
ターコイズは和名のトルコ石でも有名なカラーストーンです。
ターコイズは12月の誕生石としても知られていますが、今回はそんなターコイズについての基本情報から色、知られざるエピソードまで、さまざまな角度でその魅力をお伝えしたいと思います。
ターコイズの特徴 色の種類

ターコイズは、ターコイズブルーやターコイズグリーンに代表されるようにグリーンがかったブルー系の色と模様が美しい宝石です。
ターコイズブルーは、青色に黄色を加えることで再現できますが、自然界ではターコイズに含まれる銅の成分によってターコイズブルーが発色します。
一方、ターコイズグリーンは、青色に緑色を加えることで再現できます。自然界では、緑色の役目をターコイズに含まれる鉄の成分が担うことによって緑ががかったターコイズグリーンに発色します。
ターコイズは大別すると、このターコイズブルーとターコイズグリーンの2種類に分けられます。しかし、単純にそれらが全てではなく、淡い色合いから、強くはっきりした色合いまで色はさまざま。また、マトリックス(母岩)と呼ばれる点や線の模様の有無によっても、さらなる個性を見ることができます。
ターコイズの石言葉は?特別な力を持つ石?

12月の誕生石であるターコイズの石言葉は「成功・繁栄・安全」などです。身に着けることで闘争心や決断力、また実行力が強くなり、石言葉にあるような成功を掴み取ることができるパワーストーンとしても知られています。
実際にターコイズは、古くから自然崇拝の石として世界中で扱われ、多くの部族や時の権力者などに愛されてきた背景を持ちます。
その他にも、アメリカのインデアン一族であるアパッチ族においては、戦士が使う弓にターコイズを取りつけておくと、その弓から放たれた矢は必ず的に当たるという言い伝えや、ナバホ族ではターコイズは空から落ちてきた神聖なもので、悪魔から身を守ってくれると信じていたという言い伝えもあります。
ターコイズを身に着けることは、特別な力を享受できる可能性を秘めています。
ターコイズの持つ意味

ターコイズは見た目の美しさだけでなく、石が持つとされる意味も魅力の一つです。
保護
ターコイズは古くから、保護の象徴とされてきました。悪いエネルギーや災難から持ち主を守る力があると信じられ、戦士や旅人たちは身を守るためにこの石を身に着けていました。また、悪い夢や悪霊からの保護としても用いられ、安全や安心をもたらす石と言われています。
成功と富
ターコイズは、成功と富を象徴する石としても知られています。仕事の成功や財運の向上に効果があるとされ、多くの商人や起業家が身につけていたと言われています。ターコイズを身につけることで、金運が上昇し新たなビジネスチャンスを引き寄せるかもしれません。
平和
古来、平和の象徴としてもターコイズは大切にされてきました。争いごとの解決や心の平和をもたらす意味があります。心の安定や精神的な成長を促すとも言われており、穏やかな人生を送りたい人におすすめの石です。
ターコイズのパワーストーンとしての効果

ターコイズはパワーストーンとしても人気があります。その効果をいくつかご紹介しましょう。
ストレスを軽減する効果
心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があるとされています。日常生活の中で感じる緊張や不安を和らげ、精神を穏やかにする力があります。ターコイズを身に着けることで、心のバランスを保ち、平穏な気持ちで日々を過ごすことができるでしょう。
人間関係を円滑にする効果
ターコイズはコミュニケーションの石としても知られており、人間関係を円滑にする効果があります。自己表現を助け、相手との理解を深めることで、より良い人間関係を築く助けとなります。友情や愛情、職場の関係など、様々な人間関係においてポジティブな影響を与えてくれます。
免疫力を向上する効果
古くから治癒の石としても用いられてきたターコイズには、免疫力を向上させる効果もあると言われています。心身の健康をサポートし、体のバランスを整えることで、病気や感染症から身を守る力高めてくれます。健康な体と心を維持するために、ターコイズを身に着けるのもおすすめです。
ターコイズの魅力

