コランダムとは?ルビーやサファイアの正体に迫る

コランダムとは?

宝石として広く知られているルビーやサファイア。
実はこれらは、同じ鉱物「コランダム(Corundum)」から生まれたものだということをご存じでしょうか?

美しい色彩と高い硬度を兼ね備えたコランダムは、古くからジュエリーとして愛されてきた鉱物のひとつ。
ルビーの情熱的な赤、サファイアの深い青をはじめ、さまざまなカラーバリエーションが存在し、アクセサリー素材としても人気があります。

この記事では、コランダムとはどんな石なのか、その種類や特徴、色ごとの意味、選び方のポイントまでをわかりやすくご紹介します。

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この記事の内容

コランダムとはどんな鉱物?

コランダムという鉱物

鉱物としての基本情報(化学式・硬度など)

コランダム(Corundum)は、酸化アルミニウム(Al₂O₃)を主成分とする鉱物です。
その最大の特徴は「モース硬度9」という非常に高い硬さ。宝石の中でもトップクラスの耐久性を誇り、ダイヤモンド(硬度10)に次ぐ硬さを持ちます。

色のバリエーションが豊富なことでも知られており、結晶の中に含まれる微量の不純物によって、赤、青、黄色、緑、ピンクなどさまざまな色合いを生み出します。

また、屈折率や光沢も高く、磨かれた際には宝石らしい美しい輝きを放つため、ジュエリー素材として高い人気を誇っています。

項目データ
鉱物名(和名)コランダム(鋼玉)
英語名Corundum
化学組成Al₂O₃(酸化アルミニウム)
分類酸化鉱物
結晶系六方晶系(Trigonal)
モース硬度9(ダイヤモンドに次ぐ硬さ)
比重約3.9~4.1
光沢ガラス光沢~金剛光沢
無色、青、赤、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫、灰色など多彩
透明度透明~不透明
主な変種ルビー(赤色)、サファイア(その他の色)
劈開なし(劈開性を示さない)
主な産地ミャンマー、スリランカ、マダガスカル、タイ、オーストラリアな

ルビーもサファイアも、実は同じ鉱物

コランダムと聞いてピンとこなくても、「ルビー」や「サファイア」という名前なら耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこれらは、色によって名前が変わる“同じ鉱物”なのです。

  • 赤色のコランダム=ルビー(Ruby)
  • 赤以外のコランダム=サファイア(Sapphire)

という分類がされており、色の違いは結晶内に含まれる不純物の種類によって生じます。たとえば、クロム(Cr)を含むと赤くなりルビーに、鉄(Fe)やチタン(Ti)を含むと青くなりサファイアになります。

つまり、流通している名前は違っても鉱物としては同じ「コランダム」であることに変わりありません。


天然と合成、それぞれの特徴

コランダムは天然でも産出されますが、宝石品質の美しい結晶は非常に貴重で、高価なものが多く存在します。
一方で、人工的に育成された合成コランダムも広く流通しており、価格を抑えながらも美しさと耐久性を楽しむことができる素材として、アクセサリーや装飾用途でも人気です。

合成には末状の原料を高温の炎の中で融かして結晶化させる「ベルヌイ法」助溶媒に原料を溶かし、そこからゆっくり結晶を成長させる「フラックス法」などの製法があり、天然石に近い見た目を実現しているため、見分けがつきにくいこともあります。
デザイン性やコストパフォーマンス、使用目的に応じて、天然・合成のどちらを選ぶかを考えるのも楽しみのひとつです。

コランダムの種類とカラー別バリエーション

コランダムは、ルビーとサファイアという名前で知られるように、色によって呼び名が変わるユニークな鉱物です。
ここでは、代表的なカラーバリエーションとそれぞれの特徴についてご紹介します。


ルビー(赤色)

ルビーのペンダントトップ

赤いコランダムだけが「ルビー(Ruby)」と呼ばれます。
その美しい赤色は、結晶内に含まれるクロム(Cr)によるもの。
濃く鮮やかな赤が特に価値が高いとされ、ミャンマーの「ピジョン・ブラッド」と呼ばれるルビーは、最高級品として知られています。

