エメラルド|ハートをひらく愛の宝石

エメラルドの基礎知識

世界4大宝石のひとつであるエメラルド。エメラルドと聞くといつも真っ先にオズの魔法使いに出てくるエメラルド・シティを思い浮かべます。ミステリアスで偉大な魔法使いのオズが住む都で、物語の中では、そこにたどり着けば求めているものがすべて手に入る夢のような土地として描かれています。

初めて本物のエメラルドを見た時、なるほどこれは本当に夢の都だなぁと感じたことを覚えています。物語の教訓は夢でなくもっとリアリティのあるものですが、夢や幻想的なものの例えとして相応しい美しさをエメラルドは持っています。そしてそれははるか古の時分から人々が感じてきたことでした。今回はそんなエメラルドの世界をご案内いたします。

この記事の内容

エメラルドの鉱物データ

エメラルドの鉱物データ
英名Emerald
鉱物名ベリル
和名緑柱石
分類ケイ酸塩鉱物
化学式Be3Al2(SiO3)6+Cr
緑色
モース硬度7.5
劈開性不明瞭
屈折率1.57-1.58
結晶系三方晶系(六方晶系)
断口貝殻状-不平担状
条痕白色
比重2.71
光沢ガラス状
主な産地コロンビア等
石言葉「愛」「夫婦愛」「幸福」
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エメラルドとは

特徴

エメラルドの特徴と産地について

鉱物学的にエメラルドはベリルという鉱物に属します。ベリルにはいくつか種類があり、色合いによって呼び名が異なります。有名なところで、まずはグリーンがエメラルド、ブルーはアクアマリン、ピンクはモルガナイト、レッドはレッドベリル、といったものがあります。

アクアマリンやモルガナイトといった有名宝石も同じ種類だったなんて興味深いですよね。鉱物としてそれぞれ綺麗な発色と透明感を持っているものが実は同じ種に属していた、驚きつつも納得してしまいます。そしてグリーンのベリルがすべてエメラルドかというと、実はそうではありません。

境界線としては、含有されるクロムとバナジウムによってグリーンに発色したものをエメラルド、鉄が多くクロムが少ない状態でグリーンに発色したものをグリーンベリルと呼びます。しかしこの知識がなくとも、一般的にひと目で色味の違いが分かるので別の天然石だと理解できます。それぞれ、濃く鮮やかないわゆるエメラルドグリーンと、淡く優しげなグリーンをしています。

エメラルドの名前の語源はいくつもの変遷をたどってきました。諸説ありますが、古代ではグリーンの宝石をラテン語で「スマラグドス」と呼んでいたそうで、エメラルドもこう呼ばれていました。この言葉が変化していき、サンスクリット語の「スマラカタ」、ギリシャ語の「スマラグズ」と呼ばれるようになります。さらにこれらが「スマラルダス」という呼び名になり、古代フランス語の「エスメラルド」へとなりました。そして、現在呼ばれている英語の「エメラルド」へ落ち着いたと言われています。どれも「緑色の石」を意味しており、エメラルドがいかに古くから多くの人々に広く知られて愛されてきたかが分かります。

モース硬度について

エメラルドの硬度はモース硬度でいうと7.5~8となり硬い部類に入りますが、構造上クラックや内包物を多く含むため、衝撃に非常に弱く、欠けやすく割れやすいという性質があります。そのため、耐久性を強化して美しく発色するよう、オイル含浸処理がほどこされます。これを一般的にオイル処理と呼びます。天然のエメラルドはほとんどすべてと言っていいほどクラックや内包物があるため、一般に流通しているものは基本的にオイル処理がなされています。

これはどの天然石でも言えることですが、もともと持っている色味や輝きを最大限引き出すための手法であり、決して石の価値を下げるものではありません。そしてその技術は日々進歩しています。私たち宝石愛好家としては嬉しい限りですね。ちなみにこのように脆いエメラルドに一番相性の良いカットの仕方が、有名なエメラルドカットと呼ばれるものです。合理的なカット方法でありながら、エメラルドの上品さをさらに引き立てるシックなカットが産まれたのはもはや必然とも言えるでしょう。

では、オイル処理をしていない天然のままのエメラルドは無いのかと言ったら、あります。ノンオイルエメラルドと呼ばれ、非常に稀少価値が高く高価です。身につけるのは身近なエメラルドで十分美しくて楽しめますが、愛好家としてはノンオイルエメラルドなるものもぜひ、ひと目見てみたいですね。

産地について

エメラルドは北極大陸を除く6つの大陸から産出されると言われています。有名なところで、コロンビア、ザンビア、ブラジル、ジンバブエ、ペルーなどがあります。最大の産地はコロンビアのムゾー鉱山で、歴史ある有名鉱山です。しかし発掘作業が進むにつれてより奥深くまで掘られることで、人件費などのコストが年々かさみ、その価格も上昇傾向にあります。

