ヘリオドール|黄金色に輝く太陽からの贈り物

ヘリオドールの種類や意味、効果を解説。

キャンディやハチミツを思わせる、明るく鮮やかな黄色をした天然石、ヘリオドール。ベリル(緑柱石)の一種であるこの天然石は、「太陽の贈り物」と呼ばれ、古くから重宝されてきました。

ヘリオドールは、イエローベリルともゴールデンベリルとも呼ばれ、区分があいまいですがすべて同じ天然石です。

「太陽の贈り物」の名にふさわしく、憂鬱を取りのぞき前向きなエネルギーを感じさせてくれるヘリオドール。

太陽のエネルギーがそのまま結晶になったかのような、鮮やかな輝きが美しい天然石ヘリオドールについて解説します。

この記事の内容

ヘリオドールの鉱物データ

ヘリオドールの鉱物情報を説明。
英名Heliodor (Golden beryl)
組成Al2Be3(Si6O18)
主な色合い黄色、黄緑色
モース硬度7.5
劈開性不明瞭
屈折率1.57 - 1.58
結晶系六方晶系
比重2.63 - 2.92
光沢ガラス光沢
主な産出地ブラジル、ロシア、ナミビア、ナイジェリア、
マダガスカル、ウクライナ、スリランカなど
石言葉希望、喜び、輝く日

ヘリオドールとは

ヘリオドールの特徴や意味を解説。

ヘリオドールは、ベリル(緑柱石)の一種で、黄色や黄緑色のものを指す名称です。ベリルには、ピンクや青、緑色のものがあり、それぞれ異なる名称がつけられています。なかでもヘリオドールは、結晶内の鉄分(3価鉄イオン、Fe 3+)によって黄色く発色しており、イエローベリルやゴールデンベリルとも呼ばれています。

色の微妙な違いでイエローベリルとゴールデンベリル、ヘリオドールのどの名称で呼ぶかは特に定まっていません。鉄イオンによって発色しているものをゴールデンベリル(またはイエローベリル)、酸化ウランによって発色しているものをヘリオドールと呼ぶ考え方もありますが、明確な定義ではなく、この考え方はあまり普及していません。

一般的には、金色やハチミツのような濃い黄色のものをゴールデンベリル、レモンのような明るい黄色のものをイエローベリル、淡く黄緑がかったものをヘリオドールと呼ぶ場合が多いです。

ヘリオドールは、加熱すると青くなる性質を持つため、アクアマリンとして流通しているものもあります。

靭性や腐食性物質に対する耐久性があり、ジュエリーにも加工しやすい天然石です。

ヘリオドールは何月の誕生石?

誕生石としての日付には諸説あり、7月19日または30日の誕生石とする説と、9月13日の誕生石とする説などさまざまです。

ヘリオドールの由来と歴史

ヘリオドールの名前の由来と歴史を解説。

ヘリオドールという名前は、ギリシャ語の「Helios(太陽)」と「Doron(贈り物)」に由来し、「太陽の贈り物」という意味でつけられました。Helios(ヘリオス)はギリシャ神話における太陽神で、おなじ太陽神であるアポロンよりも古くから信仰されていました。

ヘリオドールの名がつけられたのは、1910年、アフリカのナミビア、エロンゴ州のロッシング鉱山で発見された時だとされています。当初はナミビアで採掘されたもののみをヘリオドールと読んでいました。現在ではアフリカのほかに、ブラジル、ロシア、スリランカ、ウクライナなど、世界各地で発掘されています。

命名は20世紀初頭と比較的最近ですが、ヘリオドールの歴史自体はかなり古く、古代エジプトや古代ギリシャでは神からの贈り物として珍重されていました。「預言者の石」とも呼ばれ、儀式や魔術に使われることもあったようです。

現在確認されている世界最大級のヘリオドールは、2,054カラット、約410gもの大きさを誇るもので、ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館に展示されています。

人気漫画『宝石の国』でも、少しだけヘリオドールが登場しています。主人公であるフォスフォフィライトが誕生したあとに、月人に攫われてしまった宝石という役どころでした。

