可愛らしいピンク色が特徴の天然石、モルガナイト。
モルガナイトは別名を「ピンク・ベリル」と呼び、エメラルドやアクアマリンなどと同じベリル・グループに属する石です。同じピンク色のローズクォーツやクンツァイトなどと並んで、天然石アクセサリーとしてもよく利用されます。今回は、そんなモルガナイトの魅力についてご紹介したいと思います。

モルガナイトとは

モルガナイトの特徴
モルガナイトとは、ベリルという鉱物の中でもピンク色のものを指し「ピンク・ベリル」と呼ばれたりもします。モルガナイトのピンクは、結晶内に含まれる微量のマンガンによって発色するのが特徴です。同じピンク色で有名なローズクォーツと同様、平板状の結晶として産出されますが、輝き方はそれぞれ違います。
ベリルは和名を「緑柱石(りょくちゅうせき)」といい、含まれているイオンの種類によってさまざまな色合いを呈します。色違いのベリルは、宝石としては、
・エメラルド(緑)
・ゴシェナイト(無色)
・レッド・ベリル(赤)
・アクアマリン(青)
・ヘリオドール(黄)
が挙げられます。また、個体によっては「二色性」という、見る角度によって色の濃さが違って見える特徴を持つものもあります。近年では『宝石の国』という、宝石をキャラクター化した漫画の登場人物としてもモルガナイトが登場したことにより、その知名度は上がっています。
市場に出回るものの多くはナイジェリア産。他にはブラジル、アフガニスタン、ナミビア、ロシア、マダガスカル、アメリカなどでも産出します。
モルガナイトの価値
モルガナイトは、ピンク色の天然石の中ではかなり値段に幅のある石です。これは、モルガナイトの産出量自体があまり多くないことに由来します。
インクルージョンが少なく、色の濃い宝石質の結晶は特に希少なため、高い値段がつきます。しかし、大きな結晶自体は比較的多く市場に出回るので、淡い色合いのものは手頃な価格で手に入れることができます。

モルガナイトの名前の由来
モルガナイトは1911年にマダガスカルで見つかりましたが、その頃はまだ「ピンク・ベリル」と呼ばれていました。この宝石をモルガナイトと名付けたのは、ティファニー社に勤務していた宝石学者であるジョージ・フレデリック・クンツです。
クンツは、ニューヨークの銀行家であり自分の後援者でもある、宝石コレクターのジョン・ピアポント・モルガンに敬意を表し、彼の名を拝借しました。こうしてピンク・ベリルは「モルガナイト」とその呼び名を変えたのです。
モルガナイトの意味

モルガナイトは、愛情や心の癒しに関連する意味を持つ石として知られています。
愛と思いやり
愛情や思いやりの感情を深める石とされ、特に人間関係においてその力が発揮されると言われています。モルガナイトは、心を開き共感や理解を得ることで、人との愛と絆を深めます。恋愛だけでなく、家族や友人との関係においても、より深いつながりを築くことができるでしょう。
自尊心
自己愛や自尊心という意味も持つモルガナイトを身につけることで、自分自身のことを認め、肯定してあげられるようになるでしょう。自分の価値を認識し、自信を持って生きるための力を与えてくれます。自己肯定感を高め、よりポジティブな自分を表現できるようになります。
癒し
モルガナイトは強力な癒しの石とも言われています。心の傷やトラウマからの回復させてくれるでしょう。この石は、心の平穏を取り戻し、ストレスや不安を軽減することで、精神的な安定をもたらすと考えられています。
モルガナイトの石言葉

モルガナイトの石言葉は諸説ありますが、例としては「優美さ」「優しさ」「女性らしさ」「慈悲」「愛」などが挙げられます。暖かなピンク色から、昔の人はモルガナイトに女性らしさや優美さ、愛情を見出したのでしょう。
モルガナイトの効果

モルガナイトは大切な人との関係において、相手を思いやり、献身的な愛情を持つようにしてくれる効果があるとされています。また、持つ人に愛の本質を教え、精神的な安定をもたらし、ささやかな幸せを見出すことができるようになるとも言われています。これは、モルガナイトの石言葉である「優しさ」や「愛」にも通じるものがあるのではないでしょうか。
また、モルガナイトには洞察力や直感力を高める効果があるという一面もあります。物事の真相や真実を見抜く力を養うので、判断力・決断力も上がります。
モルガナイトの使われ方

