
一昔前まで、オニキスは黒い個体で縞模様がある瑪瑙だけをそう呼んでいました。ですが、今日では解釈が広がり、よりオニキスの世界や魅力も広がっていっているのはご存知でしょうか。
歴史的にもとても愛用されてきた天然石としてオニキスは有名です。オニキスの特徴や歴史だけでなく、カラーリングなどの情報も踏まえながら、オニキスの魅力に迫っていきましょう。
オニキスの鉱物データ

英名 | onyx |
和名 | 縞瑪瑙 |
分類 | 酸化鉱物 |
化学式 | SiO2 |
色 | 黒 |
モース硬度 | 6.5-7 |
劈開性 | - |
屈折率 | 1.53-1.54 |
結晶系 | 三方晶系 |
断口 | 不平坦状~非常に鋭い貝殻状 |
条痕 | 白色 |
比重 | 25.5-27 |
光沢 | ガラス状~樹脂光沢貝殻状 |
主な産地 | ウルグアイ、ブラジル等 |
石言葉 | 「厄除け」「成功」「夫婦の幸福」 |
オニキスの特徴について

オニキスは瑪瑙(メノウ)と呼ばれる鉱物の一種です。本来ですと「縞模様のある瑪瑙」がオニキスの定義です。しかし近年では、縞模様のない単色の瑪瑙のことも含めてオニキスと呼ぶことが多くなってきています。
とても深い黒色のオニキスがとても有名ですが、他にも白や緑、青、グレー、赤、黄色のオニキスもあり、カラーバリエーションも豊富です。また、オレンジや赤で縞模様のあるオニキスのことをサードオニキスと呼びます。
サードオニキスと呼ばれるオニキスの一種は8月の誕生石にも指定されていて、コレクションとしてもアクセサリーとしても、または大切な方へのプレゼントとしても人気です。
オニキスの名前の由来
オニキスは古代のギリシャ語やラテン語で「爪」を意味する言葉が由来です。指の爪に似ていることからそうした名前になったと伝えられています。日本では、「縞瑪瑙」という呼び名で昔から親しまれてきました。
オニキスの主要な産地
オニキスの主要な産地はブラジルやウルグアイといった南米です。
オニキスの硬度
オニキスのモース硬度は「6.5から7」ほどです。オニキスは衝撃には弱く、欠けやすいので、何かにぶつけたり落としたりしないように気をつけながら扱っていきましょう。
オニキスの歴史

伝説や神話の中にもオニキスは登場します。特に有名な逸話は、以下のようなものです。
眠っているビーナスの指の爪をキューピットが弓矢で射落として、その地面に落ちた爪をそのまま地面に散りばめていたことがあったそうです。爪は体から離れ落としたとしても、元はビーナス、つまり、神様の体の一部だったもの。ですので、決して死ぬことはありません。それらの落ちている爪が川底に沈んでいったところ、宝石に姿を変えて、「オニキス」になったという逸話です。オニキスの定義も、時代によって変わっていきました。ギリシャ時代のオニキスの定義では、ほとんどのカルセドニーがオニキスとしてみなされていました。
さらに時代が降っていき、ローマの人たちからは、黒と茶色のものをオニキスと呼ばれるようになっていきます。古代のローマの人たちはオニキスを浮き彫りの宝石であるカメオに使用したり、今日で言うところのサードオニキスをロウにくっつかない印章として使用したりしていました。将軍の中にはサードオニキスを気に入って、普段使いのアクセサリーとして身につけていた人もいたほどです。
また、旧約聖書にもオニキスは登場しています。祈りを捧げるときにつかうロザリオにオニキスが使われてきました。今日では縞模様のあるものではなく、縞模様のない単色の瑪瑙もオニキスと呼ばれます。さらに、色付きの瑪瑙や色付き縞模様の瑪瑙も「○○オニキス」といったような感じでオニキスの名前が付されているのが現状です。
オニキスと見た目が似ている天然石
オニキスと見た目が似ている天然石として、「ブラックスピネル」や「ブラックトルマリン」「モリオン」などがあります。どの石もパッと見た感じではオニキスにとてもよく似ていますが、比重やモース硬度、光沢、質感、インクルージョンなどを確認して見分けていくことが多いです。各天然石の細かい特徴を知らないと見分けることは難しいといわれています。
オニキスの石言葉