ターコイズブルーにターコイズグリーン。ターコイズの美しさは、そのマットな色合いです。加えて、マトリックスの有無と模様がターコイズをより特徴的にし、独特の魅力は発揮します。
ターコイズは硬度が比較的低く、加工が容易であるため、古来より彫刻としても広く用いられてきました。ターコイズはアクセサリージュエリーとしてだけでなく、芸術品にもなります。
鉱物に「デザイン」という感性を与えることができ、その可能性を人の手によって無限に拡大できることも、ターコイズの大きな魅力のひとつです。
ターコイズは12月の誕生石
宝石の世界には、誕生石と呼ばれるものがあります。誕生石は、1月~12月の誕生月を象徴する宝石のことで、12ある月にそれぞれ種類の違う宝石が割り当てられています。
その起源は諸説ありますが、どれも現代から遥か昔にまで遡ります。
- 占星術の発祥の地であるカルデアから生まれたという説
- 新エルサレムの都の12城塞それぞれの土台を装飾した宝石説
- イスラエル大祭司の胸当てにはめ込まれた宝石説
ターコイズは、タンザナイト・ラピスラズリ・ジルコンなどと並び、12月の誕生石のひとつに挙げられています。12月に生まれた人々を癒し、護る力を持つ特別な宝石が、12月の誕生石であり、ターコイズです。
また、誕生石のもとになったと言われている星座石というものもあり、ターコイズは、12ある星座の中の9番目の射手座(11/22~12/21)の星座石にも挙げられています。

ターコイズのモース硬度
ターコイズのモース硬度は、5から6とされています。天然石の中では比較的柔らかい部類であるため、取り扱いの際には傷つかないよう注意しましょう。
ターコイズのケア・メンテナンス方法
ターコイズは柔らかく傷がつきやすいです。そのため、身につける際には他のジュエリーや硬い物と触れ合わないようにしましょう。また化学薬品や高熱にも弱いため、汚れが気になる場合はぬるま湯や石鹸水で洗うか、柔らかい布で優しく拭くとよいでしょう。
直射日光や極端な温度変化を避けると、変色を防止できます。また着用しないときは柔らかい布に包んで保管すると、他のアクセサリーとの摩擦による傷を防ぐことができます。
ターコイズの基本情報と産地
ターコイズは、既にお伝えしたように、含まれる銅がより多ければブルーに、鉄が多くなればグリーンに近づきます。
産地となるのは、作物や植物が育たない乾燥した限られた場所・地域です。主な産出国は、アメリカ・中国・メキシコ・イランなどになります。
ターコイズの鉱物データ
英名 | Turquoise |
和名 | トルコ石 |
分類 | リン酸塩鉱物 |
色 | ターコイズブルー・ターコイズグリーン・ 青緑・スカイブルー |
モース硬度 | 5 - 6 |
屈折率 | 1.61 - 1.65 |
結晶系 | 三斜晶系 |
比重 | 2.6-2.9 |
主な産地 | アメリカ・中国・メキシコ・イランなど |
石言葉 | 成功・繁栄・安全 |
ターコイズとトルコ石の違い トルコでは採掘されない?

冒頭でお伝えしたように、ターコイズ(Turquoise)の和名はトルコ石です。しかしトルコはターコイズの産地ではありません。ではなぜトルコ石と呼ばれるのか。その理由は、その昔トルコの宝石商人がターコイズを世界中に流通させていたことに由来します。
トルコ人宝石商が扱うターコイズを、西ヨーロッパの人々がトルコ産だと誤解し、フランス語で「トルコの石」という意味の「ピエール・テュルクワーズ( pierre turquoise )」が、「ターコイズ=トルコ石」として広まりまったのです。
ターコイズの種類

ターコイズは、産出される国はもちろん、それぞれの鉱山が持つ成分によっても異なる個性を見せてくれる代表的な鉱物の一つです。ここでは、ターコイズの主な種類について解説していきます。
スリーピングビューティーターコイズ

ターコイズの中でも価値が高く、「宝石」として取引されているほとんどのケースはこのスリーピングビューティーターコイズになります。産地となる鉱山は、その名前の由来となっているアメリカ・アリゾナ州のスリーピングビューティー鉱山です。
鉄をほとんど含まず混じりけのないターコイズブルーのカラーと、マトリックスがほとんど見られない点がスリーピングビューティーターコイズの特徴となります。 ちなみにこの鉱山は遠くからの景観が、童話の眠れる森の美女に見えることから「スリーピングビューティー」と名付けられたと言われています。スリーピングビューティー鉱山はすでに閉山しているため、年々その希少性と価値が高まっているターコイズです。
キングマンターコイズ

