マザーオブパール|すべてを包み込む虹色の宝石

マザーオブパールのパワーストーンの意味や石言葉などを解説。

柔らかく虹色に輝くマザーオブパール。

ジュエリーだけでなく日用品にもあしらわれることが多く身近な宝石ですが、あれってマザーオブパールだったの?という意外なものにも添えられたりして、その興味は尽きません。

そもそもマザーオブパールってなに?というところからその魅力をご紹介します。

この記事の内容

マザーオブパールとは

マザーオブパールの特徴

マザーオブパールの特徴を解説。

マザーオブパール(Mother of Pearl)とは、その名の通り、真珠を作り出す貝(真珠母貝)のことで、これを美しく加工したものが一般にマザーオブパールと呼ばれる宝石です。

世界中に生息する十数万種類もの貝類の中でも真珠を産出する真珠母貝はとても少なく、数種類しか無いと言われています。真珠母貝は内側に真珠層というものを持っていて、これが天然・養殖ともに真珠を作り出します。

真珠層は波打った虹色をしており、貝が成長するほど厚く丈夫に形成されていきます。打ち上げられた貝がらの内側が虹色に光っている光景を目にしたことがあるかと思いますが、あれのことですね。

真珠層の構造は、化学的には炭酸カルシウムの結晶で本来脆いはずですが、その他の有機物の結晶のバランスと、接着剤の役割をしているタンパク質の接合状況が影響して、非常に硬くなっています。

モース硬度でいうと3.5〜4となり、一般的に4あれば加工に耐えられるとされ、真珠の2.5と比べても硬いことが分かります。またひび割れもしにくく、そのために宝飾品としての枠をこえて、家具などの装飾に使われたことにも納得です。

古来から様々なものに利用されてきた歴史からも、古代人たちがマザーオブパールの価値を正しく理解して活用していたことが分かります。マザーオブパールに限らず宝石全般に言えることですが、モース硬度などもちろん無い時代に、自分たちの審美眼と経験から宝石が一番輝く方法を知っていた先人たちには感服するばかりです。

また、真珠ほど入手困難でなかったという点も身近に愛された理由の1つでしょう。真珠は養殖しない限り天然で産出されることは稀ですが、マザーオブパールは貝がらがあればその中に見つけることが出来るので、天然ものでも比較的手に入れやすいのです。

また真珠層は虹色に波打っていると言いましたが、厚みのある真珠層の方がより複雑に表面の指紋のような模様を描き、奥行きのある印象的な輝きを放ちます。個体差もはっきりと感じられて、例えば同じマザーオブパールを使っている時計の文字盤でも並べてみると全く異なる見え方のものもあります。

緑が強めの虹色や白っぽい虹色、質感で言うと表面の模様が細かくめらめらと燃えるように輝いて見えるものなど個性豊かです。

マザーオブパールの主な産地

マザーオブパールの産地を解説。

世界中の海に面した地域で産出されますが、主な産地は、オーストラリア、インドネシア、中国などです。とくに養殖真珠が採れる国がメインになります。世界に誇る養殖真珠の産地である日本ですが、真珠の産出の方が圧倒的に多く、有名です。

マザーオブパールの歴史

マザーオブパールの種類や歴史を解説します。

マザーオブパールは古代から人々の生活に溶け込んできた宝石です。建築物にも多く用いられており、陶器や大理石の上にタイルとして敷かれることや、色付けして使われることもありました。

また、中東が起源の象嵌(ぞうがん)と呼ばれる嵌め込み技術でもその美しさを発揮しました。有名なトプカプ宮殿には極上のマザーオブパールが一面にはめ込まれた扉があることで有名です。その技術はシルクロードを通って飛鳥時代の日本にやってきました。それが今日、螺鈿(らでん)技法と呼ばれる伝統工芸に発達したと言われています。螺は「貝」、鈿は「ちりばめること」を意味しています。漆地や木目に切り出したマザーオブパールをはめ込んで、タンスや重箱などの家具や道具を装飾しました。

江戸時代以降になると優れた職人たちが輩出され、日本刀の拵えや甲冑、鏡や根付、文箱など細かな日用品などにもその技術の範囲は広がりました。

また、マザーオブパールは貝ボタンとしてもよく使われます。現代ではこれが一番身近なものですね。カトラリーの柄に使われることもあり、特にイギリスアンティークカトラリーの特徴として柄がすべて上質のマザーオブパールで作られているものは愛好家の方も多いようです。

