
透明なレジンの中に、天然石や金属片がきらりと光るオルゴナイト。
インテリアとして目を惹くその美しさから、最近では雑貨やアクセサリーとしても注目されています。
一方で、心を落ち着けたいときや、気分を切り替えたいときなど、ヒーリングやセルフケアのアイテムとして手に取る人も少なくありません。
自分好みの素材を選んで作れる手軽さから、ハンドメイド作品としても人気があり、世界にひとつだけのオルゴナイトを手作りする楽しさも広がっています。
この記事では、そんなオルゴナイトの成り立ちや素材、作り方までをじっくりご紹介します。
美しいだけじゃない、その奥にある仕組みや意味を少しずつ紐解いていきましょう。
オルゴナイトとは?

名前の由来と誕生の背景
「オルゴナイト」という名前のもとになっているのは、「オルゴンエネルギー」と呼ばれる概念です。
この言葉を最初に使ったのは、20世紀前半の精神分析家・ヴィルヘルム・ライヒ。
フロイトの弟子でもあった彼は、人間の心理や身体、自然界のあらゆるところに“生命のようなエネルギー”が流れていると考え、それを「オルゴン(orgone)」と名付けました。
当時ライヒは、オルゴンを集めたり蓄えたりする装置「オルゴン・アキュムレーター(蓄積器)」を作り、研究を重ねていました。
この装置は、有機物(木材や綿)と無機物(金属板)を何層にも重ねた構造で、自然エネルギーを効率よく取り込むことを目的としたものでした。
やがてこの発想は、1980〜90年代にかけてヒーリングやスピリチュアルの分野で評価され、より身近な形に応用されていきます。
そのひとつが、レジン(合成樹脂)に金属片や天然石を封じ込めたアイテム「オルゴナイト」の登場です。
ライヒの理論をベースにしつつ、アートやクラフトの要素も加わったこの新しいオルゴナイトは、「エネルギーを整える装置」としてだけでなく、個人の感性や目的に応じて“意味を込めて作る”クラフトアイテムとしても広まりました。
オルゴナイトの構造と基本的なしくみ
オルゴナイトは、一見するとレジンアートのような装飾品に見えますが、その構造には明確な意図があります。
基本構成は、「樹脂(レジン)・金属片・天然石」という異なる性質を持った素材の組み合わせです。
- レジン(樹脂):液体の状態で型に流し、固めて仕上げる透明な合成素材。化学的には“有機物”に分類され、エネルギーを吸収する性質があるとされます。
- 金属片:アルミ、銅、真鍮など。こちらは“無機物”で、エネルギーを反射・拡散する素材とされます。
- 天然石:石そのものが持つエネルギーや意味を加える役割を担います。
この3つをひとつにまとめることで、「吸収 → 変換 → 放出」というエネルギーの流れを促す装置として働くと考えられているのです。
ここでいう“エネルギー”は、目に見える電気や熱ではなく、人の感情や空気の流れといった「目には見えないけれど感じるもの」を指します。
また、形状にも意味があります。
たとえばピラミッド型は、古代から神聖な形とされてきたこともあり、「エネルギーを集めて整える力が強い」と考えられています。
一方で球体や円柱は、穏やかにエネルギーを広げたいときに好まれます。
見た目の好みだけでなく、「どんな空間に置きたいか」「どういう目的で使いたいか」によって形を選ぶのもひとつの楽しみです。

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オルゴナイトが持つとされる意味や効果
オルゴナイトは、“エネルギーのバランスを整えるための道具”として使われることがあります。
ここでいう「エネルギー」とは、電磁波や気の流れ、感情の揺らぎ、空間の雰囲気など、科学的には測定しづらいけれど、確かに私たちが日常で感じているものを含みます。
たとえば――
- 空間を整える:部屋の隅や寝室、玄関などに置いて、空気感をリセットしたいときに。
- 感情を静める:気持ちがざわつくときにそっと眺めたり、手に取ったりすることで心が落ち着くという声もあります。
- 電磁波対策:PCやスマートフォンなどの周辺に置いて、エネルギー的な緩衝材のような役割を期待する人も。
これらの効果については、あくまで“体感”に基づくもので、科学的に証明されたものではありません。
ですが、どの天然石を選ぶか、どの形にするか、どんな気持ちで作るか――そうした過程そのものが、自分の内面と向き合い、整える時間にもつながります。
つまり、オルゴナイトは「持っているだけで何かが変わる」アイテムではなく、“どう向き合うか”によって働きかけてくる、意識のきっかけとなる存在とも言えるのです。
オルゴナイトに使われる主な素材と意味

