ルビー|情熱の赤、魅力あふれる「宝石の女王」

情熱の赤、魅力あふれる「宝石の女王」ルビー

宝石の女王として、また世界四大宝石の一つとしても名高いルビー。ダイヤモンドと同じくらい有名な宝石ではないでしょうか。その知名度は本や曲など作品のタイトルになるほど。赤い宝石と言ったらルビーを思い浮かべる方も多いと思います。

ルビーの成り立ちや歴史に詳しい方もそうでない方も、もっとルビーに心を惹かれるような魅力をお届けしていきます。

この記事の内容

ルビーとは

ルビーとは

名前の由来、和名

ルビーの語源には諸説ありますが、「赤」を意味するラテン語の「ルベウス(rubeus)」から来ているという説が有力です。非常にシンプルな由来ですが、ルビーが古い歴史を持つことがうかがえます。

見たままの赤色をそのまま宝石名にするなんて、名付けの方法としてまず初めに採用しそうなやり方ですものね。赤い石が産出された最初の頃に名付けられたのではないかと考えられます。

しかし赤い色の宝石はいくつもあり、鉱物学が発達する以前はさまざまな赤い石がルビーと混同されていました。レッドスピネルやガーネットなどが有名です。古い書物にルビーと記載されていたものが実は異なる宝石だったのではないかとはよく言われますが、現物がないものに関しては何とも言えません。

レッドスピネルやガーネットにもルビーが持たないそれぞれの個性と魅力がありますので比べることはできませんが、古代から、赤い石の中でもより美しく強いものはやはりルビーだという認識があったのではないのかなと想像します。

現代と同じように、古代の人々も赤い石の中にそれぞれの個性を見出していたはずです。同じ色の石だとしても、それぞれに個性の違いを持つ宝石はやはりとても深い魅力があると感じます。

和名は「紅玉(こうぎょく)」といい、これも見た目の色味から名付けられています。ちなみにサファイアの和名は「青玉(せいぎょく)」といい、まるでルビーと対をなすような名称です。同じコランダム鉱物というつながりをまた思い出しますね。

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ルビーの主な産地

ルビーの産地を解説。

ミャンマーは世界屈指のルビー産地として有名です。

その他の産地としては、ベトナム、カンボジア、タイ、スリランカ、マダガスカルなどが挙げられます。

また近年、タンザニアとモザンビークから高品質なルビーが発見されて、21世紀における世界最大規模鉱山が誕生しました。ミャンマー産ルビーとはまた異なる個性を持ったルビーとして登場以来注目を集めています。

ルビーのような歴史ある宝石にも、現代まで出会ってこなかった個体がまだまだあると思うと、それだけで気持ちが高揚してきます。

ルビーの歴史・言い伝え

ルビーの言い伝えや歴史を解説します。

古くに発見されてずっと愛され続けてきたルビーにはそれにまつわる言い伝えや伝承が数多く残されています。

その中でも最も古いものの一つに、旧約聖書の記述があります。

「叡智はルビーよりも尊く、あなた方が欲するどのようなものとも比べて勝るものはない」

「誰が賢い妻を見つけることができるだろうか、彼女はルビーよりも尊く優れている」

叡智や賢妻はあの素晴らしいルビーよりも尊いものだという文脈ですが、このことからも古くからルビーとは最上の宝石という位置づけをされていたことが分かります。他にも、古代ヨーロッパでスタールビーはその6条の光から「3つの剣」と呼ばれ、邪気を追い払う魔除けの役割をしていたと言われています。

これと同じような、ルビーを退魔や幸福のお守りとして奉っていた言い伝えはたくさんあります。有名産地であるミャンマーではその昔、ルビーを体に取り込むとその力を最大限引き出すことができて、戦いに敗れないと信じられてきました。ルビーがその美しさと強さから特別に愛されてきた歴史を感じることができます。

鉱物データ

ルビーのモース硬度や鉱物データを解説します。
英名Ruby
鉱物名コランダム
和名紅玉 こうぎょく
化学式Al2O3
モース硬度9
劈開性なし
屈折率1.760-1.779
偏光複屈折性 0.008-0.009
比重3.99-4.05
誕生石7月
主な産地ミャンマー、ベトナム、カンボジア、
タイ、スリランカ、マダガスカルなど
石言葉情熱・純愛・勇気

ルビーの特徴

ルビーは鉱物としてはコランダムという種類に属します。これは同じ四大宝石のサファイアと同じ鉱物になります。コランダムはもともと無色ですが、結晶に組み込まれる元素によってその色が変わります。クロムが入ることで赤色、すなわちルビーになります。チタンや鉄が入ることで青色やその他の色、すなわちサファイアになります。

