クリソベリル|日々を輝かせてくれる宝石

クリソベリルの基礎知識

黄緑色に美しく輝くクリソベリル

長い歴史を持つ宝石ですが、クリソベリル自体の知名度は実はそれほど高くはありません。初めて聞く人もいるのではないでしょうか?

変種であるアレキサンドライトやクリソベリルキャッツアイがかなり有名なので、その影に隠れがちなクリソベリルですが、どの宝石もそうであるように、唯一無二の魅力を持っています。その特徴を見ていきましょう。

この記事の内容

クリソベリルの鉱物データ

クリソベリルの鉱物データ
英名chrysoberyl
和名金緑石(きんりょくせき)
分類酸化鉱物
化学式BeAl2O4(+Fe,Ti)
淡黄色〜黄緑色、緑色、褐色
モース硬度8.5
劈開性
屈折率1.746-1.755
結晶系斜方晶系
断口貝殻状
条痕白色
比重3.70-3.73
光沢ガラス状光沢
主な産地マダガスカル、スリランカ、ブラジル等
石言葉自然体、和、マイペース
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クリソベリルとは

クリソベリルの特徴

クリソベリルの特徴


鉱物学的には、クリソベリルはベリリウムとアルミニウムで構成されており、そこに含まれる各元素の量によって色調が異なります。多くのクリソベリルは透明ですが、そのほか黄色〜黄緑色、緑色、さらには褐色までバリエーションがあります。

黄色の発色は鉄が含まれることで表れますが、その量が多くなってくると濃い目の色調に移り、オレンジや褐色、さらにはチョコレートのような色を呈してきます。クロムが含まれるとグリーンの色調が増えて、輝きもよりあふれて見えます。クロムの量がさらに増えると、かの有名なアレキサンドライトへと変わります。様々な色味になれるクリソベリルですが、宝石として流通しているものは美しい黄緑色をしているものがほとんどです。

これにファセットカットをほどこすことで非常に美しく輝きます。これが一般によく目にするクリソベリルとなります。また、宝石には、本来持つ色味を引き出すために熱処理等を行う場合が多いですが、クリソベリルは処理をせず自然のままで使用される天然無処理宝石のひとつです。天然美人なのですね。

硬度については、モース硬度でいうと8.5となり、ダイヤモンド、コランダム(ルビーやサファイア)に次ぐ硬度を誇ります。さらに、ある方向で割れやすい性質の劈開性を持たず丈夫という長所があります。そのため古くからジュエリーのあしらいとして使われて愛されてきました。

元々の色味が美しく、丈夫でカットによって映える宝石なんて、ルビーやサファイアなどの有名貴石に引けを取らない素質ですね。鉱物学が発達するにつれてその性質が明らかになり、実はかなりのポテンシャルを秘めた宝石だと分かった時はきっと「主役級の宝石を見つけた!」と嬉しかったに違いありません。古来から宝飾品として愛されてきた歴史もそれを裏付けています。

名前の由来、和名

クリソベリルの名前の由来と和名

クリソベリル(Chrysoberyl)という名前は、ギリシャ語で黄金を意味する「クリソス(Chrysos)」に、宝石の種類である「ベリル(Beryl)」を合わせて名付けられたと言われています。ベリルという宝石にはいくつかの種類があって、色により固有の呼び名を持っているものがあります。

青ならアクアマリン、緑ならエメラルドが有名です。しかし実はこのベリルとクリソベリルは異なる鉱物であるということが後に判明しましたが、名前はそのままになっているというわけです。存在している時代が古いほど他の宝石と混同されることはよくあることで、クリソベリルも例外ではなかったということですね。

また、淡いグリーンから黄緑色をしているものはクリソライト(Chrysolite)と呼んでいたこともあったそうですが、その由来ははっきりと分かっていません。ペリドットを指しており、それと混同して使われていたという説が有力で、今ではクリソライトとはペリドットのこととして呼び名が統一されているそうです。