オルゴナイトの魅力のひとつは、使う素材によって雰囲気や意味が大きく変わることです。
見た目の美しさだけでなく、選ぶ素材に込める“意図”もまた、オルゴナイトを作る楽しさや奥深さにつながっています。
ここでは、オルゴナイトに欠かせない3つの素材「天然石」「金属片」「樹脂(レジン)」について、それぞれの役割や特徴をご紹介します。
天然石|意味を宿す“中心”の素材
オルゴナイトにおいて、最も象徴的で“個性”を決める要素が天然石です。
石の色、透明感、大きさ、配置──そのすべてが作品全体の印象を左右します。
さらに、石にはそれぞれ特有の意味や象徴性があり、どの石を使うかで「どんな願いや思いを込めるか」が変わってくるのも大きな魅力です。
以下は、オルゴナイトによく使われる石とその意味の一例です:
石の名前 | 主な意味とイメージ |
---|---|
アメジスト | 心を落ち着ける・直感を高める・精神の安定 |
ローズクォーツ | 愛情・自己肯定感・やさしさを育てる |
タイガーアイ | 行動力・集中力・自信を引き出す |
ラピスラズリ | 真実・洞察・魂の成長のサポート |
クリスタル(水晶) | 浄化・調和・他の石との相乗効果 |
天然石は1種類だけでシンプルに使うのもよし、複数の石を組み合わせてテーマ性を持たせるのもおすすめです。たとえば、
- 「自分を見つめ直したい」→ アメジスト+クリスタル
- 「人間関係を円滑にしたい」→ ローズクォーツ+ブルーレースアゲート
- 「仕事運を上げたい」→ タイガーアイ+シトリン
のように、石の意味や色の調和、エネルギーの方向性を考えながら組み合わせていくのも楽しいプロセスです。
また、粒の大きさや形状にも注目してみましょう。
・全体のバランスを取りやすいさざれ石(小さなチップ状の天然石)
・ポイントになるような小粒のルースやモチーフ
・原石・タンブル状の個性的な石
など、使う素材によって印象が大きく変わります。
天然石専門店では、オルゴナイトに適したサイズや色のバリエーション、加工の有無が異なる豊富な選択肢から選ぶことができます。
「石からインスピレーションを受ける」「今の自分に合う石を探す」といった視点で石選びを楽しむのも、オルゴナイトづくりの大きな醍醐味です。
色合いやチャクラ対応(第○チャクラに対応する石、など)で選ばれる方も多く、石選びのプロセスそのものが“今の自分と向き合う時間”になることもあります。
金属片|エネルギーの循環を助けるパーツ
オルゴナイトでは、金属片も欠かせない重要な素材です。
ライヒの理論では、金属はエネルギーを反射し、循環させる“触媒”のような役割を果たすと考えられていました。
使われる金属の種類にはいくつかあり、それぞれに特性があります:
- アルミ片:最も一般的。軽くて加工しやすく、コストも手頃。どんな石とも相性がよい。
- 銅線(コイル状):「エネルギーの流れを増幅させる」と考えられることも。見た目にもアクセントに。
- 真鍮チップやゴールドフレーク:見た目に高級感があり、暖かみのある印象。
- ステンレス片や鉄粉:ずっしりとした重量感と落ち着いた雰囲気。グラウンディング向け。
また、単なる金属チップだけでなく、コイルを巻いたり、螺旋状に配置したりすることで、よりエネルギーの流れを意識した作り方をする人もいます。
レジン(樹脂)|全体をまとめる透明な器
レジンは、オルゴナイト全体を形作る“器”のような存在です。
液状の樹脂を型に流し込み、時間をかけて硬化させることで、透明感のある美しい形が完成します。
レジンには大きく分けて2種類あります:
- UVレジン:UVライトで硬化するタイプ。扱いやすく、パーツが小さい作品に向いています。
- 2液性エポキシレジン:主剤と硬化剤を混ぜて使うタイプ。硬化に時間はかかりますが、透明度が高く、大型作品や分厚い型に向いています。
レジンは化学的に「有機物」に分類されるため、エネルギーを吸収する性質があると考えられています。
金属(無機物)との組み合わせによって、オルゴナイト内部でエネルギーが循環しやすくなる、というのが構造上の考え方です。
また、レジンに着色を加える・ラメやホログラムを混ぜる・ドライフラワーを封入するなど、アレンジの幅が広がるのも楽しいですね。
組み合わせで広がる「意味」と「美しさ」
素材をどのように組み合わせるかは自由です。
見た目の色彩バランスを重視してもいいし、石の意味やチャクラ対応を意識して選んでもかまいません。
また、テーマを決めて作るのもおすすめです。
たとえば:
- 「落ち着きを取り戻す」→アメジスト+アルミ+ブルーベースのカラー
- 「自信と行動力を高めたい」→タイガーアイ+銅線+ゴールド系のレジン
- 「日々をやさしく過ごしたい」→ローズクォーツ+真鍮チップ+ピンク系の花入り
素材にはそれぞれ意味や力が込められているとも言われますが、最も大切なのは、作る人自身の“意図”や“想い”です。
それをカタチにすることで、オルゴナイトは単なる装飾品ではなく、自分とつながるための道具になっていきます。

