サンストーン|その輝きが秘めるエネルギーとは?

サンストーンの解説

この地球上には、3000種類以上の鉱物が存在します。鉱物愛好家やラグジュアリーな宝石なら何でも持っているセレブリティらは珍種や新種の希少石を兎角好みがちです。
宝石と呼ばれるからには、色や輝き、また装飾品として耐えうる硬度も必要になってきます。新しく産出された鉱物がどんなに美しい色をもっていても、大抵は硬度が弱く宝石として世に出ることはありません。

今回ご紹介するサンストーンは比較的新しく世間一般に知名度はまだ低いですが、先駆け的なコレクター達の間で人気が高い天然石の一つです。太陽のエネルギーをたくさん秘めた「サンストーン」の魅力をたっぷりご堪能ください。

この記事の内容

サンストーンとはどんな石?

サンストーンの別名は「へリオライト」と言い、ギリシャ語で「太陽の石」を意味する語源となっています。

落ち着いた静かな光を放つ「ムーンストーン」とは対照的に、太陽のようにキラキラとした赤褐色の輝きを放つことから「サンストーン」と呼ばれるようになったと言われています。
ちなみにムーンストーンの和名は「月長石」に対して、サンストーンは「日長石」です。

サンストーンの色

サンストーンの色について

サンストーンの地の色は、透明無色から淡い黄色です。
インクルージョン(内包物)により赤色や赤橙色、茶系の色味を帯びた針のような光沢を出すサンストーンもあります。
希に緑色に光る物や、バイカラーが出る物も存在します。

サンストーンのインクルージョンは、ヘマタイト、銅などを含み、その破片の大きさや産地によって多種多様な光を放ちます。サンストーンの中にうまく入り込んだ鉄や銅の金属の微細な欠片達は、光に反射しながらここぞとばかりにキラキラ感をアピールします。このようにインクルージョンによる輝きを放つ現象をアベンチュレッセンスと言います。

サンストーンの成分

サンストーンは、ナトリウム、カルシウムを含み、長い年月をかけてできた鉄などのインクルージョンが存在します。
サンストーンの分類は、フェルドスパーと呼ばれる長石に属します。

フェルドスパーグループは範囲が広く複雑ですが、一般的に知られている天然石として、ムーンストーン、ラブラドライト、サンストーン、アマゾナイト、アンデシン等があります。中でもサンストーンは、オリゴグレース(灰曹長石)に分類される光学変種で、インクルージョンは光を受けて煌めきます。
サンストーンの硬度は、6~6.5で比重は2.62~2.67で、アクセサリーとして存分にお楽しみいただける硬度を持っています。

サンストーンの品質価値

サンストーンの価値はピンからキリまであり、産地によっても異なりますが、その産地の中でも価格の幅があります。
中には希少性が高く、これから価格が高騰する兆しが見られるサンストーンもあります。

カラット数が大きい物、色や透明度、インクリュージョンが織りなす輝き方、加えてカッティング技術がより一層サンストーンの価値を生み出します。希にでる緑色や、バイカラーが現れるというサンストーンには中々お目にかかる事ができません。

サンストーンのモース硬度

天然石の硬度を測定する際に参照されるのが、モース硬度という尺度です。モース硬度は、鉱物の硬さを比較するために使われる10段階のスケールです。サンストーンのモース硬度は、おおよそ6から6.5の範囲に位置しています。

アクセサリーとして存分にお楽しみいただける硬度を持っていますが、比較的柔らかい鉱物であるため、日常的な扱いには少し注意が必要です。他の硬い物質との接触を避け、メンテナンスの際には柔らかい布で優しく拭くことで、サンストーンの美しさを長く保つことができます。

サンストーンの産出国

サンストーンは産出される国によって多様な色や輝きをもち、価値が変わってきます。
産地によっては最も希少性が高くルビーにも勝るとも劣らないサンストーンもあります。

では、サンストーンは産地によってどのような違いがあるのでしょうか?

