ゴールドフィルド｜14KGFの意味や金メッキとの違い・特徴・メリットとは

ゴールドフィルド（Gold Filled）とは？14KGFの意味や金メッキとの違い・特徴・メリット

アクセサリー作りをしているとよく耳にする「ゴールドフィルド（Gold Filled）」という言葉。
見た目は高級感があるのに、純金よりも手が届きやすい価格で扱いやすく、ハンドメイド作家やジュエリーデザイナーの間で人気の高い素材です。

とはいえ、「金メッキとどう違うの？」「アレルギーが心配だけど大丈夫？」「14KGFって何のこと？」と、意外と知られていないことも多くあります。

この記事では、「ゴールドフィルドとは何か？」という基本から、金メッキや純金との違い、選ばれる理由、そしてお手入れのコツまで、素材選びに役立つ知識をわかりやすく解説していきます。

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この記事の内容

ゴールドフィルドとは？

ゴールドフィルド（Gold Filled）の定義

「ゴールドフィルド（Gold Filled）」は、見た目は本物の金のような輝きを持ちながら、比較的手の届きやすい価格で人気のある金属素材です。

具体的には、真鍮などのベースメタル（芯材）の上に、金を厚く圧着して作られたもので、メッキのように表面だけに金を薄く塗ったものとは構造がまったく異なります。

アメリカの基準では、「ゴールドフィルド」と名乗るためには、金の層が全体の重さの5%以上である必要があります。中でも「14KGF（14金ゴールドフィルド）」は最も一般的なもので、14金の層がしっかりと貼り付けられているため、見た目の高級感だけでなく、摩耗や変色への耐久性も備えています。

「14KGF」など刻印の意味

ゴールドフィルド製品をよく見ると、「14KGF」や「12KGF」といった小さな刻印が入っていることがあります。これらの表記には意味があります。

「14K」は、金の純度を表しており、「14金（K14）」を使っているという意味です。金の純度は24分率で表されることが多く、「14K」は24分の14、つまり約58.5%が純金ということになります。
「GF」は「Gold Filled（ゴールドフィルド）」の略です。

つまり「14KGF」とは、「14金の層を素材の表面にしっかり圧着させた加工が施されているもの」ということを示しています。見た目はほぼ14金と同じでありながら、価格は抑えられ、耐久性もあることから、日常使いのアクセサリーにぴったりの素材です。

ゴールドフィルドの構造（厚みや素材）

ゴールドフィルドの魅力のひとつは、表面の金の層が厚く、しっかりと固定されている構造にあります。

芯となる金属（多くの場合は真鍮）に、14金などの金を熱と圧力で圧着（ローリング）して作られており、この工程により金属同士が強く結びつき、簡単に剥がれることがありません。

通常の金メッキ（ゴールドプレート）では、金の層が数ミクロンしかないため、摩擦や経年によって色が落ちやすくなります。それに対してゴールドフィルドは、金の層の厚みがメッキの約100倍以上とも言われており、長く愛用できる素材として知られています。

ただし、芯材が真鍮であるため、長期間使用したり強く摩擦が加わったりすると、部分的に下地の色が見えてくる可能性もあるため、お手入れや保管には少し注意が必要です。

シルバーフィルドとは？ゴールドフィルドとの違い

「シルバーフィルド（Silver Filled）」は、ゴールドフィルドと似た製法で作られる金属素材です。

その名の通り、芯となる金属に、銀（多くはスターリングシルバー）を圧着させたものです。こちらも、アメリカでは銀の層が総重量の5%以上であることが「シルバーフィルド」と名乗る条件になっています。

構造的にはゴールドフィルドと同じく、圧着によってしっかりと銀の層が固定されており、メッキよりもはるかに耐久性が高く、変色や剥がれにも強いとされています。

ただし、日本国内ではゴールドフィルドほどの流通量がなく、アクセサリーパーツとしての種類も限られているため、あまり見かけない素材かもしれません。シルバーの美しさと扱いやすさを両立した素材として、今後注目される可能性もあります。

ゴールドフィルドの特徴まとめ

本物の金のような高級感
　表面に14金などの厚い金の層があり、見た目は純金ジュエリーに近い美しさがあります。
金メッキよりも圧倒的に耐久性が高い
　金の層が全体の5%以上と非常に厚く、剥がれや摩耗に強い構造です。
価格と品質のバランスが良い
　純金やK18製よりも手が届きやすく、長く使えるコストパフォーマンスの高い素材です。
金属アレルギーが起こりにくい構造
　肌に触れる部分が金で覆われているため、比較的アレルギーが出にくいと言われています（※個人差あり）。
パーツの種類が豊富で使いやすい
　14KGF製のピアス金具・空枠・チャームなどが多く流通しており、デザインの幅が広がります。