ザンビアは1970年代に採掘が始まった新しい産地ですが、その品質は時としてコロンビア産に肉薄するものが産出されます。最大の特徴としては他と比べてインクルージョンが少なく透明度が高いことと、色むらが少なく全体的に綺麗な発色をしている点です。さらに価格もまだそこまで上がっておらず、手に入れやすいのです。エメラルドはその色味と内包物から産地が分かると言われるほど、採れた土地の個性を反映する宝石です。異なる産地のエメラルドをコレクションすることも楽しそうですね。

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歴史・言い伝え

エメラルドの歴史と言い伝え

エメラルドの歴史は古く、紀元前4000年以上前の古代エジプトですでに宝石として珍重されていました。その輝きから「緑の火」とも呼ばれ大切にされてきました。古代エジプトといえば、エメラルドをこよなく愛したクレオパトラが有名ですね。彼女は自身の名前がついた、クレオパトラ鉱山と呼ばれる鉱山を所有していました。宝石としてその美しさを愛でていたことはもちろんですが、古代エジプトに根付いていた、エメラルドに対する永遠の若さと不死の象徴というイメージを大事にしていたことが大きいです。

つまり緑色は不老不死の象徴でした。これは、復活と繁栄の神である古代エジプトの神オシリスが緑色で表現されていたことからも分かります。そしてそんな死者の世界を重要視していた古代エジプト人たちは、エメラルドに永遠の若さを象徴する常緑種の植物の模様を彫り込んで死者とともに埋葬したと言われています。死後の世界という壮大な概念の中でも重要な役割を果たしていたエメラルド、ため息が出るようなエピソードですよね。

古代ローマにおいては、なんと眼病に効果があると信じられていました。しかしこれはあながちデタラメでもなく、現代では緑色には、色彩心理学上、見る人に安心感やリラックス効果を与えることが立証されています。また科学的にも、人間の目が認識する色の中で一番見えやすい色(可視光線の波長のちょうど中間色である)なのです。目の病に直接作用するわけではないですが、眺めることで癒しの効果があることを古代ローマの人々は肌で感じていたのでしょう。

エメラルドの価値

エメラルドは一般的に高価な宝石ですが、その中でも色味と透明感によって価値が異なってきます。濃く鮮やかなグリーンを呈して透明感が高いほど価値が上がります。また、産地によっても左右されますが、これは好みも関係してくるので、総合的な品質が同じくらいであればあとはインスピレーションで決めるのも良いですよね。そういった意味では、違う角度から楽しめる個性をいくつも持つエメラルドにはそれぞれ替えがたい価値があると言えます。

エメラルドの石言葉

エメラルドの石言葉には、「愛」「夫婦愛」「幸福」「希望」などがあります。古来よりエメラルドには本能を理性的に制御して知恵を深くする力があると信じられてきました。エメラルドを身につけると知恵と忍耐力が備わり、そしてそれは愛情を長続きさせるために必要な資質でもあります。

そこから派生して愛や夫婦愛といった石言葉が産まれました。愛の宝石として有名なエメラルドですが、こうした由来があったのですね。また、永遠の若さや不死を象徴していたことから、未来へ続く希望や幸福に願いを込めたイメージももたらしています。

5月の誕生石としてのエメラルド

エメラルドは5月の誕生石

みずみずしい新緑の季節である5月の誕生石としてこの上なくぴったりな濃いグリーンのエメラルド。石言葉の意味でもある「愛」の宝石は特別な誕生石として大切にされてきました。また、希望や幸福の意味も持つため、これからの未来への明るい歩みを約束してくれる意味も込めた贈り物としても相応しい宝石です。

また、エメラルドの深いグリーンは日本人の肌や髪の色ととても相性がよく、和装にも合うと評価されてきました。そのため純粋に身につけるアイテムとしても使いやすくおすすめできます。

エメラルドの意味、効果

エメラルドの効果と意味について

エメラルドには持つ人の本当の心を開いて、人生に愛と祝福をもたらす効果があります。人はしばしば何かに没頭するあまり、本当に自分にとって大切なものがなにか忘れてしまうことがあります。例えば仕事での成功を求めるあまり、本当の自分の希望や願い、心の安定を犠牲にしても先に進もうとしてしまうことがあります。結果的に成功を手にしたものの、心で大切にしていたものたちはその過程で失われて、達成感よりも空虚感を感じることも少なくありません。

こんな時、エメラルドは、心の声を遮ろうとする成功への野心やノイズをなだめて溶かし、本当に心の奥底から自分が求めている情熱を見えやすくしてくれる力があります。成功を追い求めることが悪だと言っているわけではありません。心の熱さや豊かさをひとかけらも残さず走りきってしまうことが問題なのです。

エメラルドはそのバランスを上手くとってくれます。またさらに、熱いハートを持って周りに接し、人々を愛することで、まわりの人たちもその受けた愛をそのまた周囲へと広めていくようになり、最終的に愛の循環が生まれていきます。まずこちらから他者を愛することで愛が大きく拡がっていくという考え方は、近代心理学でも大きなテーマとなっており、この現代にとてもマッチすると思います。

テクノロジーがどれだけ発達しても、自ら愛することで得られる愛と情熱、豊かさの意味が変わることは無いでしょう。エメラルドはそんな大切なことを私たちに思い出させてくれて、この先もずっと示し続けてくれます。

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