オレゴンサンストーン

オレゴンサンストーンの説明

オレゴンサンストーンは、アメリカオレゴン州で産出される大変希少なサンストーンです。
1900年初頭、アメリカのオレゴン州の砂漠地帯で発見されました。
オレゴン産のサンストーンには、クリアな地に銅のインクリュージョンを含みます。鉄が主流のサンストーンと比べ銅には特別な光沢があり、虹色を放つアペンチュレッセンスがあるものもあり、様々な個性を発揮します。

オレゴンサンストーンは宝石としての価値が非常に高く、優しいピンク色から、独特の赤色やオレンジ色、希少な緑色などが存在します。赤色の美しい部分だけをカッティングしたオレゴンサンストーンは、ルビーやスピネルと見間違えるほどの美しさで希少価値があります。また、グリーンとレッドのバイカラーが出ているものも非常に希少です。全体に細かいラメをちりばめたような茶系のオレンジもエキゾチックでとっても魅力的です。

「オレゴンサンストーンは、アメリカの希少な宝石です。」

鉱山労働者達はそう言います。サンストーンを世界の主流となる宝石になるように情熱をかけているのです。オレゴンのサンストーンは1987年に州の石と認定され、米国産の天然で未処理の宝石として、現在大変注目を集めています。

鉱山労働者達の努力が実りそうな予感がします。

タンザニア産 サンストーン

サンストーンの産地による違い

アフリカ最高峰のキリマンジェロがそびえ立つことで有名なタンザニアで採れる宝石としてタンザナイトが有名ですが、2000年にマサイ族の青年によってサンストーンが発見され、コレクター達はざわつきはじめました。

高品質で艶やかで、「サンストーンってこんなに美しかった?」って驚いたのです。
タンザニア産サンストーンは、インクルージョンであるヘマタイトの薄片がクリアなベースに鮮やかな赤橙色がラメのようにキラキラと華やかに光ります。最も高品質で透明感のあるサンストーンはファセットカットされ、ダイヤモンドの中にちらちらと赤い破片が浮かび上がっているようで、幻想的な美しさです。

サンストーンは一般的にカボションカットされることが多いですが、ヘマタイトを多く含むサンストーンは、極めて希にキャッツアイの帯が見えることもあります。タンザニア産のサンストーンは、日本でも非常に多く流通しています。カボションカットされたペンダントトップやリング、ボタンカットされたビーズなど、ハンドメイド作家さん達は創作意欲が燃えるのではないでしょうか。タンザニア産のサンストーンは、まさにマサイ族の太陽の石と呼べますね。

インド産 サンストーン

サンストーンの産地の中でも人気のあるインド産サンストーンは、半透明な地に赤鉄鉱や針状の鉄鋼が混入し、インクルージョンが光を受けてキラキラとアペンチュレッセンスを発揮します。他の産地のサンストーンと比べてキラキラというよりもインドの強い太陽光の如くギラギラ感がやや強いものもあります。

何かインスピレーションを感じたら、インド産サンストーンは比較的親しみやすい価格でもあるので、迷わず迎え入れることができると思います。ブレスレットやネックレス、またはお守りとして、サンストーンからインドの太陽を感じてお楽しみください。

サンストーンに纏わる伝承

赤色の石と言えば、ルビーやガーネット、ブラッドストーンなどがあります。
古くから赤色の宝石は血を連想させることから、生命力の強化や、生きる力をみなぎらせる石として崇められてきました。また、戦いに行く兵士らは身を守る護符として大切にしていたと言います。

かつてアメリカ大陸には、たくさんの先住民族らが各々の部族に属し、文化を持ち自然を愛し平和に暮らしていました。ところがアメリカ大陸が発見され、侵略され、多くの先住民らが戦いを余儀なくされました。そんな戦士となったネイティブアメリカンの伝説にサンストーンがでてきます。

