
プレナイトは、見た目がマスカットのような形や色合いなので、「葡萄石」という和名の方に親しみがあるという方もいらっしゃるでしょう。
プレナイトという名前には最古だといわれる名前にまつわるエピソードが隠されています。また、プレナイトにはパワーストーンとしての個性的な効力もあります。天然石としても宝石としても、とても人気が高いプレナイトの名前の由来や秘密について、今回はご紹介していきましょう。
プレナイトの鉱物データ

英名 | Prehnite |
和名 | 葡萄石(ぶどうせき) |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
化学式 | Ca₂Al₂Si₃O₁₀(OH)₂ |
色 | 黄、黄緑色、緑、黄褐色 |
モース硬度 | 6-6.5 |
劈開性 | 明瞭 |
屈折率 | 1.61-1.64 |
結晶系 | 斜方晶系 |
断口 | 不平坦状 |
条痕 | 色 |
比重 | 2.8-3.0 |
光沢 | ガラス状光沢 |
主な産地 | マリ共和国/オーストラリア |
石言葉 | 健康的な美しさ |
プレナイト(葡萄石)の特徴

プレナイトは原石がマスカットの房のような見た目をしていて、とても可愛く爽やかな色合いの天然石です。プレナイトは安価で高品質なものが多く市場に出回っているため、状態の良い原石の形で鑑賞したり、加工してアクセサリーにしたりして気軽に楽しまれています。
マスカットのような爽やかで可愛い色合いは、プレナイトの中に微量の鉄が含まれることで見られるものです。ときどきプレナイト中に黒い針柱状のエピドートが見られる個体もあります。淡い緑色が特徴的なプレナイトですが、黄緑色のものや黄色に近い色合いもあるため、色の選択も楽しい天然石です。定番の淡い緑色のプレナイトを楽しむのもありですし、黄緑色や黄色に近いカラーリングのプレナイトを楽しむのも良いでしょう。こうした色合いの違いを並べて見比べながら鑑賞を楽しむのも宝石との素敵な時間です。
また、プレナイトという特徴的な名前には、とあるエピソードがあるのはご存知でしょうか。プレナイトの名前にまつわるエピソードだけでなく、主要産地や硬度についてもご紹介していきましょう。
プレナイトは発見者が名前の由来になった最古の例とも
実は、プレナイトは宝石の名前に発見者の名前が付けられた最古の例だといわれています。プレナイトを発掘した「ヘンドリック・フォン・プレーン大佐」の名前から、「プレナイト」という名前が付けられたようです。
日本では、「葡萄石」という名前で親しまれています。プレナイトの原石の色合いもマスカット色で、さらに房のように集まっているように見えるため、この名前が付けられたといわれています。プレナイトを一目でも見たことがある方は、とてもうなづける和名でしょう。
天然石プレナイトの主要産地

アフリカのマリ共和国、その他オーストラリアやインドがプレナイトの主要な産出国です。特にマリ産のプレナイトが品質が高いとして人気があります。玄武岩の隙間や割れ目からの発見事例が多いのも特徴的です。プレナイトはほかの鉱物と一緒に産出されることも多いため、原石の形ではほかの宝石と一緒に楽しむこともできるでしょう。
天然石プレナイトの硬度
プレナイトのモース硬度は6から6.5ほどです。モース硬度が7以上の宝石と一緒に保存してしまうと、保存先で宝石同士がぶつかり、プレナイトの方が傷ついてしまうこともありますので、気をつけましょう。プレナイトはプレナイトだけで保存されることをおすすめいたします。また、プレナイトは熱には弱い性質があるため、高温になるような場所に置かず、火にさらしてしまうような状況下での使用も避けるようにしてください。
複雑な化学式のプレナイト

