隕石|宇宙を旅して飛来した希少石

隕石の種類や意味や効果などを解説。

巨大な隕石が落下するインパクトは激しく、約6,500万年前には恐竜を絶滅させました。原因となった直径15kmクラスの巨大隕石が飛来してくる確率は数千万年に1度ですが、直径数cmサイズの小さな隕石は、年間約2万個も地球に向かって落下しているそうです。

このように地球には大小さまざまな隕石が飛来していますが、人類にとって未だ謎の多い宇宙を旅してきた隕石に、人々は学術的な価値以外の魅力も感じます。

そこで今回は、装飾品や宝石のように扱われる隕石について解説し、その魅力をお伝えしたいと思います。

この記事の内容

隕石とは 

隕石とは?隕石の種類の紹介。

隕石とは、宇宙空間から地球に飛来した固体物質のことです。英語では「Meteorite(メテオライト)」と言います。

隕石と認められるのは、途中で燃え尽きることなく地表に落ちてきた1mm以上の大きさの物質です。1mm以下のものは宇宙塵と呼ばれます。

隕石の多くは、火星と木星の間に存在する小惑星帯からやってきたと推測されており、小惑星同士の衝突をきっかけに地球軌道に入ります。もちろんそれ以外からやってくる隕石もあり、例を挙げると火星や月などです。

火星や月に宇宙から大きな物体が落下すると、その衝撃で岩石が飛び交います。それらが宇宙空間にまで達し、地球に飛来してくるケースです。

その他にも、広大な宇宙のどこかで小惑星などの衝突があり、その破片の一部が地球に落下してくるケースもあります。

隕石の種類

隕石は希少な天然石としての価値が高い。

隕石はいくつかの種類に分類されます。具体的には、石質隕石・石鉄隕石・鉄隕石などです。地球に飛来してきた隕石を科学的に分析することで、未だ謎の多い宇宙を解明するのに役立つ情報を得られますが、冒頭でお伝えしたように隕石の存在価値はそれだけにとどまりません。

人々は宇宙を旅してきた隕石を特別視します。昔の人々は、隕石を神聖な石として扱ったり、魔除けなどにも用いていました。現在では、宝石や天然石としても用いられ、多くの人々を魅了する存在となっています。

では、ここからはそんな隕石の一部を種類別に紹介していきたいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

ムオニナルスタ隕石

ウィドマンシュテッテン構造が見えるムオニナルスタ隕石。

ムオニナルスタ隕石は、鉄隕石の一種です。地球に落下してきた隕石のわずか約5%がこの鉄隕石に該当します。

このムオニナルスタ隕石が初めて発見されたのは、1906年のスウェーデンです。ムオニナルスタ隕石の特徴は、表面の美しい幾何学模様。この模様は鉄隕石だけに見られ、ウィドマンシュテッテン構造と呼ばれています。

ムオニナルスタ隕石は、このウィドマンシュテッテン構造が特に美しいことが魅力です。

このウィドマンシュテッテン構造は、地球上では再現不可能な模様として知られています。なぜならこの模様は、宇宙空間における特殊な環境下を長期間旅してきたことによって作り出されるからです。再現を目指すには100万年以上の年月を要すると言われています。

そんな人工的に再現できない模様と、地球上には存在しない物質を含む神秘性を併せ持つのがムオニナルスタ隕石です。

コンドライト隕石

コンドライト隕石の代表的な存在はサハラNWA869と呼ばれる隕石。

地球に飛来してくる隕石の約87%を占めるのが、石質隕石です。石質隕石の中でも、ケイ酸塩の球粒組織であるコンドリュールを含むものをコンドライト隕石と呼びます。

流通しているコンドライト隕石の多くは、サハラ砂漠で発見されたものです。それらは、サハラNWA869隕石と呼ばれています。

コンドライト隕石は、鉄とニッケルを主成分とする金属を含むため、そのほとんどが磁石に反応するのが特徴です。色はブラウンカラーで、パワーストーンとしても人気があります。

平成11年9月に神戸市北区の民家に落ち、「神戸隕石」と名付けられ話題になったのも、このコンドライト隕石の一種です。ちなみに、この神戸隕石はこれまで日本に落下した53個の隕石の中の46番目に数えられる隕石になります。

パラサイト隕石(セリコパラサイト隕石)