アメリカンターコイズの代表格として一般的に知られているのがキングマンターコイズです。採掘場所は、アリゾナ州にあるアメリカ最大規模のキングマン鉱山。このキングマンターコイズの特徴は、青から緑がかった色合いの中にマトリックスが入っているものが多い点です。
インディアン(ネイティブアメリカン)ジュエリーにも多く用いられており、ターコイズの中でも特にアーティスティックな一面を持っています。
ペルシアンターコイズ

かつてペルシャ(ペルシア)と呼ばれていた地域が現在のイランです。そのイラン産のターコイズを一般的にペルシアンターコイズと呼びます。特徴は鮮やかな色と、麩(ふ)が点在する模様です。
前述したように、昔のトルコ宝石商がこのイラン産のペルシアンターコイズを広めていたことにより、ターコイズがトルコ石と呼ばれるようになりました。
イランにおけるターコイズの歴史は古く、今から約6,000~7,000年前の紀元前5,000年には既に採掘されていたとも言われています。
ゴールデンヒルターコイズ

ゴールデンヒルターコイズは、ロシアとの国境を持つ中央アジアのカザフスタンで産出されるターコイズで、カザフスタンターコイズとも呼ばれることがあります。
2013年に発見され、2018年にアメリカに広まった比較的新しいターコイズです。淡いベイビーブルーカラーとダークなマトリックスのコンビネーションが特徴で、希少性も高いことから人気のあるターコイズです。 採掘できる時期は、雪の降りそそぐ厳しい寒さの冬だけ。夏は洪水が発生するため、寒い冬に採れるターコイズです。
アフリカンターコイズ

アフリカンターコイズは、厳密にはターコイズとは異なる成分でできた、見た目がターコイズに似た鉱物に対してそう呼ばれます。
特に、マラカイト・アズライト・コッパーなどの集合鉱物(岩石)であるクリソコラを主成分とした混合結晶石や、マグマが冷えて固まったはんれい岩(ガブロライト)などが、アフリカンターコイズとして取り扱われます。
正真正銘のターコイズを求める方には注意が必要ですが、いずれもグリーンとマトリックスのようなブラックが混じり合った独特の色合いがあり、それ自体の美しさは他のターコイズと引けを取りません。
マグネサイトターコイズ

マグネサイトターコイズも、ターコイズという名称はついていますが、実際はターコイズとは異なる鉱物です。これは、マグネサイトという白色基調で灰色のマーブル模様を持つ鉱物を染色したもので、ターコイズのように仕上げられています。
見た目がターコイズに酷似しており、さらに安価であるため、カジュアルジュエリーやアクセサリーづくりの素材としてよく用いられています。
アフリカンターコイズ、そしてマグネサイトターコイズは、本当のターコイズが希少で高価であったことに起因して、その模造品として取引きされてきた歴史を持ちます。
ターコイズはさまざまな国で、古来より重宝されてきた宝石です。しかし需要に対して供給が十分ではなかったことから、アフリカンターコイズやマグネサイトターコイズなどのターコイズという名を冠した石が生まれました。
ターコイズのお手入れとアフターケア
ターコイズは他の天然石と比べて、脆く、汗や水が弱い性質があります。
ターコイズは多孔質で、眼には見えないような穴(細孔)がたくさん空いていため、汗や水がついてしまった場合は、石の中にまで浸透してしまいます。それが原因で、色褪せや変色を起こす可能性があります。
そのため、傷つけずに綺麗な状態を保つ方法として、ターコイズのアクセサリーの使用後はなるべく柔らかい布で拭いてからしまうのがおすすめです。
美しく魅力的なターコイズ まとめ

今回はターコイズについてお伝えしました。美しいターコイズブルーやターコイズグリーン、そして個性あるマトリックス模様。ターコイズに魅せられる人々は遠い昔から現代まで途絶えません。
ターコイズは芸術家にも人気があります。彫刻を施して芸術品にもなり、アートの世界でも存在感を放ちます。決して透き通って見えることはありませんが、吸い込まれるような奥深さを感じられます。
多くの魅力を持つターコイズですが、天然石としての扱われているターコイズは気軽に手に入れることができる価格帯のものも多くあります。気になった方は、この機会にぜひその手に取ってみて下さい。
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