ここで注目する点は、赤色のものだけをルビーと呼んで、それ以外の色をサファイアと呼ぶことです。

ルビーの色のにはオレンジがかったレッドからややパープルがかったレッドまで微妙な範囲があります。これらをルビーと呼べますが、あくまでも赤が主要色(地色)ということが大切です。この範囲から外れたものはすべてサファイアと呼ばれます。

サファイアは最も有名なブルーサファイアのほかにも、ファンシーカラーサファイアと呼ばれるオレンジ、ピンク、グリーンなどがありますね。

四大宝石のうち2つが実は同じ鉱物だったということを初めて知った時、自然界の神秘に感動しつつも、古来から多くの人に愛されて高い価値を見出されてきた理由はそこにもあったのかと非常に納得した記憶があります。

硬度はモース硬度でいうと9となり、とても硬い部類に入ります。ダイヤモンドに次いで硬いと言われており、加工する際の耐久性が高いことも優れた価値として評価されています。美しく強い、と言うとシンプルな表現ですが、その美しさを保ったままより美しくなれる加工をほどこされるポテンシャルを持っていると思うと、やはり特別な宝石であることは間違いありません。

現在、一般的に流通しているルビーのほとんどに加熱処理がほどこされています。しかし、加熱処理されているからと言って価値に影響はありません。むしろ加熱することで色味とそのバランスをより美しく整え、透明感を出すなどの効果が得られます。

もっと言うと、本来そのルビーが持っている美しい色や透明感を引き出すために処理を行っているのです。ルビーの一番の価値を挙げてと言われたら、それはやはり色にあります。

加熱処理されているかどうかに関わらず、色が美しいものの方が価値が高いのです。つまり、色の美しさが同じならば非加熱のルビーの方が高価ですが、より美しい色をしているのが加熱済の場合、そちらの方が高価ということです。加熱処理はルビーの価値を損なうものではないのです。

ルビーの別名「宝石の女王」

ルビーは、その情熱的な赤い輝きや希少性から「宝石の女王」と呼ばれることもあります。

炎のような深紅色は古代から愛や情熱、権威を象徴し、王侯貴族に特に愛されてきました。そしてダイヤモンドに次ぐ硬度を持つルビーは、高い耐久性からも価値が認められています。

その輝きと優雅で堂々とした存在感は、まさに宝石の女王と呼ぶにふさわしい石です。

ルビーは7月の誕生石

ルビーは7月の誕生石としても非常に有名です。その石言葉に込められた意味からも贈り物としてふさわしい宝石です。

ルビーは持ち主の生命力を高めてくれるパワーストーンとしての効果があり、ここから発展して、生命力が高まり活動的になることとは、内面のポジティブなエネルギーからそれが行動につながり、結果的に外面の健やかさや美しさにつながるとされています。

そこから、持ち主の魅力や美しさを引き出す宝石という意味合いでもとても人気があるのです。誕生石でなくとも持っていたくなる石ですね。

結婚40年目「ルビー婚式」

結婚40年目は「ルビー婚式」と呼ばれることをご存じですか?

結婚40周年を迎えた夫婦は、長年にわたって築き上げた深い絆と愛がまるでルビーのように強く、美しくなっていることから、この節目を「ルビー婚式」と呼ぶのです。

これには40年という長い時間を共に歩んできた二人の愛がさらに深く強く輝き続けることを祝う意味が込められているそうです。これまで築き上げた絆を再確認し次の章へ進むための記念日を、ルビーがより一層ロマンチックなものにしてくれているように感じますね。

長い愛の歴史を祝う特別な贈り物として、ルビーを使ったジュエリーを記念にプレゼントするのも素敵です。

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ルビーのカラーバリエーション

ピジョンブラッド

ルビーのカラーには色々な呼び方があります。中でも有名なものが「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれる赤色です。この名称は、強い蛍光を持ち、彩度と純度が高いビビットな赤色のルビーに使われます。

この呼び名は、1348年にアラビアの宝石商が銀板の上に落とした新鮮なハトの血の色のようだと表現したことが由来とされています。

元々はミャンマーのモゴック地方で採れる中でも最高品質のルビーがこの色をしており、ピジョンブラッドとは、ミャンマーのモゴック産のものだけを指していました。

現在は産地に関わらず、規定の範囲の色味に入るものはピジョンブラッドと呼んでよいそうです。 内部からの輝きが強く、鮮やかなテリを持つ美しいレッドカラーのピジョンブラッドルビー。とても稀少で高価ですが、ルビー愛好家としてはいつか手にしてみたい逸品です。