ルビーは古くから「情熱」や「生命力」を象徴する石として尊ばれ、王侯貴族の装飾品にも多く用いられてきました。


ブルーサファイア(青色)

ブルーサファイアのルース

青色のコランダムは「ブルーサファイア(Blue Sapphire)」。
鉄(Fe)やチタン(Ti)によって生まれるこの深い青色は、冷静さや知性を感じさせる色合いです。

透明度が高く、澄んだ青ほど高く評価される傾向にあり、インドやスリランカ産のサファイアが特に有名です。
9月の誕生石としても人気が高く、ブライダルジュエリーとしても定番です。


パパラチアサファイア(オレンジピンク)

パパラチアサファイア

「パパラチア」とは、スリランカの言葉で「蓮の花の色」を意味し、オレンジがかったピンクが特徴です。
サファイアの中でも特に希少で、“ピンクでもオレンジでもない”絶妙な色味が世界中の鉱物ファンを魅了しています。

パパラチアは定義が非常に曖昧なため、鑑別書付きで販売されることが多く、高額になる傾向があります。


その他のカラーサファイア(ピンク・イエロー・グリーンなど)

カラーサファイアの画像

コランダムは、ブルーやレッド以外にもさまざまな色合いが存在し、それぞれ「ファンシーカラーサファイア」として扱われます。

  • ピンクサファイア:明るい色合いで優しさや恋愛運の象徴として人気です。
  • イエローサファイア:希望や知性のイメージ。明るい印象でアクセサリーにも映えるサファイアです。
  • グリーンサファイア:癒しや調和の石として好まれています。
  • パープルサファイア:神秘的な魅力があり、個性派におすすめです。

ファンシーカラーサファイアは個体ごとの色の違いも楽しめるため、オリジナリティのあるアクセサリー作りにもぴったりです。


特殊効果石|スターサファイア・カラーチェンジサファイア

スターサファイアとカラーチェンジサファイア

一部のコランダムは、光の反射や吸収によって特別な効果を見せるものもあります。

  • スターサファイア:光を当てると表面に「星型(アステリズム)」の輝きが浮かび上がる
  • カラーチェンジサファイア:光源の違いで色が変化する(例:青→紫)

こうした特殊効果石はルースとしての価値も高く、コレクション性が高いことから石好きの間でも人気です。

コランダムが持つ意味と効果

コランダムは、その美しさと強さから、古くから「心を支える石」として人々に親しまれてきました。
特に色によって異なる象徴的な意味を持つとされ、ジュエリーとして身につけることで、持ち主の魅力や内面の力を引き出すともいわれています。

ここでは、代表的なルビーやサファイアを中心に、それぞれの色に込められた意味やイメージをご紹介します。


ルビーが象徴する「情熱・勇気・生命力」

ルビーの石言葉は情熱・勇気・生命力

ルビーは「情熱の石」「勝利の石」とも呼ばれ、古代から戦士や王族に好まれてきました。
クロムによる鮮烈な赤色は、血液や火を連想させ、生命力や活力、強い意志を表す象徴といわれています。

身につけることで「ここぞという場面での勇気を与える」といわれることから、勝負運や恋愛面でのサポートストーンとしても人気です。


サファイアがもたらす「知性・誠実・冷静さ」

サファイアの石言葉は知性・誠実・冷静さ

ブルーサファイアは「真実の石」として、誠実さや信頼、理性的な判断力を象徴します。
青色がもたらす落ち着いた印象は、冷静な思考や集中力を高めたいときのお守りとしても選ばれています。

また、「不変の愛」を象徴することから、婚約指輪などにもよく用いられている宝石です。


色によって異なる意味を持つファンシーサファイア

サファイアは青だけでなく、ピンクやイエロー、グリーンなど多彩な色を持ち、それぞれに以下のような意味が込められています。

マルチカラー・ファンシーサファイアの画像
象徴される意味
ピンク優しさ・愛情・思いやり
イエロー希望・知恵・豊かさ
グリーン癒し・調和・柔軟性
パープル直感・神秘・インスピレーション