サンストーンの破片の上に戦士の血が落ち、赤く染まった石に戦士としての精神が刻まれ、聖なるパワーを宿したのだとか…。

サンストーンの解説、伝承

オレゴン州で発見される以前から、ネイティブアメリカンの間ではサンストーンは聖なる石として崇められていたのではないでしょうか。生き残ったネイティブアメリカンらは、その後の過酷な生活を経て今では、主にアリゾナ州とニューメキシコ州に居留地があり、アメリカ政府によって保護されています。インディアンの職人達が作成したハンドメイドジュエリーは、インディアンジュエリーと呼ばれ、日本はもちろん世界各地に流通しています。

シルバー台にターコイズがあしらわれた物をよく見かけますが、カボションカットされたサンストーンをのせた華やかで高級感のあるリングやペンダントトップもとっても素敵です。

サンストーンの意味

サンストーンの意味

サンストーンは、その名の通り太陽のような輝きを持つ美しい天然石です。サンストーンには様々な意味が込められており、特に成功や繁栄、自信と個人的な力を象徴する石として知られています。ここでは、サンストーンが持つ2つの重要な意味に焦点を当ててみましょう。

成功や繁栄への道を照らす石

サンストーンは、その明るく輝く外見から、「成功への道を照らす石」として多くの人々に愛されています。この石は、特にビジネスやキャリアにおける目標達成に役立つとされ、持ち主に対して前向きなエネルギーをもたらすと言われています。また、サンストーンを身につけることで、チャンスをつかむ勇気や、障害を乗り越える力を得ることができるとも考えられています。繁栄への願いを込めて、ビジネスマンや起業家にも人気のある石です。

自信と個人的な力を高める石

サンストーンはまた、自信と個人的な力を高める効果があるとも言われています。この石は、内面からの自信を引き出し、自己表現の勇気を促進する力を持っているとされています。人間関係や社会生活において、自己主張や意思決定を強化する手助けとなるでしょう。サンストーンを日常に取り入れることで、自分自身の価値を認識し、自分らしい生き方を選択する力が育まれると考えられています。

サンストーンの効果

サンストーンの効果

サンストーンは、パワーストーンとしても特別な効果を持つと言われています。ここではサンストーンがもたらすと言われている四つの主要な効果に焦点を当ててみましょう。これらの効果は、科学的な証拠に基づくものではなく、長い間の文化的な信念や伝統に基づいています。

ポジティブなエネルギーの強化

サンストーンは、その名の通り太陽のような明るさを象徴しています。この石は、持ち主にポジティブな気持ちをもたらし、日常生活において前向きな姿勢を取るのを助けると言われています。また、この石は、明るく楽観的な視点を促進し、生活に新たな活力を与えることができるとも考えられています。

リーダーシップの促進

サンストーンは、リーダーシップ能力を強化する効果があるとも言われています。この石は、決断力や自信を高めることで、リーダーとしての資質を引き出すとされています。ビジネスやチームの環境でリーダーシップを発揮する必要がある場合に、サンストーンは役立つかもしれません。

ストレスや不安の軽減

サンストーンは、ストレスや不安を軽減する効果があるとも言われています。この石は、心の平和と感情的なバランスを促進する力を持っているとされ、日々のストレスやプレッシャーからの解放を助けることができます。リラックスした心の状態を促進し、穏やかな気持ちをもたらす手助けとなるでしょう。

運気の向上

サンストーンは、幸運を引き寄せる石としても知られています。この石は、持ち主に幸運や成功をもたらすとされ、特に新しい冒険やビジネスの機会において運を味方につけると言われています。新しい挑戦を控えている人々にとって、サンストーンは運気を高め、成功への道を照らすサポートとなるかもしれません。

