シュンガイト|「奇跡の石」と呼ばれる謎多き黒色の天然石

シュンガイトの特徴や種類などを解説。

現在の科学をもってしても、どのような過程で地球上に存在しているのか分からない天然石がいくつかあります。その中で近年最も注目を浴びているのが「シュンガイト」です。

独特の黒色でミステリアスな雰囲気を漂わせていますが、単に謎めいているだけでなく「癒しの石」や「奇跡の石」とも呼ばれています。

今回はそんなシュンガイトについて解説し、その魅力と謎に迫っていきたいと思います。

これからの世の中を変えるかもしれないシュンガイト。ぜひ最後までお読みいただき、知らなかった新たな発見に未来への期待を膨らませてみてください。

この記事の内容

シュンガイトとは?

シュンガイトの鉱物データ

シュンガイトの鉱物データや特徴を解説。
(準)鉱物名シュンガイト
英名Shungite
和名シュンガ石
化学組成C
主な色合い
結晶非晶質
モース硬度3.5 - 4.0
比重1.98
主な産出地ロシア

炭素からできているシュンガイト

シュンガイトの生成過程について解説。

シュンガイトを構成している元素は「C」のみ、つまり「炭素」だけです。これはダイヤモンドや黒鉛と同じですが、シュンガイトは結晶構造を持たないという点でそれらとは異なります。

純粋な炭素だけの単一元素からできている鉱物は今のところダイヤモンドと黒鉛(石墨)だけですが、このシュンガイトはそれらに次ぐ3つ目の鉱物になる可能性を秘めています。

「可能性を秘めている」という表現をしたのは、実はシュンガイトはまだ鉱物として正式に認められていないからです。その理由は冒頭でお伝えしたように生成過程がはっきりしないことや、非晶質であることなどが関係しています。

シュンガイトは現在のところ準鉱物という扱いになっているものの、人工的に作られて発見されたわけではありません。他の鉱物と同様にまぎれもなくこの地球上で発見されました。

シュンガイトの特徴

モース硬度

シュンガイトのモース硬度(石の傷つきやすさを数値で表したもの)は3.5から4の間とされています。この数値は、鉱物の中でも比較的柔らかいことを示しています。面白いことに、同じ炭素でできているダイヤモンドはモース硬度10と、地球上で最も硬い物質の一つです。

主要な産地

シュンガイトの産地や由来について解説。

シュンガイトの産地はロシアのカレリア共和国です。ロシアは22の共和国からなる連邦共和制国家ですが、その一つであるカレリア共和国は北西の端に位置し、フィンランドと国境を接する北極圏にあります。

シュンガイトの名前の由来 / 和名

シュンガイトは現在のところ、前述のカレリア共和国にあるシュンガという村でしか産出されていません。この産出された地名に由来し、「シュンガイト」という名前が名付けられました。ちなみにシュンガイトの和名は「シュンガ石」です。

シュンガイト生成の2つの説

シュンガイトは多くの謎を秘めていますが、その内の一つが「どのようにして生成されたのか」という誕生にまつわる謎です。

今のところ有力視されている説は以下の2つになります。

  • 20億年前の先カンブリア時代に生成された説
  • かつて太陽系にあった惑星が隕石として飛来してきたときの残骸説

実際にどのようにシュンガイトが地球上に誕生したのかは、現在でも詳しいことは分かっていません。この謎が解明された時には追記させていただくとして、実はこのシュンガイトは「とある物質」を含んでいるために世界中から注目されています。

天然フラーレンが検出されたシュンガイト

シュンガイトのみに含まれている成分を解説。

冒頭でシュンガイトは「癒しの石」や「奇跡の石」と呼ばれているとお伝えしましたが、その秘密は「フラーレン」という物質を含んでいるからになります。フラーレンとは、ビタミンCの172倍という強力な抗酸化力を持続的に持つ炭素の集合体です。

NASAが宇宙空間でフラーレンを含む物質を発見したこともありますが、地球上で天然のフラーレンを含むのはシュンガイト以外には存在しません。

不可能を可能にする物質として期待の高いフラーレン

シュンガイトに含まれるフラーレンについて解説。

シュンガイトに含まれるフラーレンは厳密には「C60フラーレン」と言いますが、この物質はさまざまな分野への応用と活用が期待されています。医療分野ではガンやHIVへの治療効果があるとされ、それを裏付ける実験結果も得られています。

医療分野だけでなく美容分野においても同様です。フラーレンは老化の原因である活性酵素を除去する作用があるため、アンチエイジングを目的とし、既に化粧品などに応用されています。

その他にも物理・化学・生物・エレクトロニクスなど分野においても、フラーレンは他の物質では成し得ない高い性能を示しており、今後研究が進めば今まで不可能と考えられていたようなことを実現させるかもしれません。

ちなみにフラーレンは化学反応性も高く、それによって生まれる物質は次世代の材料としての期待も高まっています。実際にゴルフクラブやメガネフレーム、またバトミントンやテニスのラケット、またエアコンオイルなど身近な製品にも既に応用されています。

