メテオライト|宇宙から飛来した賜物

メテオライトの種類や意味、効果を解説します。

宇宙の果てから、私たちの地球に届く驚異的な存在、それがメテオライト(隕石)です。

地球上には、1年間に40万トンもの隕石が降ってくると言われています。隕石というと地球に衝撃を与える怖い物と思われがちですが、衝突するわけではありません。

遙か遠い宇宙を漂っている岩石や星の欠片が地球に近づくと、地球の強い引力によって引き寄せられてくるのです。通常、この岩石や星の欠片は大気中で燃え尽きてしまいますが、中には地上に落下するものがあります。この火球こそが隕石なのです。メテオライトは、太陽系の初期の物質や過去の星々の痕跡を含んでおり、地球外の生命や宇宙の成り立ちに関する手がかりを私たちに教えてくれます。

今回は宇宙からの賜物である「メテオライト(隕石)」についてご案内いたします。

この記事の内容

メテオライトとは

メテオライトとは隕石全体を表す表記。メテオライトの種類や特徴を解説。

メテオライトとは、単体の固有名詞ではなく「隕石」全体を示しています。宇宙空間から地球の大気圏に入り、地表に到達する岩石、金属、またはその他の物質の総称です。

これらは通常、小惑星や彗星、または大きな惑星の破片として存在し、地球の大気に入る際に多くが燃焼します。しかし、一部は地表に到達し、地球上で発見されます。

「メテオライト」という名前は、ギリシャ語で空の上のものを意味する「meteoron」が由来になっていると言われています。質感がメタリックであることも天然石とは違った独特の魅力で、世界中に愛好家がたくさん存在します。

スピリチャルな分野においても、宇宙から発せられる未知なるパワーを感じとれるとして、人気が高いです。

地球上には、何億年も前にできた石やその欠片が、1年間に何千個も落ちてきます。しかしながら、地上に落下し発見されるメテオライトは、その内の10個程度。未知なる可能性を秘めていて、興味深いですよね。

メテオライトの分類

メテオライトは鉄隕石、石質隕石、石鉄質隕石に分類される。

メテオライトは、宇宙空間から地球に落下してきた天然の固体物質です。

落下したメテオライトは、ほんの数グラムの軽量のものから、数十トンの重さのある物まで様々です。地球上の岩石に比べて重く、強い磁力を持つものがあるのも特徴です。

隕石の総称であるメテオライトは、その名の通り大部分は石でできていますが、構成している成分によって大きく3つに分類されています。では一体どんな成分を含んでいるのでしょうか?学んでいきましょう。

鉄隕石

鉄隕石は、太陽系形成後にできた天体がぶつかり合い破壊されその核となる鉄とニッケルの合金が、飛散された物です。主に鉄から構成される隕石です。

地上で発見される時は表面が黒く焦げた状態ですが、内部の切断面は銀色です。鉄隕石はニッケルの含有量により、さらに3つに分類されます。

ニッケル含有量4~6%のものを「ヘキサヘドライト」、6~14%は「オクタヘドライト」、14%以上を「アタクサイト」と言います。鉄隕石は、古くから鉄剣や鉄器などに使用されています。

古代エジプト王国と勢力を二分したと言われているヒッタイト帝国のヒッタイト人は、製鉄技術を持ち鉄剣などの武器を作り軍事的優勢を得たと言われています。後にヒッタイト帝国が滅びるとこの製鉄技術は多くの国に普及され、今日に至る製鉄業の礎を築いたと言えます。日本刀の原料としても使用されています。

鉄隕石は、世界各地で発見されています。

石質隕石

石質隕石は、おもにケイ酸塩鉱物から成ります。

石質隕石はさらに2つに分類されます。コンドリュールというケイ酸塩鉱物を主成分とした球粒を含み、溶解を経験していない「コンドライト」と、コンドリュールを含まず溶解して分化した鉱物から成る「エコンドライト」です。

地球への落下頻度が最も多いのが「コンドライト」で隕石の中で86%を占めます。コンドリュールは、約46億年前太陽系が誕生する際に宇宙空間で物質が凝縮してできたと言われているので、「エコンドライト」は、隕石の中では最も古く太陽系誕生の鍵を握る重要な研究材料となっています。

石鉄質隕石

石鉄質隕石は、鉄とニッケルの合金とケイ酸塩鉱物がほぼ同量に混合された隕石です。

隕石の中でも大変希少で鉄ニッケルの中にカンラン石の結晶が分布しているものもあり、非常に美しく宇宙の神秘を感じさせるメテオライトです。

1700年代にドイツの科学者である「ペーター・ジーモン・パラス」によって研究されたことから石鉄隕石は、「パラサイト」と名付けられました。

産地によるメテオライトの種類

メテオライトの産地や名前の由来を解説します。

隕石は、これまでに日本で51個、世界では約5万個が発見されています。落ちてくるところを目撃された落下隕石、何年も経ってから後に発見された物を発見隕石と呼ばれています。

