1月の誕生石|ガーネット・深紅から幻の青色まで

1月の誕生石、その種類と色について

1月の誕生石はガーネットです。去年よりもっと輝いて充実した年にしたいと願う人々にとって、新年の1月は目の前に期待の詰まった宝石箱があるような心が踊る月です。蓋を開けると様々な色の未来の選択肢が本当の宝石のように輝ける時を待っています。

宝石箱から一つ選んで取り出すと、いつかそれが深紅のガーネットのように輝くかもしれません。もしくは予想だにしなかった結末のように青く光るかもしれません。

今回はそんな希望溢れる1月の誕生石であるガーネットについて解説しその魅力を紹介していきたいと思います。後半にはガーネットを中心とした物語に関しても触れていますのぜひ最後までお読み下さい。

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この記事の内容

1月の誕生石はガーネット。その石言葉

1月の誕生石であるガーネットの名前の由来

1月の誕生石であるガーネットの名前の由来はラテン語でザクロを意味する「Granatum」からきていると言われています。これはガーネットの結晶が赤く丸まった状態で見つかることが多く、その様子がザクロの果実に似ているからです。和名でもそのまま「ザクロ石」と呼ばれています。

ガーネットと言えば赤色というイメージがありますが、グリーン・パープル・オレンジなど様々なカラーバリエーションを持つ宝石です。石言葉は「真実・友愛・繁栄」で、最も古いお守りとして古代エジプト時代には既に用いられていたと言われています。

ちなみに1月の誕生石はこのガーネットだけです。それ以外の誕生石の名前が出てくることはありません。12ある月で誕生石がたった一つだけなのは二つの月のみ、その一つが1月になっています。

様々な色のガーネット

ガーネットは鉱物を総称する石のグループ名であり、含有している成分によって大きく16種類に分けられます。その中で宝石に加工される種類は6種類でそのカラーも様々です。ここからはガーネットを色別に取り上げて、その特徴や魅力を紹介していきたいと思います。

赤いガーネット / ロードライトガーネット

1月の誕生石の色について

ガーネットと聞いて最初に思い浮かぶのはその鮮やかで深い赤色ですが、この赤色はガーネットの最大の魅力の一つでもあります。赤いガーネットは一般的には「アルマンダイト・ガーネット」という種類が多いですが、透明度の高い紫を帯びた薔薇のような色をしたガーネットは「ロードライト・ガーネット」という種類でとても人気があります。

このロードライトの赤色はアルマンダイトガーネットとパイロードガーネットの成分が混ざり合って生まれた中間色です。ロードライトという名称はギリシャ語「薔薇」を意味するロードと「鉱物」を意味するライトから由来しており、和名では「薔薇ザクロ石」と呼ばれています。

ちなみに正式名称ではありませんが、より紫がかった色合いをもつロードライト・ガーネットをブドウの色に例えて「グレープガーネット」と呼ぶこともあります。

オレンジ色のガーネット / スペサルタイトガーネット

1月の誕生石、オレンジのガーネットはスぺサルタイト

鮮やかなオレンジ色の色合いのガーネットはスペサルタイトガーネットと呼ばれます(スペサルティンガーネットと呼ぶ場合もあります)。この名称はドイツのシュペッサルトという場所で発見されたことから名付けられたと言われています。

このオレンジ色のスペサルタイト・ガーネットの中でも黄色味のあるものはマンダリンガーネットと呼ばれよく知られています。ただこれも正式名称ではなくいわゆるコマーシャルネームですが、よく熟したマンダリンオレンジと似た美しい色をしています。

緑のガーネット / ツァボライト

1月の誕生石、緑色のガーネットはツァボライト

緑色のガーネットはツァボライトと呼ばれますが、正式にはグロッシュラーガーネットの一種のため「グリーングロッシュラーガーネット」になります。

ツァボライトという名称は1974年に当時のティファニー社の社長によって名付けられ、発見されたケニアとタンザニアの国境にある「ツァボ東国立公園(Tsavo East National Park)」に由来しています。

同じくタンザニアではその美しい夜の風景からインスピレーションを得て名付けられた12月の誕生石であるタンザナイトがありますが、このツァボライトもティファニー社によって名付けられ、そのプロモーションによって世に知られた宝石の一つです。

赤系のガーネットとはまったく異なる一面を見せてくれるグリーンのツァボライトはアフリカのオアシスの草木を思わせる素敵な色です。

黄色のガーネット  / マリガーネット

1月の誕生石、黄色のガーネットはマリ・ガーネット

マリ・ガーネットは西アフリカにあるマリ共和国で1994年に発見された色彩範囲が緑~黄、ブラウンのガーネットですが、その特徴は明るい黄色がかった色合いです。

最近発見されたこの新しい宝石は色鮮やかで分散性が高く、生産量も少ないことから希少性も価格も高いものが多いです。

カラーチェンジガーネット

1月の誕生石で珍しいカラーチェンジガーネット
(左)LED (右)白熱灯

自然光と白熱光(電球光)の下で色合いを大きく変化させるガーネットはとても珍しく、カラーチェンジガーネットと言う通称で流通することがあります。

このカラーチェンジガーネットが注目を浴びることになるのは1987年のタンザニアでの出来事がきっかけになります。ウンバ川流域で自然光ではエメラルドグリーンに、そして白熱光では赤色に変色する美しいカラーチェンジガーネットが発見されたのです。

その色合いは同じく美しく神秘的にカラーチェンジをするロシアのウラル山脈で採れるアレキサンドライトと比較しても遜色がなく、大きな注目を集めました。

そして1990年後半にマダガスカルで採れたカラーチェンジガーネットから太陽光の下でブルーに輝くガーネットが発見されることになります。

幻の青いガーネット

1月の誕生石で希少な青色のガーネット

マダガスカルのブルーにカラーチェンジする「ベキリーブルー・カラーチェンジガーネット」の発見は人々を驚かせました。ではカラーチェンジではない普通の青色のガーネットはあるのでしょうか。

