カルサイト|生活に深くかかわる天然石

ストーンのショップをのぞくと、さまざまなカラーのカルサイトが取り扱われています。また、パワーストーンにくわしくない人も高級石材の「大理石」をご存じでしょう。大理石はカルサイトの結晶が集合したものなのです。

バリエーション豊かなカラー以外にも、割れると破片が菱形になることや、石を通して見ると文字などが二重になるなど面白い特性を持つカルサイト。この記事では、カルサイトの成分や産地、パワーストーンとしての意味などについてもくわしくご紹介します。

この記事の内容

カルサイトの特徴

カルサイト(方解石)の特徴とカルサイトという名前の由来

カルサイト(Calcite)は、石灰岩の主成分となる「炭酸カルシウム」が結晶化した鉱物で、カルサイトという名前は、ラテン語の「calcite(石灰)」が由来です。またカルサイトの和名は「方解石」。カルサイトが菱形の結晶が集まって構成されているためにこう呼ばれています。もともとはアンハイドライト(硬石膏、こうせっこう)を「方解石」と呼んでいましたが、いつの間にかカルサイトが「方解石」と呼ばれるようになりました。

カルサイトの純粋なものはガラスのような光沢をもち、色は無色~半透明です。マンガンやニッケルなどを含むことでさまざまなカラーが生まれ、「ピンクカルサイト」や「グリーンカルサイト」と呼ばれます。また冒頭でもお伝えしたように、半透明の石に黒などのマーブル模様を持つ「大理石」もカルサイトの一種です。その見た目の美しさゆえに高級な床材やカウンターの素材としても人気があります。

カルサイトは、建材にも使われているため、さぞ硬度も高いのだろうと思われがちですが、実はもろく、硬度は3前後で、ハンマーなどで簡単に割れる特性を持っています。「劈開(へきかい)性」があり一定方向からの刺激を受けると菱形の破片に割れるのです。

またカルサイトのもうひとつの特性は「複屈折(ふくくっせつ)」と呼ばれ、透明度が高いカルサイトを通して文字などを見ると、手ブレを起こしたように文字が二重に見えます。この特性を生かして、羅針盤がなかった時代にはコンパスの代わりとして使われていました。現在でも透明度や純度が高いカルサイトは光学用に使われています。

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カルサイトの種類

カルサイトは含有物によって、石の色がさまざまに変化するもの面白い特徴のひとつです。
主なカルサイトのカラーと、含まれている成分をご紹介します。

グリーンカルサイト

カルサイトの色、緑色の方解石はグリーンカルサイトと呼ばれる。

淡い緑のカルサイトには、ニッケルがふくまれています。グリーンカルサイトは流通量が少なく希少な天然石です。 色合いはパステル調の美しいグリーンカラーで、特有のストライプ模様が見られるものもあります。

ブルーカルサイト

カルサイトの色、青色の方解石はブルーカルサイトと呼ばれる。

ストロンチウムを含んだカルサイトは淡いブルーに発色します。ブルーカルサイトも流通量の少ないカルサイトで、うっすらと透明感を持ったストライプ模様が特徴的です。

ピンクカルサイト(マンガンカルサイト)

カルサイトの色、ピンク色の方解石はマンガンカルサイトまたはピンクカルサイトと呼ばれる。

淡いピンクのカルサイトは別名「マンガンカルサイト」と呼ばれることもあり、その名のとおり、マンガンが含まれています。マンガンカルサイトもストライプ模様が入ります。

コバルトカルサイト

カルサイト、方解石の色と種類の解説。コバルトカルサイトとはどんな天然石か。

ピンクカルサイトよりもはっきりした紫がかったピンク色のカルサイトはコバルトを多く含んでいます。コバルトカルサイトは希少性が高く、ヒーリングストーンとしても人気の高い天然石です。

ゴールデンカルサイト(ハニーカルサイト)

カルサイトの色、オレンジ色の方解石はゴールデンカルサイトと呼ばれる。

イエローカルサイト、オレンジカルサイトとも呼ばれる、イエロー系のカルサイトは鉄分を含んでいる証です。イエローカルサイトは淡い黄色ですが、オレンジカルサイトは、はっきりとした発色になります。ゴールデンカルサイトは、はちみつのようにとろりとした深みのあるオレンジが特徴です。

