
この記事のタイトルを見て「ひどい誤りだよ。正しくはアンモナイトでしょう」と思われた人もいるかもしれません。しかし、誤りではなく今回は「アンモライト」について、紹介しています。
アンモライトは、オパールなどと同じ、オーロラのような七色の輝きを持つ宝石のひとつです。古代の生物・アンモナイトが化石化する過程で、変化が加えられたいわば変異種で希少な宝石。
アンモライトの特徴や産地、パワーストーンとしての意味や効果についても解説してますので、最後までぜひお読みください。

アンモライトのアイテム一覧
このコラムで紹介しているアンモライトの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。
アンモライトとは

そもそもアンモライト(Ammolite)とは、どのような宝石なのでしょうか。アンモナイトとの関係についても紹介します。
アンモナイトとの違い
アンモナイトは、約4億年前から6,600万年前まで生息していた、現在のオウムガイに似た生物です。アンモナイトの化石を目にする機会も多く、渦巻き状になっているアンモナイトを博物館や画像などで見たことがある人も多いでしょう。

アンモライトは、アンモナイトが化石化する過程において、その殻の表面にある真珠層を構成するアラゴナイトが変質したものです。
そのため、多くの宝石は無機物が由来となっている中、アンモライトは、有機物を由来とする珍しい石でもあります。有機物由来の宝石としては、ほかに、パール、サンゴ、琥珀などが知られています。
光の乱反射により起こるイリデッセンス効果
アンモライトは気が遠くなるほどの長い年月をかけ、地中でほかの鉱物や圧力により、アラゴナイトが虹やオーロラのような美しい光沢を放つようになり、宝石として珍重されるほどになったものです。このまばゆく幻想的な輝きは「イリデッセンス効果(遊色)」と呼ばれています。
「イリデッセンス効果」は、ギリシア神話の虹の女神・イリスが名前の由来といわれています。石に光を当てた際に、石の中で光が乱反射を起こし、虹やオーロラのようにさまざまな色に輝く効果です。
アンモライトのほかにも、イリデッセンス効果はオパールやパール、ラブラドライトにみられます。
アンモライトの別名・バッファローストーンの由来
アンモライトは、別名・バッファローストーンとも呼ばれています。
名前の由来は、バッファローの角に形が似ているから……ではなく、最初にアンモライトを発見したネイティブ民族・ブラックフット族の言い伝えによるものだといわれています。
その由来とは、
カナダのロッキー山脈周辺で生活していたブラックフット族が、集落全体でひどい飢餓に苦しんだことがありました。
ある時、部族の少女が薪を探して山中をさまよっていると、ある木の根元に不思議な光を放つ石を発見します。
「私を集落に連れて帰れば、あなたの村には幸いがもたらされるでしょう」との石のお告げを聞いた少女は大切にその輝く石を集落に持って帰りました。
すると翌朝、集落のそばにはバッファローの群れがいて、その集落は飢えや寒さから救われたのです。
このことから、集落では「不思議なパワーと幸いをもたらす石」として、バッファローの皮に包んで保管し、狩りの儀式や薬、お守りに用いてきました。
この逸話からアンモライトは、「バッファローストーン」とも呼ばれるようになりました。
アンモライトの特徴
鉱物データ