ガーネットのカラーバリエーションはとても豊富であると既にお伝えしましたが、実はそう説明するには「青色以外は」という制約を加えなければなりません。つまり天然の青いガーネットはその存在が幻と言われています。

この特別な青いガーネットについてはここからサイドストーリーを交えながら、いつもとは違う角度でその魅力を紹介していきたいと思います。

シャーロックホームズ「青いガーネット」

1月の誕生石、ガーネットが登場する作品

ガーネットは実は過去に多くの文学作品にも登場していますが、イギリスの有名小説家コナン・ドイルによって書かれたシャーロック・ホームズシリーズもその一つです。

タイトル「青いガーネット」はそのシリーズの短編集「シャーロック・ホームズの冒険」の中の7つ目に収録されています。では少しそのストーリーを見ていきましょう。

今は人を赦(赦す)す季節だからね

小説の中の大粒の青いガーネットはクリスマスの早朝に置き去りにされたガチョウのお腹の中から発見され、これがホームズの元に持ち込まれたところからストーリーが本格的に動き出します。

実はこの青いガーネットは数日前に所有者から盗まれており、容疑者として既に1人の男が逮捕されていましたが(真犯人は別)、肝心の青いガーネットは行方不明のままで1,000ポンドの懸賞金が掛けられていました。

真犯人はこの青いガーネットを盗んだ後に、その姉が市場向けに飼育するガチョウの1羽にそれを飲み込ませていました。理由はそのガチョウを後で自分宛てのクリスマスプレゼントにして受けとる計画にしていた為です。しかし手違いが起こってしまい、そのガチョウは一般に卸されてしまったのです。

それがめぐり巡ってクリスマスの早朝に置き去りにされ、最終的にホームズの部屋221bに持ち込まれてきたのです。そしてホームズの推理によってこの一連の事件の全貌と真犯人が突き止められました。

ホームズによって自分の罪が暴かれた真犯人は彼に許してもらえないかと懇願します。そして結局ホームズは彼を見逃すことにしました。

「今は人を赦す季節だからね」これは真犯人を見逃したホームズが相棒であるワトソンに言った有名なセリフです。

「あいつは二度と悪いことはしないだろう。だってひどく懲りてるからね。もし刑務所に送ったらまた悪事を繰り返すことになるだろう。まぁそれに今は人を赦す季節だからね。」

大粒の青いガーネットを巡って繰り広げられたシリーズ唯一のクリスマス・ストーリーはホームズによって石言葉でもある「真実」が判明、しかしなぜか真犯人を「見逃す」という結末となったのです。

もしかしたらそれは「罪をきせることだけが唯一の解決策ではなく、時に赦すことで人は救われて改心する」というコナン・ドイルがホームズを通じて伝えたメッセージだったのかもしれません。少し話がそれましたが、小説の中の「青いガーネット」とは一体どんなものだったのでしょうか。

青いガーネット

1月の誕生石、青いガーネットについて

ホームズはこの青いガーネットのことを「世界にたった一つのもので本当の値打ちは誰にもわからない」と言っています。

実はこの小説「青いガーネット」の原題は 「The Adventure of the Blue Carbuncle」であり、直訳すると「青いカーバンクルの冒険」となります。カーバンクルというのはカボションカットされた赤い宝石の総称で、このことからこの小説の邦題が「青いガーネット」ではなく「青い紅玉(ルビー)」と訳されているケースもあります。

この小説が執筆されたのは1892年、もちろん当時は青いガーネットは存在せず、その後100年以上経った後に前述したマダガスカルの「ベキリーブルー・カラーチェンジガーネット」が発見されました。

そうするとコナン・ドイルが題した「青いカーバンクル」を「青いガーネット」とするのは間違いではないのか、正しくは「青い紅玉」つまり青いルビーとするべきだという疑問が出ます。しかし青いルビーというのは宝石の分類上は「ブルーサファイア」になります。(※ルビーの色違いはサファイア?より)

一体「青いカーバンクル」とは何の宝石なのか。本来はこの名作の全てを明らかにする必要はないのですが、今は宝石の話をしていますので敢えて推測すると、それは「青いガーネット」です。その理由についてはホームズが言った「世界にたった一つのもの」という言葉、さらに現在でもその存在が幻とも言われていることが挙げられます。

しかし本当の正解は分かりません。ただこの名作がその魅力を少しでも失わない為に、「青いガーネットであって欲しい」と勝手ながら思います。

1月の誕生石を身に着けると

1月の誕生石、ガーネットの意味について

古来より宝石には特別な力が宿るとされ、誕生石として身に着ければその保護を受けられると言われてきました。1月の誕生石であるガーネットも例外ではありません。中世の時代には騎士や聖職者が「お守り」としてガーネットを持ち歩きました。これはガーネットの血を連想させる赤い色が命を守ってくれると言われていたからです。

一方、インドの占星術ではガーネットは暗い精神を和らげて心に平穏をもたらし、さらに自信と独創的なアイデアを与えてくれると伝えられていたそうです。

1月の誕生石、まとめ

今回は1月の誕生石であるガーネットについてお伝えしました。色の種類や濃淡に違いこそあれ、ガーネットを眺めているとそこからは共通して大人の雰囲気を感じます。天然石ブレスレットとして身に着けたりすると女性が持つ本来の美しさをより深いものにしてくれるかもしれません。1月の誕生石「ガーネット」、ぜひ自分のお気に入りの方法で身近な宝石にしてみてはいかがでしょうか。

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1月の誕生を使用したアイテム

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