カルサイトの産地

カルサイトは、中国やペルー、アルゼンチン、アフガニスタン、メキシコ、ブラジルで多く産出されています。産出される鉱山によってカルサイトのカラーが異なります。

またアイスランドでも無色透明の結晶が産出されており、特に純度が高いものに関しては、「アイスランドスパー」「オプティカルカルサイト」と特別の名称を与えられています。日本でもカルサイトの産出は古くから知られていますが、現在では「大理石」として使用されるものが多くなっています。

カルサイトの仲間

カルサイトには、同じ成分を含む仲間があります。
・マグネサイト(ハウライト)
・ロードクロサイト(インカローズ)

はいずれも、石灰質でできている鉱物です。

・アラゴナイト
アラゴナイトは、スペイン・アラゴン地方で見つかった鉱物です。石灰質の成分は、カルサイトと同じものですが、結晶構造がことなるため、「同質異像」として別の種類に分類され、カルサイトとは「親戚」にあたる石とされています。カルサイトの仲間に当たる石は、どれも成分が同じなのに、含まれている成分によってさまざまなカラー展開があるのも面白いですね。

・水晶(石英)
透明度が高く、不純物が少ないカルサイトは、よく水晶と間違えられることがあります。しかし、カルサイトと水晶ではまったく別の鉱物のため、うっかりと間違えないように注意が必要です。見分けるコツは、鉱石を通して文字などを見たときに、二重に見えるか見えないか。二重に見えた場合は、その鉱石がカルサイトである証拠です。

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カルサイトの石言葉・意味・効果

カルサイトの石言葉・意味・効果について。方解石にはどんなの石言葉・意味・効果があるのか。

さまざまなカラー展開があるカルサイトですが、その石言葉はすべてのカラーで同じです。
・繁栄
・成功
・希望
・調和
・安定

といずれも「前向きで新たな可能性を引き出す」石であるといえます。

カルサイトの効果

石言葉は、カルサイト全般で同じポジティブな言葉が並びますが、石の効果としてはカラーによって少しずつ変わってきます。

無色透明・白浄化力、集中力・記憶力、瞑想や考え事
イエロー・ゴールド金運、成功と繁栄、希望、前向き
オレンジ体内エネルギーの活性化、ポジティブ思考
ピンク恋愛運アップ、ロマンチックな夢、平和
グリーン心のバランス
ブルー円滑なコミュニケーション

カルサイトの用途

カルサイト、方解石の用途と取り扱い

カルサイトは、純度が高いものは光学用の偏光板などに使用されており、石灰岩としてはセメントや建築、鉄鋼など産業用にも用いられています。

さまざまなカラーのカルサイトは、アクセサリー用途としてカボションカット加工やビーズ加工が施されて、ブレスレットやペンダントヘッド、ハンドメイドの素材として広く使用されています。

非常にもろい石のため、アクセサリーにする場合にも、ほかの石や金具によって傷がついたり欠けたりしないようにクッション材を挟むなどの配慮が必要です。パワーストーンとして浄化する場合には、紫外線と水に弱いため、クラスターやセージを使っての浄化や月光浴でやさしくカルサイトを休めてあげましょう。

まとめ

まとうカラーはさまざまでも、その内部には「前進」のパワーを秘めているカルサイト。大航海時代以前から人々の暮らしに役に立ってきたカルサイト。石の意味はいずれも前向きな言葉ばかりなのに、カルサイト自体は非常にもろく、カラーもやわらかいものが多いのは、興味深いですね。

その時の気持ちや状況で、どのカラーのカルサイトを選んだとしても、カルサイトが持つ言葉の意味は「前向き・可能性」ととてもポジティブなものです。主成分が炭酸カルシウムであるため、衝撃と水に弱いことだけは留意して、カルサイトを身近に取り入れましょう。

カルサイトの鉱物データ

英名Calcite
和名方解石
分類炭酸塩鉱物
化学式CaCO3
無、白、灰、黄、橙、桃、青、緑、褐色
モース硬度3
劈開性3方向に極めて完全
屈折率1.48-1.66
結晶系六方晶系(三方晶系)
断口ひし形
条痕無色
比重2.69-2.82
光沢ガラス~真珠状
主な産地中国、ペルー
石言葉繁栄・成功・希望・調和・安定
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