5月の誕生石|エメラルド・翡翠(ひすい)

5月の誕生石はエメラルド

5月の誕生石エメラルドと翡翠(ひすい)です。暦上では夏の始まりとなる初夏の5月、本格的な夏が到来する前の爽やかさを感じる季節です。今回はそんな新緑のように美しい、5月の誕生石であるエメラルドと翡翠(ひすい)についてお話します。

この記事の内容

5月の誕生石は、エメラルドと翡翠(ひすい)

誕生石の起源は諸説あります。

• 占星術の発祥の地であるカルデアから生まれたという説
• 新エルサレムの都の12城塞それぞれの土台を装飾した宝石説
• イスラエル大祭司の胸当てにはめ込まれた宝石説

現在5月の誕生石には、「エメラルド」と「翡翠(ヒスイ)」が定められています。

5月の誕生石、エメラルドとは?

5月の誕生石、エメラルドの基礎知識

5月の誕生石と言えば、エメラルドを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。エメラルドは、ベリルという六角柱状の鉱物の一種で、クロムやバナジウム等の成分によって緑色に発色します。同じベリルでできているその他の宝石には、水色が美しいアクアマリンや、ピンク色のモルガナイトなどが挙げられます。

薄いグリーンから濃いグリーンまで、幅広い緑色を持つエメラルドの語源は、古代インドで使われていたサンスクリット語の「緑」、もしくはギリシャ語の「緑の宝石」に由来していると言われています。

この美しいエメラルドができる生成過程は、過酷で特別な環境です。そのため、通常エメラルドは無数の傷を内包しています。事実、傷のないエメラルドはほとんど存在しません。宝石としての価値は、傷の程度や透明度の高さ、また色の鮮やかさに比例して高くなるのが一般的です。

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エメラルド以外にも。5月の誕生石、翡翠(ひすい)とは?

5月の誕生石、翡翠(ひすい)

5月の誕生石には、エメラルド以外にも翡翠があります。翡翠はエメラルド同様に緑色のイメージがありますが、実はカラーべリエーションが豊富で、さまざまな色が存在します。そもそも翡翠は、主にミャンマーで産出される硬玉(ジェイダイト / ジェイド)ロシアやカナダで産出される軟玉(ネフライト)の2種類がありますが、特に硬玉は黄・黒・赤・オレンジ・ラベンダー色などさまざまな色をしたものが見られます。最高級の翡翠は、濃く艶やかなエメラルドグリーンをした「ろうかん」です。「翡翠の皇帝」と呼ばれ、高額で取引されます。

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5月の誕生石 石言葉

エメラルドの石言葉

5月の誕生石、エメラルドの石言葉

エメラルドの石言葉は「幸運」です。

この石を身に着けると「愛」と「叡智(えいち)」がもたらされると言われています。古来より誕生石は、「特別な力」を持つとされ、その月に生まれた人々を癒し、護る力を持つと信じられてきました。

このエメラルドも例外ではなく、5月生まれの人が身に着けると加護を受けられると言われています。見た目においては、エメラルドが持つ美しいグリーンカラーは、持ち主に上品さ・落ち着きといった印象を与えてくれます。

翡翠(ひすい)の石言葉

5月の誕生石、翡翠(ひすい)の石言葉

翡翠の石言葉は「平穏・慈悲・健康」などで、中国では、五徳「仁・義・礼・智・勇」を高めるとも信じられています。

5月の誕生石を身につける意味

エメラルドを身につける意味とは

エメラルドを身につける意味とは

エメラルドの深い緑は、ただ目を楽しませるだけでなく、心にも深く響きます。この宝石は、日々の生活の中で新たな始まりを迎える勇気をくれます。また愛と誠実さの象徴として、人間関係の中での理解と調和を深め、より豊かな愛情を育む手助けをしてくれるのです。

心の癒しという側面では、エメラルドは穏やかな安らぎをもたらし、精神的なストレスや負のエネルギーから私たちを解放します。その結果、心の平和と安定を感じることができるのです。さらに、難しい決断を迫られた時には正しい道を選ぶ手助けをしてくれるでしょう。

エメラルドを身につけることは、石が持つ意味を自分自身の生活に取り入れ、ポジティブな変化を促す行為です。真実の愛を求め、心の平穏を守りたい人々に、エメラルドはぴったりな宝石です。

翡翠(ひすい)は特別なお守り?

