アンデシン|チベットで生まれた神秘的な「赤」

「アンデシン」というジェムストーンを知っていますか?チベットで古来から聖なる石として珍重されてきた神秘的な赤い石は、独特の美しさで多くの愛好家から注目されつつあります。今回は、人気急上昇中の天然石「アンデシン」についてご紹介したいと思います。

この記事の内容

アンデシンの基礎知識

アンデシンの基礎知識
アンデス山脈

アンデシンには「中性長石(ちゅうせいちょうせき)」という和名があります。長石とはカリウムやナトリウムなどの元素で構成された鉱物を指し、サンストーンやムーンストーンなど多くの天然石が長石に分類されています。硬度は6.0~6.5とされており、ムーンストーンやラブラドライトと同程度です。極端に硬度が低いということもなく、比較的扱いやすい石といえるでしょう。しかし割れやすい性質も持っているため、落下やぶつけるなどの衝撃を与えるのは禁物です。

アンデシンが世界に流通しだしたのは比較的最近のことですが、原産地であるチベットでは、古くから聖なる石として聖職者が儀式やお守りとして用いてきました。そのため、アンデス山脈に因んだ「アンデシン」という名前以外に「チベットナイト」や「チベットサンストーン」と呼ばれることもあります。アンデシンの名が世界に知られるようになったのは、2008年の北京オリンピックがきっかけでした。公式ストーンとして掲げられた神秘的な赤い宝石は、世界中のコレクターや宝石愛好家の目をくぎ付けにしました。

kenkengems.com
アンデシンの基礎知識
アンデシンの天然石アイテムを多数掲載しております。
国内最大級の品揃え!天然石卸 kenkengems.com 

アンデシンとラブラドライトの関係

アンデシンの産地の解説
アルバイト(曹長石)

アンデシンの産地はチベットが有名ですが、それ以外にも中央アフリカのコンゴ共和国や南アフリカ、モンゴルなどで産出されています。さまざまな場所から産出されたアンデシンが流通していますが、その中で「アンデシンラブラドライト」として販売されているものを見たことはないでしょうか?ラブラドライトといえば青灰色の神秘的な輝きが印象的な天然石ですが、実は浅からぬ関係があるのです。

色合いや光沢の違うラブラドライトの名称をアンデシンと並べている理由は、石を構成する物質の分類に由来があります。長石は鉱石の中でも最も分布が広く、その中でいくつかのグループに分けられています。アンデシンとラブラドライトは「斜長石(プラシオクレース)」というグループに属します。そして、斜長石の中でもナトリウムの多いほうを「アルバイト」、カルシウムの多いほうを「アノーサイト」と呼ぶようになりました。

アンデシンはアルバイトに、ラブラドライトはアノーサイトに属していますが、過去の分類方法ではこの二つは非常に近い位置にありました。そのため見た目で判断がつきづらいものを、流通の都合上「アンデシンラブラドライト」と名付けて販売するようになったというわけです。

パワーストーンとしてのアンデシンの効果

アンデシン、パワーストーンとして

アンデシンは比較的新しい天然石ですが、古くからチベットの聖職者たちによって、祭祀やお守りに使う石として珍重されてきました。パワーストーンとしてのアンデシンは「変化と調和」というふたつのエネルギーを併せ持つ石言葉を持っています。新たな価値観や環境を身につけるための決断や、物事を冷静に判断できるよう導いてくれるとされており、人生をサポートしてくれる石としても人気があります。また、パワーストーンとしてのアンデシンは、以下のような石と相性が良いといわれています。

・ムーンストーン

女性の体内リズムを整えてくれるというムーンストーンは、青みを帯びた神秘的な乳白色が印象的。アンデシンと組み合わせることで、身体の循環を向上させるといわれています。

・ラブラドライト

インスピレーションを高めてくれるといわれているラブラドライトは、アンデシンと非常に近い構造の石です。そのためパワーストーンとしても相性が良いといわれています。

・水晶

水晶は他のパワーストーンの力をより高めてくれるとされており、アンデシンとも相性が良いといわれています。アンデシンの温かみのある赤色は他の石とも馴染みやすく、男性の使うアクセサリーにも違和感なく組み合わせられます。組み合わせによってナチュラルにもゴージャスにもデザインできるのが、アンデシンの魅力といえるでしょう。

アンデシンの持つ意味

アンデシンは多くの意味も持つ石でもあります。ここではバランスと調和目標達成新しい可能性という3つの意味について詳しくご説明しましょう。

バランスと調和

アンデシンは、人生のバランスを取り戻し、足並みを揃える意味があります。日々感じるストレスや混乱の中で、一度心を落ち着けて気持ちを整理してくれる石です。感情の波を穏やかにし、心身のバランスを整える力があると言われています。

目標達成

目標達成への道のりには困難なこともありますが、アンデシンはその過程をサポートしてくれる石です。持ち主に自信と勇気、目標に向かって前進するためのエネルギーや強い意志を与えてくれます。アンデシンは、夢や目標を実現するための心強いパートナーとなるでしょう。