メテオライトは、発見された場所や、落下地点の地名から名前がつけられます。現在では、落下した地点の担当区域を集配する郵便局の名前がつけられることが国際的に共通とされています。

それは空から突然落下してくる隕石を見つけた人と命名権の争いを防ぐためです。そのため人の名前がつけられることはありません。必ず集配を担当する郵便局の名前がつけられるのです。もしもあなたが見つけた場合、あなたの地域を担当する郵便局の名前が隕石につけられることになります。

ここでは代表的な産地別のメテオライトの紹介を致します。

ムオニナルスタ

メテオライトの種類にはムオニナルスタがある。

ムオニナルスタは、約4億5千万年前に地球に飛来した鉄隕石の一種です。

1906年北欧スウエーデンの最北端ノーボルッテンのキルナの地に流れるムオニオ川で発見され「ムオナニスタ」と名付けられました。

大きな塊も含め今までに40個ほど見つかってはいますが、産出が困難なため、流通が少なく希少です。

ムオニナルスタを研磨すると、「ウィドマンシュテッテン構造」という美しく神秘的な銀色の特殊な網目模様が現れます。これは鉄とニッケルの含有量によるもので、100万年を要する時間をかけてできたものと言われ、地球上では再現できないことが科学的に証明されています。この二つとない希少な網目模様を利用してラグジュアリーブランドの時計の文字盤に使用され、人気を博しています。

ギベオン

メテオライトの種類にはギベオンがある。

ギベオンは、1938年アフリカ共和国のギベオンで発見されました。コレクターの間でも特に人気が高いメテオライトです。

ムオニナルスタと同様4億5千万年前に地球に飛来した鉄隕石の一種です。「ウィドマンシュテッテン構造」が現れる大変美しいメテオライトです。

ムオニナルスタとほぼ同じであることから、採れた地名で区別されています。

パラサイト

メテオライトの種類にはパラサイトがある。

前述したとおり、パラサイトは鉄とかんらん石(ペリドット)が混ざり合うメテオライトの中でも最も希少性の高い石鉄隕石です。

1967ロシアのセイムチャン地方で発見されたパラサイトは、「セイムチャン隕石」、2016年にケニアのセリコで発見され、2017年に認められたパラサイトは、「セリコパラサイト」と呼ばれています。

メテオライトの中でも、1~2%の割合でしかないパラサイトは、8月の誕生石でもあるかんらん石(ペリドット)が混ざっているのが特徴的で、不透明から透明な地に淡い黄緑~オレンジ色が浮かび上がり、まるで万華鏡のように美しいです。

コレクターハンターがたくさん狙っているのも頷けます。

カンポデルシエロ

メテオライトの種類にはカンポデルシエロがある。

カンポデルシエロは、炭素測定計測によると約4000年から6000年前にアルゼンチン北部に落下したメテオライトだと言われています。

カンポデルシエロは鉄隕石の一種でニッケル含有率6~14%のオクタヘドライトに属し、灰銀色をしています。現在までに100トン以上が発見され、比較的手に入りやすい人気のメテオライトです。

表面にはくぼみや空気の渦が模様のように見られ、摩擦や落下などの過酷な工程を物語っております。

その他

他にもメテオライトは、世界各地に落下しています。サハラ砂漠で発見された石質隕石であるコンドライトは、「サハラNWA869隕石」と呼ばれ、かんらん石や輝石を含みます。

小さな島国日本においても、いくつかの隕石が発見されています。

今世紀では、2002年に秋田で発見された「神岡隕石」、2003年に広島に落下した「広島隕石」、2012年に岐阜で発見され2017年に申請された「長良隕石」があります。日本で発見されたメテオライトは、いずれも鉄隕石であると言われています。

もしもこれらのメテオライトが同時に落下した物であれば、周辺にまだある可能性があります。もしあなたが強く引き寄せられる不思議な石に出会ったならば、メテオライトである可能性もあるのです。

メテオライトのパワーストーンとしての効果

メテオライトの効果や歴史を解説します。

メテオライトは、古くから恐れられ、崇められていたと言います。科学が発達していない古代に、空から火球が落ちてきたら、「神のお怒りだ!」「不吉な前触れじゃ!」などと恐れおののくのも無理はありません。その場所に黒く焦げた石が落ちていたら尚更のことです。