ビーフブラッド

牛の血のような色、という意味で、やや黒みを帯びた深い赤色を指します。タイで産出されるルビーによく見られる色味で、落ち着いた印象が特徴です。若干パープルがかってみえることもある神秘的な大人のカラーです。

チェリーピンク

ピンクのニュアンスが大きいライトレッドで、透明感が高く明るい発色が特徴です。スリランカで産出されるルビーに多く見られます。一般的に連想されるルビーの色味よりはとても明るいので、これがルビー?と思う方もいるかもしれません。

でもその魅力は、手にすると包み込まれるような明るい輝きからも感じられて、いつもとは違うルビーを楽しみたいときにはぴったりです。

スカーレットレッド、クリムゾンレッド

タンザニアとモザンビークの新産地から産出されたルビーにつけられた新しい呼び名です。

炎のような明るい赤色のトーンに、わずかなオレンジや黄色をまとったルビーをスカーレットレッドと呼び、青みがかった濃く明るい赤色で彩度の高いルビーをクリムゾンレッドと呼ぶそうです。

どちらも非常に美しい色調で、ピジョンブラッドと呼べるかもしれないと当初話題になりましたが、太陽のもとではピジョンブラッドよりもほんの少し暗く見えることからそれぞれ別な呼び名がつけられました。

ピジョンブラッドとは呼べないけれども、ただのルビーレッドとしてしまうのはあまりにも惜しいくらいの美しさということなのですね。新興産地から新しいカラーネームが誕生したことも、これからもっと沢山の種類の美しいルビーに出会える可能性を感じさせてくれます。

ルビーの種類

ルビーの種類

スタールビー

ルビーの種類の中にはスタールビーがある。

丸くカボションカットしたルビーに光を当てた際に、6条の光が浮き出るものをスタールビーといいます。

本来の宝石の美しさとは、その色味と、高いほど良しとされる透明感ですが、しばしば例外が現れます。その代表がこちらのスタールビーで、類まれなる魅力を備えています。

この6条の光の出現はスター効果と呼ばれるもので、アステリズム効果や星彩効果と呼ばれることもあります。

これは、ルビーの内部にある針状のインクルージョン(ルチルシルク)の作用によるものです。インクルージョン=内包物は一般的には宝石の美しさを損なうものとして評価されないものですが、スター効果に関しては、このルチルシルクがあることで光が屈折して6条の光を放っているのです。

ですが、ただルチルシルクがあるだけでは美しくきらめきません。適度な量が含有されていることと、効果的な配列になっていることで初めて美しいスター効果が表面に現れます。

ルビーのように透明度が高い宝石はカットをほどこしてきれいに輝かせることが常であり、また、内包物があるほど美しい宝石になれないことのほうが多いです。しかしながらその自然の奇跡とも言えるスター効果を、丸く磨くことで引き出しながら、さらに価値のある宝石にした職人たちの技と知識には拍手を送りたいですね。

石を傾けたり光をかざすことで6条のラインも一緒に動いて見える様子はなんだかとても愛おしいです。スタールビーは、宝石の女王であるルビーをよりいっそう華やかに彩る特別なルビーです。

人工ルビー(合成ルビー)

ルビーは人工的に作られた合成ルビー(人工ルビー)があり、安価で手に入りやすく、鮮やかなレッドカラーで人気がある。

人工ルビー(合成ルビー)とは、人工的にルビーの結晶構造を生成したものです。

合成石の中で1番最初に作られたという古い歴史を持ち、それはつまり宝石の中でも古くから需要のある合成石だということを意味しています。安価で手に入りやすいという長所があり、あふれる透明感と目の覚めるような鮮やかなレッドカラーが人気な点です。

天然のルビーが安定して産出されるようになった今もなお人工ルビー(合成ルビー)が求められていることは、それだけルビーが古来から支持されている宝石だということを示しています。

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ルビーの石言葉

ルビーの石言葉は、情熱、勝利、勇気

ルビーの石言葉には、情熱、勝利、勇気などがあります。情熱の石、なんて言われることが多く、きっと耳にしたことがありますよね。

ルビーの燃えるような赤い輝きは、その赤い輝きは、持ち主に強いエネルギーを注ぎ込み、成功や勝利に導いてくれます。また、恐れずに挑戦する勇気を与えてくれる石でもあります。