翡翠は、古来より「奇跡の石」と呼ばれ、護符としても珍重されてきた歴史を持ちます。縄文時代には、C字形に曲がり、一端に穴があいている勾玉(まがたま)の材料として使われていました。

勾玉は特別な力を持ち、魔除けや厄除けの意味で身に着けられていたと考えられており、その名残りからか現在でもパワーストーンとしても人気があります。

三種の神器「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」

5月の誕生石、翡翠(ひすい)の勾玉について

先程、勾玉についてお伝えしましたが、日本には皇位の象徴、つまり「天皇のしるし」とされる三種の神器が存在し、この勾玉はそのひとつです。

• 八咫鏡(やたのかがみ)
• 草薙剣(くさなぎのつるぎ)
• 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

これら三種の神器は、言うなれば日本の宝です。その中で実物が残っているとされるのはこの八尺瓊勾玉だけ、他の2つの神器は、実物から分祀し神力を備えたレプリカと言われています。

日本の神話の中には、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した際に、この八尺瓊勾玉を天照大御神(アマテラスオオミカミ)に献上したと言い伝えられています。この八尺瓊勾玉は、今でも歴代天皇に大切に受け継がれ、「承継の儀」や「即位の礼」で用いられます。しかし三種の神器は謎に包まれており、いつ誰によって作られたか、大きさなども分かっておりません。なぜなら実物は天皇でさえも見たことがなく、神聖さゆえ人々の目から隠されているからです。儀式の際にもレプリカが用いられ、さらにそのレプリカさえも公開されていません。

草薙剣のレプリカと八尺瓊勾玉は、今でも天皇の邸宅である御所の「剣璽の間」に納められ、八咫鏡(やたのかがみ)のレプリカは、宮中三殿という賢所(かしこどころ)に安置されています。三種の神器のひとつであり、日本の宝・天皇の象徴である八尺瓊勾玉が翡翠でできているのかは定かではありません。しかし、歴史や神話から考えると可能性としては大いにあるでしょう。

存在は肯定されているのに天皇陛下はおろか誰も見たことがない八尺瓊勾玉

そして本当にレプリカではなく、遠い昔から実物が現在にまで伝承されているとすれば…

この目で見ることは叶いませんが、神々しいその存在を知りうるだけでも素晴らしく、日本人としては光栄なのかもしれません。ちなみに翡翠は、2016年に水晶に変わって日本の国石に選ばれています。

5月の誕生石 主な産地

エメラルドの産地

5月の誕生石エメラルドの産地

エメラルドの産地と言えば南米大陸のコロンビアが有名ですが、南極以外の全ての大陸で産出されています。コロンビア以外の主な代表的な産地は、ブラジル、ザンビア、ロシアなどです。

産地ではありませんが、ヨーロッパに「エメラルドの島」という愛称で呼ばれる国があります。それは北西ヨーロッパに位置するアイルランド共和国です。アイルランドが、エメラルドアイル(Emerald Isle)、つまりエメラルドの島と呼ばれ始めたのは18世紀です。作家ウィリアム・ドレナンが詩の中で母国アイルランドを「ヨーロッパのエメラルド」と呼んだことに由来します。

アイルランドのいたる所で見かけることができる、美しい緑の芝草とそれに覆われたなだらかな丘は、アイルランド島全体をエメラルドの島と呼ぶに相応しい美しい光景をつくりだします。ため息が出るような美しい海をエメラルドグリーンと言うように、エメラルドは美しい緑を形容する際の代名詞とも言えるでしょう。