どの色を選ぶかは、自分の気持ちやシーンに合わせて選んでみるのも楽しいポイントです。

コランダムの魅力とアクセサリー素材としての価値

コランダムの魅力とは

コランダムは、その美しさと強さのバランスから、宝石・ジュエリーの素材として非常に優れた特性を持っています。
ここでは、なぜコランダムが多くのアクセサリーデザイナーや石好きに選ばれているのか、その理由を素材面からご紹介します。


宝石としての美しさと輝き

コランダムは高い屈折率を持つため、しっかりとカットされたときの輝きの強さが魅力です。
特に透明度が高いものは、光の反射が美しく、ルビーやサファイアとしての気品ある輝きを楽しむことができます。

色の深さや濃淡も個体差があり、天然石ならではの表情の違いもコレクション性の高さにつながっています。


モース硬度9の安心感

アクセサリーとして日常使いする上で、石の「硬さ」はとても重要な要素です。
コランダムはモース硬度9と非常に高く、傷が付きにくく割れにも強いため、長く美しい状態を保ちやすいという利点があります。

繊細なデザインのリングやブレスレットでも、安心して使える素材です。


デザイン性の幅広さ

カットの種類やサイズ展開が豊富な点も、アクセサリー素材としての魅力のひとつです。
丸玉ビーズ、カボション、ラウンドカット、ペアシェイプ、スクエアカットなど、用途に合わせて選べるため、デザインの幅が広がるのも大きな魅力です。

色も多彩なので、シンプルにも華やかにも表現でき、季節感やテーマに合わせたコーディネートも可能です。


合成石でも楽しめる、手に取りやすい高級感

天然のコランダムは希少性が高く、高価なものも多いため、日常使いには少しハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。
そんなときに活躍するのが、合成コランダムです。

合成とはいえ、化学組成や性質は天然と同じで、美しい色合いと輝きも十分に楽しめます。
価格も比較的手頃なため、気軽に高級感のあるデザインを楽しみたい方にぴったりです。

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コランダムにまつわるよくある質問【Q&A】

コランダムとはどんな石か?

ここでは、コランダムに関してよくある疑問や、初心者の方がつまずきやすいポイントについて、Q&A形式でわかりやすくお答えします。

コランダムとルビー・サファイアは何が違うのですか?

コランダムは鉱物名であり、ルビーもサファイアも同じ「コランダム」という鉱物に分類されます。
赤いコランダムがルビー、それ以外の色がすべてサファイアと呼ばれています。つまり、色によって名前が変わるだけで、鉱物としては同じものです。

合成コランダムは本物の宝石といえるのでしょうか?

合成コランダムは、天然石と同じ化学組成・構造を人工的に再現したものです。
鉱物としては天然と同一の性質を持ちますが、人工的に作られたという点で「天然宝石」ではなく「合成宝石」と分類されます。

見た目も美しく、価格も手頃なため、アクセサリー素材として広く利用されています。

アクセサリーに使っても傷つきにくいですか?

はい。コランダムはモース硬度9という非常に高い硬度を持つため、日常的な使用でも傷がつきにくく、耐久性に優れています。
ただし、強い衝撃や他の硬い素材との接触には注意が必要です。

プレゼントにするならどの色がいいですか?

贈る相手の誕生石や、石に込められた意味を参考にすると選びやすくなります。

  • 愛情や活力を伝えたい→ルビー(赤)
  • 誠実さや知性を表現したい→ブルーサファイア(青)
  • やわらかく優しい印象に→ピンクサファイア

色によって印象や意味が変わるため、相手のイメージに合ったカラーを選んでみてください。

まとめ|宝石の魅力が詰まったコランダム

宝石としてのコランダムの意味

ルビーやサファイアとして多くの人に知られているコランダムは、美しさと耐久性を兼ね備えた、非常に魅力的な鉱物です。
色によってさまざまな名前や印象を持ち、石に込められた意味や文化的背景にも深みがあります。

アクセサリー素材としても、ハンドメイドから本格的なジュエリーまで幅広く活用できるうえ、天然・合成問わず選択肢も豊富。
デザイン性と実用性を両立した、まさに宝石らしい宝石といえる存在です。

石の意味や色合いに惹かれて選ぶもよし、デザインに取り入れて個性を表現するもよし。
自分だけのコランダムの楽しみ方を、ぜひ見つけてみてください。

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