サンストーンをおすすめしたい人

サンストーンの意味、効果

有名なイソップ童話に「北風と太陽」がありますね。

北風と太陽が力比べをしようということになり、道を歩いている旅人が着ている服をどちらが脱がせることができるか競い合います。北風は強引に旅人の服を脱がせようと、ビュービューと強い風を吹きつけます。旅人は寒くなって上着のボタンをしっかりしめて防寒します。
次に太陽が旅人に暖かいぽかぽかとした日差しを照らします。暖かくなってきた旅人はとうとう上着を脱いてしまったというお話です。

このお話は、物事は力で解決するのではなく、ゆっくり時間をかけて相手が理解するように説得する方が効果あるということを教訓としています。サンストーンを見るといつもこの童話を思い出します。

サンストーンは、はっと目を引くような強引さはないけれど、じりじりと浸みて心に溶け込んで元気に前向きに進んでいける深いエネルギーを意味していると感じます。ではどんな時にサンストーンが力を貸してくれるのでしょうか。

落ち込んでいる時

仕事でミスをしてしまった…。友達と喧嘩をしてしまった…。人間誰でも落ちこむことはあります。友人に相談をしたり、飲んで憂さ晴らしをするのも良い方法です。

それでも引きこもりがちになってしまったならば、ここでサンストーンの登場です。石の中に広がるチラチラとした針のような光を見ていると、一つ一つの光線がスーっと心に差し込んできます。
心の中に抱えていたモヤモヤとした塊が、サンストーンの輝きによって静かに流れて解放された気分になるはずです。雲で覆われた暗い空よりも、太陽がまぶしく光り輝く空の方が誰だって元気になれますよね。そんな力もあり、サンストーンはストレスの発散にも効果があると言われています。

何かに挑戦している時

志望校を目指す受験生や資格試験合格を目指して頑張っている方、会社で新しいプロジェクトを任されている方など、何かに挑戦して努力している方には、是非サンストーンを身につけていただきたいです。
挑戦するという強いあなたのパワーに、サンストーンのより一層のエネルギーが加わり、勝利へと導いてくれる護符になります。今までの積み重ねてきた経験は大きな自信と勇気になります。

運は持って生まれた物と言いますが、その運も培ってきた準備と努力がなければ味方にはできません。サンストーンは、頑張るあなたの背中を押してくれます。

サンストーンについて まとめ

サンストーンについての解説まとめ

サンストーンの魅力について、十分に堪能していただけましたでしょうか?
流行というものは、天然石においても新種の鉱物の発見や、影響力のあるインフルエンサーなど、いつでも確認できる世界中の情報網により移り変わっていきます。

圧倒的な知名度とブランド力で君臨する宝石達の中に近い将来サンストーンが加わる日が来るかもしれません。そんな日が来たら「え、今頃サンストーン?とっくの昔から持っているわよ。」って鼻高々に言えますね。
サンストーンがまだ深く浸透していない今だからこそ、時代を先取りしてみませんか?

サンストーンは希少石であり、現在注目度の高い天然石です。そして元気がわくお守りとして一つは持っていたい、サンストーンはそんなパワーストーンです。

サンストーンの鉱物データ

英名・宝石名Sun stone
和名日長石(にっちょうせき)、灰曹長石(かいそうちょうせき)斜長石系列
分類ケイ酸塩鉱物
化学式(Na,Ca)Al1-2Si3-2O8
淡黄、無、赤、橙、褐色
モース硬度6〜6.5  
劈開性2方向に完全
屈折率1.54-1.55
結晶系三斜晶系
断口凹凸~貝殻状
内包物ヘマタイト、コッパー、マイカ、レピドクロサイト、ゲーサイト
条痕白色
比重2.63-2.67 
光沢ガラス光沢
誕生日石該当なし
石言葉勇気
流通名ヘリオライト、オリゴクレース、アベンチュリン・フェルドスパー
オンラインストア
サンストーンのビーズ

サンストーンのアイテム一覧

このコラムで紹介しているサンストーンの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。

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