ややこしいですが、歴史ある宝石にはつきもののエピソードですね。しかしいずれも黄金を表すクリソスがついていることから、金のような色調と艶めきを持つ宝石と認識されていたのでしょう。それだけでもクリソベリルが当時から特別に美しい宝石だと見なされていたことが分かります。

和名は金緑石(きんりょくせき)といい、名は体を現すというか、非常に分かりやすいですね。クリソベリルは色々な色調を持ちますが、「緑」が入っていることを思うと、やはりクリソベリルの魅力を一番に伝えてくれる色は明るい黄緑色なのだと感じます。

いろいろなクリソベリル

クリソベリルの変種、クリソベリルキャッツアイ

冒頭でも触れたように、クリソベリルはその変種の方が非常に有名です。その筆頭がアレキサンドライトで、神秘的な変色効果を持つ稀少な宝石として知名度も高いです。同じくらい有名で稀少な変種に、クリソベリルキャッツアイがあります。その名の通りキャッツアイ効果を持っており、そのキャッツアイのラインは他の宝石のそれとは一線を画すきらめきがあります。

キャッツアイ効果を持つ他の宝石は、大体が〇〇キャッツアイと呼ぶのに対して、クリソベリルキャッツアイに関しては単に「キャッツアイ」と呼ぶことができます。この点からもクリソベリルキャッツアイが特別であるということが分かります。ちなみにクリソベリルキャッツアイは2021年に新たに2月の誕生石に仲間入りしました。バースストーンという特別な意味も持ち合わせて、ますますその価値は上昇しますね。

この2つほどの知名度はありませんが、パロットクリソベリルと呼ばれるものもあります。正確には変種ではなく、いわゆるコマーシャルネーム(流通名)なので、性質的にはプレーンなクリソベリルとなります。その色味が名前の由来となっており、蛍光性を感じるライムグリーンのクリソベリルをそう呼びます。

ちなみにパロット(Parrot)とは英語で鳥のオウムのことで、オウムの鮮やかな羽根の色に似ていることから名付けられました。通常のクリソベリルの黄緑色は全体的にややイエローよりの色味ですが、パロットクリソベリルはグリーンの要素が強く、さらに独特の蛍光性があります。クリソベリル自体の産出量は少ないわけではありませんが、パロットクリソベリルは非常に少ない産出量で、その少なさはアレキサンドライトやクリソベリルキャッツアイといい勝負です。

というのも、1997年から約6年の間というごく限られた期間にインドのチンタバリ鉱山で採掘されたもののみを指し、年々手に入りにくくなっているのです。とはいえ、鉱物としてはクリソベリルなので鑑定書にはクリソベリルとだけ記載されます。そのため産地の特定が出来ず、そのうちにネオン感のあるグリーンよりの黄緑色をしているクリソベリルには産地に限らずパロットクリソベリルの呼び名がつくようになりました。

しかしながらこの色調を持つクリソベリルは産出量が少ないので稀少なことには変わりありません。こんなにも変種のほうが有名な宝石もそうありませんよね。宝石の奥深さとロマンをひしひしと感じます。

産地

クリソベリルの産地は、スリランカ、ロシア、ブラジル、タンザニア、マダガスカル、モザンビーク、インドなどがあります。特にタンザニアではこれまでにない色のクリソベリルが産出されて人気が高まっています。

濃く青みがかったミントグリーンの色調はまるでエメラルドのようだと絶賛されています。古くからある宝石ですがいまだ新しい色が発見されていることは嬉しく、なんだかわくわくしますね。

歴史

古代から存在してきたとされていますが、他の宝石と混同されてきた時代が長く、いつ頃からあるのかははっきりと分かっていませんが、一世を風靡したのは19世紀でした。

天然のままで美しく、丈夫なのであらゆる加工に耐えられるクリソベリルをあしらった宝飾品が大流行しました。手を尽くした美しい一品を大事にすることはもちろん素敵ですが、日々の生活の中で身近に感じられるところに人々はクリソベリルの魅力を感じたのだと思います。