鉱物名 | アンモライト |
英名 | Ammolite |
別名 | バッファローストーン(buffalo stone) |
和名 | 菊石(アンモナイトも同様) |
化学組成 | 物により成分は異なる。 [ 主成分はアラゴナイト : CaCO3 ] |
主な色合い | 虹色 |
モース硬度 | 4.5 - 5.5 |
劈開性 | 不明 |
屈折率 | 1.50 - 1.70 |
比重 | 2.60 - 2.85 |
主な産出地 | カナダをはじめとする世界各国、北海道 |
石言葉 | 才能、想像力、幸運 |
アンモライトの日本での別名は「菊石」
日本では、アンモナイトを「菊石」とも呼んでいます。そのため、アンモライトも「菊石」と呼ばれることがあります。
また、北海道ではアンモナイトを「かぼちゃ石」と呼ぶこともあります。これは、アンモナイトのぽってりとした外見からつけられた名前のようです。
実はシンデレラのゴージャスなかぼちゃの馬車には、アンモライトが装飾に使われていた……のかも?
アンモライトの産地
アンモナイトは、モロッコ、ロシア、イギリス、カナダなど世界各国で採掘されているポピュラーな鉱物です。
しかし、「アンモライト」と正式に名乗れるのは、カナダ・アルバータ州産のみ(7,000万年の地層からとれたもの)であると、CIBJO(国際貴金属宝飾品連盟)により定められています。このことがアンモライトの希少価値を高めているといえるでしょう。
日本でも、アンモナイトは北海道をはじめとして、岩手、富山、山口などでも採掘されています。日本のアンモナイトのなかにも、アンモライトのようなイリデッセンス効果をもつものがみつかるかもしれません。
アンモライトの石言葉
アンモライトの石言葉は
- 才能
- 想像力
- 幸運
です。
自分のなかに潜在的に潜んでいる才能を引きだし、幸運を呼び込むような意味が込められています。

アンモライトのアイテム一覧
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アンモライトのパワーストーンとしての効果

ここからは、パワーストーンとしてのアンモライトについてみていきましょう。
アンモライトは、イリデッセンス効果によりさまざまな色を見せてくれます。なかでも、赤色はエネルギー、緑色は知性、黄色は富、青色は平和と健康のサポートをする効果があるといわれています。私たちがほしいパワーをマルチに持ち合わせているストーンであるともいえますね。
- 憂鬱を取り払い、幸運を呼び込む
- 潜在能力を引き出す
- 新たなチャレンジをサポート
- 視野を広げる
- 暗闇のなかに希望の光をともす
- やる気を取り戻す
- 臨機応変な対応と、自分の信念を貫く強さ
アンモナイトには、輝きはありませんが、アンモライトには、神秘的でまばゆいばかりの光が宿っています。アンモライトのパワーをいただき、現在の鬱屈した環境から、輝くような舞台へ飛び出したい人にぴったりのパワーストーンです。
アンモライトをおすすめしたい人・身につける意味

クリエイティブな仕事に従事する人
アンモライトは「想像力」と「才能」の象徴です。デザイナー、作家、アーティストなど、創造的な思考を必要とする職業の人にとって、アンモライトは無限のインスピレーションの源となります。この石は、新たなアイデアを生み出し、既存の枠を超えた作品を創造する助となるでしょう。
新たなチャレンジを始める人
「新たなチャレンジをサポート」する力を持つアンモライトは、転職、起業、移住など、新しい人生のステージに踏み出そうとしている人に最適です。この石は、前向きな変化を恐れず、潜在能力を最大限に引き出し、成功へと導く勇気と自信を与えてくれます。
暗闇の中で希望を求めている人
人生には、時に進むべき道を見失い、心が暗闇に包まれる瞬間があります。アンモライトはそんな時、憂鬱な気持ちを晴らし、心に平穏と希望をもたらします。失恋や仕事の失敗など、困難を乗り越える力を求める人に、この石は大きな支えとなるでしょう。
自分自身を見失いがちな人
日々の忙しさに追われ、自分自身を見失いがちな人々にも、アンモライトはおすすめです。この石は自分自身に正直でいることの大切さを思い出させ、内面からの強さと自信を養ってくれるでしょう。
アンモライトのお手入れ・浄化方法

アンモライトのモース硬度は4程度と、鉱物の中でも低い分類に当たります。そのため、お手入れの際も、流水や直射日光など強い刺激を避け、やわらかい布で優しくふき取る程度にしましょう。
浄化の際も、できるだけ石に刺激を与えない、
- 月光浴
- 音浴
- セージの燻煙
- クラスタ
での浄化を行うといいでしょう。
特にクラスタやチューナーを用いた音浴がおすすめです。
アンモライトについて まとめ
オパールやラブラドライトのような、美しい輝きを放つアンモライト。産出するエリアや地層もCIBJOにより厳しく定められているため、目にする機会も少ないかもしれません。
そんな希少価値のあるアンモライトだからこそ、一歩前に踏み出したい人にはおすすめ。
さまざまなカラーを見せるアンモライトで、美しく装い、その強力なパワーを味方にしませんか。
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