また、楽器に使われることもあり、サックスのキーの指で押さえる丸い部分はマザーオブパールがセットされていることがよくあります。もちろんジュエリーとしても古くから愛されてきました。その魅力がもっとも開花したのはルネッサンス時代のカメオで、その流行は国境を越えてヨーロッパ中の女性たちの間で大流行しました。

ボタンからカメオまで、こんなにも汎用性の高い宝石も珍しいですよね。丈夫で加工しやすく、産出量もほどよくあったことが主な理由だと思いますが、マザーオブパールの神秘的な輝きに、母なる海からの癒しを見出して自然とそばに置くようになったのではないかなと感じます。

マザーオブパールの種類と色

ホワイト マザーオブパール(白蝶貝)

マザーオブパールの種類の中にはホワイトマザーオブパール(白蝶貝)がある。

白蝶貝という真珠母貝からなるマザーオブパールです。

非常に大きなサイズの貝で、30cm以上にも成長することがあるそうです。真珠層の周辺部の色調が、グレーがかったものと黄金がかったものと2種類あり、それぞれ出来上がる真珠もこの色になりますが、マザーオブパールの広いところはどちらもさほど色に変わりはありません。奥行きのある虹色に輝き、他とは違う高級感あふれる質感です。

個人的に、まるでキャッツアイのようなきらめきを持つものもあると感じたことがあります。高級時計の文字盤にもよく使われる高価な宝石です。

産地としては、グレーがかったものはオーストラリア海域、黄金がかったものはインドネシアやフィリピン海域が多いです。

ブラック マザーオブパール(黒蝶貝)

マザーオブパールの種類の中にはブラックマザーオブパール(黒蝶貝)がある。

こちらは黒蝶貝という真珠母貝からなる、ブラックのマザーオブパールです。

いわゆる黒真珠と呼ばれる真珠が生まれる貝ですね。産地はタヒチが有名です。黒と言ってもマットな黒ではなく、虹色の輝きと層があるので、光り方によっては緑色や紫色のきらめきが多く見えることもあり、非常に美しく幻想的です。

こちらも、高級時計の文字盤にもよく使われる高価な宝石です。

ピンク マザーオブパール

マザーオブパールの種類の中にはクイーンコンクシェルがある。

特にどの貝から採れたものか決まりはありませんが、同じ種類の真珠母貝でも個体差があるので、ピンク色の真珠層を持つものもあります。

また、クイーンコンクシェルという種類の貝の貝がらが、ピンク マザーオブパールとして流通していることもあります。この貝はいわゆるコンク貝という巻き貝で、真珠層を持っていません。そのため独特の虹色の光彩はありませんが、艷やかな質感と柔らかくあたたかなパステルピンクが特徴です。

ピンク×ホワイトの優しくも美しい色合いで、宝石としてもとても人気があります。

6月の誕生石

マザーオブパールは6月の誕生石として、誕生日のプレゼントに選ばれることが多い。

6月の誕生石は真珠(パール)ですが、そこから派生してマザーオブパールも誕生石として楽しむ人も少なくないようです。

毎年訪れるお誕生日、パールのアイテムもたくさん持っているし、今年はどうしようかな…なんて迷ったときにはマザーオブパールをチョイスするのも新鮮ですよね。パールのアイテムとももちろん相性抜群なので、セットで身につけるのも素敵です。

マザーオブパールのパワーストーンとしての効果と浄化方法

マザーオブパールの効果や取り扱い方法を解説。

マザーオブパールのよく知られる効果

マザーオブパールには、持つ人を優しく包み込んで癒やしてくれる効果があると言われています。

癒し効果のある宝石はいくつもありますが、マザーオブパールは癒やすだけではなく、その人自身がその癒しの力を得て、さらに他人や他の物事に発揮できるまでになると言われています。

疲れや傷ついた心を癒やしてエネルギーがチャージされたら、今度は自分が周りの人や困難を包み込んで癒やしたり解決したりできる余裕を持つことが出来ます。まさに母なる海からの恵みが持つ神秘的な効果ですね。

マザーオブパールをそばに置いて、日々忘れがちになってしまう心の余裕を保つことが出来ます。

マザーオブパールの浄化方法

硬度もあり丈夫なのでそこまで心配することはありませんが、薄く加工されている場合には衝撃には気をつけましょう。

また日の光で変色する可能性があるので直射日光も避けて下さい。おすすめの浄化方法としては、クラスター、セージ、月光、水です。

真珠と同様、汗や化粧品が付着すると変質の原因になるので拭き取ってから保管しましょう。

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マザーオブパールの素材一覧。

マザーオブパールのアイテム一覧

このコラムで紹介しているマザーオブパールの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

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