※ただし、中身は真鍮などの芯材であり、完全に金というわけではない点には注意が必要です。

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ゴールドフィルドと他の素材との違い

ゴールドフィルド・金メッキ・純金・金張りの違いとは？

アクセサリー素材を選ぶときに、「ゴールドフィルド」「金メッキ」「純金」「金張り（金貼り）」など、似たような名前がいくつも出てくると、何がどう違うのか迷ってしまいますよね。

どれも“金色に見える素材”という点では共通していますが、実際には構造や価格、耐久性、肌へのやさしさなどに大きな違いがあります。

それぞれの特徴を知っておくことで、目的や予算に応じた素材選びがしやすくなり、「安かったけどすぐ剥がれてしまった…」といった失敗も防げます。

まずは各素材の概要を見てみましょう。

素材別の違いを比較！早見表でチェック

項目	ゴールドフィルド（GF）	金メッキ（GP）	純金（K24）	金張り（金貼り）
金の層の厚み	約1/20（5%以上）	数ミクロン（ごく薄い）	100%（無垢の金）	約1/20〜1/40
耐久性	高い	非常に低い	非常に高い	中〜高
見た目の高級感	高級感あり	最初はあり、摩耗しやすい	本物の輝き	ゴールドフィルドに近い
価格	中価格帯	安価	非常に高価	中〜やや高め
金属アレルギー対策	△〜○（個人差あり）	△（下地が露出しやすい）	○（純金はアレルギー少）	△〜○（厚み次第）
備考	14KGFが主流	「GP」刻印が目印	「K18」「K24」などの刻印	かつて主流だった工法名称

それぞれのポイント解説

金メッキ（GP）
金の層が非常に薄く、表面だけに金を電気的にメッキしたもの。安価だが、使用や摩擦によってすぐに下地の色が見えてしまうことも。
純金（K24）
金100％でできており、非常に高価で柔らかいため、ジュエリーに使われる場合はK18やK14に合金として加工されることが多いです。
金張り（金貼り）
ゴールドフィルドと似た意味合いで使われることもありますが、明確な定義はなく、使用例も少なくなってきています。欧米では「ゴールドフィルド」の名称に統一される傾向があります。
ゴールドフィルド（GF）
金の層がしっかりと厚く、見た目も長持ちするため、「手頃さ」と「高級感」のバランスを求める人に人気。特に14KGFはアクセサリーパーツで広く流通しています。

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ゴールドフィルドのメリットと魅力

高級感のある外観と質感

ゴールドフィルドの最大の魅力は、本物の金とほとんど変わらない輝きと高級感を持っていることです。

14金を表面に厚く圧着しているため、見た目はK14やK18のジュエリーとほぼ同じ印象を与えます。しかも、その美しさが長く続くため、「高見えする素材」としてハンドメイド作家からも高く評価されています。

特に、天然石や淡水パールと組み合わせたときのなじみの良さは格別。繊細なデザインでもチープな印象にならず、上質な仕上がりに見せてくれます。

変色や剥がれに強い構造

アクセサリーを長く使っていると、どうしても気になるのが「色あせ」や「表面がはがれる」といった経年変化です。

金メッキ製品は、使っているうちに摩擦や汗などの影響で表面の金の層が薄くなったり、下地の色が見えてきたりしてしまいます。

ゴールドフィルドは構造上、厚い金の層がしっかりと接着されているため、簡単には剥がれません。変色にも比較的強く、日常使いのアクセサリーでも長く美しさを保ちやすいのが特徴です。

ただし、汗や水分、化粧品などに触れる機会が多いと徐々に表面がくすむことはあります。その場合も、後述するお手入れでかなりの部分は回復できます。

金属アレルギーに配慮できる素材

金属アレルギーのある方にとって、アクセサリー選びは慎重になるポイントのひとつ。ゴールドフィルドは、金の層で芯材（金属の芯）を包み込む構造になっているため、肌に触れる部分が金で覆われており、比較的アレルギーが起こりにくい素材とされています。

ただし、「完全にアレルギーが出ない」というわけではなく、個人差がある点には注意が必要です。特に、耳元や首など皮膚が敏感な部分に着用する場合は、まず短時間の使用から試すなどご自身の体質に合わせて慎重に取り入れるのが安心です。

ニッケルフリーの記載があるパーツを選ぶことでも、リスクを下げることができます。

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デメリットや注意点

あくまで“表面の金”であることに注意

ゴールドフィルドは金の層が厚く見た目も本物の金に近いのですが、芯材は真鍮などの別の金属であり、それを14金などで包んでいる構造になっています。つまり、中身まですべて金ではないという点は、素材選びにおいてきちんと理解しておきたいポイントです。