オルゴナイトの作り方|初心者にもできる本格レシピ

オルゴナイトは専門的な道具が必要そうに見えるかもしれませんが、実は基本の道具とコツさえ押さえれば、自宅でも手軽に作ることができます。
天然石やレジンの透明感、金属のきらめきを組み合わせながら、自分の気持ちやイメージを形にしていく過程は、とても楽しく奥深いものです。
ここでは、初心者にもわかりやすいように、材料選びから完成までのステップを順を追って解説します。
必要な材料と道具
まずは、オルゴナイト作りに必要な基本の材料と道具をそろえましょう。
■ 主な材料
- レジン(UVレジンまたは2液性エポキシレジン)
- 天然石(さざれ石や小粒のルースなど)
- 金属片(アルミ・銅・真鍮のチップ、コイルなど)
- 型(モールド)…シリコン製のピラミッド型・円錐型・ハート型など
■ あると便利な道具
- レジンを混ぜるカップとスティック(2液性の場合)
- UVライト(UVレジンの場合)
- ピンセット(細かい素材の配置に便利)
- 手袋・マスク(安全対策)
- アルコールスプレー(気泡対策・表面処理用)
※UVレジンは小さな作品に向いており、2液性レジンは大きな型でもしっかり硬化するため、作りたいサイズや形に合わせて選びましょう。
基本の作り方
1. 素材とデザインを決める
どんな石を使いたいか、どんな色や雰囲気にしたいかをざっくりイメージします。
石の意味や色味をもとに、「癒し」「活力」「浄化」などテーマを決めてみると、完成したときの満足度も高まります。
2. モールドに素材を配置する
型の底になる部分から順番に、天然石や金属片を配置します。
レジンを流すと素材が少し動くので、見せたい部分はしっかり固定したり、重ね方に気を配るのがポイントです。
※ピンセットを使うと、細かい調整がしやすくなります。
3. レジンを流し入れる
気泡が入らないよう、ゆっくりとレジンを注ぎます。
このとき、石や金属の隙間にも入り込むよう、一度に入れすぎず少しずつ流し込むのがコツです。
UVレジンの場合はこのあとUVライトを照射、2液性レジンの場合は室温で数時間〜1日ほど置いて硬化させます。
4. 表面を整えて仕上げる
完全に固まったら、型から取り出します。
気泡やバリ(はみ出た部分)が気になる場合は、紙やすりや専用のやすりで軽く整えると、よりきれいに仕上がります。
お好みで、表面にコーティングレジンを塗って艶出しをしても◎
作るときの注意点
- レジンは化学反応で硬化するため、手袋とマスクの着用、換気をしっかり行うことが大切です。
- UVライトを使う際は、目を保護するために長時間直視しないように注意しましょう。
- 型に入れる素材が大きすぎたり重なりすぎると、硬化不良の原因になります。薄く重ねるイメージで配置を工夫しましょう。
はじめての方には、ペンダントトップやキーホルダーサイズの小さな作品からスタートするのがおすすめです。
短時間で作れるうえ、道具もコンパクトで済むため、手軽に挑戦できます。
慣れてきたら、ピラミッド型や球体、六角柱などの立体的な作品にもステップアップしてみましょう。