フラーレンの発見者はノーベル化学賞を受賞

シュンガイトとノーベル物理学賞の関係について解説。

シュンガイトに唯一含まれるフラーレン。不可能を可能にするかもしれないこの物質を正式に発見したのは英米の研究者3人です。発見したのは1985年で、その11月に雑誌「ネイチャー」に論文「C60 : Buckminsterfullerene」が掲載されました。その後、1996年にはその功績が評価され3人の研究者はノーベル化学賞を受賞します。

かつて「20世紀中の実現は不可能」と言われていた青色発光ダイオード(青色LED・ノーベル物理学賞を受賞)がそうであったように、このフラーレンも今後私たちの常識を超えるものを生み出すかもしれません。

ちなみに1990年前半のフラーレンはあのダイヤモンドより高価と言われていましたが、現在は既に人工合成が可能となっており、本格的な工業生産が行われています。価格も当時の数百分の1の価格にまで安定しています。

シュンガイトが持つ意味

シュンガイトの効果や意味を解説。

シュンガイトは科学的な側面では、不可能を可能にする「奇跡の石」と言えるかもしれませんが、天然石としてのシュンガイトは「癒しの石」と言えます。

その黒い姿からは想像しにくいですが、シュンガイトの産地であるロシアのカレリア共和国シュンガでは、昔から「健康を高める」癒しの石として扱われていました。

具体的にはシュンガイトを入れた水を飲んでおり、その地域の人々は病気にかかりにくいだけでなく、かかっても治るのが早いと言われています。

ロシアの初代皇帝ピョートルもこのシュンガイトに注目し、同じようにシュンガイトを入れた水を飲んでいたそうです。

シュンガイトの石言葉

シュンガイトには、「災いを遠ざける」と「可能性」という2つの石言葉があります。

災いを遠ざける

古来より、シュンガイトはその保護の力で知られています。この石は、ネガティブなエネルギーを吸収し、持ち主を様々な形の災難から守るとされています。家の中に置かれたシュンガイトは、不和やストレスの源を遮断し、穏やかで平和な環境を作り出すと言われています。また、電磁波からの保護にも効果があるとされ、現代のデジタル社会で生じるストレスから我々を守ってくれるとも信じられています。

可能性

シュンガイトは、その持ち主に無限の可能性と機会をもたらすとも言われています。この石は、心を開き、新しいアイデアや創造性を促すことで知られています。シュンガイトを身につけることで、自分自身の限界を超えて新しいことに挑戦する勇気やインスピレーションを得ることができるでしょう。また、この石は、夢や目標に向かって進む際の障壁を取り除き、成功への道を開く手助けをしてくれます。

シュンガイトのヒーリング効果

シュンガイトのアクセサリーとしての意味や効果を解説。

癒しの石と呼ばれるシュンガイトは、身に着けることでさまざまなポジティブな作用もあると言われています。特にパワーストーンとしてのシュンガイトはヒーリング効果があり、不安や緊張を和らげてくれるそうです。

シュンガイトは未だに謎の多いですので、その他にも良い効果が期待できるかもしれません。日常的に身に着けることでいつの間にか心身にプラスの効果が感じられることも期待できるでしょう。

もちろんファッションアイテムとしてシュンガイトを身に着けることもおすすめです。特にマットな質感のシュンガイトは女性だけでなく、男性のファッションにも抵抗なく取り入れることができます。

黒色の美しいシュンガイトは取り入れ方次第で主役にも脇役にもなり、かつフォーマルなシーンにもカジュアルなシーンにも使えるでしょう。

シュンガイトの2つの種類と価値

シュンガイトの種類には2種類ある。

シュンガイトには以下のような2つの種類があり、それによって天然石としての価値も異なります。

  1. マット質でザラっとした質感のタイプ
  2. 艶があり炭素純度の高いタイプ

①のマット質のシュンガイトは一般的な種類で、ケイ酸などの他の物質が含まれています。ハンドメイドアクセサリー用のビーズなどや置物に加工されることが多く、幅広い用途で使うことが可能です。

一方、②の艶が見られるタイプは炭素濃度が90~100%と高く、非常に貴重なシュンガイトになります。

割れやすく加工が難しいという性質がありますが、シュンガイトとしての価値はこちらの方が高いです。このシュンガイトは①と区別するために「エリートシュンガイト(Elite Shungite)」や「ノーブルシュンガイト(Noble Shungite)」と呼ばれることもあります。

  • Elite:英語で「選ばれた・選良の」という意味
  • Noble:英語で「立派な・見事な・高貴な」という意味

最後に / シュンガイトの魅力

シュンガイトの魅力について解説。

今回はシュンガイトについて解説しました。

天然石として特異な性質を持ち、その価値は多方面に及んでいます。黒く美しい天然石を探している人におすすめなのはもちろん、未知の存在としてその性質に興味がある人の心も躍らせる稀な石と言えるでしょう。

どんなポテンシャルを秘めているのかは、まだ全て分かっていません。その黒色のように底の知れないシュンガイト。

宇宙から舞い落ちてきたのか、それとも20億年前の地球が創り出したのか、これからの世界にどんな役割を果たすのか、シュンガイトには過去と未来に思いを馳せさせてくれる魅力があります。

オンラインストア
シュンガイトの素材一覧。

シュンガイトのアイテム一覧

このコラムで紹介しているシュンガイトの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

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