オニキスの石言葉は「厄除け」や「成功」「夫婦の幸福」です。特に「厄除け」の石言葉がオニキスの石言葉として、とてもよく知られています。
オニキスのパワーストーンとしての効果
オニキスのパワーストーンとしての意味や効果は「魔除け」です。中途半端な魔除け効果ではなく、大変強力な魔除けの効果を発揮します。強力に魔を避け、邪気を払うパワーストーンとして古くから使われてきました。オニキスを身につけることで強力なバリアが周りに張られ、持ち主を悪いことから守ってくれると考えられています。
とても強力に跳ね返していくことで、持ち主に正しい判断をさせる意志力を身につけるパワーストーンとしても有名です。ですので、誘惑を断ち切り何か意思を貫きたい時に、オニキスを身につけるのも効果的です。悪いことが重なったり、何かを断ち切りたいときだったり、自分の意志を貫きたい時にオニキスは絶大な効果を発揮するでしょう。
そのため、「成功」や「夫婦の幸福」といった悪いことがなくなった上でもたらされる幸福にも、オニキスはとてもゆかりのあるパワーストーンです。
オニキスを身につける意味
魔除けとしての強力な力
オニキスは、非常に強力な魔除けの効果を持つとされています。この石を身につけることで、周囲に強力なバリアが形成され、持ち主をネガティブなエネルギーや悪意から守ります。古来より、邪気を払い、悪いエネルギーから身を守るためのアイテムとして用いられてきました。
意志力の強化
また、オニキスは持ち主に正しい判断をさせる意志力を身につけさせるとも言われています。誘惑に打ち勝ち、自分の意思を貫きたい時、オニキスは大きなサポートを提供します。この石は、困難な状況の中でも自分自身を見失わない力を養うのに役立ちます。
成功への導き
オニキスが象徴する「成功」は、単に物質的な豊かさだけでなく、人生の様々な局面での克服と成長を意味します。この石は、目標達成や夢の実現へ向けた道のりにおいて、持ち主に自信と勇気を与えてくれます。
夫婦の幸福
夫婦間の強い絆や永続する幸福を願う際にも、オニキスは大きな力を発揮します。この石は、関係の調和と安定を促し、お互いを深く理解し合うためのサポートしてくれます。
オニキスの種類
オニキスには、黒いオニキス(ブラックオニキス)がとても有名ですが、他にも以下のようなカラーリングのオニキスがあります。
・ホワイトオニキス
・グリーンオニキス
・ブルーオニキス
・グレーオニキス
・レッドオニキス
・イエローオニキス
カラーリングが変わることで、パワーストーンとしての効果が変わることも多いです。上記のオニキスについても簡単にご紹介していきましょう。
ブラックオニキス

もっともポピュラーなオニキスがこのブラックオニキス。真っ黒な見た目はとても個性的で素敵です。また強力な魔除けとしても有名です。単に「オニキス」という場合には、このブラックオニキスが当てはまります。
ホワイトオニキス

真っ白な見た目のオニキスが「ホワイトオニキス」です。魔除けとしてだけでなく、「友情の石」とも呼ばれ、感情の昂りを抑え、人間関係を円滑にする石でもあります。
グリーンオニキス

瑪瑙の色付きのものとして、「グリーンオニキス」があります。上品な色合いがとても素敵な宝石です。「繁栄」や「成功」をもたらすパワーストーンとしても有名です。
ブルーオニキス

「よき知らせ」という石言葉をもつブルーオニキスは、良い出会いをもたらすパワーストーンだといわれています。ブルーオニキスにはネイビーブル―単色の個体と、そこにさらに白い縞模様が入る個体とがあるのも特徴的です。どちらの個体も宝石としてもとても人気ですし、美しい色合いなので鉱物として鑑賞してもとても趣があります。
グレーオニキス

落ち着いた色合いで大人の雰囲気のあるグレーオニキス。黒でもない白でもない色合いとうっすらと透けている点もとても魅力的な宝石です。「チャンスを掴む」という石言葉もあるため、チャンスを掴みたい時期にそばに置いておくのも良い宝石でしょう。
レッドオニキス
深い赤色と見る角度によってその濃さが違う点も魅力なのが「レッドオニキス」です。見ていて飽きない宝石だといえるでしょう恋愛のパワーストーンとしても有名。人によって可愛い見た目という方と、情熱的な激しい色合いだという方とがいるほど、その人の心情によって感じ方が変わる宝石でもあります。
イエローオニキス
爽やかな色合いが特徴的なのが「イエローオニキス」です。爽やかな黄色なので、アクセサリーとして身につけても、ほかの色の宝石とも相性が良いので使いやすいでしょう。
宝石としてだけでなく、鉱物として鑑賞する際にも、オニキスの各カラーリングを並べた時にもこのイエローオニキスはとても目立ちますので、鉱物の魅力によりグッと引き込まれます。
オニキスのまとめ
強力な魔除けとしてパワーストーンの側面からとても歴史的に使用されてきたオニキス。今では、解釈も拡大し、カラーリングも増え、よりオニキスの魅力が増してきていると言えるでしょう。
オニキスはアクセサリーとして身につけるだけでなく、鑑賞したり、コレクションしたり、鉱物の知識として調べていくのも、とても楽しい天然石です。オニキスの特徴的な縞模様も含めれば、同じものが1つとしてない点も、オニキスを楽しむ上でとても面白いところなのではないでしょうか。
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