アマゾナイト|強く美しき女戦士の宝石

「アマゾナイト」という石をご存知でしょうか?

天然石がお好きであれば、一度は耳にしたことがある名前だと思います。アマゾナイトの実物や写真を見たことがあれば、その美しい青緑色に魅了されることも少なくないでしょう。今回は、そんなアマゾナイトの魅力をご紹介していきたいと思います。

この記事の内容

アマゾナイトの特徴、歴史にみる魅力

アマゾナイトの特徴と意味や効果を解説

アマゾナイトとは

アマゾナイトは、フェルスパー(長石)グループの中のマイクロクライン(微斜長石)という種類に属しています。

フェルスパーは地球上でもっとも多く存在しており、ほとんどの岩石に含まれる鉱物です。アマゾナイトは、マイクロクラインの中でも青緑色のものを指す言葉です。

アマゾナイトは世界各地で産出されていますが、有名な産地はロシア、モザンビーク、ブラジル、ペルーなどになります。最近ではこれらの産地の他、インドでも産出されるようになりました。 特にペルー産のアマゾナイトは質が高いものが多く、非常に人気です。

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アマゾナイトの特徴

アマゾナイトの模様について説明

アマゾナイトの特徴は、なんといってもその美しい青緑色。

アマゾナイトの色は、完全に水色のものから緑色に見えるものまで幅広いですが、もっとも多く見られるのが青みがかった緑のものです。青緑色に発色する原因は、マイクロクラインに含まれる微量の鉛イオン。また、この青緑の地色の上には、アルバイト(曹長石)と呼ばれる、マイクロクラインとは系列の異なるフェルスパーが白い縞模様を形作っています。

この構造を「パーサイト」と呼び、翡翠やトルコ石などの色合いが似た石と区別するポイントとなります。フェルスパーは世界中で産出される鉱物ですが、この色合いとパーサイトの組み合わせが生まれる条件は限られており、それがアマゾナイトの産地が限定される要因となります。

ごくまれに、このパーサイトが肉眼で確認できないぐらい小さいアマゾナイトが産出することがあり、翡翠やトルコ石のように見えることもあります。そういったアマゾナイトは「アマゾン・トルコ」や「アマゾン・ジェード」などといった名前で市場に出回ることもあります。

アマゾナイトの名前の由来

アマゾナイトの由来、産地の解説

アマゾナイトとは、その名が示すとおり「アマゾンの石」を意味します。日本では「天河石(てんがせき)」という、アマゾン川をイメージした名前が付けられています。

アマゾナイトはアマゾン川に関連した名前となっていますが、実際のところ、アマゾン川の周辺では見つかっていないのです。ではなぜ「アマゾナイト」という名前になったのか?その由来は2つの説があります。

宝石商の勘違い説

アマゾナイトの名前の由来は勘違いから?

アマゾン川から遠く離れた鉱山で青いフェルスパーを手にした宝石商がいました。この宝石商は、そのフェルスパーの出所を探してアマゾン川流域を探索します。

すると、川の流域にある金の鉱山から排出された屑石の中から、青緑色の石を見つけました。宝石商はこの石を、自分が手に入れた青いフェルスパーと同じものだと勘違いしてしまいます。

そして、この青緑色の石を「アマゾナイト」の名で市場に持ち込みました。(ちなみにこの石は、クォーツの一種だったのではないかと言われています。)時代が下るにつれて、いつしか、青緑色のマイクロクラインがアマゾナイトと呼ばれるようになったという説です。

神話になぞらえた説

アマゾナイトと神話、名前の由来

そもそもアマゾン川という名前は、アマゾン川を探索した探検家「フランシスコ・デ・オレリャーナ」が、ギリシャ神話に登場する女人族「アマゾネス」にちなんで名付けたと言われています。オレリャーナは川の雄大さと空の色にギリシャ神話の世界を見出し、それを結びつけました。

それと同じように、当時の宝石商も、この石の鮮やかな青緑色にアマゾネスの神話を見出して「アマゾナイト」と呼ぶようになった、という説です。

これら2つの説のどちらが正しいかは定かではありませんが、どちらが正しかったとしても、アマゾナイトがアマゾン川流域からは産出されないということは揺るがぬ事実です。その事実が判明した今でも、アマゾナイトはそのままの名前で呼ばれ続けているのです。

アマゾナイトの石言葉

アマゾナイトの石言葉

アマゾナイトの石言葉は諸説ありますが、一例として「希望」や「行動」といったものがあります。また、精神面に強く働きかけるとされ、明るい性格や精神面の柔軟性や強さを高めてくれる石とされています。

ギリシャ神話では、アマゾネスは心身ともに強く勇ましい女戦士として描写されています。アマゾナイトの石言葉にも、彼女らの精神的・肉体的な強さが反映されているのです。

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アマゾナイトの意味

アマゾナイトの意味

古くから多くの文化で価値を見出されてきたアマゾナイトには、深い意味も込められています。アマゾナイトを象徴する意味について、詳しく掘り下げてみましょう。

平衡と調和

アマゾナイトは、持ち主に精神的な平衡と調和をもたらす意味があります。感情の安定を助け、ストレスや不安を和らげるのです。精神的に不安定になりそうなとき、アマゾナイトは心の平和を取り戻してくれます。

直感と洞察力の向上

アマゾナイトは直感力や洞察力を高める石としても知られています。この石を身につけることで、直観的な判断力が強化され、より深い洞察力を発揮することができます。新しいアイデアや創造的な思考を刺激し、問題解決や意思決定の際にも役立つと言われています。