まさに、夢に向かって前進するための心強い味方となってくれるような宝石ですね。

ルビーのパワーストーンとしての効果

ルビーはこのレッドカラーから連想して情熱の石と呼ぶと思われることも多いですが、実はルビーの持つ効果に由来しています。

先ほど紹介しましたが、ルビーのパワーストーンの効果として大きなものに、生命力を高めて、人生の充実度もアップしてくれるというものがあります。持ち主の生命力を高めてより力強く人生を歩めることから、すなわち魔除けになると考えられてきました。同じように、生存力を高めてネガティブな事柄を退けるという役割から、先ほどのルビーの石言葉が生まれたと思われます。

またルビーはグラウディングにも有効な天然石だと言われています。

グラウディングとは、精神の中心と地球を結びつけ、そのつながりを鍛えて心と身体のバランスを安定して良い状態へ引き上げてくれることです。そのサポートをしてくれる宝石はいくつかあり、モリオンやオニキスなどブラックカラーの宝石が多いですが、ルビーにもその力があります。

黒い宝石はグラウディングのしっかりとした土台になってくれます。ルビーも土台になることができますが、それだけでなく、さらにそこから力強く前に進むパワーにあふれていると言われています。

テクノロジーの進化により世の中の変化が急激に加速している現代で、漠然とした将来の不安を抱えている方は多いと思います。なぜだか分からないけど不安で心が落ち着かない、そんなときにルビーが持つ力、エネルギーを与えてくれて生命力をアップさせる効果がぴったりです。

それ以外にも、日々のストレスや疲れを感じたときや、なんとなく元気が出ないときにも活力を呼び覚ましてくれます。 古代から現代まで人間の悩みはさまざまですが、ルビーはその圧倒的にポジティブな効果でわたしたちを支えて勇気づけてきてくれたことが分かります。

ルビーを身につける意味

ルビーを身につける意味

人それぞれ置かれている状況は様々、悩みも様々でしょう。ポジティブなエネルギーに満ちたこのルビーは、そんな一人ひとりの状況に寄り添い強力なサポートとなってくれるような石です。

例えば、何かの目標に挑戦する人にとって、ルビーの持つ「情熱」や「勝利」のエネルギーが、目標に向かう情熱を高め、困難を乗り越える力をくれます。ルビーは、自分の夢に向かって勇敢に挑戦する人にとって、心強い味方となるでしょう。大切なプロジェクトを成功させたい、キャリアで新たな一歩を踏み出したいといったとき、この勝利を引き寄せる力を信じてルビーを身につけるとなんだか自分に自信が持てそうですね。

心のバランスを取り戻したい人にもルビーはぴったりの宝石です。ルビーはグラウディング効果を持っているので、精神的な安定や地に足のついた感覚を感じさせてくれます。現代社会では特に、仕事や人間関係で不安や疲れ、ストレスを感じることも多いですよね。そんなときにはルビーを身につけることで、心と体のバランスを保ちながら、前向きな気持ちにさせてくれるかもしれません。

古代から魔除けや健康のお守りとしても用いられてきたルビー。生命力を高めたり、心身の活力を引き出して、疲れやストレスを感じる日々にエネルギーを与えてくれるでしょう。

ルビーの浄化、お手入れ方法

ルビーの浄化、お手入れ方法

おすすめの浄化方法

日光での浄化は変色の恐れがあるため避けたほうが良いでしょう。そのほかの浄化方法であれば基本的にどれも問題ありません。パワーがたっぷりの頼もしい宝石ですが、いつも以上に絶好調に過ごせたときなどは丁寧に浄化をしてパワーチャージしてあげましょう。

月光の下で一晩石を休ませることで、優しく浄化することができます。流水の場合は、数分間石を水にさらし、自然の力でネガティブなエネルギーを洗い流します。

また、クラスターの上に置いて浄化するのも良い方法です。クラスターは他の石のエネルギーを安定させる働きがあります。

お手入れ、取り扱い方法

ルビーは高い硬度を誇る宝石なので、そこまで繊細に取り扱わなくても心配いりません。ただ変色する場合もあるため、直射日光が当たる場所に長時間置いておくのは避けてください。

普段のお手入れは柔らかい布で軽く拭く程度で十分ですが、特に汚れが気になる場合には中性洗剤を薄めたぬるま湯で柔らかいブラシを使って洗うとよいでしょう。

硬度は高いですが、表面に細かい傷がつかないよう丁寧に扱うこともお忘れなく。

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