【2月の誕生石】アメジスト / 美しい紫は冷静と情熱のあいだ

2月は立春もあり暦上では春へと変わる季節です。雪消月(ゆきぎえづき)とも呼ばれ、その名の通り冬に降り積もっていた雪が消える月でもあります。

新しい季節の到来となりますが、昔の人々はそんな季節の変わり目に邪気が入りやすいと信じ、立春の前日を節分として今でもその節分の日に豆を撒いて邪気を払う習慣が残っています。 今回はそんな変転の2月の誕生石である「アメジスト」について、基本情報や歴史などを紹介しながらその魅力に迫ってみようと思います。古代ギリシャ時代より愛され高貴な宝石として扱われたアメジスト。今なお人々を惹きつける秘密は一体何なのでしょうか。

この記事の内容

2月の誕生石アメジストとは

2月の誕生石についての基礎知識

アメジストは和名を紫水晶と言い、その名の通り紫色をした水晶の一つになります。特徴はその吸い込まれそうな美しい深い紫色になりますが、淡い紫色のラベンダーアメジストや緑色をしたグリーンアメジストもあります。

アメジストが紫色である理由は微量に含まれる「鉄イオン」によるものです。色ムラがなく高い透明度と濃い色をしたものが一般的には良品とされる傾向にあります。

ちなみにアメジスト以外の誕生石は2月にはなく、唯一の誕生石であると同時に水瓶座(1/20~2/18)と魚座(2/19~3/20)の星座石にもピックアップされています。

産地は主にブラジル・ザンビア・ウルグアイなどで、アメジストは紫外線に長時間さらされると脱色されたように色が変わり、同じ色には二度と戻らないという特徴があります。

この色の変化は加熱した時にも見られ、おおよそ420~450度で紫色が脱色し始めその後に黄色もしくは黄褐色へと変わっていきます。この加熱処理を正しく行うことでシトリンが人工的に作られます。ただし全てのアメジストが同じ変化を見せる訳ではなく、産地や個体によっても反応は変わります。

アメジストの石言葉と身に着ける意味

2月の誕生石の石言葉と意味

2月の誕生石であるアメジストの石言葉は「誠実・高貴・心の平和」などが挙げられています。

かつて聖徳太子の時代に冠の色によって階級を表わした「冠位十二階」が制定された際には、一番階級の高い「大徳」の地位に濃い紫色、その次の「小徳」に淡い紫色があてがわれましたが、この時から紫は高貴を象徴する色だったことが分かります。

アメジストは霊性の高い石とも信じられ、魔除けのお守りや数珠などにも用いられてきた歴史があります。また古代ギリシャ時代にはお酒の神バッカスとの伝説が信じられ、「アメジストを身に着けると酒に酔わない」とも言われてきました。ゴブレットなど杯(さかずき)の装飾にアメジストが多く見られるのも、この伝説が起因していると考えられます。

アメジストの歴史

アメジストは古来から近代に至る長い歴史の中で宝飾品としてもよく用いられてきました。この項目ではそのアメジストにおける歴史上の存在感をあのピラミッドで有名なエジプト、そしてかつて最上級のアメジストの産地であったロシアに関する話を交えて紹介したいと思います。

古代エジプトにおけるアメジスト

2月の誕生石と古代エジプトの歴史

今から3,000年以上前の紀元前1356年に生まれたとされる古代エジプトの有名な少年王ツタンカーメンのお墓が1922年に発見されましたが、お墓には様々な豪華な宝石や装飾品も一緒に眠っていました。

その中でよく知られているものは黄金のマスクや金箔のベッドなどですが、その中にはアメジストをあしらったものも少なくなく、その代表格がこのブレスレットです。

2月の誕生石とツタンカーメンの装飾品

このブレスレットには金・ラピスラズリ・カーネリアンなどが用いられ、中心には「スカラベ」に見立てたアメジストがあしらわれています。

スカラベというのは昆虫のフンコロガシのことです。日本ではその名前からちょっとネガティブな印象を持たれていますが、当時のエジプトでは日の出を司るケペラ神のシンボルとされていました。

これは当時のエジプトで、糞を丸めて転がすフンコロガシ(スカラベ)を見て太陽を運んでいると考えられていたことが由来で、このフンコロガシは日の出のシンボルとして様々な装飾品などにデザインされエジプトの至る所で見られるようになっていました。

そして古代エジプト第18代王朝のファラオ(王)として推定19歳という若さで亡くなったツタンカーメンのお墓にもアメジストで作られたスカラベのブレスレットが埋葬されたのです。

ロシアのアメジスト / 女帝

2月の誕生石を愛した女帝

光り輝く豪華絢爛なロシア皇帝の至宝の中にもアメジストは存在感を発揮しています。特にその中でもアメジストを好んだのが18世紀の女帝エカチェリーナ2世です。

紆余曲折を経て生粋のドイツ人ながらロシア帝国に女帝として君臨した彼女はその政治手腕だけでなく、その67年間の人生で12人もの愛人がいたことでも有名です。さらに無類の宝石好きだったとも言われており、時には数千人の鉱夫を雇ってウラル地方の鉱山を発掘させていました。

