをもつ天然石です。

大理石のようなマーブル模様、鮮やかなオレンジ色、深みのあるブルー、乳白色がかったピンク色などがあり、全体的に落ち着いた上品な色合いをしています。

方解石の色の違いは、含まれている成分によるものです。マンガンが多いとピンク色、鉄分が多いと黄色の色合いになります。 透明度は半透明か不透明で、表面はつるりとしていて優しい輝きを放っています。縞のような模様が入っているものもあり、いろいろな表情を楽しめるのも魅力の一つです。

方解石の成り立ち

方解石の成り立ちを解説。

方解石は、石灰岩(ライムストーン)を構成している物質です。岩石はいろいろな物質から成り立っていることが多いですが、石灰岩は方解石のみで構成されています。

石灰岩は、生物の遺骸から作られます。

海の中でサンゴや貝、ウニ、有孔虫、フズリナなどの遺骸が海洋プレートの上に堆積し、何億年もの時間をかけて地面と一体化したものが石灰岩です。海洋プレートが移動して大陸プレートとぶつかり、海山となります。それが海底の隆起によって地表に現れ、鉱山として石灰岩が採掘できるようになったのです。

日本には約250箇所の石灰岩の鉱山があります。日本の近海で作られた石灰石は炭酸カルシウムの純度が高く、品質が良いとされています。日本で採れる石灰岩は、約2〜3億年前に海底に堆積したものだと言われています。

悠久の時を経て地表に現れた方解石に、ロマンを感じますね。石灰岩には化石が含まれていることもあり、古代の大地の記憶がそこで眠っているのかもしれません。

日常に使われている方解石

方解石の用途を解説。

方解石で構成されている石灰岩は、日常のさまざまな場面で使用されています。

主に用いられているのが建築です。古くは古代エジプトのスフィンクスやピラミッドの建築資材や日用品、装飾品に用いられていました。古代ギリシャやローマでも神殿の建築に使われており、日本ではお城や蔵の壁に漆喰として用いられました。現代でも、セメントの材料として石灰岩が用いられています。

建築資材以外でも、一次産業や二次産業に石灰岩が使用されています。その1つがガラス工業です。ガラスの製造には石灰石やソーダ灰を原料にしています。

ほかに石灰岩を用いているのは畜産です。家畜の飼料のなかには石灰石の粉末(タンカル)が含まれています。

食品工業では、パンやマカロニといった小麦粉でできた食品にも、タンカルが使用されています。石灰岩を粉末にして加工したものを消石灰と呼び、こんにゃくやバター、豆腐、ガム、水飴などに使用されています。

消石灰は、かつて校庭にラインを引くために用いられていました。目に入ってしまうと失明のおそれがあるため、消石灰は利用されなくなり、代わりに炭酸カルシウムが用いられています。

石灰岩がマグマの熱の影響で結晶質になったものが、大理石です。大理石は建物の床や柱、キッチン、インテリアの小物などに使われており、非常に高級感があります。

このように、建築や食品をはじめとする産業で石灰岩が用いられています。方解石はブルーやピンクなどの色をした美しい天然石ですが、方解石からなる石灰岩は日常のさまざまな場面で用いられ、私たちの生活を支えているとはちょっとイメージがつきませんよね。そこが方解石の魅力であり、面白い一面であると言えます。

方解石の石言葉

方解石の石言葉や効果を解説。

方解石の石言葉には、以下のようなものがあります。

  • 陽気
  • 繁栄
  • 希望
  • 調和
  • 成功
  • 安定

方解石は屈折率が高く、方解石を通すと物が二重に見えます。これを複屈折と呼び、運やエネルギー、能力を倍増させる効果があると言われています。

方解石には、精神を安定させる、能力を高める、癒しをもたらすなどの効果があるとされていますが、色によっても異なる効果があると言われています。

方解石のヒーリング効果 色別一覧

  • 透明・白 …他人への思いやり、調和の取れた人間関係。記憶力や集中力を高める。癒しやポジティブ思考を与える。
  • オレンジ色…エネルギー不足を補い、行動力、カリスマ性、コミュニケーション力や創造性を高める。
  • 黄色・金色…好奇心や精神力、忍耐力、楽しい気分を高める。成功や繁栄の手助けとなる。
  • ピンク色 …恋愛運をアップする、自分を愛する心を高める。
  • 緑色   …メンタルを安定させ、不安やネガティブな感情を取り除く。
  • ブルー・コバルト色…創造性や感受性を高める。癒しを与え、メンタルを安定させる。

ほしい効果によってさまざまな色の方解石を選べるのも、魅力の1つです。

方解石の浄化・お手入れ方法

方解石の取り扱い方法を解説。

方解石は硬度が低く、割れやすい天然石なので取り扱いには注意が必要です。

主な成分が炭酸カルシウムのため、水や塩に弱いという性質があります。なるべく濡らさないようにし、汗や水がついたらすぐに拭き取るのがおすすめです。

日光の紫外線にも弱く、退色してしまうおそれがあるので、長時間太陽にあたらないよう注意が必要です。 浄化の際も日光や水は使わず、クラスターやセージの使用がおすすめです。

クラスターセージ日光月光
××

まとめ

方解石は含有する成分によって色が変わる天然石。

方解石について解説しました。

方解石は不透明〜半透明の優しい輝きをした天然石です。マーブルやピンク、ブルー、黄色、オレンジなど、成分によってさまざまな色のものがあります。

方解石は石灰岩を構成している物質で、石灰岩は建築資材やガラス工業、食品加工など日常のさまざまな場面で使用されています。

石灰岩はサンゴや有孔虫など生き物の遺骸が堆積してできた岩石です。何億年もの時を経て海底に降り積り、プレートの隆起と共に地表に現れた岩石です。方解石は見た目が美しいだけでなく、私たちの生活を支えるものとして、なんだか親近感を覚えますね。身につけていると、大地のロマンやエネルギーを感じられるかもしれません。

方解石はその色によってさまざまな効果があるとされています。癒しが欲しい時や、感受性を高めたい時、活力が欲しい時など、いろいろな局面に応じて方解石を使い分けると良いでしょう。

硬度が低いため割れやすく、水に弱いので取り扱いには注意が必要です。水や塩での浄化は避け、クラスターやセージを使うのがおすすめです。

方解石は、大地の歴史とロマンを感じながら、日常的に身近な存在としてそばに置いておきたい天然石です。

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方解石の素材一覧。

方解石のアイテム一覧

このコラムで紹介している方解石の天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

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