プレナイトの化学式は、「Ca₂Al₂Si₃O₁₀(OH)₂」と、プレナイトが属している珪酸塩鉱物は化学式がとても複雑な点も特徴的です。ぱっと見爽やかな色合いなので、化学式もシンプルなのかなと思われがちです。ですが、プレナイトができるためには、とても複雑な化学反応が起こっていることも化学式からわかります。この複雑な化学式は、地中深くで長い時間をかけ、プレナイトが作られていったということを表しています。
プレナイトの爽やかな見た目の美しさは、長い地球の歴史の中でゆっくりと、しかし、複雑な要因でもって生まれると考えると、神秘的な気持ちになるのは私だけでしょうか。美しいプレナイトを鑑賞しながら、地球の神秘について思いを馳せる時間も素敵なひとときでしょう。
プレナイトの逸話
先述したプレナイトの名前の由来になっているヘンドリック・フォン・プレーン大佐は、鉱物採集が趣味でした。1788年に、ヘンドリック・フォン・プレーン大佐は南アフリカでとある石を発見します。発見当時本人は、カルセドニーの仲間だと考えていたようで、プレナイトという名称ではなく、「ケープ・エメラルド」と呼んでいたようです。
ですが、その後、地質学者に詳しくこの石を調べてもらったところ、新種の石であることが判明しました。それが1790年のことです。その際に、最初の発見者であるヘンドリック・フォン・プレーン大佐の名前の「プレーン」から、「プレナイト」という鉱物の名前が付けられたといわれています。今では、人の名前が由来になっている鉱物の最古の例として、この逸話はプレナイトのステータスの一つになっています。
プレナイトの石言葉

プレナイトの石言葉は「健康的な美しさ」です。プレナイトの爽やかな見た目や色合いにぴったりの石言葉ではないでしょうか。
プレナイトのパワーストーンとしての意味、効果

プレナイトの石言葉にもあるように、プレナイトは「健康」にまつわる効果を発揮してくれるパワーストーンです。健康面に不安な方がプレナイトを身につけることで、とても前向きな気持ちになり、病は気からではないですが、健康に良い影響を与えていきます。また、健康面に不安がある方だけでなく、病気や疾病の予防という観点からもプレナイトをそばに置いておくことは有益です。プレナイトをそばに置いておくことで、あなたの健康面はより良い方向に向かっていくことでしょう。
また、プレナイトのパワーストーンとしての効果は、「真実を見極める」というものもあります。情報溢れる今の社会において、何が正しい情報なのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。欲しい情報がなかなか見つからないということも少なくありません。また、より的確な情報は何かを見極めていきたいというビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
「真実を見極める」ということは、情報に関してだけではありません。人間関係や自分の現状の把握といった身の回りの「真実」をしっかりと見ていきたい時に、プレナイトは効力を発揮するパワーストーンです。健康面だけでなく、情報を入手する際や自分自身のことについてより深く正しく知るために、真実を見極める石プレナイトを重宝するのも良い選択でしょう。
プレナイトの浄化、お手入れ方法
おすすめの浄化方法
月光浴による浄化
プレナイトは柔らかいエネルギーを持つため、穏やかな月光浴が適しています。満月の夜、石を窓辺に置いて自然の月光にさらすことで、石に溜まったネガティブなエネルギーを浄化し、自然な力を取り戻します。
ホワイトセージによる浄化
ホワイトセージを燃やし、その煙をプレナイトに通すことで浄化を行う方法も効果的です。この古代からの浄化法は、石のエネルギーをリフレッシュし、不要なエネルギーをクリアにします。
日頃のお手入れ方法
プレナイトを使用した後は、柔らかい布で優しく拭いてあげましょう。表面の汚れや指紋、油分を除去し、光沢を保つことができます。また特に汚れが気になるときなどは、ぬるま湯で軽く洗うとよいでしょう。しかし、熱湯や化学洗剤の使用は避け、洗ったあとはよく乾燥させることが重要です。
保管の際は、他の宝石や硬い物体との接触を避けるために、柔らかい布や専用のジュエリーポーチに入れておくのがおすすめです。また、直射日光の下で長時間放置するとプレナイトの色が褪せる可能性があります。そのため、直射日光の当たらない涼しい場所に保管するのがベストです。
プレナイトのまとめ
爽やかな見た目で人気もあるプレナイトについてご紹介していきました。発見者の名前が由来になっているプレナイトは、爽やかで可愛い見た目なため、とても人気が高いです。アクセサリーとしてプレナイトを楽しまれる方も多いです。
また、原石のままですとマスカットの房のような美しい見た目なので、鑑賞のためにお手元に置いて楽しんでいる方もいらっしゃいます。さらに、爽やかな見た目とは裏腹に、鉱物としても化学式はとても複雑で、どのようにできたのかを想像するだけでも楽しいでしょう。様々な楽しみ方ができるプレナイトの魅力に、あなたも触れてみてはいかがでしょうか。
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