その鉱山ではアメジスト・トパーズ・アクアマリンなど様々な石が採れましたが、彼女の一番のお気に入りはアメジストだったと言われています。

2月の誕生石アメジストの希少性

ロシアで採れていたアメジストの中でも、特に濃い紫色をしたものはサイベリアン・アメジストと呼ばれることがあります。サイベリアンはシベリア(産)という意味ですが、特徴はその色の濃さだけでなく、内部に赤い閃光のような光が見えるのもその一つです。

今では既に採掘され尽くしたと言われていますが、このサイベリアン・アメジストのように少し青みがかった濃い紫色に赤い閃光が見えるアメジストはサイベリアンクオリティと称して高く評価されています。

ラベンダーアメジスト

2月の誕生石、アメジストの種類について

比較的濃い紫色をしていることが多いアメジストですが、淡い紫色のラベンダーのような色をしたアメジストはラベンダーアメジストと呼ばれています。

アメジストは紫外線の影響で色が変化することは既にお伝えしましたが、このラベンダーアメジストは自然の中で紫外線を浴びて濃い紫色が脱色していくことで生まれます。

このラベンダーカラーのアメジストの主な産地はマダガスカルやブラジルが有名です。特にマダガスカルでは良質のラベンダーアメジストが発掘されています。

現在では児童小説として有名な「赤毛のアン」にもアメジストは登場しています。孤児院から来たアンを引き取った老兄妹の一人であるマリラが一番大事にしている母の形見のブローチの周囲はこのアメジストで囲まれていたそうです。

このブローチを見たアンは「紫水晶(アメジスト)は大人しいスミレの魂のよう」と言ってその控えめな美しさを花のスミレに例えて表現しましたが、もしかするとこれは淡い色をしたラベンダーアメジストだったのではないかとも思えます。

ちなみにこのマリラのブローチのアメジストで囲まれた中心には亡き母の髪の毛が入っていたそうです。従ってデザインとしてはロケットペンダントのような開閉式になっていたのではと思います。

フィクション小説の中に書かれたアメジストの話に少し夢中になってしまいましたが、次は現実にあるちょっと意外な色をしたアメジストを紹介します。

グリーンアメジスト

2月の誕生石、アメジストの色について

前述しましたがアメジストには緑色をしたものもあります。これは「グリーンアメジスト」やギリシャ語で明るい緑という意味をもった「プラシオライト」と呼ばれます。

加熱処理することによって色を変えるアメジストですが、このグリーンアメジストは偶然から生まれた宝石と言われています。どんな偶然なのか?では時計の針を1953年に戻しましょう。

当時ブラジルで採れたアメジストを人工的に加熱処理しシトリンを作っていた時、偶然アメジストが緑に色を変えたそうです。アメジストがシトリンの黄色になるのは約420~450度ですが、この時の温度は650度だったそうです。

いつもより高い熱をたまたま人工的に加えたことによって偶然発見されたグリーンアメジストですが、シトリン同様に地中に埋まっている時にもマグマの熱などで自然に生成されるものもあるそうです。ただしそのような天然のグリーンアメジストはとても希少であまり市場に出回ることはないと言われています。

いずれにしてもアメジストを熱することで生まれるグリーンアメジスト、淡くとても優しい穏やかな色をしているものをよく見かけます。

アメジストの魅力

2月の誕生石、アメジストの魅力について

グリーンカラーのアメジストの紹介を行いましたが、一般的に言うとアメジストと言えば紫色をイメージする人が多いと思います。この濃淡様々なアメジストの色は間違いなく人々を惹きつける色であり、アメジストの魅力の一つです。

少し話を脱線させてミレニアムイヤーを目前に控えた1999年の話をします。この年に「冷静と情熱のあいだ」というイタリアを舞台にした日本人男女2人を主人公にした恋愛小説が出版されました。

この小説は男性のパートを作家の辻仁成・女性のパートを江國香織がそれぞれ執筆するという「1つの物語で2つの目線」を持ち、そのラブストーリーは人気を博しました。

「かつて恋人同士だった2人の主人公が若き頃に交わした約束」がどうなるのか、そして2人は…。気になる人はぜひ2冊の本を手に取っていただきたいと思いますが、その時にそれぞれの単行本のカバーが青と赤であることに気がつくと思います。

2月の誕生石の色と石言葉についての解説

「冷静の青」と「情熱の赤」、これは色の世界では最も有名ですが、この相反する2つを混ぜ合わせると紫ができます。冷静と情熱のあいだ、美しくもありながら同時に強さと儚さも感じるアメジストの魅力を表現するにはピッタリの言葉かもしれません。

紫という色は時々「情緒不安定・欲求不満・病的」などネガティブな印象で語られることがありますが、本当はそういう助けを必要としている人達を優しく惹きつけ癒してくれる色です。

最後に

2月の誕生石アメジストの解説

今回は2月の誕生石アメジストについてお伝えしてきました。天然石としても人気があり価格帯も様々です。高品質で美しく一見とても高価に見えるアメジストも実は手頃な価格で手を伸ばせば届くものが多いです。

古代ギリシャの伝説を伝えながらお酒好きな人にプレゼントするのも良いですし、天然石ブレスレットをハンドメイドして自分用にするのも素敵だと思います。

誠実・高貴・心の平和、アメジストの石言葉は私達がその人生を正しく、そして自分と誰かの為に生きていくのに必要なキーワードと重なっています。

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2月の誕生石、アメジストの素材紹介

2月の誕生石のアイテム一覧

このコラムで紹介している2月の天然石を使用したアイテムはこちらからご覧いただけます。

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