翡翠(ひすい)の産地

翡翠の産地

翡翠の代表的な産地はミャンマーです。また、日本では新潟県糸魚川市で産出される翡翠が有名です。

縄文時代に糸魚川市で翡翠が発見され、勾玉などに加工されて装飾品として珍重されてきました。現在でも、糸魚川の海岸では翡翠が見つかることがあります。

その他、ロシア、カザフスタン、インドネシアなどのさまざまな国で産出されています。

5月の誕生石の魅力とは

エメラルドの魅力

5月の誕生石、エメラルドの魅力とは

エメラルドの魅力は言うまでもなくその美しさにあります。もう一つの魅力を挙げるとすれば、その不完全さでしょう。天然のエメラルドは、多かれ少なかれその内部に傷を持ちます。傷がなく、透明で美しすぎるエメラルドは人工的に作られたエメラルドです。人工エメラルドの素晴らしさについては別の機会でお伝えするとして、天然のエメラルドの持つ「傷」は、完璧な美しさという面では不完全です。しかしそれでもエメラルドは人々を魅了してやみません。

エメラルドと人間に傷のないものは無い。人間同様、不完全さは自然界の万物に共通する本来あるべき姿です。魅力を損なうのではなく、不完全だからこそ美しいという哲学も垣間見える宝石です。では最後にエメラルドが持つその美しい緑色の魅力を、古来の文献を参考にしながら、少し掘り下げてみたいと思います。

2000年前の古代ローマの博物誌に記されたエメラルドの緑

5月の誕生石、エメラルドの色について

今から2000年以上前の古代ローマ時代に書かれた「博物誌」にエメラルドに関する記述があります。博物誌は全37巻からなり、地球上のありとあらゆる事象を記録し、今もなお読み継がれる自然誌事典です。天才劇作家として有名なあのシェイクスピアも愛読していたと言われていますが、その博物誌の第37巻、宝石について記されている章でエメラルドはこのように評されています。

これほど魅力的な色は他に存在しない。植物や樹葉を眺めるもの楽しいが、エメラルドは比べるとそれら以上である、なぜならエメラルド以上の緑色はないのだから。

原文 
No colour is more delightful in appearance. For although we enjoy looking at plants and leaves, we regard Emeralds with all the more pleasure because compared with them there is nothing that is more intensely green

エメラルドが放つ緑色以上の緑色はこの世に存在しない、というエメラルドへの最大級の賛辞と言えます。この博物誌の著者ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(通称:大プリニウス)は、さらにエメラルドについて以下のように言及しています。

私たちはエメラルドを見つめることで、酷使した目をも回復させることができる

ちなみにこの博物誌より数千年前の古代バビロニア王国では、エメラルドは実際に眼病を治すための呪術に使われていたという言い伝えも残っています。大プリニウスは非科学的で根拠のないことは信じない人物として知られていました。しかし、そんな彼でも自身の目でエメラルドを見て何かを特別な力を感じずにはいられなかったのでしょう。

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翡翠(ひすい)の魅力

5月の誕生石、翡翠(ひすい)の魅力とは

翡翠は特に日本人の心をゆさぶる宝石と言えます。見た目は艶やかで、何かを宿しているような力を感じるとることもできます。光り輝いて仰々しく自らを主張することはありませんが、確かな存在感で身に着けると安心感すら感じます。

翡翠は天然石として気軽に手に入れることができます。先程の勾玉の形状をしたものも下記で取り扱っていますので、ぜひ一度手に取って普段の生活で身に着けてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は5月の誕生石であるエメラルドと翡翠(ひすい)についてお伝えしました。宝石の歴史や背景を知れば、これまで持っていたのとは異なる印象を持ったり、新たな魅力に気付くこともあります。宝石には宝石の歴史がありますが、お気に入りを見つけて身に着けることで、自分と宝石との世界が始まります。

宝石というと高価で手の届かないイメージがありますが、手軽に手に入れられるものはたくさんあります。ぜひお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。また、ハンドメイドジュエリーとして、自分好みに生まれ変わらせるのも素敵なアイデアだと思います。

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