澄んだ黄色が非常に美しく、また六方晶系であるため多角形のカットを施されることが多いですが、カボションカット(半球状で表面がなめらかなカッティング)でキャッツアイが浮かび上がるヘリオドールもあり、非常に神秘的な魅力を放っています。また、希少なものとしてはバイカラーのヘリオドールも存在します。

ヘリオドールの意味・効果

ヘリオドールの意味や効果を解説。

ヘリオドールの石言葉は「希望」「喜び」「輝く日」。「太陽からの贈り物」という呼び名にふさわしい、明るい黄色をしたヘリオドールにぴったりの石言葉です。

眺めているだけで元気をもらえそうな天然石ですが、その効果は緊張や不安、プレッシャー、疲労をやわらげるといったヒーリング効果もあると言われています。

そのほかに期待できる効果は以下の通りです。

  • 心身の疲労を解消する
  • 不安や恐怖心を減らし、自己肯定感を高める
  • 感覚を研ぎ澄ませ、洞察力や直感力、創造性を高める
  • エネルギーを充填し、チャレンジする勇気や意志の強さ、行動力を高める
  • コミュニケーション能力を高め、良好な人間関係をもたらす
  • 喜びや楽しい気持ちを膨らませる
  • 自信を取り戻し、モチベーションが高まる

精神面での効果以外にも、邪気を払ったり、金運、仕事運、恋愛運をアップさせる効果も期待できます。太陽からのエネルギーを感じて、元気をもらえそうですね。

現在抱えているもやもやや憂鬱を取り払い、前向きなエネルギーを与えてくれるような天然石です。疲れていて元気を取り戻したいと思っている人や、新しいことにチャレンジする勇気がほしいと思っている人におすすめです。人生を前向きに進み、目標を達成するためのサポート役のような存在になってくれるでしょう。

ヘリオドールの取り扱い・お手入れ方法

ヘリオドールの取り扱い方法やお手入れ方法を解説。

ヘリオドールは硬度が高く丈夫で、初心者でも扱いやすい天然石と言えます。

ただし、他の天然石と一緒に扱うときには注意が必要です。ヘリオドールより硬度が低い(硬度7以下)の天然石とぶつけないように取り扱います。逆に、ヘリオドールより硬度が高い天然石とぶつけると、ヒビが入る可能性もあります。

普段のお手入れはやわらかい布で軽く拭く程度で十分ですが、汚れがついた場合には流水や中性洗剤を混ぜた水でやさしく洗い流します。

超音波洗浄やスチームクリーニングにも耐えられますが、クラック(ヒビ割れ)が入っている場合は割れてしまうこともあるので注意が必要です。

日光にも強いですが、長時間の直射日光は退色の原因にもなるので、避けた方が無難です。保管時は箱などにしまっておき、浄化の際にも、太陽光での浄化は避けたほうがよいでしょう。

太陽光クラスターセージ月光

どんな浄化方法にも比較的適していますが、なかでもセージ、クラスター、流水での浄化が手軽なのでおすすめです。水がついたままだとくもってしまうこともあるので、表面の水分はしっかりと拭き取りましょう。

まとめ

ヘリオドールの価値や歴史を解説。

「太陽からの贈り物」、ヘリオドールについて解説しました。

イエローベリルやゴールデンベリルと基本的には同じ天然石で、色の違いによって名称を使い分けられていますが明確な定義はありません。黄緑がかったものをヘリオドールと呼ぶ場合が多いです。

ヘリオドールは、明るく爽やかな黄色が特徴的ですが、どこか神秘さも感じる天然石です。憂鬱な気分やネガティブな気持ちを取り除き、前向きなエネルギーを与えてくれるとされているヘリオドールは、新しいことをはじめる勇気や意志の強さがほしいときに適しています。ヘリオドール自身硬度が高く、取り扱いがしやすいのも嬉しいポイントです。

漫画『宝石の国』にも登場していることもあり、意外な場所でヘリオドールを見つけることがあるかもしれません。人生のサポート役として、常にそばに置いておきたい天然石です。

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ヘリオドールの素材一覧。

ヘリオドールのアイテム一覧

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