コミュニケーション能力の向上

アマゾナイトは、コミュニケーション能力を向上させる意味も持っています。人との対話や表現のスキルを高め、自分の考えや感情をより明確に伝えるのに役立ちます。人間関係を改善したいときや、周囲の人々と円滑なコミュニケーションをとりたいときにおすすめです。

アマゾナイトのパワーストーンとしての効果

アマゾナイトのパワーストーンとしての効果

アマゾナイトはパワーストーンとしての効果も人気のひとつです。どんな効果を持つと言われているのか詳しく見ていきましょう。

エネルギーと活力を高める効果

アマゾナイトは、身体的および精神的なエネルギーを活性化する効果があると言われています。身につけることで活力を与え、日々の生活に必要なエネルギーを与えるのです。また、精神的な疲労感を和らげ、新しい活動への積極性を高める効果もあるとされています。

ストレスや不安を軽減する効果

アマゾナイトは心の平穏をもたらし、ストレスや不安を和らげる効果があります。感情のバランスを取り、気持ちを安定させる力を持っていると言われています。日常生活におけるストレスや不安を軽減することで、心の健康をサポートし、リラックスした状態を保つことができるでしょう。

インスピレーションを促す効果

またアマゾナイトは、創造性とインスピレーションを刺激する石です。新しいアイデアや創造的な思考を促し、インスピレーションを与えると言われています。直感力や洞察力を高めることで、問題解決や決断をサポートする効果もあります。

アマゾナイトの使われ方

面白い特徴や歴史、石言葉を持ち、人々に愛され続けてきたアマゾナイト。現代でも、アマゾナイトはさまざまな用途で用いられています。ここでは、現代におけるアマゾナイトの使われ方をご紹介します。

アクセサリー素材としてのアマゾナイト

アマゾナイトは、その爽やかな色合いからアクセサリーとしても人気があります。宝石らしい、ギラギラした強い輝きが苦手という方でも、ナチュラルな雰囲気のアマゾナイトならコーディネートの中に自然に取り入れられるでしょう。

また、アマゾナイトは天然石の中では比較的安価なため、ハンドメイドアクセサリーの材料としてもよく使われます。たとえば、やや大ぶりなルースやカボションなら、天然石ペンダントにぴったり。アマゾナイトを素朴なマクラメ編みのペンダントにすれば、カジュアルな普段着スタイルのワンポイントになってくれるでしょう。

また、ワイヤーフレームのペンダントにすれば、爽やかな色合いに繊細な雰囲気がプラスされ、キュートさを追求したコーディネートにもマッチしてくれます。

アマゾナイトの使用例を紹介

小さな天然石ビーズやタンブル(さざれ石)なら、天然石の一粒ピアスにするのも素敵。耳元をシックで繊細な輝きが飾って、上品な雰囲気を演出することができます。また、天然石ブレスレットにすれば、優しい青緑色が手元を飾ってくれることでしょう。

アマゾナイト単体だけでなく、トルコ石などの同系色の石、ラブラドライトやアメジストなどの柔らかな色味が特徴の石と組み合わせることによって、アクセサリーのバリエーションはますます豊かになっていきます。どんな組み合わせで美しい色合いを演出できるかは、ハンドメイドアクセサリー職人の腕の見せ所ですね。

その他の使われ方

アクセサリーとしても人気のアマゾナイトですが、色合いの美しさから、コレクターの間では鉱物標本としても人気の的になっています。アマゾナイトの色は鮮やかであればあるほど、高い価値を持つものとなります。たまには、原石そのものの美しさを堪能してみるのもいいかもしれませんね。

アマゾナイトのモース硬度

アマゾナイトの性質と取り扱い

価格も安価で、ハンドメイドアクセサリーとしては手に入れやすいアマゾナイトですが、その取扱いにはいくつかの注意点があります。

まず、アマゾナイトは「へき開」という、ある方向に対して割れやすい性質を強く示す石です。そのため、衝撃や温度の急な変化に弱いので、カットしたり研磨したりする際は気をつけてください。モース硬度は6から6.5と、一般的な宝石に比べるとやや弱いです。アマゾナイトよりも硬度の高いアメジストなどと組み合わせると傷がついてしまう場合もあります。

また、熱に弱く、加工する時の熱で退色してしまうことも。加工の際だけではなく、お手入れの際も超音波洗浄などはやめた方がよいでしょう。ただ、水には強いので、中性洗剤を薄めた洗浄液で洗ってあげることで、その美しさを保つことができます。このようなお手入れのしやすさも、アマゾナイトの魅力の一つです。

まとめ

アマゾナイトの説明についてのまとめ

アマゾナイトは宝石としてはあまりポピュラーではありませんが、翡翠やトルコ石にも引けを取らない美しさを持つ石です。

アマゾナイトは取扱いのしやすさも相まって、今後もどんどん需要が高まってくる天然石の一つでしょう。ぜひとも、本物を手にして、その美しさをご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

アマゾナイトの鉱物データ

英名Amazonite ・ microcline
和名天河石(てんがせき)、微斜長石(びしゃちょうせき)
分類ケイ酸塩鉱物
グループ長石(カリ長石)
化学式KAlSi3O8
灰、白、 帯黄、青緑、緑
モース硬度6-6.5
劈開性完全
屈折率1.52-1.53
結晶系三斜晶系
断口凹凸
条痕白色
比重2.56-2.59
光沢ガラス光沢~絹糸状
石言葉希望
流通名アマゾナイト、ホープストーン、マイクロクライン、マイクロクリン
オンラインストア
アマゾナイトを使用した素材の紹介

アマゾナイトのアイテム一覧

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