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オルゴナイトをどう使う?|日常への取り入れ方

オルゴナイトは作って終わりではありません。
完成したオルゴナイトは、空間や気持ちを整える道具として、日々の暮らしの中で自由に活用することができます。
ここでは、オルゴナイトを取り入れるさまざまなシーンや使い方のアイデアをご紹介します。
空間に置いて雰囲気を整える
オルゴナイトを自宅や職場に置くことで、空間の雰囲気が落ち着く、気持ちが整うように感じるという人もいるようです。おすすめの設置場所としては:
- 玄関:家に入るときの気の流れを整える。
- 寝室:眠る前に心を静かに整えたいときに。
- デスク周り:仕事や勉強の集中力を高めたいときに。
- リビングやダイニング:家族との会話が自然に穏やかになるような空気づくりに。
光が当たる場所に置くと、レジンの透明感や中の金属がきらりと光り、インテリアとしても美しく映えます。
身につけてお守りのように使う
コンパクトなサイズで作れば、ネックレスやキーホルダー、お守りとして持ち歩くこともできます。
「この石を身につけたい」「この形が今の気分に合う」と感じたとき、その感覚を大切に選んでみましょう。
天然石ごとの意味を意識して、その日の気分に合わせて身につける“お守り感覚”の使い方も人気です。
瞑想やリラックスタイムに取り入れる
オルゴナイトは、瞑想や呼吸法、マインドフルネスの時間のサポートアイテムとして使われることもあります。
手に持ったり、目の前に置いたりしながら意識を内側に向けることで、集中しやすくなると感じる方もいるようです。
特に、ピラミッド型や円錐型のオルゴナイトは、「エネルギーを集めて整える形」と言われており、静かな時間と相性が良いとされています。
プレゼント・ギフトとして
「意味を込めて作る」という特性から、大切な人への贈り物としてオルゴナイトを手作りする方も増えています。
- 誕生日や記念日に、相手のイメージに合った石で
- お守りとして、そっとポケットに入れられるサイズで
- 親子で一緒に作るイベントやワークショップに
「手間をかけて選び、想いを込めて作った」というプロセス自体が、ギフトとして大きな価値を持つのです。
季節や気分に合わせて楽しむ
オルゴナイトは、一度作ったら終わりではなく、気分や季節によって新しく作り替える楽しみもあります。
- 夏はブルー系の石や貝殻を使って涼しげに
- 秋は落ち着いたアースカラーで心を整える
- 冬は光を取り込むようなクリア系レジンで凛とした雰囲気に
また、日々の変化に合わせて「今の自分に合うものはどんなかたちだろう?」と考えることも、オルゴナイトの楽しみ方のひとつです。

よくある質問(Q&A)

オルゴナイトについて調べたり、作ってみたりすると、ふと気になることが出てくるかもしれません。
ここではよく寄せられる疑問をピックアップし、分かりやすくお答えします。
- オルゴナイトって、本当に効果があるの?
-
オルゴナイトが「空間を整える」「気分が落ち着く」といった効果を持つと感じる人はいますが、科学的に証明されたものではありません。
ただし、素材の選び方や作るときに込めた気持ち、日常の中での使い方によって、「気持ちが落ち着く」「意識が整う」といった体感を得られることがあります。物理的な効果よりも、“意識の使い方”をサポートするツールとしての側面が大きいと考えると、日々の生活にも取り入れやすくなるかもしれません。
- 天然石はどんなサイズ・形のものを選べばいい?
-
オルゴナイトでは、小さなさざれ石やチップ状の天然石がよく使われます。
レジンに埋め込むため、大きすぎると型に収まりきらなかったり、硬化しにくくなったりすることがあります。粒の大きさは2〜5mm程度のものが扱いやすく、透明感のあるレジンとも相性が良いです。
尖った石や大粒のルースをアクセントとして使いたい場合は、全体のバランスを見ながら配置しましょう。 - 金属って必ず入れないとダメ?
-
金属片はオルゴナイトの“構造”としては重要な要素とされています。
有機物(レジン)と無機物(金属)を組み合わせることで、エネルギーが循環しやすくなるという考えに基づいています。ただし、「作品としての美しさ」や「石の意味を込めたい」という目的で作る場合は、あえて使わないスタイルにすることもあります。
用途や意図に合わせて、無理なく取り入れるのがポイントです。
まとめ

オルゴナイトは、天然石や金属、レジンなど異なる素材を組み合わせて作る、美しく奥深いクラフトアイテムです。
もとは「オルゴンエネルギー」の理論に基づいて考案された背景を持ちつつ、現代ではヒーリングやセルフケア、アートや趣味のものづくりとして多くの人に親しまれています。
形や素材、石の意味を選ぶプロセスは、自分自身と静かに向き合う時間でもあり、“意図を込めた作品”が完成する感覚は、他のハンドメイドではなかなか味わえないものです。
見た目の美しさはもちろん、日常の中にそっと寄り添う“自分だけの道具”として、ぜひあなただけのオルゴナイトを作ってみてください。