新しい可能性

また、アンデシンは新しい可能性を開く石としても知られています。未知の領域への冒険心を刺激し、新しいことへの挑戦を応援してくれます。新たな視点を与え、人生の新しい道をスタートする勇気をくれる石です。

アンデシンの種類

現在、最も多く流通しているアンデシンは落ち着いた赤褐色や赤色のものですが、それ以外にもさまざまな色合いのアンデシンが産出されています。ここでは、その一部をご紹介したいと思います。

レッドアンデシン

アンデシンの種類について

現在、最も多く産出されているのがレッドアンデシンですが、そのカラーバリエーションは非常に多岐に渡っています。透明感のある薄赤色からワインのようなこっくりとした深みのある赤褐色まで、さまざまな色合いのものが流通しています。チベット産の赤褐色のものが特に珍重される傾向がありますが、ひとつとして同じものがないのが天然石ならではの特徴です。インクルージョンの入り方や微妙なカラーリングを楽しめるのも、ポイントといえるでしょう。

イエローアンデシン

アンデシンの特徴について

イエローアンデシンの特徴は、光の反射や散乱によってあらわれる白っぽい光です。これはシラー効果といい、ムーンストーンなどでも同じ現象がみられます。決して派手な石ではありませんが、やわらかくとろりとした光沢を放っています。ネックレスやブレスレットで他の石と組み合わせても肌馴染みが良く、アクセサリーをデザインするうえで非常に重宝する石のひとつです。

kenkengems.com
アンデシンの特徴と意味
アンデシンの天然石アイテムを多数掲載しております。
国内最大級の品揃え!天然石卸 kenkengems.com 

バイカラーや変色効果があるものも

アンデシンは多色性を持つ

アンデシンの中でも希少なのが、ひとつの石のなかに複数の色がグラデーション状になっているバイカラーです。穏やかなゴールドからビリジアングリーンへ変化するものや、深みのある赤褐色の中にグリーンが浮かぶものなど、見ているだけで引き込まれそうなものばかり。質の高いものや、より美しいグラデーションのものほど高値で取引されています。

希少性の高いアンデシンとしてもうひとつ挙げられるのが「カラーチェンジアンデシン」です。これは光の入り具合や明るさによって、色が変化して見える変色効果を持つアンデシンのことで、アレキサンドライトやガーネット、トルマリンなどにも同じ効果がみられます。白い紙の上では淡いグリーンだったものが黒い紙の上ではピンクに見えるなど、がらりと違った表情を見せるのです。

産出量がさほど多くないアンデシンの中でも、バイカラーやカラーチェンジアンデシンはさらに希少性が高くなります。なかなか出回るものではありませんが、その神秘的な輝きのとりこになってしまう人が多いというのも頷けますね。

天然石素材としてのアンデシン

アンデシンの石言葉

アンデシンは「変化と調和」という石言葉を持ち、パワーストーンブレスやアクセサリーの素材としても人気の石です。石言葉の通り、他の石ともうまく調和してくれる温かみのある色合いを活かしてさまざまなアクセサリーをデザインしたいところですが、いくつか気を付けておきたいポイントもあります。

先述のとおり、アンデシンは硬度6.0~6.5とさほど柔らかい石ではありません。しかし層状構造になっていることから「劈開性」という縦に割れやすい性質を持っています。普段使いであればそこまで心配はありませんが、硬度の高い石との組み合わせには注意が必要です。

天然石共通の特徴でもありますが、紫外線や水分は退色を引き起こす要因のひとつです。直射日光を避けて保管し、定期的に柔らかい布などでお手入れするようにしましょう。

アンデシンのモース硬度

アンデシンのモース硬度は6から6.5とされています。天然石の中では中程度の硬度をもっているので、安心して日常使いができると思います。

とはいえ、ジュエリーや装飾品は他の石や硬い物質との接触は避けて保管することが推奨されます。できれば柔らかい布などで包んで保管すると、傷から守ることができます。

汚れが気になるときなどは、石鹸水で優しく洗い、柔らかい布で拭き取る方法が適しています。強い化学薬品や研磨剤は避け、自然な輝きを維持するために定期的なメンテナンスをしましょう。

まとめ

ひとつひとつ違う表情を持つアンデシンは、アクセサリー素材やパワーストーンとして多くの方に愛されているジェムストーンです。その柔らかな色合いは、心を落ち着けて優しい気持ちにしてくれそうですね。

デザインのインスピレーションを無限に広げてくれるアンデシンの世界に、あなたも触れてみませんか?

アンデシンの鉱物データ

英名Andesine
和名中性長石(ちゅうせいちょうせき)
分類ケイ酸塩鉱物
化学式(Na,Ca)Al1-2Si3-2O8
赤、緑、黄、橙、灰、無色
モース硬度6-6.5
劈開性完全
屈折率1.54-1.55
結晶系三斜晶系
断口凹凸-貝殻状
条痕白色
比重2.66-2.68
光沢ガラス光沢~真珠状
オンラインストア
アンデシンの素材

アンデシンのアイテム一覧

このコラムで紹介しているアンデシンの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

表示するURL:https://www.kenkengems.com/?mode=cate&cbid=712996&csid=0

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

KenKenGems Logo image
KenKenGems Logo image

この記事の内容