ハンドメイドアクセサリーとしてのモルガナイト
モルガナイトは、その可愛らしいピンク色から、アクセサリーとして高い人気を誇っています。天然石ビーズとして売られることも多く、天然石ブレスレットや天然石ペンダントなどのハンドメイドジュエリーの素材としてもよく使われます。
華やかなパーティースタイルから、毎日の普段着コーディネートまで、どんなシーンにもぴったりとマッチします。大ぶりの石ならペンダントにすれば、胸元をパッと華やかにしてくれるでしょう。また、リングにすれば、指先にフェミニンな雰囲気をもたらしてくれること間違いなし。小ぶりなビーズは、単体でブレスレットやピアスにしても可愛らしいですね。
また、他の石と組み合わせることによって、ハンドメイド作家のセンスが光るオリジナルアクセサリーを作ることも可能です。モルガナイトが合う色のコーディネートを組み合わせれば、モルガナイトはその魅力をもっと引き出してくれます。
白いコーディネートに組み合わせれば、可愛らしさに華やかさがプラスされ、明るい印象をもたらしてくれます。また、黒いコーディネートなら、セクシーさを強くアピールした大人っぽい印象に。紺色のコーディネートなら、清楚な女性感を演出してくれます。
他にモルガナイトと相性のよいコーディネートは、ライトグレー、ベビーピンクなどです。ぜひ、自分に合ったコーディネートに、モルガナイトを組み合わせてみてください。
モルガナイトと相性のいい石
モルガナイトと他の石を組み合わせる時は、相性のいい石を選んであげると魅力がグッと引き立ちます。
モルガナイトは、水色、紫、ピンク、赤、グリーンの石と組み合わせると相性がいいです。特におすすめなのは、同じベリル・グループのアクアマリン。淡いピンクと水色の組み合わせは、女性らしい可愛らしさに満ちた雰囲気を与えてくれます。恋愛運や癒しの運気を高めてくれるので、パワーストーンとしてこの組み合わせを利用するのもよいでしょう。
また、紫やピンク、赤い石でおすすめなのは、アメジスト、タンザナイト、チャロアイト、クンツァイト、インカローズ。同色系なので、全体の色のバランスが整って見えます。
水色の石で相性がいいのは、エンジェライト、ブルートパーズです。アクアマリン同様、可愛らしい雰囲気が出ます。グリーンの石で相性がいいのは、ペリドット、グリーンアメジスト、プレナイト。春らしい、爽やかな雰囲気になります。
モルガナイトのモース硬度

モルガナイトの「モース硬度」は7.5と、天然石の中では比較的高い石です。モルガナイト自体は傷がつきづらいですが、硬度が低い石と組み合わせるとその石に傷を付けてしまう場合があるので注意してください。ビーズを保管する時は、できるだけ個別にケースに入れて保管するとよいでしょう。
取り扱い上の注意・メンテナンス方法
アクセサリーとして人気の高いモルガナイトですが、取扱い方法を知っておくことで、アクセサリーに加工したり普段使いにする時により長く楽しむことができます。
モルガナイトは紫外線に当て続けると退色する恐れがあります。モルガナイトを付けて日常的に外出する分には問題はありませんが、保管する時には直射日光が当たらない場所にしまっておくのがベストです。それ以外の分野では丈夫な石なので、お手入れも使用後に汚れを拭き取るだけで充分です。
このような扱いやすさもモルガナイトの魅力の一つなので、ピンクの石でアクセサリー作りに挑戦したい時は、ぜひモルガナイトを使ってみてください。
まとめ
モルガナイトは、その可愛らしいピンク色から、とても人気の高い石です。女性らしさを引き立て、優しさや愛情深さを表してくれる石としても有名です。
天然石ビーズなどはお手頃な価格で手に入れることができるので、モルガナイトでアクセサリー作りに挑戦してみたい方は、まず天然石ビーズから購入してみてはいかがでしょうか。
モルガナイトで、素敵なハンドメイドアクセサリーを作ってみてください。
モルガナイトの鉱物データ
英名 | Morganite(Pink Beryl) |
和名 | 緑柱石(りょくちゅうせき) |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
化学式 | Be3Al2Si6O18 |
色 | 桃~淡紅、淡紫色 |
モース硬度 | 7-7.5 |
劈開性 | 不明瞭 |
屈折率 | 1.58-1.59 |
結晶系 | 六方晶系 |
断口 | 凹凸-貝殻状 |
条痕 | 白色 |
比重 | 2.80 |
光沢 | ガラス光沢 |
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