人々は空から落ちてきた石を祀り崇め、この地にない強い波動を感じ、神聖なる石として信仰し、大切にしていたといいます。

日本で星がつく地名は、隕石が空から振ってきた地として祠を建てて祀られています。愛媛県新居浜市に星原町にある「眞星(ほし)神社」、小松町にある「星森峠」も有名です。名古屋の南区には、「星崎町」「本星崎町」「星宮町」「星園町」など星がつく地名がたくさん存在し、「星宮社」の境内の瓦には星が、常夜燈には月が掘られており隕石落下の町であることがわかります。

メテオライトの効果は、魔除けとして人々の心の拠り所として崇拝されていたということがよくわかります。

メテオライトは長い年月をかけ地球に引き寄せられ、大気圏に突入し燃やし尽くし核となる部分だけが残り地球に落下したものです。殆どが突入する前に消滅してしまったり、大気圏で燃え尽きてしまうというのにこの地球に落ち、そして出会うと言うこと自体天文学的な確率ではないでしょうか?

そんなメテオライトのパワーは、実際に手に取ってみることで体感することができると言われています。

人それぞれ感じ方は違うかもしれませんが、自分が成し遂げようと思っていたものへの情熱が更に増し進んでいく勇気が持てた、自分が持つ能力や意識が向上し高められていくような感じがする、願いが叶うような予感がするなどといった声を耳にします。

このようにメテオライトが持つ強いエネルギーは、勇気を与え、人間本来が持つ霊的能力や潜在能力を高めると言われています。夢や希望を実現する為の努力を一押ししてくれるパワーを発揮してくれるのではないでしょうか?パワーストーンとしてメテオライトの波動、存在感、質感を是非感じてみてください。

メテオライトの石言葉 / 意味

メテオライトの石言葉は、達成、変革、創造、知恵です。

今現在においても、宇宙から落下してきた石と言うだけでゾクゾクするものを感じませんか?

宇宙に行ける時代が来たとは言え、まだまだ未知の世界であり、ものすごいエネルギーが詰まっているのではないか?いつかそれがとんでもないことをしでかすのではないかと妄想はどこまでも尽きません。 鉱物学的に未だに解明されていない地球上では未知なる物質を含んでいるということも、謎に包まれたパワーがあるのではないかと、尚更浪漫をかき立てて楽しませてくれるだけでも、メテオライトの意味があるのかもしれません。

メテオライト収集の魅力と市場価値

メテオライトのパワーストーンとしての効果を解説。

かつてない宝物を探す冒険に出かけましょう。それは、宇宙からの贈り物、メテオライトの収集です。

地球外からやってきた石を探し、手に入れることで、宇宙の一部を直接感じることができます。収集家たちは、隕石を探し出すために世界中を旅し、科学的な分析や、その起源を探究します。それぞれの隕石には、独自の物語があり、その形成から地球にたどり着くまで、幾多の神秘に満ちています。

さらに、メテオライトはその希少性と美しさから、ジュエリーやアクセサリーとしても人気があります。メテオライトのアクセサリーは、まるで星々の輝きを身に着けるような、独特の魅力を感じます。メテオライトを身につけることで、宇宙との特別な繋がりを感じてみませんか?

まとめ

メテオライトの誕生石や石言葉を解説します。

地球は、太陽系の星の中で唯一生命が存在する星です。

地球上における生命の起源となる分子は「地球上で育成された」という説と、「地球外から飛来した」という説があります。

幼い頃からきれいな石が大好きだったという、東北大学理学博士の地学を専攻されている「古川善博」助教授は、後者の「地球外からもたらされた」という説に着目され、研究をされている若き第一人者です。

誕生したばかりの地球は、灼熱が支配する荒れ狂う世界でした。そんな地球に巨大な隕石や小惑星が衝突を繰り返し莫大なエネルギーを放出しました。生物など存在する術もない無の世界にあるものは、二酸化炭素、水、アンモニアといった無機化合物。生命のパーツであるアミノ酸やDNA、RNAを構成する核酸塩基の有機物はどこにもありませんでした。

このような過酷な地から一体どうやって生命が誕生したというのでしょうか?

「古川善博」助教授は、隕石落下が重要な手がかりであると言います。

惑星には、有機物が多く含まれています。その惑星が地球に落下し生命誕生の要因となったのではないか?隕石に含まれる鉄が衝撃により化学反応を起こし有機物を作っていくのではないか?研究グループは、オーストラリアに落下した隕石から生命を構成する糖を検出しました。

これは、地球外から運ばれてきたことを証明する衝撃的な成果です。

メテオライトには、生命誕生のレシピがたくさんが詰まっているのです。そんなメテオライト、自分だけの「マイ隕石」として手に持って想像の域を超えた世界に足を踏み入れてみませんか?

どんな困難も乗り越えられる得体の知れない何かを掴んだような気持ちになれるのではないでしょうか。

オンラインストア

メテオライトのアイテム一覧

このコラムで紹介しているメテオライトの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

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