希少なケニア産セリコパラサイト隕石。橄欖石と鉄が混在する石鉄隕石。

パラサイト隕石とは、全隕石の僅か約1~2%しか該当しない石鉄隕石の一種です。パラサイト隕石は、宇宙で衝突した惑星のマントル部分が隕石として落下したもので、鉄ニッケル合金とケイ酸塩鉱物がほぼ等量で混合しています。有名なのは、ケニアのセリコという場所で発見されたセリコパラサイト隕石です。

パラサイト隕石は、地球深くのマントルで生成される宝石であるペリドットとも関係があります。ペリドットが最初に発見されたのは、実はこの宇宙から飛来してきたパラサイト隕石の中からでした。

通常、パラサイト隕石に含まれる宇宙のどこかで生成されたペリドットのほとんどは、地球に落ちる過程で熱や衝撃の影響を受けて飴色に変色してしまいますが、奇跡的に美しいオリーブグリーンカラーを保った状態で発見されることが稀にあります。それがペリドットの発見のきっかけとなりました。

このようにペリドットとも関係しているパラサイト隕石ですが、通常は褐色と成分の鉄ニッケルが組み合わさった色をしています。

テクタイト(天然ガラス)

隕石の衝突によって作られた天然ガラスのテクタイト。

テクタイトとは、隕石が地面に衝突した際のエネルギーで地表の物質が溶けて作り出される天然ガラスのことです。したがって、厳密には隕石そのものではありませんが、隕石由来の鉱物として扱われます。

通常、テクタイトは黒色のものが多いです。ただ、いくつかのテクタイトは特殊な色をしており、その体表格はモルダバイトリビアングラスです。

モルダバイト(天然ガラス)

隕石衝突によって形成された天然ガラスのモルダバイト。隕石と同じく人気が高い。

テクタイトの一種であるモルダバイトの特徴は、幻想的なグリーンカラーの色合いです。この色合いのテクタイト(天然ガラス)は、チェコでしか産出されないため、とても珍重されています。

モルダバイトという名前は、発見場所がチェコやドイツを流れるモルダウ川付近だったことに由来しますが、このようにテクタイトは、発見場所や産地によってそれぞれ個別の名称が付けられていることが多いです。

ちなみに、このモルダバイトは今から約1,500万年前に直径1.5kmの隕石が落下し、形成されたと言われています。

リビアングラス(天然ガラス)

隕石の衝突で生成される天然ガラスの一種、リビアングラス。

リビアングラスもテクタイトの一種で、エジプトのリビア砂漠で採れることから名付けられました。リビアングラスの最大の特徴は、淡いイエローカラーです。

この色合いのテクタイト(天然ガラス)は、リビア砂漠でしか産出されません。誕生した時期は、今から約2,800万年以上前です。 エジプトで有名な「ツタンカーメン王の墓」では、このリビアングラスを用いた装飾品も数多く発見されています。

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隕石の石言葉と意味

隕石に興味のある方は、パワーストーンとして所有するケースも多く、石に込められた意味である「石言葉」を重視する人も少なくありません。

隕石の石言葉は、「真理・予知能力・変革・知恵」などです。宇宙由来の石であるため、地球上では得ることのできない特別な力を与えてくれる可能性を示しています。

特に古代の人々にとって、流れ星に代表されるような空を飛来する物体は、未知なるものであると同時に神秘的な存在でした。そのため、神の石や天界の石として隕石を崇拝してきた歴史もあります。 本当に隕石に特別な力があるのかは定かではありません。しかし、未だ解明されていないことがまだ多くある宇宙から来た石ということを考えれば、簡単にそれらを否定することができないのも事実です。

ロマンを感じる隕石。隕石の石言葉と意味をご紹介。

ロマンを感じる隕石の販売

地球と宇宙空間の境界線はカーマン・ラインと呼ばれ、国際航空連盟では海抜高度100kmに設定されています。仮に時速100kmで真上を目指せば、宇宙はたった1時間で到達できる距離です。

しかし、現実には宇宙は未だに人類にとって遠く、さらに100km先にある宇宙の広さはまだ分かっていません。最新望遠鏡では150億光年先まで宇宙空間が確認されていますが、そこに辿り着くには、秒速30万kmの光の速さで移動しても150億年かかります。

昔の人々が新大陸を目指して船で海を冒険したように、現在の人類は宇宙への冒険の途中です。隕石と聞いてロマンを感じるのは、きっと真実を知りたいという無意識の欲求や冒険心からくるのでしょう。

加工とデザインが施され美しく見える宝石は多数ありますが、隕石のように美しさと同時にロマンも感じる石は貴重です

そんな貴重な隕石ですが、手頃な価格で販売されているものも多くあります。ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

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石鉄隕石のアイテム一覧

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