クリソベリルにまつわる伝説や逸話はアレキサンドライトなど変種のものが多く、プレーンなクリソベリルの特別なお話はあまり見かけないのですが、それ以上に毎日身につけるアイテムとして親しまれて愛されてきたことに歴史的な価値を感じることができます。

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クリソベリルの価値

アレキサンドライトなどの変種は非常に稀少価値が高く、それらと並ぶとどうしても地味な印象のクリソベリルですが、長い間身近な宝石として人々に愛されてきました。きれいにカットすることで美しく光り輝き、その存在感はほかの有名宝石にも劣りません。

価格としても手に入れやすいので、側に置く宝石としては高く評価することができるのではないでしょうか。色味によって値段に差が出るものの、スタンダードな黄緑色から新種のミントグリーンまで使いやすい幅であることもポイントですよね。

クリソベリルの石言葉

クリソベリルの石言葉と意味

石言葉には、自然体、和、マイペースなどがあります。クリソベリルが加工しなくても美しい宝石であることからこうしたイメージがつきました。さらに身近な宝石として使われてきた歴史から、「存在」という石言葉もあります。

なんだかすごいですよね。この単語が石言葉になっている宝石は他に出会ったことがありません。宝石はその神秘性ゆえに特殊な力や石言葉を持つものが多いですが、それ以前に、そこにあるだけで私たちにリラックスを与えてくれることは大きな意味があると思います。

クリソベリルのパワーストーンとしての効果

クリソベリルのパワーストーンとしての効果と浄化方法

クリソベリルには、あるがままにある、という意識を与えてくれる効果があります。周りの目や、こうあるべきでならない、といった他者からの評価や過剰な自意識を取り払い、自然体でいていいと気づかせてくれます。

現代には、相手の反応や自分の言動を気にしすぎて自分らしく振る舞えなかったり、コミュニケーションに自信がなく恐怖を感じるという人が増えています。そんな不安な時、クリソベリルに向き合うことで落ち着きを取り戻し、相手を気にしすぎず、思い切って自分らしく踏み出した方が上手くいくと勇気づけてくれます。

自分のペースで物事を進めたい時や緊張して気持ちが堅くなっている時にそばに置いておくことで、常に心地よくリラックスした状態で過ごすことができます。

クリソベリルを身につける意味

クリソベリルを身につけることで、日々の生活の中で忘れがちな大切な価値観を思い出させてくれます。

自然体でいることの美しさ

クリソベリルは、加工されなくてもその美しさを放つ、自然のままで完璧な存在です。これは、私たち自身も、飾り立てることなく自然体でいることの美しさを示しています。誰かになろうとするのではなく、ありのままの自分を受け入れ、それを外界に示す勇気をクリソベリルは私たちに与えてくれます。

心の平和を保つ

「和」は、内外の調和を意味します。クリソベリルを身につけることは、心の中で平和を見つけ、それを周囲の世界と共有することを象徴しています。日常生活の中で遭遇する様々なストレスや対立に直面しても、内なる平和を保つことで、それらの状況に対しても穏やかに、そして効果的に対処することができます。

マイペースに生きる

現代社会は速さと効率を重んじる傾向がありますが、クリソベリルは私たちに「マイペース」で生きることの大切さを思い出させてくれます。自分自身と他者とのペースを調和させることで、ストレスを減らし、より充実した人生を送ることができます。

ここに「存在」するということの力

クリソベリルは、単に存在すること自体が私たちに大きな力を与えてくれることを教えてくれます。自分がここにいること、この瞬間を生きていることに意味があるのです。その事実を認識し、受け入れることで、私たちは自己の価値を再確認し、生きる勇気を得ることができます。

クリソベリルの浄化方法

硬度と耐久性の高いクリソベリルは普段そこまで気にしてあげることはありません。そのため特にNGな浄化方法もないので、お好みの方法でお手入れしてみて下さい。自分らしくストレスフリーに乗り切ることが出来たと感じたときには丁寧に浄化してパワーチャージしておきましょう。

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