高級感や耐久性に優れている一方で、純金やK18製品とまったく同じではないということを踏まえたうえで、使用シーンを選ぶのがよいでしょう。

長期間使用では摩耗の可能性も

ゴールドフィルドは金メッキよりも耐久性が高く長く使える素材ですが、絶対に剥がれない・変色しないというわけではありません。

たとえば強くこすれる部位につけるアイテムや、毎日肌に触れるようなアイテムでは、使用によって表面が摩耗してくる可能性もあります。

また、汗や化粧品、香水、日焼け止めなどが付着したまま放置すると、金の光沢がくすんで見えることもあります。

定期的なお手入れや、使用後の軽い拭き取りなどを習慣づけることで、劣化を最小限に抑えることができます。

使用後の保管・お手入れ方法が大切

ゴールドフィルドは丈夫な素材ですが、美しい状態を長持ちさせるには、ちょっとしたケアの積み重ねが効果的です。

たとえば以下のような習慣を取り入れることで、変色や摩耗を防ぐことができます。

使用後は柔らかい布で軽く拭き取る
湿気の多い場所や直射日光を避けて保管する
ジップ付きの小袋や乾燥剤入りの箱に入れておく
汗をかいた日はなるべく早めに外して、清潔にする

また、後ほどのセクションで詳しくご紹介する「14KGFパーツのお手入れ」も参考にしてください。

14KGFパーツのお手入れと長持ちさせるコツ

使用後の拭き取り・保管方法

ゴールドフィルド製のアクセサリーパーツは、見た目が美しく耐久性にも優れていますが、適切にお手入れすることでさらに長く、美しい状態を保つことができます。

まず基本となるのが、使った後はやさしく拭くという習慣。汗や皮脂、化粧品の成分が表面に残ると、くすみや変色の原因になることがあるため、柔らかい布（メガネ拭きなど）でやさしく乾拭きするのがおすすめです。

保管時は、以下のような点に注意しましょう。

ジップ付きの小袋や密閉ケースに個別に入れる
できれば乾燥剤を一緒に入れる
他の金属と直接触れさせないようにする

とくに湿度の高い夏場や、皮脂がつきやすいリング・ピアスなどは、この一手間が大きな違いになります。

水濡れ・入浴時の注意点

ゴールドフィルドは比較的水に強いとされていますが、水分が表面に残ったままだと変色の原因になる可能性があります。以下のようなシーンでは、できるだけアクセサリーを外すのが安心です。

入浴・シャワー
水仕事（食器洗い・洗濯）
スポーツやアウトドア
プール・海などのレジャー

もし濡れてしまった場合は、なるべく早めにやさしく拭き取り、しっかり乾燥させてから保管するようにしましょう。

長持ちさせるためのおすすめアイテム

ちょっとした道具を使うだけで、お手入れがぐっと楽になり、パーツの持ちも良くなります。

ジュエリー用ポリッシュクロス
専用の布を使うことで、細かな汚れやくすみを効果的に取り除けます。
アクセサリーケース（個別収納タイプ）
他の金属と接触せず、湿気も防げる収納アイテム。ジップ袋や仕切り付きボックスも◎。
乾燥剤（シリカゲル）
保管ケースに一緒に入れておくだけで、湿気による変色のリスクを下げられます。

これらをうまく活用することで、ゴールドフィルドのパーツをより長く、美しいまま楽しむことができます。

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ゴールドフィルドと相性のよい天然石アクセサリーとは？

高品質パーツで天然石の魅力が引き立つ

天然石を使ったアクセサリーでは、「石の美しさをどう引き立てるか」が作品全体の印象を大きく左右します。
その点でゴールドフィルドは、透明感のある天然石や繊細な色合いの石とも相性が抜群です。

たとえばローズクォーツやアメジスト、ラブラドライトなど、やわらかい輝きを持つ石には14KGFの落ち着いたゴールドカラーが自然に溶け込み、石の表情を損なうことなく上品さをプラスしてくれます。

見た目の高級感だけでなく、金属としての耐久性もあるため、繊細な天然石と組み合わせても長く安心して使えるのも大きなメリットです。

ピアス・ネックレス・ブレスレットへの活用例

ゴールドフィルドのパーツは、ピアス・イヤリング・ネックレス・ブレスレット・リングなど、あらゆるアクセサリーに応用可能です。

ピアス・イヤリング：
耳に直接触れるアイテムだからこそ、アレルギーへの配慮や色持ちの良さが重要。14KGF製のフックやポストはその点でも安心感があります。
ネックレス：
チェーンや丸カン、留め具など、肌に沿うパーツも長く美しいゴールドカラーを保ちやすく、デザインの完成度が高まります。
ブレスレット・アンクレット：
摩擦が起きやすい手首・足首でも、ゴールドフィルドなら色落ちや剥がれに強く、長く愛用できます。